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茨木參事 最近
院内において
盗難が非常に多くなりましたことは、まことに遺憾に思つております。
盗難は戦前、
戦争中、
戦争直後にはほとんどなか
つたのでありますが、最近の
國会におきましては、これが非常に殖えてきております。件数としては
警務課へ届けられたもの、さらにそれ以外にまだ相当あるのじやないかと思います。第一
國会では十一件、第二
國会においては二十二件ありました。これは外部の方と
議員さんの方の
盗難でありまして、
事務局の
盗難はこのほかにまだ相当あ
つたのであります。
これにつきましては、私
たち防犯の点につきましては、少い衛視の手を借りまして、特別に
院内を巡視させるということをやりましたが、何しろかばんや外套になりますと、持つている本人のものか、あるいは他人のものを盗んだものかの判断が非常につきにくいので、
効果が上つておりません。それから
盗難がありましたら、すぐに
警務課へ届け出でまして、私
たちの方で警察官と連絡しまして、出入口その他の捜査に万全を期したのでありますが、
盗難がありましても発覚までに相当時間がかかり、なお
警務課に届けられるまでに相当の時間がかかりますので、犯人の院外に脱した後に
手配をするというような結果になつております。私
たちの方では
盗難がありますれば、すぐに
所轄署に届けて、できるだけの
手配はいたしましたが、
効果がなか
つたのであります。これは遺憾なことでありました。それで
警務課としてのお願いですが、要するに
盗難が多くなりますのは、
院内に出入する人が非常に多くな
つたという関係が、大きな原因だと思いますので、できれば
貴重品は下の
携帯品置場に預けていただきたい。そのほかの身近に置かれる必要のあるものは、
貴重品箱のようなものをつくりまして、
議員さんに相鍵をお渡しして、そこへ入れておくことにすれば
盗難も防げるのじやないかと考えます。