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1948-06-15 第2回国会 衆議院 議院運営委員会 第51号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十五日(火曜日)     午後一時二十五分開議  出席委員    委員長 淺沼稻次郎君    理事 坪川 信三君       石田 博英君    稻田 直道君       小澤佐重喜君    高橋 英吉君       益谷 秀次君    金野 定吉君       庄司 彦男君    笹口  晃君       山下 榮二君    吉川 兼光君       小島 徹三君    椎熊 三郎君       神山 榮一君    大森 玉木君       石田 一松君    平川 篤雄君       成重 光眞君    中野 四郎君       榊原  亨君  委員外出席者         議     長 松岡 駒吉君         副  議  長 田中 萬逸君         文教委員長   松本 淳造君         議     員 徳田 球一君         事 務 総 長 大池  眞君 六月十五日委員佐々木更三君及び高橋長治君辞任 につき、その補欠として庄司彦男君及び大森玉木 君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  議員歳費及び手当等に関する件  会期に関する件  教育勅語等排除に関する決議案取扱いに関す  る件     —————————————
  2. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これより議院運営委員会を開きます。  最初に歳費の問題につきまして事務総長から、事務当局でこの前衆参両院の打合会で決めたものに対しての参考案のようなものができておりますから、それを御披露願つて議事を進める土台にしたいと思います。
  3. 大池眞

    大池事務總長 この前両院のお打合会を願いましたときに、議長歳費は二万五千円、副議長歳費は二万三千円、一般議員の方は二万円ということにお打合せの結果なりまして、滞在手当は今の百円が三百円に、通信手当が二千円、議員秘書の給料が六千円、こういうことに相なりまして、その案を持つてまいつた結果、もう少し理論的なものを持つてくるようにとのお話でありました。従いまして理論的なものででき得る限り多くこのお打合せの案に近いものを一応考えてみたわけでありますが、その考えて参りました論拠と金額を御報告申上げまして御再考を願いたいと思います。  まず議長歳費二万五千円は少しも差支えないではないかと私ども理論的に思います。それは内閣総理大臣が現に二万五千円、最高裁判所長官が二万五千円でありますので、行政、立法ならびに司法の最上の地位におられる方は、二万五千円で何ら差支えないと考えます。それから副議長の二万三千円と議員の二万円について、これを理論づけて持つて来るようにという向う意向は、私の想像するところでは國務大臣と同格というのはいかがなものであるか、従来の各省次官というものが一般官吏の最上級ということに相なつておりました結果、その次官國務大臣の間のものを定めるべきだという観念が向うにあるのではないかと考えております。従つて國務大臣同額よりも、一般次官との中間を求めるということになれば、二万円以下の所で理論づけなければならないと思います。今二万円を受けておりますものは、國務大臣会計檢査院長及び檢査官、人事委員長及び人事委員特命全権大使、それから最高裁判所の判事、檢事総長、これだけが二万円であります。その次に位するものは東京高等裁判所長官の一万九千円、それから一万八千円は宮内長官とその他の高等裁判所長官東京高等檢察廳檢事長この三者が一万八千円になつております。次に一万七千円というところで檢事長次長檢事というようなものがあります。その下は一万五千円になりまして、侍従長特命全権公使というところになつております。そこでまず一万八千円か一万九千円のいずれかを議員について考える。それならばいずれをとるかと言いますと、一万九千円でもよろしいのでございますが、一万八千円の方が後から理屈がつくと思います。それは歳費としては一万八千円でありますが、滞在手当等を加えませんと実際の合計が出てまいりませんから、その意味で一応私が考えた点でありますが、一万八千円が穏当ではないかと思います。議長は二万五千円、副議長は二万円、議員が一万八千円こういうものが適当ではないかと考えます。そこで内閣総理大臣その他の最高裁判所長官の二万五千円は、それだけではありません。そこに勤務地手当というのが三割つきますから、一箇月にもらう全額は三万二千五百円と相なります。従いまして今の議員の一万八千円と比較しますと宮内長官以下の三者は三割のあれをもらいまして全額で二万三千四百円に相なります。そこで滞在手当というものが問題になりますが、滞在手当議員議会開会中は東京におらなければならない。いわゆる勤務地手当に該当するものと解釈すれば、滞在手当を当然もらつてもいいと思います。滞在手当はいま百円でありますが、これを二倍にして二百円と計算いたしますと、月六千円になります。従つて議長の二万五千円にそれが加わりますと、全額で三万一千円になります。総理大臣等とは千五百円違いますが、その六千円には税金がかかりませんので、実収の面においては大体同額ということで通ると思います。副議長の方は二万円といたしますと一般國務大臣は二万六千円になります。これにいまの滞在手当二百円の一ヶ月六千円を加えると二万六千円で同額になります。議員の一万八千円に六千円を加えますと二万四千円になります。宮内長官高等裁判所長官は一万八千円に五千四百円を加えますと二万三千四百円で、ここに六百円多くなることになります。形式論的には一万八千円をとつた方が一応の筋が通ると思いますが、その点について一応御検討を願いたいと存じます。
  4. 石田博英

