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1948-05-24 第2回国会 衆議院 議院運営委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十四日(月曜日)     午前十一時四十七分開議  出席委員    委員長 淺沼稻次郎君       小澤佐重喜君    工藤 鐵男君       佐々木更三君    笹口  晃君       小島 徹三君    中村 俊夫君       石田 一松君    河野 金昇君       成重 光眞君    田中 久雄君       中野 四郎君    林  百郎君  委員外出席者         議     長 川橋豊次郎君         事 務 総 長 大池  眞君         法制部第一部長 福原 忠男君         法務廳事務官  高橋 一郎君         最高裁判所事務         官       栗本 一夫君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度本予算に関する件  次回の自由討議に関する件  國会法改正に関する件  國政調査承認要求に関する件  國政調査報告書提出に関する件  國会所管経費要求書に関する件     —————————————
  2. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これより会議を開きます。  初めに昭和二十三年度の予算案取扱いについて、御協議願いたいと思うのですが、土曜日の本会議の議場で北村大藏大臣から答弁をされたように、大体の大綱関係筋の了解まで一切の手続きを終了して提出する運びになつたが印刷が間に合わない。ついては大綱を謄写版で刷つて提出するから、それで審議を進めてもらえないだろうかというお話があつたわけですが、どういうぐあいにこれを扱いましようか。印刷のできるまで待ちますか、それともこれは予算委員会審議の次第にもよると思いますが、たとえば本会議でやるということになれば、必ずしもそれがなくともできると思いますが、いかがでしよう。
  3. 小島徹三

    小島委員 それでいいじやないですか。
  4. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると、大綱を謄写で配付してもらえば審議を始める。審議を始めるについては、本会議形式はどういたしますか。本会議はなしで、政府財政経済の政策並びに予算の概要の説明を求めて、質問をするという形式で進んでまいりますか。
  5. 林百郎

    ○林(百)委員 大綱を本会議で一遍やりましよう。
  6. 中野四郎

    中野(四)委員 予算はぜひそうしてもらいたい。
  7. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると委員会にすぐ付託して審議をすることは妨げないけれども委員会ばかりでなく、本会議において政府の提案の理由並びに財政経済説明を承る、そういうことにしてよろしいですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小島徹三

    小島委員 委員会と同時になりますね。
  9. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 同時になります。
  10. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると本会議でやる場合には、やはりプリントができた場合ですね。大綱ばかりでなく、そのときも、やはりそういう機会を與えなければ、大綱だけで権威のある質問はできないでしよう。
  11. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 大綱であれば、本会議の方がやりやすい。
  12. 中野四郎

    中野委員 終戰処理費の問題を重ねてお尋ねしたいのですが、この前の議院運営委員会においては、昭和二十二年度の際には、終戰処理費の問題について小坂政務次官から概略の説明をするということで、実は小会派を除いてやつたのですが、そういうことをなからしむるように、予算委員室なり、あるいは適当の所へ集まつて秘密会形式をとつても結構ですから、大藏大臣から終戰処理費内容について発表する必要があると思う。これを第一にきめていただきたいこと。  第二は、鉄道運賃通信料値上げの問題ですが、傳え聞くところによると、これは大体六月十五日に値上げすることに閣議決定したという話をラジオで放送しておる。しかしながら、これはあくまでも財政法第三條によつて國会審議を経ていくべきだと私は思う。しかるに閣議決定したということを発表するようなことは、政府権限を壟断するものであつて國会審議がはたして通るか通らぬかわからぬときに、いたずらに発表することははなはだよろしくないと思う。このこと自体國民経済に及ぼす影響も大きいので、この点を明瞭にしたいと思う。もちろんこれは法文解釈からいつても、國会審議を経るものであろうと思うが、この二つの点をはつきりしておきたい。
  13. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 終戰処理費の問題については、政府が差支えさえなければ、予算委員会秘密会を活用してもらつて内容を発表してもろうように申入れをする。第二の運賃通信料値上げに関する件は、今度法律案が出てくると思うがその法律案審議して、衆参両院で可決した後でなければ、正式な決定にならないことはもちろんであります。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 ラジオでは六月十五日に値上げすることに決定したと発表しておる。
  15. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それは政府自体原案決定したということです。政府に対しては、この料金の値上げに関する法律案は、なるべく早く出してもろうことを要望することにして、次に、かりに政府の方から予算の概要なるものが出てきた場合に、これを本会議で扱う場合においてはどういうふうにするか。政府から説明をされた後に各党間の質問をするか、各党代表で一日なら一日ということにして……
  16. 小島徹三

