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1948-01-27 第2回国会 衆議院 外務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月二十七日(火曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 安東 義良君    理事 加藤シヅエ君 理事 武藤 嘉一君    理事 亘  四郎君 理事 堀江 實藏君       高瀬  傳君    戸叶 里子君       和田 敏明君    鈴木 強平君      長野重右ヱ門君    菊池 義郎君       佐々木盛雄君    竹尾  弌君       仲内 憲治君    若松 虎雄君      唐木田藤五郎君    多賀 安郎君  出席國務大臣         外 務 大 臣 芦田  均君  出席政府委員         外務事務官   山田 久就君  委員外出席者         專門調査員   佐藤 敏人君         專門調査員   村瀬 忠夫君 一月二十六日  連絡調整事務局臨時設置法案内閣提出)(第  四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連絡調整事務局臨時設置法案内閣提出)(第  四号)  救援物資に関し在米洲同胞に対する感謝決議案  起草に関する件     —————————————
  2. 安東義良

    安東委員長 ただいまより会議を開きます。  昨二十六日内閣から提出されました連絡調整事務局臨時設置法案が本委員会に付託せられましたので、これより同法案審議にはいりたいと思います。まず外務大臣より提案理由説明を承りたいと思います。     —————————————
  3. 芦田均

    芦田國務大臣 本法案提案理由につきまして御説明申し上げます。  連合國官憲による日本占領開始以來政府連合國官憲との連絡につきましては、終戰連絡事務局がその衝に当つていたのであります。占領当初におきましては、國内諸機関の側におきましても、また占領軍当局の側におきましても、相互機構に不案内であり、從つてその間において終戰連絡事務局は行政の各般にわたり両者連絡の窓口としての機能を行つていたのでありますが、その後漸次総司令部各部局及び日本側機関において、その所管事務につき相互に直接連絡の、途が開かられるに至り、終戰連絡事務局連絡を行う事務内容は漸減してきた実情であります。これは直接連絡の利便及び必要の点から生ずる当然の帰結であります。しかしながら他面、その結果占領軍当局との連絡に関連して、各廳事務綜合調整を行う機構の必要が痛感されてきた次第でありまして、この点については総司令部側においても強い希望があり、ここに終戰連絡事務局を廃止して、新たに内閣総理大臣管理のもとに、連合國官憲との連絡に関する事務及びこれに関連する各廳事務総合調整に関する事務を掌らせるため、連絡調整事務局を設置せんとする次第であります。そしてそれに伴い必要となつ外務省機構の一部改変をするというのが、この法案の趣旨であります。  連絡調整事務局機構の概略を申し上げますと、その所掌は前に申し述ましたように連合國官憲との連絡に関する事務及びこれに関連する各廳事務総合調整に関する事務であります。そして中央連絡調整中央事務局を置くとともに、所要の地に連絡調整地方事務局を置くこととしております。また新機構の最も重要なる機能一つでありますところの、連合國官憲との連絡に関する各廳事務総合調整に関する事項審議するため、連絡調整事務局連絡調整委員会を置くことができるようになつております。なお連絡調整地方事務局においては特殊財産及び賠償に関する事務を掌ることとし、それにつきましては、外務大臣または賠償廳長官連絡調整地方事務局の長を指揮監督することができることとしております。從來終戰連絡中央事務局管理部において取扱つていました特殊財産に関する事務は、今般外務省に移管されることになり、また從來終戰連絡中央事務局賠償部において取扱つておりました賠償に関する事務は、別に政府より提出されております賠償廳臨時設置法案により設置さるべき賠償廳に移管されることになつておりますが、この両者事務につきましては、新たに地方機構を設けることを避けて、連絡調整地方事務局をして地方的事務の処理に当らしめることが適当と考えられますので、その趣意によつて右の規定を設けておる次第であります。  外務省機構の改正につきましては、前に申し上げました特殊財産に関する事務を掌らしめるため、特殊財産局を新設するほか、新たに特殊資料部を置くことにしておりますが、これは日本占領に関する記録蒐集、編纂並びに研究に関する事務を掌らしめるものでありまして、連合國の対日管理に関し総司令部より発出された重要な文書及びこれに対して日本側においてとつた措置に関する文書等蒐集、整理、調査、研究を行うことは將來に対する準備の上からきわめて重要なことでありますので、この点において遺憾なからしめたいという所存であります。  なお本件は、総司令部側よりの内示もあり、二月一日から実施する必要がありますので、何とぞ愼重御審議の上、速やかに可決あらんことをお願いいたします。
  4. 安東義良

