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1948-05-28 第2回国会 衆議院 議院運営委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十八日(金曜日)     午前十一時四十八分開議  出席委員    委員長 淺沼稻次郎君       石田 博英君    小澤佐重喜君       高橋 英吉君    益谷 秀次君       笹口  晃君    山下 榮二君       小島 徹三君    椎熊 三郎君       中村 俊夫君    石田 一松君       成重 光眞君    榊原  亨君       林  百郎君  委員外出席者         議     長 松岡 駒吉君         副  議  長 田中 萬逸君         事 務 總 長 大池  眞君         法制部第一部長 福原 忠男君     ————————————— 本日の會議に付した事件  國會記者會規約に關する件  昭和二十三年度衆議院豫算に關する件  國會豫備金支出に關する件  國會法改正に關する件     —————————————
  2. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これより會議を開きます。  事務總長から報告事項があります。
  3. 大池眞

    大池事務總長 御報告申し上げます點がございます。國會法の審議に入る前に御報告させていただきたいのは、先日お話申し上げた國會記者會規約改正の件であります。先日お手もと參考におまわしいたしましたものを見ますと、正規新聞雜誌竝びに通信等全部會員になり得る規定に相なつておりますので、いろいろ調べてみましたところが、正規配當を受けている通信社は二百四十五社に相なる豫定であります。それ以外に雜誌社を入れることになりますので、雜誌はおそらく千八、九百はある状態になる。從つて國會記者會にはいつたものに最低一つ通院章を渡すとすれば二千以上にも及ぶのではないかと想像され、それが現實に入つてくるとか來ないとかいう場合に問題を起し得る餘地があろうと思いまして、事務的な面から見れば、この際すべての雜誌社會員の中に統合されるということは、できたら御遠慮願いたい。少くとも正式に割當用紙をもらつておる合法的新聞通信社を全部包合し得る規約に直す程度ならやむを得ないじやないかという點と、もしかりにそうなつた場合に、雜誌社、あるいは會員になつていないものであつても、特に國會の取材を必要とするものに全然門戸を閉鎖する必要はないから、その社で責任さえとり得るならば、こちらで出しておる通行證を常時所有する者と、また臨時にそういう者にも融通し得る途を向うで考えてもらいたい。われわれの方としては現在發行しておる徽章の數が約六百くらい、これ以上殖やす餘地事實上あり得ないから、その範圍で多少殖えることはやむを得ないとしても、これを常時所有するものと、要求に應じて臨時に出し得る途等を十分に考慮してもらいたいということを、幹事社諸君に申し込んでおいたわけであります。そこまで來ておるわけですから、事務局側として、そういう意見があるということをいま一度向う行つて相談の上、あらためてまた相談したいということでありますから、私の方の事務的な見解だけ述べておいたことを御了承願いたいて思います。
  4. 石田博英

    石田(博)委員 實際問題としては、そういうことで六百個のものを基本數として二百四十五社に割り當てると、殘りはきわめてわずかな三百五、六十個にしかならない。その中で東京にある十社なら十社はどうしたつて一社で五十ぐらい要る。そうすると實際上活動しておる新聞社が使えなくて、同盟とき時事通信とかいうものに依存しておる販賣とか廣吉業務しかやつていない新聞社までバツヂをもらうというような、現實と非常に違つた面が出てくる。そこで六百なら六百というわくだけはつきりさせておいて、そのわくについて別の制限を設ける。たとえば保證金制度をとるとか、編集業務をやつている新聞社でなければやらないという取扱いをぜひする必要がある。  それからもう一つは健全な新聞業務をやつておる新聞に對しては問題はないが、この院内に最近名刺廣告をとつてまわつて、それを經營の基礎にしておるものがある。そういう新聞社に對しては、これを配付しないということを明らかにする必要があると思う。
  5. 椎熊三郎

    椎熊委員 運營委員會で、そういうバツヂをもつて出入する新聞通信社を審査することにしてはどうか。
  6. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 この問題はまだきまつておるわけではないので、この調査結果の報告に基いて、あらためてこれを議題にして、今述べられた點も容れながら具體的に協議したい。     —————————————
  7. 大池眞