    小島委員 二日ぐらいにしよう。
  17. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると、大体二日ときめておいて、あと内容については各派交渉会できめることにしてよろしゆうございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  18. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 次に自由討議の件を事総務長から御説明願うことにします。
  19. 大池眞

    大池事務総長 今までやつておりました自由討議は、問題をきめずにやつておりましたが、今度の自由討議は、選挙法改正について各党意見を十分に述べてみたらどうだろうかというお話がこの間あつたわけであります。從つて、從來の方法ですと、発言時間を定め、各派に割り当てるわけですが、今度はどういうふうにしておやりくださいますか、御相談願いたいと思います。この間のお話では、各党意見のある人は自由に述べるようにしたらどうかという御意見があつたのですが。
  20. 石田一松

    石田(一)委員 これは、同じ党内でも、変つた意見をもつておる人もあるから、党としないでやつた方がいいと思う。
  21. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 党議でなく、個人意見を発表するんだね。
  22. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 各党でまとめてやる人もありましようし、個人意見を言う人もある。
  23. 林百郎

    ○林(百)委員 石田さんの意見もあるが、これは重要な問題だから、できるなら、各党正式態度を発表してもらつて、それを参考にしてものを考えたいと思います。
  24. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 討論参加者党代表でもいいし、個人でもいい、こういうことにして、時間まどうでしよう。
  25. 林百郎

    ○林(百)委員 各党へ割り当てたらどうですか。
  26. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これも二日間ぐらいにして各党へ割り当てましようか。そうすると、二日間ぐらいにして各党に割り当てることにいたしましよう。それから、自由討議日取りについては、予算案提出の時期とにらみ合わせてやることにして異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 明日はこの間の緊急質問残余が二題あるから、それを終了した後やることにしましよう。
  28. 小島徹三

    小島委員 暫定予算を明日中に上げるべく、努力するということになつております。
  29. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 自由討議日取りについては明日、土曜日の残余質問終了後に、選挙法議題として自由討議に入ります。     —————————————
  30. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは次に國会法改正案議題に供します。最初に事務総長からごく簡略に参議院との話合いの点だけを御報告願つて、それから條文に入りたいと思います。
  31. 大池眞

    大池事務総長 先日参議院衆議院合同打合会がありましたが、そのときに参議院の方から、前に改正の主張をしておりました点を特に御考慮願つて、できるようにお願いしたいというお話があつたわけであります。その一番大きな問題は、裁判官訴追委員でありますが、その訴追委員会は、現行法では衆議院のみ出ているわけでありますが、それを衆議院だけでなしに、衆参両院から出してもらいたい。その数は必ずしも同数を特に主張せぬでも、少くとも両院から出ることが穏当ではないか。それは裁判官彈劾裁判員の方は、両院から半数ずつというような関係から、ぜひ訴追委員の方も衆議院のみでなしに、出るようにお取計らいを願いたいという点がまず一点、もう一つ両院法規委員が現在衆議院が十人、参議院は八人ということに現行法では相なつております。その点をできたら十対十というように、ぜひ同数にお願いしたいというのが二点。それからこの前にもこの委員会で御相談になりまして、一應御了承が得られなかつた点でありますが、開会式のときに衆議院議長参議院議長とが毎回交代して議長の職務を行うようにしたいというのが三点。もう一点は両議院議決を経た議案は、最後議決があつた場合に、その院の議長から公布奏上手続ができるようにしてもらいたい。今は衆議院の方からやつておるわけでありますが、それを両方とも最後議決の院でそれができるように願いたい。この前に改正案として出ておりましたこの四点だけをぜひ実現できるように当委員会に御考慮を願いたいということで、その点は委員会に御報告をして、御再考を願うということでお別れしておるわけであります。
  32. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま事務総長から報告がありました通り参議院からの改正條項の申出は、第九條、第六十五條、第九十六條、第百二十六條、第百二十八條に関連をもつ事項でもあります。これらの点につきましては、あと協議をする際に議論することにして、報告を承つただけで協議に入りたいと思います。  それではこの前の審議で留保になつております三十四條の二から入ります。三十四條の二については、関係当局からお見えになつておりますから、まず意見を承りまして協議を進めたいと思います。
  33. 栗本一夫