    安東委員長 それではこれより質疑を許します。
  5. 唐木田藤五郎

    唐木田委員 参考法令は今拜見しておりますが、臨時設置法案のプリントがあるのですか。
  6. 安東義良

    安東委員長 これはすでに昨日各委員に配付になつてつておるはずであります。
  7. 仲内憲治

    仲内委員 この案で見ますと、総理廳の一外局みたいな形になつておりますが、長官と総理大臣との関係、それから外務大臣との関係、その辺について少し御説明を願いたい。
  8. 芦田均

    芦田國務大臣 先ほど申し述べましたように、占領軍司令部各省とがその所管事務について直接に話合いを進めていつて政府としてはその事務総合調整を行う仕事連絡調整事務局に行わしむるという建前でありますから、各省全体にわたる事務を総合する関係からいうと、総理大臣がこの機関を握つておるということの方が合理的であるという考えから発足しておるのでありまして、御承知の通りに、外交関係の復旧する時期までは、直接わが國は対外関係をもつておりませんから、いわゆる外交事務所称するものは存在しないわけであります。しかし平和克服後においては一切の渉外事務は一元的に外務大臣が管掌するということはもとより当然のことでありまして、その時期に至るまで占領軍軍政部日本政府との間の一般的な事務は各廳に機関を設け、総理大臣がその責任をとるということになつたのでありまして、外務大臣は閣僚の一人として、これらの事業に直接間接関與することは、從來通り少しも変化はないのであります。ただ機構のあり方としては今日のごとく多くの事業が直接各省軍政部の各機間との間に行われるのでありますから、そういう意味において終戰連絡事務局総裁仕事はこれを総理大臣において行うことが合理的であり、かつ便宜である、こういう趣意であります。
  9. 仲内憲治

    仲内委員 そうするとこの局ができましても、現に行われておる各省との直接連絡は依然行われて、その局はそれを総合調整するというのが主たる任務になるわけでありますか。
  10. 芦田均

    芦田國務大臣 仲内君のお話通りであります。
  11. 仲内憲治

    仲内委員 あと大したことではありませんが、第一條の「連合國官憲との連絡」でありますが、官憲よりも軍憲ほんとうではないか、おそらく総司令部が中心であり、それ以外にどういう官憲があるか。むしろ軍憲とするのがほんとうではないかと思います。
  12. 芦田均

    芦田國務大臣 なるほどいろいろ軍憲とか官憲とかいう字を考えてみると、あるいは仲内君の言われる方が実質的には当つておるかもしらぬと思うのですが、ある意味において、飜訳をするときに特に軍とか官とかいうものを区別しで考え意味ではなくて、向うのオーソリテイをもつておるものと話合いをするというような意味官憲と書いたのだろうと思うのですが、形としては軍憲という文字を使うよりも、連合國官憲という方が形がいいのではないかという程度のことより深い意味はありません。
  13. 仲内憲治

    仲内委員 それから第二條の第三項ですが、「外務大臣又は賠償廳長官は前項に規定する事務につき連絡調整地方事務局の長を指揮監督する。」とありますが、外務大臣指揮監督を受けるのは第二條の第三項の場合だけに限るのですか。
  14. 山田久就

    山田政府委員 御質問通りであります。
  15. 仲内憲治

    仲内委員 そうすると外務大臣はほかの事項については、つまり中央に対しては普通の國務大臣としての発言権しかないのですか。
  16. 芦田均

    芦田國務大臣 その通りであります。これも理窟から言えば、特殊財産だけを外務省に残すということが理論的にはたして筋が通るかどうか、必ずしも正当な理窟はないと思うのですが、向うの方の都合上、仕事便宜から外務省に残しておいてもらいたいというふうな希望があつたので残したというにすぎないので、これは場合によつてはどの省がやつてもできないという仕事ではないが、主として從來從事しておつた人間関係上、外務省に残しておく方がよかろうというふうな話合いがあつて残したわけであります。
  17. 安東義良