    大池事務總長 次に先日御承認を願つた國會豫算でありますが、委員長手當のようなものは特に一項目をあげることはいかぬ。從つてこの際交際費へ振り替えるという點と、委員長食糧費が一人千圓平均では賄い切れぬから、三倍というお話と、祕書の三千七百圓ベース、この三點だけが先日この委員會できまつた。その點を早速事務的に交渉したのでありますが、第一點の交際費振替えについては、こちらの要求の全額は、各省とのつり合上困難なようで、一人二千圓ということでありますが、その半額の千圓程度までは認め得るように了解があるようであります。從つてそれでがまんするか、やはり既定通りの額にするかという點が一つ殘つております。もしその程度でごがまん願えれば、それだけは交際費の方へ振り替えめことができるという條件であります。  それから食糧費増額各省とも五割増になつて全部の豫算ができておるので、衆議院だけを十割増あるいは二十五割増は困難である。從つて五割増の從來千圓であつたものを千五百圓までということで内交渉していたわけです。その點御考慮願いたい。  それから祕書の三千七百圓ベースは、まだ法律改正されていない関係と、歳費等當然今度給與法その他で、議員歳費はさかのぼつて改正する必要があるので、それと一緒に適當と思われるところまで上つた分追加豫算要求した方が穏當である、今法律がそのままになつておるときにこの豫算に上げるのは困難である、こういうことであります。これはただいま申し上げました通り歳費等増額とともに、決定額追加豫算で上程することになつておりますから、その點はそれでこちらも了承できると思います。ただ前に申し上げました二點、食糧費の五割増、交際費のこちらの要求半類だけを振り替えるという點については、いかがいたしますか。向うとの了解程度で進んでいただければ簡單ですが、こちらはこちらとしてそれだけを計上しておくかどうか。議會獨自にやれるが、最後に大藏省において査定をするときに關係方面意向に基いて査定されるので、事前に事務的に折衝してもらつた結果、交際費の振替えは半額月千圓はよろしい、食糧費の方は五割増で全各省を統一していただく、それまではよろしいがそれ以上はやらぬ。こういう向う意向がそちらに傳わつてきておるということだけ、今御報告申し上げておきます。
  8. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それではこの方はこれで了承しておくことに御異議ありませか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  10. 大池眞

    大池事務總長 それから六月六日に圖書館開館式を行う豫定であります。この費用は、この前同様簡單な式を行う方針ですが、十五萬圓しかない。そして衆参兩院議員各界代表文化人その他もお招きすることになつておりますが、五十萬圓では足りないので衆参兩院からぜひ十萬圓ずつの補助をもらいたいと言つてきておるのであります。こういう費用はあらかじめ豫定した豫算もできておらないのでありますが、開館式圖書館だけでやるといふものでなく、兩院が主體になるわけですから、費用の一部分を負擔することは當然のことであります。これは約十萬圓だと言つておりますから、將來の豫備金をあらかじめその方面に繰り入れていただくことをお含みおき願つて、そのつもりでとりあえず進めていただくことになると思います。
  11. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 同調することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  13. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 次に國會法改正案議題に供します。この前までの委員會において三十四條の二を除く以外の點については假決定を見ましたが、ただ四十二條の點についてその整理方事務當局に一任したわけでありますが、一應事務當局から説明を伺います。
  14. 大池眞

    大池事務總長 三十四條の二は、最初の原案別案というところに書いてあります。先日の當委員會の大體の空氣と思われるものはその前に書いてあります。これについては最高裁判所及び司法省側の御意見を聽取したわけでありますが、結局このいずれかの中で當委員會でおきめを願いたい。  それから四十二條の點は、前日のお話の模様によつて内閣行政調査委員會内閣地方行政委員會、それから安本を獨立させて内閣經濟安定委員會という名前をつけたわけであります。前の案にはいつていた内閣建設委員會は建設省を獨立させるといふ點で十四のところにもつてきて建設委員會を獨立させてあります。以上を修正して、あとは從來通りであります。
  15. 椎熊三郎

