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1948-06-02 第2回国会 衆議院 議院運営委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二日(水曜日)     午後三時一分開議  出席委員    委員長 淺沼稻次郎君    理事 坪川 信三君    石田 博英君       小澤佐重喜君    高橋 英吉君       益谷 秀次君   山口喜久一郎君       佐々木更三君    山下 榮二君       小島 徹三君    椎熊 三郎君       鈴木彌五郎君    平川 篤雄君       成重 光眞君    田中 久雄君       榊原  亨君    林  百郎君  出席國務大臣         國 務 大 臣 苫米地義三君  委員外出席者         副  議  長 田中 萬逸君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 五月三十一日委員河野金昇君辞任につき、その補 欠として平川篤雄君が議長の指名で委員に選任さ れた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  國政調査承認要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件  法案付託すべき委員会に関する件  國会法の改的に関する件  明日の議事に関する件     —————————————
  2. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これより会議を開きます。
  3. 大池眞

    大池事務総長 國政調査に関して委員派遣の件、農林委員長井上良次さんから、國政調査承認要求といたしまして、この間緊急質問をいたしました雹害に関する事項で、この調査は現地の実地調査をいたしたいということであります。從つてこれに関連して議員派遣承認要求が參つております。それは農林委員を群馬、栃木茨城三縣に三名ずつ六月四日から六日まで三日間派遣いたしたい。
  4. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると、今の雹害実情調査については、各縣に三名ずつとして総計九名、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。
  6. 大池眞

    大池事務総長 もう一つ委員派遣承認要求は、海外引揚に関する特別委員会河野さんから出ております。これは引揚地の受入態勢実地調査で、庄司彦男さんお一人函館へ六月五日から七日間でございます。
  7. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは両件とも可決した旨を議長に答申することにいたします。     —————————————
  9. 大池眞

    大池事務総長 次にお手もとに差上げました國家行政組織法に伴います関係法案從來各省の官制でございますが、これが法律案としてまわつてまいるものが二十八件あるわけであります。その中ですでに内閣法の一部改正総理府設置法物價院法外務省設置法、この四件が出てきております。この表のうち124の三件は決算委員会にすでに付託をいたしてあるわけでありますが、11の外務省設置法案が今度出てまいりましたので、その付託のことをおきめ願いたいと思います。先日ちよつと申し上げておきましたように、行政機構という面で、これを全部決算委員会でやることになると、相当多数のものになりますから、内閣関係の10までは決算委員会とし、11以降の外務省設置法案外務委員会大藏省設置法案の方は財政金融委員会法務廰司法委員会、文部省は文教委員会というような各その関係の所でやつた方が審議の進捗上いい。この際例外的にそういうものを取扱つた方がいいのじやないかと考えられるので、一應そういうようにお考えおき願いますようお話をいたしました。この際外務省設置法が出てまいりましたので、これを決算委員会にもつていくか、外務委員会にもつていくかということです。
  10. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 1から10では内閣関係なので、決算委委員会にかけることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ではさよう決定いたします。  11以降の外務省設置案などについてはどう取扱いましようか。
  12. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 総長の案がいいと思うが、決算委員長了解を得た上で、必要に應じて決算委員会を連合してやるようにすればいいと思います。
  13. 大池眞

    大池事務総長 それでは決算委員会に御了承願つたらさよう取扱うことにいたします。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 決算委員会に行くものも、やはり他の委員会と関連をもつものは連合審査会をもつべきだと思うのですが、その点も併せて了解を得ていただきたいと思うのです。
  15. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは今少沢君から提議がありました通り、一應決算委員長と相談の上で決定をするということで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。
  17. 大池眞

    大池事務総長 それで外務省設置法案がきまりました。  もう一つ貿易資金特別会計法の一部改正法律案が出ております。これは從來関係から申しますれば当然財政及び金融委員会に行くわけですが、貿易資金の点では商業委員会でいろいろやつておられる方がある上に、たまたま商業委員会では議案をもつていない。そこで審議の促進上場合によれば財政金融委員会の方の御了承を得た上、この際特別扱いとして商業委員会へかけさせていただきたい。こういうことでありまして、財政金融委員会委員長にそも旨を申し上げてあります。明日委員意見を聽いて、委員の方で差支えないということになればそちらへまわすし、もしそれができませんければ、原則通りいくことになりますから、御了承をお願いいたします。
  18. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 取扱い方についてはそれでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  20. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 次にぎいん國会法改正案議題といたします。  この前の運営委員会におきまして、國会法改正案につきましては、一應の決定を見まして、関係筋折衝をしておつたのでありますが、そのことを事務総長から御報告申し上げます。
  21. 大池眞