    石田(博)委員 滞在手当は確かに筋が通ると思いますが、附随しているものがいろいろ違つてくるんじやありませんか。たとえば自動車、官舎等特殊な待遇を受けていたり、家族手当も受けているといつたように……。
  5. 大池眞

    大池事務總長 國務大臣等は、家族手当はもらえません。勤務地手当が三割もらえるだけであります。
  6. 石田博英

    石田(博)委員 官舎、自動車事務所、それに資料蒐集にしても非常に条件が違いますし、大体任地に家族と共に住める立場になつているのであります。議員はまず原則として東京選挙区の諸君を除いてはほとんど二重生活を強要されております。従つて滞在雑費の点は合計額に拘束されることなく、そういう点を加味して実際の費用に近づけて、具体的にいえば少くとも三百円程度にした方が理論上はつきりしたものになると思います。
  7. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 議長、副議長議員に関する事項はそれでよろしゆうございますか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。  次に秘書及び通信費について事務総長の御説明をお願いします。
  9. 大池眞

    大池事務總長 この前通信費をとるのはやむを得ないからクーポンにせよという議論がありました。いまのところ一応二千円というものは筋が立つておるわけであります。現行の百二十五円というのを認めたことがいけないというならば別問題でありますが、現行の百二十五円が認められておるのでありまして、通信料の三十銭が五円になつておりますから、これは一応の筋が立つと思います。それから秘書の点であります。秘書の六千円というのは理論上どうしても考えられない。なるほど秘書その他を優遇すればいい秘書を持つことができて、議員さんは便宜であることは了承できますが、現在の一般公務員法関係では六千円は十一級職のつまり中央官廳課長級の一番上が六千円で、最低のところでは各省部長級が六千円から七千円までとなつております。ただ私どもが一応理屈を言えると思いますのは現在の二千三百円というのは、千八百円ベースになりました、際に、千六百円ベースの時代の千百二十五円が倍額になつたわけです。それならば今の二千九百二十円なら幾らになるかという比率をいいますれば、現在は千八百円が二千九百二十円になりましたから、それに数えてみれば、三千七百三十一円となります。ところがその二千九百二十円ベース全額に直して三千七百円がベースになります。そうなりますと、四千七百二十七円というものが秘書の千八百円ベースを現実に伸ばした数字になります。四千七百円というものはどこに該当するかと調べてみますと、各省係長級になります。従つて四千七百円から五千円までの間というようなものでもつていけば、現在の二千三百円は当然の値上りによつて直したものであるという理由で、四千九百円から五千円のところで食い止めるならば理論的に通るのではないかと思います。
  10. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ほかに御異議はございませんか——そうるすと通信費は二千円、秘書に関する支出五千円というところで折衝することに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。議員待遇に関する件は議了いたしました。     —————————————
  12. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 次に会期に関する件を議題に供します。  会期に関する件は昨日の委員会におきまして、本日午前十時より委員会を開いて最終決定をなすということに、私から申上げておきましたが、本日議題にして御協議を進めていただきたいと思います。
  13. 石田博英

    石田(博)委員 会期の問題については、民主自由党内部におきまして、役員会を開催し、数次にわたつて議論を行つておりますが、本日に至るも議論がございまして、まだまとまつていないのであります。従つてこれを本日議題とせられることは、なお会期の二十日までに五日、六日ありますから、いましばらく御猶予を願いたいと思います。
  14. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 今日は延ばしてもらいたいということの動議ですが、いかように取扱いましようか。
  15. 椎熊三郎

    椎熊委員 会期の問題は今日の委員会最終決定をしようということで、異議なしときめたのですから、今日きめることにしましよう。
  16. 石田博英

    石田(博)委員 今日最終決定をしようというのは、この委員会決定したことではなくて、委員長希望的見解を述べられたものと了解いたしております。この問題については私ども党としては鋭意論議を進めております際なので、議事を円満に進められるという建前から、しばらくの時間的の猶予をいただきたいと思います。
  17. 石田一松

    石田(一)委員 私はただいまの石田君の党内意見のまとまらないということについては、いくらか同情することもできますが、会期を延長するかしないかということは、われわれ議員のもつておる予算審議権を完全に行使できるかどうかという、大きな問題にかかつておると思います。その観点に立つて少くとも客観情勢では、二十日までの会期では衆参両院を本予算案が通過する見込みがないという観点に立つて会期の問題は決定していきたい。今日あらためて、会期決定するかどうかを諮つて結論従つてつていただきたいと思います。
  18. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 いま石田君が言われるように、私の方の内部の話ですが、三つ意見がある。はたして二十日までに審議ができるかどうか。またせんだつて延ばさないときめたにもかかわらず延ばさなければならないということも考えなければならないという議論会期はこれをもつてしまいにすべしという、三つの考え方になつております。そこで会期が明日で終るというように追つているなら別問題ですが、こういう問題についてどこまでも動議を採決したり、あるいはまだ党派的に決まつておらぬものを、無理に強行しようというならばそれは自由でありますが、結局この問題に限らず、定則数の問題もいきおい出てくると思います。それではかえつて混乱を来すから、そこまでいかなくてもと思い懇談的に申し上げているわけです。
  19. 石田博英