    栗本説明員 裁判所意見としましては、前回申し上げました通り、別段ただいまのところ変更はございません。
  34. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 もう一遍前の意見を明確に言つていただけませんか。
  35. 栗本一夫

    栗本説明員 原案は、「各議院議員逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣はその令状の写を添えてこれを求めなければならない。」となつておりまして、裁判所といたしましては、犯罪嫌疑その他法律要件のきまつております場合は、その要件に合致すると思えば令状を出します。それを具体的に執行するかどうかという点の段階におきまして、國会許諾を求める。その求めますにつきましては、内閣令状の写を添えて國会に院の許諾を求めてくる。そういふ方が裁判所國会との関係において摩擦を生ずることが少いのじやないか、かような見地からやはり原案の方がいいという考えをもつておるのでございます。この改正案のように「各議院議員逮捕につき、その院の許諾を求めるには、所轄裁判所又は裁判官令状を発する前に内閣要求書提出し、内閣はその要求書の写を添えてこれを求めなければならない。」というふうになりますと、いきおい國会裁判所との間に、あるいは多少摩擦を生ずることがありはしないかというように考えまして、事を穏便に運ぶ意味におきまして、原案の方にわれわれとしましては賛成したいて思うのであります。
  36. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 摩擦を生ずるというのは具体的にどういうことを言われるのですか。
  37. 栗本一夫

    栗本説明員 具体的に申しますと、裁判官証人にお喚び出しになりまして、いかなる犯罪嫌疑があるかというようなことに手を触れることになりますと、司法権の独立に——その点まだはつきりしないのでありますけれども、多少影響を及ぼすようなことになりはしないかというような点を考慮するわけなのであります。
  38. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 もちろん裁判官証人に喚ぶこともできるでしようが、それは前の規定つて同じことでしよう。今度新しい規定だから喚べない、前の規定なら喚べるというようなことじやない。現在審議に際して、どんな証人でも喚ぶ氣なら喚べるし、喚ばない氣なら喚ばないでいい。喚ぶ喚ばないによつて規定が前のがよくてあとのが悪いという理窟がわからない。
  39. 栗本一夫

    栗本説明員 その点は現行法におきましてもそういうことが問題になるかと思いますけれども、要するに司法権に対する制限の規定なのでございますから、國会におきましては、裁判所において意思決定をいたしましてから御判断になつた方がよくないか。さようなことも考えるわけであります。
  40. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 あなたの考えはそれでいいが、さつきの議論から言うと、摩擦が起るというから、具体的にどういうふうに摩擦が起るかと聽くと、証人を喚ぶ場合に起るという。ところが証人を喚ぶということはどつちの規定でも、喚ぼうと思へば喚べるじやないか。私らの主張している法文だけが証人を喚べるのではなくて、あなたのいいと言われるもとの法文でも喚べるのではないか。
  41. 栗本一夫