    大池事務総長 ただいまお手もとに差し上げました法律案は、一應先日こちらの運営委員会できまりましたものを印刷に付したものであります。從いまして今までの交渉でほぼまとまつた点を申し上げます。  三十九條の点で、今日午前中淺沼さんと參りましたときに、向うで話された点がありますから、御參考までに申し上げておきますが、三十九條によりますと、議員は、総理大臣國務大臣内閣官房長官及び別に法律で定めた場合を除いては地方公共團体の公務員と兼ねることができないという規定があります。ところが今度行政組織法の中に各省次官を設けるということになりまして、從來の事務次官総務長官の地位になり、今度設けらるべき各省次官というものは、特別職になつてくるわけであります。そこでその特別職に職員が任命をされた場合に、三十九條との関係いかんという点が問題になつたわけであります。そこで三十九條では、ここに列挙したものだけは兼ねられるけれども、それ以上は別に法律で定められたものを除いてできないということであるが、行政組織法の中に設けられた次官議員が兼ねることができる、あるいは議員がなることができるということがはつきり書いていないと、三十九條に直接牴触するので、いずれか一方やめなければならないという問題が当然起るであろうという解釈であつたのであります。その点については別に法律で定めた場合を除いてという、別に法律で定めたというところに解釈行政組織法各省次官にも、なれるという解釈も成り立つ、從つてなれるか、なれないか、はつきり法律で兼ねられないということになつた場合には議員を辞職しなければならないということを書いておいた方がよくはないかという御意見があつた。そうでなければ別に行政組織法の方を修正をいたしまして、議員次官なつたときには議員を辞職しなければならぬという規定をそこへあてはめなければいかぬのではないかという話が出ました。從いましてその別に法律で定めた場合を除いてはということの三十九條と、行政組織法の十七條と思いましたが、その関係はそうするかしないかということを正式にきめる前に法制長官の御意見を質して、そこに疑義がないということになればそのままでよろしい。もし疑義があつて解釈上両立するという議論が成り立つならば、そこをはつきりしてもらいたい。そういう御希望があつたので、この点だけを申し上げておきます。從つてもし疑義がなければこのままでよろしい。自分の方の観念はどこまでもこの三十九條によればなり得ないものである、議員各省次官とは兼務ができないものである、こういうことであります。これだけ御報告申し上げます。
  22. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 速記を止めてください。     〔速記中止
  23. 大池眞

    大池事務総長 次は四十二條の一から四までの委員会の名前でありますが、「内閣」の二字を削つて行政調査委員会地方行政委員会経済決定委員会法務委員会、とすることに話がまとまつております。それから水産委員会もはいつております。  それから百三條でございますが、百三條に現在議員を派遣いたします場合は、議案その他の審査國政調査二つ限つてありますが、実際問題といたしましては、場合によれば外國会議に列するために行く場合もありますし、あるいは見舞、慰問等に行く場合もありますので、この二つだけに限つては狭過ぎるのではないか。從つて議案その他の審査もしくは國政に関する調査のため、または議院で特に必要を認めた場合ということで、廣く入れておいた方がよくはないかというので入れてまいりました。  それから百三十條では國立國会図書館國会図書館法によつて設くということになつておりましたので、從來の百三十條は削つたのでありますが、削つてしまうと、國会法との縁が切れるような感があり、やはり百三十條に一番最初の元があつたということをここに残しておいた方がよくはないかという御議論になつてまいりました。從つて百三十條を「議員調査研究に資するため」と現在の第一項をそのまま置いて、「別に定める法律により」これだけが新しくはいつて國会國立國会図書館を置く。」この「別に定める法律」というのが國会図書館法になるわけであります。それだけ入れて元の形を残しておくということであります。あとは問題ないと思います。それから両院法規委員会の員数の問題でありますが、この点は參議院側に強い主張もあることであるから、両方とも十人ずつにした方がよくはないかというお話があつたのでありますけれども、こちらといたしましては、參議院側要望事項が四項目ありまして、その中の一項目に衆議院側といたしましては、現行がこうであるから特に現行を縮めることは必要ないというのが委員会の一致した意見でありましたので、これはこのままに通してまいるということを話したわけであります。從つい將來万々一參議院側の方で諸種の点で修正その他かえてまいりました場合に、両院協議会がかりに開かれるといたしました場合には、讓るべきは讓り、讓るべからざるは当然讓らずに、こちらの各派の意向で進みたいということのお話淺沼委員長からございまして、そのまま認められたのであります。  大体全般を通じて、ほとんど実質的の改正一つもなく、関係筋といたしましても今のところ別に問題ありません。
  24. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ちよつと速記を止めて……。     〔速記中止
  25. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 速記を始めてください。  そうすると國会法改正案については、完全にまだその筋の話合いの調わない三十四條の二を除いて、また百三條の國政に関する見解を除いて、他の部分については決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さように決定いたします。  それからあとは明日、残された事項については関係筋折衝することにいたします。     —————————————
  27. 椎熊三郎