    椎熊委員 先般來問題になつていた農林委員會、これは水産廳ができたときには考慮しようという暗默の了解があつたようで、農林委員會を分離して水産委員會を獨立させてもらいたい、こういう希望がある、各派の總意を聽きたい。
  16. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 今椎熊君の提案には、それ自體は賛成ですが、黨内事情もあるので、施行は第三國會からということにお願いしたと思います。
  17. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ほかに御意見ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それから三十四條の二について、この間法制部意見伺つたのですが、さらに伺いたいと思います。第一部長の御説明を願いたいと思います。
  19. 福原忠男

    福原法制部第一部長 簡單に御説明をいたします。  國會法第三十四條の二のあり方について三つの場合が考えられるのであります。お手もとにお配りした二と三、すなわち令状發付條件とするか、それとも令状執行條件とするかということについてわかれているわけです。別案がすなわち令状執行條件とするときであり、それから本案と申しますか、この方が令状發付條件とするという表現になつておるわけであります。それで今お手もと配つた説明書の中にも、一とというのは、從來本院で取扱つていた形がこれではないかと思いますので、これも御參考までに書いたのでございます。問題は二と三でございますから、その點について説明をいたしたいと思います。  すなわち原案の三十四條の二ということでございますと、裁判官、ある特別の場合には裁判所が、令状發付する前に自分の方で令状を出すということに大體意思決定した。そうしてその令状を出そうということに決意したのであるから、その點についての議院許諾意向を聽きたいというのがこの原案かと思うのでございます。その場合從來取扱いからいたしまして、國會裁判所が直結するという途がないものですから、その間に内閣という經路を經て國會の方へ議案として出されるという形になるのでございます。ところがその場合には、形の方から申しますと、裁判官内閣という通路を經て國會意向を求める、すなわち院の許諾を求めるという形になるのでございますが、もともと犯人の逮捕というものは原則としては逮捕權検察官ないしは司法警察官にあるのでございます。ただ人權保護の要請から、行政官が勝手に逮捕するということは差支えがあるというので、この逮捕の場合に裁判所あるいは裁判官から逮捕についての許可を求める、すなわち許可を求めることを、新たに新憲法下においての刑事訴訟法應急措置法などできめたのでございますが、この線は今度の刑事訴訟法改正案についても同様に踏襲をしておるわけであります。それゆえ逮捕權は検事にあつて、その逮捕權を行使するのに裁判所許可状が要る。その許可状令状と稱しておる、こう考えられるのであります。たとえば經濟査察廳の法案でも、明らかに許可状という言葉を使つております。そのようなことで、この令状は本來許可状的な性質のものであります。だからここに書いたような、裁判官が、許可状を出すについて院の許諾を求めるというのでは、少しく間接的な許諾を求める形になるのじやないかと思います。それで主體でないものに許諾を求めさせるのは不合理でないか。逮捕許可をするについての許諾を求めるのであつて逮捕自體についての許諾を求めるのではないという、理論的に何か合わないものがあるということを言いたいのであります。また、これは法務廳の方からさきに申されたことですが、たとえば國會開會になる以前に令状發付された場合を考えてみますと、これを執行するのは検察官あるいは警察官でございますが、その發付の時に國會が開かれていなかつたとすれば、令状發付することについての院の許諾は要らないことになります。この令状效力は三箇月なり六箇月なり適當な有效期間がありますから、その間に逮捕すればいいことになるのであります。その際に、非常に悪い例ですが、その方が開會前所在が不明であつた、ところが開會になつたので議院に見えたというような場合を想像してみると、そのとき逮捕状執行するのはどういうことにしたらよいか。原案ですと令状發付のときに院の許諾を得るというのですから、そういうようにすでに發せられた令状開會になつてから執行するという場合にはどうするかについて、別に一箇條中設ける必要があるかと考えます。三の場合は少くとも令状が出て、逮捕權者である検察官執行の段階に至つて院許諾を求める、すなわち逮捕そのものについて院の許諾を求めるということになるので、理論的な問題であるとか、あるいは別に詳しい規定が要るということがなくて一本で濟む。すなわちこの別案で行けば簡明な取扱いができるのではないかと考えるのであります。簡單でありますが、もし御質問があればお答えいたします。
  20. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 検察官逮捕權限を有するとあるが、これは検察官獨自權限でなくて、逮捕状執行にすぎない。それはどつちでもいいが、第二に會期中にどうこうという問題、閉會中に逮捕状を出したものはもちろん院の許諾は要らないが、國會開會になつた場合にどうするか。これは憲法規定及び國會法規定によつて失效してしまつて、すなわちその逮捕状というものは效力を發生しない。現行法では開會という事實によつてその逮捕状は失效するから、新たに法律規定に基いて逮捕しなければならぬ。それは明瞭なことで、少しも今のような反對議論にはならぬと思う。
  21. 中村俊夫