    栗本説明員 その点は確かにそうでございます。ただ喚びます場合にどの点まで御尋問になるかということが相当問題になつてくると思います。
  42. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 それは理由にならない。それ以外に何があるのですか。     〔速記中止
  43. 高橋一郎

    高橋説明員 ちよつと法務廳の方の意見を申し上げます。私、前に法務廳の檢務局の刑事課長をやつておりました高橋でございます。ただいま労働社会課長になつておりますが、引続いてこの問題に関與しております。  法務廳の方といたしましては、この改正案原案でございます、つまり令状写しをつけて許諾を求める。この方がよろしい、改正案の方は賛成しがたいという意見でございます。理由は、改正案の方は、國会の方で何らか直接裁判所の意向を確めたいという御趣旨のように見えるのでございますが、その場合内閣といたしましては、裁判官内審のことまでは、どうもわかりかねるものですから、内閣を通じて出すということになつても、ただ手続上の何と申しますか、取次のようなことであつて、それ以上責任はもてないという点、それからもう一つ、結局檢察官といたしましては、執行の際に、やはり責任をもたなければならないものですから、たとえば國会開会前に裁判所令状を受けておつて、何らかの事由で逮捕会期が始まつてからというような場合には、やはり檢察官としては院の許諾を求めなければならぬ。そうしますと、そのように非常に複雑な手続よりは、原案のように執行條件ということにしていただいた方が、非常に考え方がはつきりして、事務上のいろいろな疑義も少くなる。こういうような見解であります。
  44. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 それは前と同じことで、私が聽いておるところは、どういう意味でそういう結論に達して、どういう障害法律上あるかということを聽いておる。あなたのこれでいいだろうというようなことを聽いてもしようがないので、今委員長の言う通りさような主観的な問題でなく、たとえば法律上どういう障害があつて事務執行上どういう障害があるか、あなたのように写しをつけてということになると、これこそ裁判所決定に対してこつちが反対することはほとんどできなくなる。むしろ裁判権侵害みたいな形になる。ぼくらの方ではその事件が出て、裁判所決定して、まさに出そうというときに院の許諾を求めることは裁判権侵害となるから、國会に出すにしても決定前に自由な心証でその問題をきめていく、こういう意味なんです。あなたの方で写しを出すというようなことは、むしろ國会としてそれに反対したら裁判所決定を無視するようなことになつて、かえつて司法権に惡影響があると思う。いつも聽けばいいが、聽かないということになると、一旦拘留状を出してから、それを否認するということになると、司法権議会が容喙したような形になるというわけです。
  45. 福原忠男