    椎熊委員 運賃値上げ法案が出てきたそうですが、これをわが党では運営委員会の方でやりたいと言つておりますが、どういうふうになりますか。
  28. 大池眞

    大池事務総長 それは一應運輸交通の方が穏当だと思いますが、ただ、財政の基礎であるから財政金融の方でどう言うか、やはり委員長同士で一應予解を得て、運輸の方へ差上げたい、こう言つております。
  29. 佐々木更三

    ○佐々木(更)委員 運輸委員長はぜひ運輸委員会でやりたいということを議院運営委員会で話してくれと言つておりました。
  30. 大池眞

    大池事務総長 從つて運輸委員会にもつていくことが穏当であろうということであれば、その意向財政金融の方へも話したいと思います。
  31. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 この問題はよろしゆうございますか。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 よろしゆうございます。
  33. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると取扱いとしては、両委員長了解をつけて議長に任すということで、話がつけば運輸交通委員会に付記して結構である。そういうことでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  35. 坪川信三

    坪川委員 本日の議院運営委員会において、私は一應あすの本会議議事日程について関連した問題で、各党に要望いたしたいと思います。本予算提出が非常に遅れていることは、まことに遺憾でありますが、諸般の関係上万やむを得ない。しかし政府は一應予算大綱を内示しておる現下においては、政府が要望する財政演説議員が聽くということは当然の義務である。從つて明日の本会議にはぜひ財政演説をやるようにしたい。
  36. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま本会議の運用のことに関して、坪川君の提議があつたわけでありますが、これを議題に供するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは議題に供します。
  38. 石田博英

    石田(博)委員 まずその問題を議論する前に、この議院運営委員会で、大体國会であらかじめ定められた会期が終了するとき、これを延長するときの條件として、政府に対して予算案を十五日前後までに必ず提出するという点について、再三答辯を求めて、責任をもつてそのように事を運ぶという確言があつたことを前提とし、院議をもつてこれを再確認した上延長した事実があります。ところがこの問題について本日まですでに十五日間以上も延引しておきながら、政府はその院議決定せられ、政府が確認した事実について何らの措置をとらないで、いきなりこれに関連した問題をもつてくるということは、私は院議の権威を無視するものであると考えるのであります。とにかくあの際にも明らかに言われた通り、十五日前後に予算提出できなかつた政府責任を明らかにすることが、この問題を議する前提であろうと私は考える。從つてこの問題を議題に供するにはその点について異議をもつ次第であります。
  39. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 ただいま坪川君は客観情勢によつて遅れておると言われましたが、それに間違いありませんか。
  40. 坪川信三

    坪川委員 一應私はそう思います。
  41. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 客観情勢が悪ければオーケーは來ないでしよう。
  42. 坪川信三

    坪川委員 そのほかにもいろいろ関係がありまして、技術的にも事務的にも遅れていることは認めます。
  43. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 大綱オーケーが來て、その他客観情勢によつて遅れているということに承知して差支えありませんか。——記録はとつているでしようね。
  44. 石田博英

    石田(博)委員 とつている。こんなことは明確にとつておかなければならぬ。ただ坪川君が今の説明理由客観情勢によつて遅れていると言われたから、それを明確に速記録に残しておきたい。それに問違いありませんか。
  45. 坪川信三

    坪川委員 それは問違いありません。
  46. 石田博英

    石田(博)委員 先月の十五日までに予算案提出する。それはできるという政府答辯の際にも、関係方面との交渉その他に要する日時につきまして、再三再四われわれの側から質問をし、念を押したのであります。その際政府側としてはそれに要する日時を十分含んで、なおかつ先月の十五日前後までに提出する確信があるという答辯があつたのであります。從つてこの問題を議する前に、とにかくその政府答辯に対する責任院議無視責任を明らかにしてからでないとこの問題は議せられない。私どもはこう考える。
  47. 林百郎

    ○林(百)委員 坪川氏の言われる國務大臣演説というのは、國会法でいう一應議長に通告して演説するということですか、それともわれわれはそれを聽く義務があるということですか、どういうのですか。國務大臣がやるのは勝手だが、それをわれわれが聽く義務があると言うと問題が起きてくる。
  48. 椎熊三郎

    椎熊委員 それを聽くことは予算審議です。
  49. 林百郎

    ○林(百)委員 私は大臣演説することは自由だと思うが、それをわれわれが聽くという義務はない。それは予算審議にはいろうということを坪川さんがわれわれに要請することなのかどうか。
  50. 椎熊三郎

    椎熊委員 義務はないと言うんですか、それは……。
  51. 林百郎

    ○林(百)委員 國務大臣発言することは、われわれが聽く聽かぬにかかわらず議長に通告すればできる。坪川氏の発言は、われわれに聽く義務があると言うが、その義務とはどういう義務ですか、それは予算審議にはいろうと言うんですか。
  52. 坪川信三