    安東委員長 ちよつと私からお尋ねいたしたいのですが、第十一條連絡調整委員会組織権限というものについてはどういうふうにお考えでございますか。
  18. 山田久就

    山田政府委員 中央につきましては、委員は大体関係各省次官級の方、幹事関係各省総務局長ないしは連絡部長という方を一應考えております。地方におきましては、委員は知事及び中央の出先の各地方における長、及び幹事についてはそれぞれその下の適当な方々を充てる予定でありますが、これは事務局の所在地のそれぞれ特殊ないろいろな事情があると思いますので、それらの点を勘案いたしました上、最も実情に適し、かつ能率的に運用でき得るように考えたいというふうに思つております。
  19. 安東義良

    安東委員長 ただいまのお話ではまだいかなる権限をもつかということについてはつきりしないのですが……。
  20. 山田久就

    山田政府委員 総合調整権能自身は、本法によりまして連絡調整中央事務局及び地方事務局がもつておるわけでありますが、この機能を十分に発揮してまいりますために、各省にまたがつておるような事項であるとか、あるいは各省連絡しておる事項にも、総合調整の必要のあるような事項について本委員会において十分情報の交換と審議とを実施いたしまして、本目的の達成に資する意味においてこの運用を考えておるわけであります。
  21. 安東義良

    安東委員長 從つてこの調整委員会には決議権というものがないというわけですね。
  22. 山田久就

    山田政府委員 そうであります。
  23. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 先ほどの外務大臣お話にもありましたように、講和会議終つて國際関係が回復するまでの間は、実際の外交交渉はないというふうなお話であります。なるほどそうなんでありますが、しかし今、渉外事務をとつておるところの渉外言葉をかえて言えば外交というようなことは、これこそは実質的な講和会議に連なる実際上の外交ではないかと思います。殊の最近のような微妙な國際関係から申しまして、講和会議に対する見透しにつきましてもいろんな懸念が生じておるときにあたりまして、とりわけ現在の渉外外交というものは最も緊密なものではないかと思うのであります。從つて私はむしろ総合計画というようなものを外務省のもとにおいて、総合的に指揮監督するといつたことの方が、実際現情勢に非常に適應した行き方ではなかろうかと思うのでありますが、それをしもあえて総理廳の方へもつていかねばならぬというふうに、急激に何かそういつた事態の変化があつたのでありますか。その間の事情の御説明がどうも十分でないのでありますが、外務大臣からその間の事情について御説明願いたいと思います。
  24. 芦田均

    芦田國務大臣 佐々木君の御意見も私はごもつともなところがあると思います。しかし現在終戰連絡事務局というものの行つておる仕事は、各省仕事総合調整という程度のことをやつておるのでありまして、多少でも純粹の事務を離れた各種事務打合せ等は、重要なるもの、たとえば予算関係だとか、重要な法律案打合せその他のものはほぼ閣議の討議を経て行うことになつておるのでありますから、從來終戰連絡事務局扱つてつた仕事は、いわば文書の授受のごとく、あるいはごく純事務的な仕事に限られておつた状態であります。これが連絡事務局総裁外務大臣が兼ねておろうとも、総理廳にもつていこうとも、さした不便はないというのが、過去半年にわたる私個人経驗から結論し得るところであると思うのであります。関係方面においてもやはりそういつたような意向が非常に強かつたために今回の機構改革案國会に提出したようなわけであります。今後講和会議の開催を前にして行うべき各般準備を必要とする種々の材料等については、終戰連絡事務総理廳に移しても、これがために差支えを生ずるようなことはないというふうに政府としては考えているわけであります。
  25. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 今のお話の中で関係方面においてもそういう意向だということが言われたのでありますが、しからばこれを総理廳の方に移すにあたつては、そのイニシアテイーヴをはたして外務大臣の方でとられたものか、その点を伺いたい。それから、ついでに外務大臣中央事務局に対する権限はいかなるものか、その点も伺いたいと思う。
  26. 芦田均