    福原法制部第一部長 法制部第一部長福原と申します。ただいまの点について、裁判所からここへおいでになつ岸部長が出張中で、課長にかわつたために多少連絡が不十分でありますから、この前私の方で岸部長に伺つたところで代つて報告申し上げます。  原案令状写しを添えて、すなわち裁判所がその令状について、その執行のために内閣から議院許諾を求めるということと、このたびの三十四條の改正案によりますと、その点は令状を出す前に、議院許諾を求めるという形になるのでありますから、もとの案では法律的に見ますと、こういう点が違うのであります。すなわち前の案では、令状執行條件として院の許諾を求めるということでございますし、このたびの改正の方になりますならばこれは令状を発する條件として院の許諾を求めるということになるのでございます。その間にどういう差があるかと申しますれば、新しい憲法の明文からいいましても、一般人裁判所令状がなければ逮捕することができないわけでございます。すなわちいかなる者も裁判所令状があつて初めて——もちろん現行犯の場合は除きますが現行犯以外の場合は、裁判所令状があつて、初めて逮捕されるという形になるのでございます。ところが國会議員につきましては、その職責の重要性に鑑みまして、特に憲法で院の許諾條件とするのでございます。すなわち一般人についての逮捕條件のほかに國会許諾條件としておるのでございまして、法律的に見ますれば、前のを一般條件と申し、あと特別條件と申せるかと思うのであります。今改正案で申しますならば、発付する前でございますから、発付せなければ逮捕という問題が現実には起つてこないことになるのでございます。発付されたことによつて、初めて逮捕するという形になるのでございますが、その間ちよつと法律的に申しますと、差があるのは、現在逮捕権は何人にあるかといえば、一般の場合に檢察官ないし司法警察官吏逮捕権をもつのであり、その逮捕権を行使するについて、裁判所のいわば許可と申しますか、これが令状に当るのであります。すなわち逮捕の直接の責任者檢察官であり、その下僚であり、司法警察官という形になるのでございます。それゆえ原案の方で申しますならば、その点が法律的にははつきりいたしまして、裁判所が出してすでにある者についての逮捕権限をもつておる者が、その逮捕を実行するについて院の許諾を求める、こういうことになるのでございます。ところが第二の改正案の方で申しますと、未だ逮捕ということについては、はたしてできるかできないかについて確定的にはなつておらぬ。すなわち裁判所逮捕したいからといつて令状を求め、その求められた裁判所が、その令状を出そうとするについて、院の許諾を求めるということなんですから、法律的に見ますれば、一段隔つたこと、すなわち先走りして院の許諾を求めるということになるのが、この改正案法律的な組立ではないかと考えるのであります。それゆえ現実の問題として、万一の場合に裁判官を喚んで、令状を出すことが必要であるかどうかというようなことについての問題は、もちろんどちらの場合でも起り得るかと思います。しかし法律的の組立の問題として、原案の方がより正しいということが言えると思います。  もう一つ、今小澤委員からお話裁判権侵害云々ということがございましたが、この点は、言葉が過ぎると思いますが、杞憂かと思います。この点は裁判所令状を出したからといつて、その令状執行國会憲法に認められた権限によつて、拒否するということは当然のことでございまするし、また憲法規定によりましても、裁判所令状を出し、そうして逮捕され、勾禁中の者ですらも、もし國会会期が始まりますれば、院がそれを要求して釈放を求めることができるとまで憲法にうたつておりますから、これこそはつきりした裁判所に対する、干犯と申しましようか、その点を十分憲法考えておるのでございますから、その点は裁判権に対する侵犯であるから、前のより後のがよいという御議論は成り立たないかと考えます。
  46. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 大体今の議論はほとんど全部認める。認めておつて、なおこれらの規定が惡いということは出てこない。法理論としては同じ考えです。ぼくは裁判権侵害するというのは、侵害するような形になるので、それは國会法律案を認めて、こつちでするというのは自由なんですけれども、その反対のことをする場合に、実際的に侵害するような感じをもつ。
  47. 中村俊夫

    中村(俊)委員 問題は結局こうだと思うのです。憲法に書いてある、院の許諾を求める云々という趣旨は、発付條件として認めておるのか、執行條件として認めておるのか、この点さえはつきりすればよいのではないかと思う。
  48. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 その点ぼくらは発付條件としたい、向うは執行條件としたいという法律理論で、二つつておるのであつて、その通りでよい。私の方は発付條件としてやつておるというだけです。
  49. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  50. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうするとその取扱いはどうでしようか。大体の問題の中心が明白になつたから、どういうぐあいに決定するかということは延ばしておいて、先へ進んでいくことにしたら……
  51. 林百郎

    ○林(百)委員 参考までに、今の委員意見もありましたが、憲法の五十條ですね。法律の定める場合は逮捕することができるという、この「法律の定める場合」というのは、一体逮捕執行要件法律で定めるべきか、あるいはその前の令状を出すことも法律で定める必要があるか。この五十條の解釈です。
  52. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それがわかれておるということです。それがわかれておるから、あとでこれをきめようというのです。二つ意見があるということが明白になつたから、あと憲法解釈について一應檢討してみる必要がある。他に御意見ありますか。
  53. 高橋一郎