    坪川委員 予算審議にはいるということです。
  53. 石田博英

    石田(博)委員 まず私の動議をきめていただきたい。
  54. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 まず石田君にお伺いしますが、要するに政府は本会議において十五日前後に出すということを言明した。從つて遅れている。その遅れていることについては、いろいろな行違いもあつたけれども、一昨日か議長を通して苫米地官房長官から一應の話を承つているわけですが、さらに政府の方に來ていただいて今あなたの言われるような院議に対する責任、こういうものを伺うことにしましようか。
  55. 石田博英

    石田(博)委員 結構です。
  56. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  57. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 官房長官がお見えになりましたから会議を続けます。  運営委員会においてただいま議論になつておりますることは、この前の運営委員会政府にも御出席願つて予算案はいつごろ出てくるであろうかということをお伺いしたわけでありますが、それに対し官房長官並びに北村大藏大臣は、少くとも十五日前後には出したいという考えをもつているということが明白にせられたわけであります。今石田君から申されたのは、本会議の席上でも小沢君が立つて質問をした場合に、大体この委員会において政府の言明したと同じような言明を総理がされておる、しかもこの委員会においては一遍約束をして今度は問違いないということを確約されたのだけれども、問違つておることについてはどういう考えであるか、それからさらに遅れておるのはどういう事情であるかというようなことも含めてお伺いしたいというわけであります。
  58. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 この予算提出の問題につきましては、この前からこの席でしばしば話があつたと思いますが、要点は、総理からは中旬には出す、こういう話を申上げたと思います。それから大藏大臣は十五日と言われたように私は思います。私はこの両方発言がありますから、かりに十五日に出しても、予算審議期間は一体どれくらいかかるでしようかと伺つた。そうしたらば最小限度三週間かかるという話がありました。そこで会期延長の問題にもなつてつたのですが、少くとも暫定予算を出しまして、それから本予算の方は多少は遅れるかもしれぬが、中旬に出すつもりでやる、こういうつもりで申合せをしておつた。それで暫定予算の方は十五日に出す、本予算の方は中旬には出す。これは確かに申し上げましたことが齟齬を來してことになりますが、政府としては八日に政府予算案がきまつて、十日に関係方面にこの予算について打合せをしたわけなのであります。ところがこの打合せはその前からずつとやつておりましたから非常に早く運んでいくであろうと思つておりましたけれども、結局歳入の分についていろいろ向うとの間に意見の相違が起り、それを往復している間に時が経つたのでありまして、たしか二十二日であつたと思うが、一應向うからの意思表示を受けまして、それについてもう一遍檢討したのですけれども、それでは全面的に予算の体制は思わしくないということから、さらに押し返して打合せを進めたわけであります。そのために約一週間ぐらいかかつて結局二十七日に解決を見た。こういうことで遅れたことはまことに申訳がありませんけれども、遅れるについての政府のとつた経過は、二十日ぐらいまでには出せるような段取りで運んでおつたわけであります。その点ははなはだ遺憾でありますが、政府のとつた経過を御了承くださいまして、この際その点についたは、ひとつ御了察願いたいと思います。
  59. 石田博英

    石田(博)委員 これは申し上げるまでもないが、官房長官が御自分で御記憶の通り会期延長をするに際して、両三度にわたつてこの委員会に御出席いただいて、十五日までに予算案提出するという点について、われわれはそれをなかなか信ずることができない、從つて政府はいかなる程度の確信をもつておるかということをしばしば念を押してお聽きしたのであります。その際にはもちろん政府部内における準備も当然のことながら、関係方面との連絡に要する日子を含めて、ほんとうに確信があるかということをお尋ねした。ところが官房長官からも総理大臣からも、関係方面との連絡日子を十分含めて、必ず十五日前後には提出すると申され、また本会議においても小沢君の質問に対してその旨を確言せられた。從つて政府はその御答辯に対する責任を、本委員会はもちろん、衆議院に対し國会に対して当然とらなければならないし、また責任をもつという言葉をしばしばお使いになつたのであるから、当然そのお約束に対しては何らかの責任をおとりになる準備があるはずだと私は思うのです。私は本日官房長官から遅れた理由や弁解を聽こうとは思いません。いかに責任をおとりになるか、結論だけを聽けばたくさんです。
  60. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 石田君に申し上げますが、もちろん官房長官は今まで出すと言い、日を大体確定して言明しておきながら、遅れた事情についてははなはだ遺憾であると、遺憾の意を表明したのである。從つて遅れた事情については今説明がありまして、政府のとつた態度を御了察を願いたいということでありまして、それ以上のことを長官からお話はできないかと思う。
  61. 石田博英