    芦田國務大臣 初めの御質問は、たとえば禪の言葉で言うと、隻手の声といいますか、右の手が鳴つたか左の手が鳴つたのかという御質問でありまして、これは心眼を開いて見ればそのよつて起るところおのずから明らかになると私は考えております。それから第二の点は、外務大臣として総理廳に移管した後に何ら不便を感ずるようなことはない、從來通り必要な材料また必要な情報等を入手することは十分できるというふうに私は信じております。
  27. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 それから記録蒐集事務外務省に残するというお話でありますが、その問題だけを特に外務省に残すというふうな特別な事情があるのですか。
  28. 芦田均

    芦田國務大臣 それは主として便宜の問題で、占領軍上陸以來各種文書終戰連絡事務局を通じて從來行われてきたのでありますが、しかしそれ以外にまだ各省の手もとに残つてつて、欠けておるような書類もかなりあると思うのですが、その辺の事務は率直に申せば、非常に不統一になつてつて、このままに打ち捨てておいては、他日重要な打合せの経過が不明のままに残つたり、あるいは必要な文書が遺漏するおそれがたぶんにある。その仕事從來これを取扱つてつた人間が引続いて外務省残つて、それこそ今後講和会議を控えての準備参考とすべき書類が多数にあるのですから、その仕事は引続き外務省の一部においてこれを行つていこうという便宜の上から出たやり方であります。
  29. 若松虎雄

    若松委員 こんどの制度ができますのに、先ほど外務大臣から隻手の声だというようなお話で、両方から出会つたような氣分ででき上つたのかも存じませんが、從來のいわゆる終戰連絡中央事務局制度で私はさほど不便はないのじやないか、いわんや佐々木君が先ほど質問されたように、今の連絡渉外事項というのが、やがては講和会議のやはり延長にもなるのじやないかというような見方もされます。そして、文書等を見ましても、G・H・Qから來るのは、終戰連絡事務局は一種のトンネルで、それをC・L・〇と書いているようなわけで、日本政府にあてているわけですから、内部の問題は向うでも終戰連絡事務局がデスチネーシヨンでなくて、日本政府に出しているわけです。ただ、あそこを経由するというだけの機構だと私も思つておりますので、そう一々それを内閣へもつていかれるとかどうとかいうことも、かえつて非常な不自由ないかという、むしろ消極的な御説明のようです。それならお譲りにならぬでもいいじやないかと、こう考えます。それと同時にもう一つ外務大臣の御説明の中にもあつたのですが、終戰当時違つて大分各廳の直接の関係も頻繁になつたというようなお話しがあつたように思いますが……。
  30. 安東義良

    安東委員長 速記中止。     〔速記中止
  31. 安東義良

    安東委員長 速記を始めて下さい。
  32. 若松虎雄

    若松委員 講和会議が近づきますにつれて、今までの渉外事項なるものが一段と重要視されると思う。そういうときにこれを総理廳に移され、しかもまた記録外務省の方に残されるということになると、なんだかちぐはぐになつて非常に心もとないような感じがするのでありますが、それともこれを敢行しなくちやならぬという深い理由が、私ども考えている以外に、あるのですか。ひとつ御答弁を願いたいと思います。
  33. 芦田均

    芦田國務大臣 若松君のただいまの御意見占領開始以來今日までの実際の事務取扱いについて考えました結果であつて、事実終戰当時は比較的外國との事務経驗のある練達したる者を集めて、それが一應の連絡に当る以外に方法がなかつた。それがもつとも能率的に仕事を進捗するゆえんであるということで、終戰連絡事務局なるものができた。その人的構成の上からいつて外務大臣がこの総裁を兼ねた時もあり、あるいは民間の人が総裁を兼ねた時代もあります。時間的にいえば外務大臣がこれを兼ねた時の方が長かつた。ところが一方理窟からいうと、日本政府全体として調整すべき事務であるから、その意味からして総理廳がすべての事務総合調整に当るということは筋はよく通る。もはや今日になつては実際上の不便もさほど感じなかろうではないか、それなら筋の通る方にもつてつたらいい。こういうことでありまして、各廳との直接交渉、直接の打合せが頻繁になればなるほど、終戰連絡事務局仕事内容が減じてきておるということは疑うべからざる事実です。若松君の御意見のようにできれば從來終戰連絡事務局のごときものが、一層機構を拡充して、実質内容にまでその仕事を扱うことにするのがよくはないかという御意見のようですが、事実今日の事務内容をみると、事非常に專門的にわたることが多くなつてきており、各省專門技術家の協力を得なければとりさばきのつかないようなことが、比較的多くなつてきているのです。
  34. 安東義良

