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松岡議長 とにかく
予算案として
はつきり体をなしていないものであるから、これを正式の
予算案として
審議できないと言われるのはもつともであります。私自身も実はそう思うのです。しかしそうであるけれども、
日本の置かれておる現下の
経済危機から言えば、せつかく
大綱がきま
つている以上は
大綱なりとも一日でも早く
議員が聽くということは、
議会としても私は必要なことだろうと思うのです。ただしこれは私一個の考えです。純理的に
予算案ではないという御主張は、私もごもつともだと思いますが、そういう点でこれを一應聽く、一應聽いて、これに対して
質疑をされるというならば
質疑をされてもよいでしようし、話がまとまらなければ
質疑はしないでもよいのじやないか、というのはわれわれも
議会として、
議員として早くそれを聽きたいというばかりでなく、やはり
議会を通じて
國民の
政府の
方針をたとい一日でも早く聽かすことは、
事業をや
つている人は
事業の立場から、ある
一つの
方針の
決定のための
參考にもなるでありましようし、個人としても
生活設計のために、まんざらむだなことではないので、
大綱なりとも一日も早く明らかにすることは、決して無意味ではないと私は思う。だから
政府としては
參考として
出しているのだけれども、
議員から
演説を求められて、
質問はするに及ばぬとなれば
質問はしないで、すつかりそろ
つたあとでいくらかでも重複するようなところは、いたずらに時間をつぶすことだから、項目ができたときに
大綱の動きがあ
つたらその点を補足して、
大藏大臣は再び
説明する。こういう
方法をとるくらいのことは、この際
議会としてもやるべきではなかろうか、これならば自由党の人々もまた御同意いただけるのではなかろうかというくらいに考えておるのです。