    中村(俊)委員 私はこれより元の方がいいじやないかと思う。その理由は憲法の五十條に「國會會期中逮捕されず、」という言葉が使つてあり、國會法の三十四條にも「會期中その院の許諾がなければ逮捕されない。」とあつて逮捕條件ということは間違いないと思う。一般人令状を發することによつてその條件が滿たされるけれども、國會議員に對しては、さらにその院の許諾を得なければならぬという特例があつて、その二つの條件がそろわなければ、令状を發しても院の許諾が得られない場合にはだめになつてしまうから、これはどうしても令状を發した後に、さらに院の許諾を求める方が正しいのじやないかと思う。
  22. 高橋英吉

    高橋(英)委員 こればどちらが政治的に議員特權を守れるかということが問題になるのだと思う。裁判所から特權ということを考えずに、一般人犯罪に對する令状を發する。その令状逮捕條件とする場合には、國會議員特權と調整して考えなければならぬ。裁判所に對して國會議員特權を考慮して愼重に審議させて、初めて國會議員逮捕する場合の調整がとれると思う。令状一般人に對する犯罪として令状を發する、逮捕するという國會議員特權を侵害するような行為は政府の委任によつてやれることになれば、國會議員特權を守ることはできない。やはり國會議員特權犯罪の諸條件愼重に審議させるのが至當であつて、公平な裁判官がそういうような諸條件愼重に考慮しなければならぬ。
  23. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 初めの趣旨は、ある隱謀のために議員逮捕するというようなことを防ぐのが憲法五十條の大きな目的一つである。そういうことをなくするには裁判官國會議員會期中であつて逮捕する必要があるということを裏づけて國民が納得するような規定にすることが必要だというのでこの規定改正をした。與黨であろうと野黨であろうと、とにかく公正な意味においてわれわれ國會議員の地位を守り得るような規定にかえようというのが改正趣旨であつて、途中からの議論執行條件とか發付條件とかになつておるけれども、大きな目的としては與黨野黨にかかわらず、議員の身分はどこまでも擁護していかなければならぬという大きい見地から見なければならぬ。
  24. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは速記を止めて……。     〔速記中止
  25. 成重光眞

    成重委員 三十四條の二については、相當運営委員會では各黨とも論議して、ほとんど論議は盡きておつたように思う。ところが聽いておると、次から次と人が變つて變つた意見が出る。新しい意見が出るから、これはいつまで經つてもまとまらない。私は大體この案でよいと思います。
  26. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると三十四條の二については、いろいろ御議論があつたようでありますが、この通り決定することに異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。
  28. 大池眞

    大池事務總長 各議院議員逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所または裁判官令状を發する前に内閣へ提出した要求書の寫しを添えてこれを求めなければならない。
  29. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは改正案全體を一括して議題に供したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは一括して議題に供します。これはもう決定になつておるのですから、全體を可決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定いたします。
  33. 大池眞

    大池事務總長 念のために申し上げておきますが、四十二條水産委員會を十と十一の間に加えること、それから附則のところで「次の衆議院議員總選擧後最初に召集される國會の召集の日から」というのを「第三囘國會からこれを施行する」こういうことですね。
  34. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは取扱いはお任せ願うことにして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 本日はこれで散會いたします。    午後零時四十五分散會