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工藤委員 大体大綱を申し上げます。
赤坂離宮をどう利用しようかということについては、移管しない前に、
國会でこれを利用することがいいじやないかということを、ある筋から忠告もあ
つて、
淺沼委員長が呼ばれて、それはたいへんいいことだというので、とりあえずあそこを
國会の
議員会館にすることを考えらおつた。ところが、
政府はそれより
相当後れてから閣議で、あそこを行政官廳にしたいという希望があるということであつた。たまたまこつちの福利
委員長と浅沼君が会見した結果、そこに当時に曽禰官房次長と大藏省の國有財産管理課長が來ていろいろ
説明を聽いた。ところが、どうしても法務廳は狹くてしようがないから、二階も下も皆使いたいというような希望であつた。そこで
参議院の代表的
意見を聽いてみたところが、それはとんでもない話だというような
議論に
なつたけれ
ども、
政府も新しく官衙を建てることは容易じやないから、ぜひ使いたいと言う。そこで半分ずつにしようということに
なつた。半分にして横に割ると、二階と一階とになる、そうすると便所に困る。そこで縱に割れば右側は殿下とか妃殿下がおられ、左側は陛下とか、皇后が使
つておられたそうでありますから、便所その他の設備の配置は同じだから、そうしようじやないかということで、
政府も不満であつたけれ
ども、この際どうのこうの言わずにこれいさつぱり半分ずつにしようじやないかということで、あまり
議論もせずに会合はきまつたわけであります。これを実行しよう。それと同時に國有財産であるから、これは大藏省が管理するのが至当だ、法務廳は法務廳で管理したいという
議論があつたけれ
ども、それはいかぬ。將來あの建物がいろいろな
意味において
事務官聽にして、土足で荒されたり、あるいは壁などを壊されたりしては困るから、これを損じない
程度の方法はというと、やはり
図書館にして、廣い部屋に
図書館を設けて、そこで靜かに本を読み調査もする。結局これは
國会で管理するのが至当だということを極力主張した。大藏省はいい顔をしなかつたけれ
ども、とにかく
最初の出発から言えばその方が適当だから、
國会で管理することにしようということできめたのであります。今後の問題としては福利
委員会があるのだから、福利
委員会が官聽のあすこへ移ることについても、保管の方法についても、嚴重な監視のもとに、われわれの考えをどこまでもりつぱに完成するようにしたいというふうに話合いがきまりましたが、今後は十分その成行きを
國会の方で監視していく必要がありはしないかと思
つております。いろいろその間に事情はありますけれ
ども、そういうぐあいにな
つておりますから御了承願います。