    石田(博)委員 そういう遺憾であるという御表現が、責任をとるという言葉と一致するとは考えないのであります。あのときは責任をもつてということを明らかに言われておるが、その責任をどういう形でとられるか、それについてお伺いしたい。
  62. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 速記録があるはずですが、そのときに責任をもつてやるという言葉は、私は言わなかつたと思ます。
  63. 石田博英

    石田(博)委員 私は速記録を拝見しております。
  64. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 それは調べて見なければわかりませんが、さつきも申し上げたように、中旬に出すということを総理は言われたのだと思う。
  65. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 十五日前後と言つております。
  66. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 最後には十五日前後ということになつたかもしれませんが、総理が見えたときは、常に中旬と言つておられました。大藏大臣は十五日と言つてつたと私は記憶しております。十五日には必ず出しますということを言つてあとは多少遅れるかもしれぬ……。
  67. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 あなたの見解と大分違いますから、ちよつと申し上げておきますが、この委員会でちやんと確認して、あのとき議長があなたの答弁を読んでおります。十五日前後にということで、再び会期を延長しないと、この委員会であなたの答弁を確認しております。これは私だけの主張でも何でもない。速記録を持つてくればすぐわかります。とにかく政府としては、最高責任者が十五日前後ということをはつきり言われておるのですから、それに基いておつしやつていただきたい。
  68. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 それはさつきも申し上げた通り、そういうふうにかりに申し上げたとしても、政府のとつた経過を申し上げて、そこで政府だけではない、関係方面とも連絡をとりつつやつてつたので、それが遂に思うようにいかなかつた、その点に対してははなはだ遺憾であります。こういうことを申し上げたわけであります。
  69. 石田博英

    石田(博)委員 関係方面との折衝日時を要するであろうということは、われわれとしても、当時会期を延長するときに十分考えたのであります。その日時を十分見た上で十五日に出るかどうかということを重ねて何度もお伺いしたのであるが、その日時も十分含んだ上で、十五日前後に出せるという御答弁であつたのですから、いまさらそういうことは遅れた理由にはならない。そのとき私は明らかに何回も念を押してある。それから國会会期を延長することは、きわめて重大な問題である。その重大なことを決定する前提として、十五日までに予算案が出るということが大きな條件になつておる。國会に対してこの重大な決定をさせる大きな原因をつくり、それを御答弁せられた責任は、よしんば責任をもつてという言葉は使わないとしましても、およそ國務大臣が議会内において行つた言動に対しては、常に責任をとるのは当然である。いずれにしろ理由にならないことを、いまさらいくら申し述べられて弁解なさつても、意味をなさない。結論的に一体いかなる責任をとられるか。
  70. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 速記を止めて。     〔速記中止
  71. 石田博英

    石田(博)委員 重ねて申し上げます。この予算案大綱か、參考書類か何か知らないけれども、それを審議するということが、予算案関係しておる以上、その予算案の取扱いについて、特に國会会期を延長しておつたわけであります。從つてその國会会期を延長する際には、予算案がいつ提出されるかということが一番大きな要件であつた。その要件について政府の見透し、見解をしばしば質し、その見解に基いて國会会期を延長したのである。從つてその國会会期を延長するという重大なことを決定する大きな答弁をせられた政府の院内における言動についてその責任は、当然とられるのがあたりまえだと思う。それを明ららにしないで、ただ遅れたから遺憾だということだけで、予算案大綱であろうが何であろうが、事予算案に関して議論を進めていくわけにはまいらない。責任のとり方は、言質に対して責任をとるのであるから、その発言をせられた所管大臣がまず適当の責任を自発的にとられるのが当然であつて、どうしてもとられないならば、われわれの方で要求することが、その次に出てくるのであつて、まず責任はみずからそのことを行つた者が反省をしてとるのが、前提であろうとわれわれは考える。武士の情だろうと考える。そこで私は政府は自発的にいかなる責任をとられるつもりであるかということを聽いておる。御答弁を願いたい。
  72. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 先刻來予算編成の経過を申し上げ、やむを得ない事情であつたということを述べたわけでありますが、それにいたしましても言明したその期日が延引したことに対しては、まことに遺憾にたえません。こういうことを申し上げたのでありまして、それ以上今ここで申し上げることはできかねます。
  73. 石田博英