    高橋説明員 ただいまの点が解決をいたされましても、もう一つ問題が残るのではないかと思うのでございます。それは、発付條件となりました場合に、それを改正案のように、裁判所意思決定する寸前にやるか、あるいは檢察官の方が裁判所令状請求をする場合にやるかというような問題がやはり残るのでございます。どうも改正案の場合で言いますと、内閣責任ということが意味がわからないのでございますが、その点をやはり一應御檢討願いたいと思います。
  54. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 内閣責任というのは、國会に対しては原則として、裁判所責任を負うのではなくして、内閣責任を負うからというので、司法権國会権限との問題には関係がない。そこで内閣というのは入れてあるのです。  それからもう一つの問題でも、たとえば「前に」ということは、現在の規定では檢察官がすぐ請求できる。ところが檢察官のこれがいけないという。檢察官からこつちへいきましよう。あなたの言うのは心証を得たときにやるか、檢察官から來たときにやるか。檢察官から請的が來ましよう。これに対して、見もしないですぐ出すか、見てから出すかという問題が残るというのでしよう。
  55. 高橋一郎

    高橋説明員 私どもの方は檢察官の立場ですが……
  56. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 裁判所が良心に從つてやる場合に、檢察官請求が正当だ、逮捕状を出すべきだという心証を得たときに出すのが、裁判所としてはその責任を盡したものであつて、そそつかしい裁判官は、檢察廳から來たからすぐ出せと言うのがあるかもしれませんけれども、そういう申請があつた場合に逮捕するだけの理由なり証拠があるかどうか、社会一般から見てこういう請求を出すのが正当かどうかという一つ心証を得て、國会承認さえ得ればただちに出すという氣持の上で出すので……
  57. 高橋一郎

    高橋説明員 ごもつともでございますが、その場合に内閣を通すという意味が必要でないのではないかという意味です。
  58. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 憲法により、國会に対して内閣責任を負うのであるから、裁判官責任を負うということはないから、その点を緩和するために内閣ということにしたので、私どもから言うと、内閣を通さぬことがむしろ望ましい。私ども内閣を通さずに、裁判所からすぐ出せと言うのだけれども、いろいろ他に意見があつたため、内閣を通せということにしたので、本來は内閣を通さぬ方がよい。
  59. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつと一言申し上げておきますが、裁判官責任を問うとか何だとかそういう実際問題があつたときにおいて、この議会がどうしてやつたかという疑いを裁判官がもつようなことが起きるようにお考えですが、この改正案改正、これの裁判官というものをここに出したということは、裁判官が檢官聽から出した逮捕の要求に対して、令状を出そうと、要するに一應認めたときは、われわれは相当裁判官ならば信頼ができるということなんです。そこに政治性がもたれないという裁判官に対する信頼が、実にわれわれの改正案にははいつておる。それがかえつて裁判官責任を追及されるようなことになるとわれわれの眞意も通らないような氣がする。だからむしろ内閣を通さないで裁判官ということにした方が信頼性があるように思うし、そこまで裁判官を信用しようとしているのです。
  60. 林百郎

    ○林(百)委員 法務廳にお尋ねする。令状を出す場合に、檢察廳が令状の要求をすると、裁判所としてはそれを拒否する権限があるのかどうか。おそらく檢察廳が要求すれば、裁判所はそれを許すではないかと思う。現実には檢察廳が執行するので、裁判所令状を出す動機をつくるという点と、執行の任にみずから当るということに対して、当然内閣責任を負うべきで、そういう意味でもやはりこの場合、内閣責任を逃れるわけにいかないと思うがどうか。
  61. 高橋一郎

    高橋説明員 そういう意味責任なら國会法規定が置かれなかつた前のやり方でもよいと思う。特に裁判所の方が意思決定をする場合に、檢察官國会の方に対して逮捕しようと思つても、その間の微妙な問題は代辯しかねるわけです。
  62. 林百郎