    安東委員長 速記中止。     〔速記中止
  35. 安東義良

    安東委員長 速記を始めて。
  36. 芦田均

    芦田國務大臣 そういう関係から考えて、從來のような終戰連絡事務局機構をもつて実質内容にわたる多くの問題を解決していくことが非常に困難になつてきているということは、間違いないと思います。そういう関係でこれを内閣に移すという事情が生じてきたと思うのです。
  37. 若松虎雄

    若松委員 実は最近の渉外関係事項から見まして、政府として、また國家として、私は非常に大きな問題があるのじやないかと思います。殊に予算の伴うような交渉がある場合には、総理大臣外務大臣が総合的にそのかぎを握つて交渉してもらえばいいのですが、各廳ばらばら交渉されてその軽重が判明せず、優先の程度がわからず、國全体としては予算をきめて必要な限度で賄う、占領軍関係の費用上当然ですが、たとえば國内の施設につきまして、占領軍の発意によつていろいろやる場合に、今國内物資は足りないというような場合、私はいろいろな不都合が生じてくるのじやないかと思う。たとえば六・三制の問題をとりますと、私はああいう大きな事業は正式にデレクテイヴできているかのように承知しておつたのですが、先般文部省で聞きましたところ、こういう制度はぜひ必要だというようなことで政府が自発的にとり上げたような話であつた日本政府がむしろイニシアテイーヴをとつて、総合的の國家経費と何らの関連なく始めた、ところが一方においては予算は極度に切詰められ、殊に六・三制はもう議会でもほとんど食傷するくらいに行き詰つて、財政困難の折柄実施できないというようなことになつている。殊に地方へ参りますと、実は六・三制の問題やなんかで、小さな町村などは青くなつているくらいであります。これは一例でありますが、そういうふうにばらばら交渉はテクニカルには非常におもしろいと思いますけれども、またそれが今のように非常に大きな弊害を來すということも考えられます。むしろこれはあまり各個のいわゆるプラクテイカルな仕事は別といたしまして、その間の分野がはつきりしないと、今みたいなものが各所に非常に廣がつて日本の財政ではこれがカヴアーできないようなことになりはしないかというような氣もいたしますので、それが高じて大きなところに穴があくのではないかという懸念もいたされます。私はむしろ今の終連機構なり、あるいは今後あれがあらためて総理廳に参りまして、非常に大きな機関を動員しても、もう少し総合的な構想が望みたいと思うのであります。殊に今申しますように、予算の伴うような交渉各省ばらばらになりましたならば、定めて今主班たる総理あたりは非常に心外な点が起りやしないかというようようなことも考えられますので、そういう意見を申し上げる次第です。
  38. 芦田均

    芦田國務大臣 若松君のただいまの御意見は、現段階における占領軍治下日本政府の各方面仕事の不統一、非能率的な欠陷を十分御指摘になつたと思うのでありまして、私どももその弱点はまさにその通りだと思いますが、これを終戰連絡事務局の一機構の問題としてすぐ解決ができるかどうかという点になると、遺憾ながらその程度機構改革をもつてしては、今日の欠陷を是正することは困難であり、これはやはり政府がもつと高所大所から根本的に考え直さなければならぬ問題を含んでおるのだと思うのです。しかしせつかく今後從來欠陷を是正するために努力したいと思つておりますが、御意見のほどは私個人として全然同感であります。
  39. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 この「臨時」に設置すると書いてありますが、この「臨時」ということはどういう期間を具体的に意味しておるのか。なおまたその期間に関連して外務大臣にお聽きしておきたいのでありますが、最近私が旅行中に関西の方で新聞を読んだのでありますが、外務大臣が年内に講和会議の見透しは困難となつたということを書かれた。私は昨日はその新聞をもつてきておりました。今日はもつておりませんが、そういうことを言つておられます。おそらくこれは外務大臣の言われたことが何か誤報されたのではなかろうかと私は考えておるのでありますが、しかし今までの外務大臣説明は非常に不明確な説明ばかりであります。單にそれは新聞の誤報だということでなしに、そういうことを言つたことがどういうふうに誤解されたかということをもしお話できれば結構だと思います。なおまた見透しが困難になつたということが非常に國民の間に話題を投げかけて、せつかく待望しておつたものが困難になつた、まただめだというような失望的な氣持も大分動いておりますから、この際講和会議の問題に関しまして、可能なる限りにおいて外務大臣の見解を承れれば結構だと思います。
  40. 芦田均