    石田(博)委員 つまり延引したという理由は、十五日前後に出せるという政府の言明をなさる前に、たびたびその前提條件として、その日にちも十分含んで、十五日前後には出せるかということを、われわれの方では念を押しておる。そうしてその日にちも十分含んで出せるということを確言しておられる以上、それは延びた理由にならない。それからそれ以上の責任をとる、どうこうということは、政府が自発的にこの際これ以上申されないというならば、われわれとしてまずその問題をこの際どう取扱い、いかなる責任をとることを要求するかということを本委員会は、さきに会期延長決定した責任上からも、まず前提條件としてきめなければ、次の議題にかかれるものではない。私はこう考える。
  74. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 政府の怠慢によつて期日が延長になつた。こういうふうにお考えになることもやむを得ないと思います。しかし現在の日本の置かれた客観情勢から見まして、政府だけでは実はいかぬのであります。そういう事情をも含めて私は遺憾の意を表したのであります。この事情はわれわれの置かれた環境ということも御省察を願つて、御了承願いたいと思います。
  75. 石田博英

    石田(博)委員 今日われわれが置かれておる状況というものは、あらためて御説明いただかなくてもわれわれは十分知つている。知つているから十五日に出せるかどうかということについて、あの際何回も念を押した。從つてそういうことをいまさら言われても弁解の理由にならない。さらにその際に本委員会で皆さん満場一致の御賛成を得て決定したことは、本月二十日以上は会期の延長はしないということである。從つて予算案が今日まで遅れて二十日までに審議を終了しなかつた場合に、審議が終了せず、予算案が通過しなかつて責任は明らかに政府にあるということは御承認になりますか。
  76. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 遅れたことの事実に対しては政府側が負わなければならぬ。それであるからこそ遺憾の意を表するのである。ただその事情政府だけの力ではいかなかつたという点を御了承願いたい。
  77. 石田博英

    石田(博)委員 事情政府だけの力ではいかないということは、十五日前に出せるという政府の言明を得る前に何度も念を押して、その言明を前提に十分それを考慮に入れられて、十五日前後ということを政府責任をもつて答えられた。これは理由にならない。  そこでさらに六月二十日以上は会期の延長をしないということである。國会予算審議するに事務的に考え最小限度二十一日を要する。これを政府はその際に十分われわれからお聽きになつたはずである。そうすると政府約束の期日までに法案提出し得ない。そうしてわれわれが自主的に決定した二十日までに予算案審議が終了しなかつた責任は明らかに政府が負うべきものである。政府約束を守り得なかつたことにのみ原因があるのである。その点を政府は承認されるかどうか、重ねて質問したい。
  78. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 そこで政府としてはその遅れたことは非常に遺憾でありますが、六月二十日という期限のうちに御審議が願える余地があるではないかというので、この予算大綱を出した。あの数字は動かない。動かない予算大綱でありますから、細目はまだ提出の運びになつておりませんけれども、あの大綱についてだけでも御審議の運びをしていただきたい。そうしますと、あとで精密な印刷したものが提出ができるのでありますから、二十日まででもその間三週間以上になつてできはせぬが、こういうふうに考えたので、まずもつて予算大綱提出したわけであります。この中に入場税の地方委讓という問題がありましたが、これは將來地方委讓ということが起るかもしれない。入場税の地方委讓ということが問題になるといけませんから、そこであれを參考にただ附けただけで、今の予算の上から言いますと、あの数字は狂わない数字であります。それだけを申し上げます。
  79. 石田博英

    石田(博)委員 そういう御説明は、ただいま伺う機会ではない。いま伺いたいことは、私が先ほどから繰返していることだけである。よけいな御説明はいらない。私がお伺いした点だけに簡潔にお答えが願えれば結構である。私のお尋ねした重点はちつともお答えられておらない。重ねて言いますが、大綱だか參考数字だかわかりませんが、そういうもを議案として認めるかどうかはこれから審議することであつて、まだ議題になつておりません。今回議題になつていることは、前の議院運営委員会会期延長決定するに際して発言せられた政府の言明に対する責任を伺つているのである。議題からはずれた御説明は、いくら承つても、それはその議会ではないと思います。
  80. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 それでは石田君のそういう御質問に対しては、私の前の答弁以上に出ることとはできないと思います。
  81. 石田博英

    石田(博)委員 前の答弁はいかなる責任をとられるかという質問に対する答弁である。今度は予算案國会のあらかじめ決定した会期のうちに審議未了になつ責任は、提案を遅らした政府であるということを承認されるかどうか。簡單なことだからそれはお答えできるはずだと思います。われわれの見解をもつてするならば、当然承認すべきである。その点のお答えを願います。
  82. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 予算大綱というものをあらかじめ御審議を願つておるとすれば、二十日までには御審議が願える、こういう考えで出しておりますから、これが審議未了になるかならぬかということは別として、それで三週間以上になる、こういうつもりであれを出しております。
  83. 石田博英