    ○林(百)委員 しかし最初の動機は檢察廳がやるので、それに対して責任をもつ必要がある。
  63. 高橋一郎

    高橋説明員 その限度においては檢察官内閣國会に対して責任を負える、しかしそれ以上の改案のねらつているような微妙な点に至ると全然できない。
  64. 林百郎

    ○林(百)委員 改案については意見があるが、内閣責任はどうかというたら、内閣もこういう点で負うべき責任があるではないかという意味で、ここに内閣がはいつているのではないかと思う。
  65. 高橋一郎

    高橋説明員 要するに執行條件なつた場合は、裁判所の方で先に令状を出して、この執行について、院の許諾を求めなければならぬ。逆に発付條件なつた場合は、たとえば檢察官から内閣を通じて院の許諾を求めておいて、そうして今度裁判所令状が出るか出ないか、裁判所の方に求めてみる。そういう手もあると思います。今の改正案のように、裁判所からやるという手もあるのであります。二つにわかれると思います。発付條件となる場合にも、その点でございます。
  66. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは大体今要件はわかつたけれども、まだ相当法務当局の方では意見があるようでありますから、これが討論になるときに、もう一遍來て意見を述べていただくことにして、今日は問題の重点がわかつたということにして、この程度にいたします。  それでは次に参りまして、問題になつておるのは四十一條の二項と四十二條ですが、四十二條は、この前の了解としては、大体水産廳ができれば水産委員会を別にする。さらに安本に関する委員会を何らかの形で設けるということで、各省のものを事務当局へ整理願つたわけです。
  67. 大池眞

    大池事務総長 整理したものはございませんが、今の農林委員会の方は水産廳ができれば、ちようど内閣の中に廳が三つ、四つにわかれておるのであるから、水産を農林委員会の中に入れる。それがいかぬというなら、これは農林委員会を並べて特に水産委員会を設けることも差支えないと思います。  それから安本の問題ですが、この前委員長からお話があつた通り内閣の分についてはわけないという意見もあるというお話もあつて、特に安本を入れておりません。現在においても安本関係のものはほとんど財政金融委員会でやつておりますので、從つて安本の方は大藏委員会の方がよいのではないかと考えておるだけでありまして、これを特に分けろということになると、大藏委員会としての仕事が少くなるのではないか、しかし特に安本委員会をつくつた方がよいというなら、名前だけでありますから、考えられると思います。建設省ができれば、内閣建設委員会というものでできると思いますので、安本のものを内閣何とかということで突つこむことはできると思います。
  68. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすると四十二條については、原則として衆議院の態度は事項別の委員会を各省別の委員会に改めて、内閣各種委員会の中に安本に関する委員会一つ挿入するということで原案を仮決定して異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 その次に参議院からの申出について何か御意見ございますか。
  70. 石田一松

    石田(一)委員 さつき参議院からの申出で、裁判官の彈劾訴追委員参議院からも出すという強い要求であつたのでありますが、これは参議院権限であるかもしれないが、すでに司法委員会において裁判官の実際問題を調べてやつているので、訴追委員会としてはたしてそういう権限があるか、私は大いに疑問に思う。
  71. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは扱い方としてはこの前の決定では、大体衆議院としては了承しかねる。大体原案でいくということできまつてつたのですが、再確認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうすれば三十四條の二を除いて全部が仮決定ができたわけでありますが、これを討論といつては語弊があるかもしれませんが、三十二條の仮決定並びに本決定を中心として全体を決定するということで、いつごろやりましようか。
  73. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 これは偽証罪には罰金刑はなかつたと思うが……
  74. 大池眞

    大池事務総長 十三章に証人に関する法律を全部関係方面のアドバイスで入れろということで、はいつてしまつたわけです。ところが現在不当財産調査の方でも証人規定についてはいろいろな点で問題になつているようであります。ですから、結局國会法の中に証人の章を今入れるのは早過ぎるというので、これは單行法であるのですから、これだれははずして、從來通り國会法改正だけにして、証人は延ばしていただいたらどうでしようか。
  75. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 そういうことも一つ考え方ですが、この際惡いところは改めていく。何もさかのボるわけじやないから……。
  76. 小島徹三