    石田(博)委員 民主党、社会党の党内事情十分同情をもつて希望通りにしたいが、今回は私ども党内に小沢君がいわれるように三つ意見があつたことは事実であります。今日決定を見るかどうかわかりませんが、決定しますまで暫時の時間的の猶予をいただきたいという希望であります。多数をもつて通すならばやむを得ない。従つてそれに対しては私どもとしては、やはり合法的な対抗手段を考えざるを得ない。そういう責任を一切負われるならば御自由でありますが、円満に進めるお考えならば私ども希望について考慮していただきたいと思います。
  20. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 速記をやめてください。     〔速記中止
  21. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま民自党からの要求もありまして、しばらく党議の決定するまで待つてもらいたいとのことであります。従つて明日一日待つて、明後日の午前中に会議を開いて必ずきめる。これは必ずきめるということを前提として、明日一日延期することでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 明後日の午前中に委員会で態度を決定して、議長に答申して、議長におかれては参議院議長と話し合いの上、午後の本会議提案するということの話合いを議院運営委員会として決定して御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  24. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 この際文教委員長から発言を申し込まれております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 淺沼稻次郎

  26. 松本淳造

    松本文教委員長 二十日くらい前からG・Sに呼ばれまして教育勅語につきましてこの際効力がないということを、明らかにせよということで、一体ならポツダム宣言によつてオーダーを出す予定であるが、それよりも國会で、自主的にした方がよくはないかというお話がきつくありました。そこでそれに対しまして約二週間、参議院文教委員長と折衝いたしましたが、やはりこの際意思表示をする必要があるということで、文教委員会では決定したわけであります。どういう方法をとるかというと院議で決議案を上程したらよろしかろうということになつて、後ほど案文を差上げますが、適当の機会に上程を願いまして、できれば参議院と同一の日に上程したいというその点を御了解願いたいと思います。  いま一つは提案者でありますが問題が問題ですから、各党共同提案にいたしたい。各党幹事長政調会長を歴訪いたしまして大体の御了解は得たわけでありますが、なるべく各位に御了解を得たいと、かように考えております。何分ともよろしくお願いいたします。
  27. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま文教委員長から御提議になりました教育勅語に関する決議案で、何か御意見がございますか。
  28. 石田一松

    石田(一)委員 私たちの文教委員の報告によりますと、この教育勅語憲法の九十八条に反するということでありますが、衆議院文教委員会憲法違反であるかどうかということの決ができるものか、疑問をもつております。私は憲法に関する限り、憲法違反の問題は最高裁判所決定すべきもので、衆議院決定すべきものではないと思います。取扱いをそういうふうにもつてつてもらいたいと思います。
  29. 松本淳造

    松本文教委員長 衆議院の方は、教育勅語等排除に関する決議ということであります。等というのを入れましたのは、教育勅語以外の、陸海軍軍人に賜わりたる勅論戊申詔書青少年学徒に賜わりたる勅語というものが眼目であつてこれが今なお日本に温存されておると同時に、その処置法制上、行政に関する点が不十分である。それではいけない。そこでこの際各学校に保管されております。教育勅語の謄本を回収せよ同時に国際的に非常に重大な問題であるから、むしろ国内的というよりも対外的に宣明せよ、こういうような意思表示であります。それでただいまの石田さんのお話にありますように、憲法問題の論議委員会としましては、しばしば繰返しましたが、それが実際の行政上の措置は、従来文部省で議して、私からいえば不徹底でありまするが、一応の措置はとつております。ただ法制上の措置はとられておらない。それを徹底的にするとすれば、違憲の訴訟を起すことが第一、議会として決議なりあるいは宣言を発することが第二、同時に教育勅語は廃止されるという廃止法案を出すことが第三、この三つが完了しなければ、完全なる法制上の措置ということはできないという結論なつたのであります。ところが一挙にそういうことをやることはできませんから、その点は関係筋としばしば協議の結果一応了解を得まして、それほどまでにやらなくてもよかろう、この際は國会最高機関であるから、國会の名において、決議をもつて中外に宣明するならば一応のことは足りるであろうとの結論になりましたので、私どもといたしましては、そのような処置にしたいと考えております。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 決議案提案趣旨弁明の中に憲法違反をうたつてありますか。
  31. 松本淳造

    松本文教委員長 その九十八条に副わないという文句が決議案の中にあります。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 憲法の解釈上に疑義が生じた場合に、最後的に決定するのは最高裁判所であろうが、國の最高機関たる当國会が一応憲法の何らかの条章に背反しているということを表明することは少しも差支えないと思います。
  33. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ほかに御意見はございませんか——意見がなければ、取扱上について各党共同提案にしてもらいたいという意向でありますが、その点当委員会では了承することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ではさよう決定いたします。  他に御意見はありませんか——なければ本日はこの程度で散会いたします。     午後二時二十分散会