    石田(博)委員 予算案提出して審議をするという場合には、当然前例に從つて完全な申のものでなければならぬ。まつたく異例のものをここに提出されることは、予算案を提示するということと何ら関連がないと私は考える。しかも五月の十五日前後に提出されれば、それを愼重審議して、六月二十日までに審議終了するということは議会の責任ですが、予算という重大な問題を十五日も押し詰められておる期間のうちに審議することは、無理な話である。しかも今日の至るも予算案はまだ全然提出されておらない。その短かい期間の間に審議を終了せいということは無理である。われわれとしては当然事務的に考えても、最小限二十一日という日にちを要するのである。それを考慮に入れて、十五日前後という政府の言明を信頼して、六月二十日に決定したその点が言明通りにいかなかつた場合に、その結果というものは、独自のわれわれの責任において愼重審議して、審議を終了しなかつたということがあつても、明らかに予算案提出の期日を遅らした政府責任があると私は考える。それを承認されるが当然であろうと思う。政府はそうすると予算案審議が終了されるために大綱なるものを提出しておる。この審議を始めさえすれば國会は当然二十日までに議了し得るのである。もし審議未了になつた場合には、それは國会責任である。こうお考えになるのですか。
  84. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 今そう考えておるわけではありません。ただ事前に審議をしておいていただけば、正式にはいきませんでしようが、好意的にそういうお計らいを願えれば、何とかできるのでお願いしているわけであります。
  85. 石田博英

    石田(博)委員 水かけ論になるからもうこれ以上お伺いする必要はない。この際官房長官の御退席を願つて、前回の会期の延長を決定するに際してとられた政府の言明に対する責任を、いかが取扱うかということを協議すべきだと思う。從つてこれ以上官房長官にお伺いする必要はない。
  86. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 ただいま坪川君からお話があつたのですが、せつかくお見えになつておりますから、政府側から出す予算大綱についての御説明なり、あるいは御見解なりを、この機会に承つておくことも私はよかろうと思うので、お伺いいたしておきますが、議長からは何らまだわれわれの方にお話がなかつたのですが、政府からは正式に議長を通じてこの予算大綱提出されておるのですか。
  87. 大池眞

    大池事務総長 議案提出から議員に配付いたしますまでの手続は、すべての議案議長あてに内閣総理大臣から參るわけでありますから、從つて内閣から參りました議案提出は、すべてその都度議員手もとに渡るように、文書箱を通じて配付をいたしておるわけであります。そこでただいまの予算大綱は、議長あてに内閣総理大臣から事前審議のためにこれを送付するという意見合の文書がついて來ております。從つて議案ならば提出文がついておるわけでありますが、提出文でなしに、そういう意味合をもつて送付されたものでありますから、こちらは議案として取扱うわけにもまいりませんので、參考のために送付されたものと認めまして、議員手もとに文書箱を通じて差上げたわけであります。
  88. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 その辺、これからの考え方を決定するのに非常に不明確であります。議案として正式に提出文がついてまいつたのであれば、もちろん速やかに審議にかかるのがわれわれの務めだと思います。しかしただいま事務総長お話のように、正式な文書もわれわれとしては拝見していない。民主党出身の方から予算大綱に対する大藏大臣説明があるからこれを聽こうではないか、こういう意味合に承つたのでありますが、政府でもそういうふうにお考えになつておりますか。
  89. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 その点予算の正式な提案は、書類がげわない限りできませんが、しかしながら予算大綱は動かない数字ができましたので、これを一日も早く國会におまわしして事前審議の形でもいたしたい。そのために、まずもつて大藏大臣財政演説をさせてもらつて政府考えはつきりするようにさしていただきたい。これはまつたく好意的に扱つていただきたいという意味をもつてつてつたのです。
  90. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 われわれの考え方と齟齬する点は、われわれは、議案ではない、ただ演説をやるからという申出だと思つているのです。ただいま官房長官お話では、事前審議に移つていただきたい、こういう御相談の御趣旨はわからないことはございません。しかしながらわれわれは、議案でなければ事前審議に入ることはできないと了承しておる。そこでわれわれの考え方からすれば、承ることは自由であり、また所管大臣予算大綱に対して発言を求められることも自由である。だからその予算大綱に対して発言を求めらるることは一向差支えないが、それをもつて事前審議にはいるという、半ば強制的な御相談には應ずることはできない。そこに問題が生じてくる。たとえば政府発言を求められて予算大綱説明をされる、そういう場合に、われわれはこれを議案とは認めませんから、後日款項目の予算案が完全にでき上つた後に、あらためてこれに対する論戰を展開したいと思つております。明日もし定足数がそろつて正式に会議が開かれて、大藏大臣予算大綱に対する説明があつても、われわれは予算案が完全なものになつた後にあらためて発言を求めて予算案に対する論議を交したいと思つております。それに対して政府として再び應せられる用意がございますか。
  91. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 速記をやめてください。     〔速記中止
  92. 苫米地義三

    苫米地國務大臣 かりに負政演説をやるとして、また今度八日に正式の予算が出てもう一遍それを繰返すということだと、明日やる意味がないわけです。ただ大綱というものは、あれで骨組が動かない。それだからその大綱について十分御檢討できると思う。
  93. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 われわれとしては、大綱では質問ができない。
  94. 成重光眞