    小島委員 これは法律が変れば罰金刑になるのだから、私はさかのぼると思う。
  77. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 議会裁判所とは違うのだから、これは至急直す必要がある。
  78. 林百郎

    ○林(百)委員 百五條はどうするのですか。
  79. 大池眞

    大池事務総長 十三章を削るわけでございます。そうしますと、この中にある百六條の五というのが残つてくるわけです。今問題になつておりますのは、証人だけ旅費、日当がもらえて、各委員会参考意見を聽くために喚び出されて來る人は旅費、日当がもらえないので、参考人として出られる人にも旅費、日当が出るような規定にしたいと思います。
  80. 小島徹三

    小島委員 そうすると、委員会で勝手にどんどん参考人を喚んでいる。ああいうのにも全部拂うことになるのですか。
  81. 大池眞

    大池事務総長 喚べばそういうことになります。
  82. 小島徹三

    小島委員 それはよく考えておかないと、労働組合の連中を五人も六人も喚んでやつておるが、たいへんなものになる。
  83. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは今事務総長から言われた証人に関する法律案に対してはそれでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 よければ党議を決定して本決定する日を二十八日金曜日の午前十一時にいたします。
  85. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方から質問書が一つ出ていて、一週間以内に答えていただきたいというのがまだ答えが出てないがどうなつておるか。
  86. 大池眞

    大池事務総長 それを今御決定願いたいと思つているが、木村さんによくお話を申し上げて、野坂さんと御相談願いたいということにしてあるわけなので、運営委員会で正式に決定していただこうということになつたのです。これは質問主意書とあるが、実体は質問主意書でなく資料提出の要求なのです。質問ですと内閣責任上一週間以内に返答しなければならないが、これだけのものは一週間に現実にできない。資料要求を質問書の形で出てくるのを、將來議院運営として質問として取扱つていいかということが問題で、これは事実上中身は質問でなしに資料要求であるから、資料要求として正式に資料の要求をしていただきたい、こういうことなのです。
  87. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ちよつと速記を止めて……     〔速記中止
  88. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 件名をうたつて、両者とも予算委員会だから予算委員会を通じてやつてもらつたら……
  89. 林百郎

    ○林(百)委員 ちよつと待つてください。帰つて党へ諮りますから……     —————————————
  90. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それから國政調査に関する要求があります。
  91. 大池眞

    大池事務総長 國政調査承認要求があります。水産委員長の馬越晃さんから、魚類の價格及びその集荷配給機構に関する事項を調査したい。  小委員会をつくつて関係方面より意見聽取、記録及び報告の要求等です。  農林委員長から食糧、蚕糸、畜産、林業、開拓、土地改良、農業課税及び農業金融問題を調査したい。  関係方面から意見聽取。
  92. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 二件とも可決いたして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう答申することにいたします。  ただお諮りしたいのは、こうやつて國政調査の報告を求めて調査すれば、何か成案なり結果ができると思うが、その結果が議長の手元に、あるところは出、あるところは出ないというふうにまちまちになつておる。大体出ないで会期を終つてしまうというのが多いように思うが、やはり國政調査の結果については報告書を出すようにきめておいたらどうです。何のために承認を求めるのかわからなくなる。
  94. 林百郎

    ○林(百)委員 やはり運営委員会に諮つた場合は、報告書を責任をもつて議長あて出させなければ意味をなさなくなる。
  95. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 運営委員会としては、議長から諮問のあつた事項については議長は必ず國会終了までにその調査事項が廃案にならぬよう報告を求めて、それを議員全体に配付してもろう。そういう附帶をこの際決定して異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さように決定いたします。     —————————————
  97. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 次は昭和二十三年度國会所管経費要求書議題に供します。なおこれは相当詳細にわたつて聽取しなければなりませんので、明日事務総長から伺うことにして、本日はこれで散会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは明日は午前十時半から開会することにしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後一時四分散会