    成重委員 私どもが最初からはつきり申し上げております通り、今日であろうと明日であろうと、あの政府が出しておる大綱といわれるものに基いて大藏大臣演説をやられることは御自由だと思う。しかし私どもは本予算が完全にできてから、大藏大臣の正式な財政演説をやるべきだと思う。その場合に初めて私どもはそれに対する質疑應答をやるべきだ。それで進んでもらいたい。
  95. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 成重君の方が正論であると思うが、さらに私らは百尺竿頭一歩を讓つて、明日どうしてもおやりになりたいというから、おやりになるのは結構だが、政府としては完全な予算ができて、議案として上程されたときに、さらにこれを敷衍して述べられるところの御親切があるかどうか、これを承つておる。
  96. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 その点については、先ほど政府の方から二度やることについては考慮しなければならぬと言われております。どうでしよう、政府に対する質問はこの程度にして、委員会としていかにすべきかということを考えることにして、どういう扱いにいたしましようか。
  97. 石田博英

    石田(博)委員 予算案が遅れた原因について、先ほど苫米地官房長官関係方面との折衝で遅れたと、一切をあげて日本の今日置かれておる事情にかぶせておるけれども、芦田内閣が成立して以來、今日までの経過考えて見るとき、そのおもなる原因は、むしろ與党間の意見の調整ができていなかつたので、その調整に手間取つていたずらに日をむなしゆうしたところにその遅延の最も大きな点があると自分考える。それから大綱々々と言うけれども、國家の予算というものは、そう軽々しく考うべきものでなく、やはり政府がその年度内に行う政策を具体的に示し、具体的にそれによつて拘束せられるものである以上は、具体的な項目まで整わなければならぬことは当然である。從つて予算案大綱予算案というものとは、全然関連がないとは言えないかしれないけれども、それを前提條件として審議を進めるということは、私どもとしてはできない。そういう惡例は絶対に私ども残してはならない。しかしその前に先ほど私から提議しておる本委員会における芦田総理その他の言明の責任だけは明らかにしてもらいたい。それをまず議題に供して、それに対する本委員会の態度を明らかにしなければならぬと思う。
  98. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 責任の所在については遺憾の意を表せられたことで、了承された方もあるし、それでは不十分だという人もありましようが、それを委員会として取上げるすれば、どういう形式にしますか。
  99. 椎熊三郎

    椎熊委員 いろいろ責任論を言われるけれども、よく事情はわかつておるはずで、そんなことでお互いが責任論を言つておられる日本の立場ではない。そんなことよりも、一日も早く予算を成立させたいというのが、われわれの念願です。責任を追究してどうするのか。
  100. 石田博英

    石田(博)委員 責任を追究してどうこうしようということでなく、日本の今日置かれておる事情を十分考慮してあれを決定された。しかも日本が今日こういう事情に置かれておればおるほど、國会の権威を確立し、そしてそれを守つていかなければならない。從つてこの國会において政府が言明した、その言明において会期の延長という重大なことを決定した以上、その言明を履行しなかつた場合において責任を追究しなければならないことは、日本が今日こういう事情に置かれておればおるほど、われわれは明らかにしなければならぬ。
  101. 椎熊三郎

    椎熊委員 ふだんの場合にはそういうことが言えるけれども、占領治下にあつて関係方面ともいろいろ交渉しなければならぬという場合に、一々責任をとらなければならないということでは、今後やつていけないのではないか。
  102. 石田博英

    石田(博)委員 今関係方面々々々々ということを承つたけれども、それも遅れた一つの原因であるかもしれない。しかし最も大きな原因は、軍公利拂問題、鉄道運賃の値上げ問題、通信料金の値上げ問題その他に関する與党間の意見の調整ができなかつたことが最大の原因だ。
  103. 椎熊三郎

    椎熊委員 遅れた原因はそんなことじやない。
  104. 石田博英

    石田(博)委員 それが最大の原因だと思う。
  105. 小島徹三

    ○小島委員 それならば、政府の攻撃よりも、與党の責任の攻撃だ。
  106. 石田博英

    石田(博)委員 それを調整するのが政府責任だ。
  107. 榊原亨

    ○榊原(亨)委員 大体議論は盡きているので、これ以上は見解の相違でありまして、遺憾の意を表されたことで、もう責任は済んだと思われる人もあり、またこれ以上追究すべきだという考えもあると思いますが、これ以上議論してもつまらぬと思います。それは各党の御意見に任せて、ひとつこれくらいにしたらどうですか。
  108. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは明日の議事については交渉会に任すことにして、本日はこの程度で散会したいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは散会することにいたします。     午後四時四十六分散会