    芦田國務大臣 「臨時」という文字が書いてあるのは、わが國が正規の國交を回復すればかような機関は当然総理廳から解消するわけですが、平和條約の効力が発生するまでというような意味で「臨時」という字を使つたのです。  それから新聞に傳えられたという記事は、おそらく神戸新聞をお読みになつたのだろうと思います。私もその新聞を見て、早速編修局の次長か何かを電話に呼び出して、自分の言つたことが間違つて報ぜられておる、訂正を出してくれということを口で話をして東京帰つたのですが、そのあくる日の新聞に、本來ならば責任を負つて訂正を出してくれるべきはずであつたと思いますが、私は出してくれたかくれなかつたか確かめるいとまなく東京に帰つてまいりましたからわかりませんが、それが出た理由はこうだろうと思います。私は、講和会議の見透しいかんということに対しては、きわめて簡單に現在のところ講和会議はいつ開かれるかまつたく見透しは立たないと答えた。その見透しがつかないという言葉は、聞いた人間の解釈によつては非常に悲観的にもとれましよう。あるいはごく率直に文字通りに早いのか遅いのかそれはわからないのだという意味にとる者もありましよう。時間のあるときには、私は註釈を加えて、見透しの立たないという意味は、非常に遅れるという意味でもなければ早くなるという意味でもないのだ、何人も今日のところ明確に時期を知ることができないのだということを言いますけれども何人何人新聞記者が次から次へ押しかけて聽かれるときには、講和会議開催の時期については見透しはまつたくつかぬと答えるから、受取る方では年内にだめなんだろうということまで書いたのだと思うのです。というのは、そのときそれと同じ日だと思うが、何か外電に講和会議は急速に開かれる見込みがないというようなことをどこかで話をしたという記事が大きく出ているのです。それに調子を合わせたようなつもりであの見出しをつけたように思うのですが、しかし私の言つたのは、今お答えした通り講和会議開催の時期いかんということについては現在のところ見透しは立たぬということで、今も私はそう思つております。
  41. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 重ねてこの際明確にしておきたいのですが、別に情勢の変化によつて見透しがつかないというのではないのですか。
  42. 芦田均

    芦田國務大臣 それは御承知の通り、昨年の夏ごろ、ワシントン政府が連合各國に対して予備会議の招集に関する招請状を出した。これにこたえて各方面の政治家からいろいろ講和会議の促進を希望するような議論が出たが、その当時の情勢と今日の情勢とは私は多少変更していると思う。從つて連合各國の政治家といえども今日明確にいつ対日講和の予備会議が開かれるかという見透しはおそらく立つていないのではないか。殊にわが國のごとく、一に連合國意向によつて問題が決定され、それをそのままに受取るべき立場におる國としては、的確に講和会議開催の時期を見透すことが困難だ、こういう意味を私は述べておる。
  43. 安東義良

    安東委員長 ちよつとお尋ねしたいのですが、講和会議に直接関係ある事務の主管は依然として外務省に残るものとして了解していいのですか。
  44. 芦田均

    芦田國務大臣 その点は疑いなく主としてもつぱら外務省がこれに当るべきものであるが、しかし事専門の問題については、たとえば賠償問題とか、通信の問題とかいうことになると、やはり関係各省の協力を得なければ、外務省独自の力では必ずしも十分の材料その他の準備ができるわけでもありませんから、その点は極力各省の協力を求めることにしております。
  45. 安東義良

    安東委員長 先ほど外務大臣の御説明によりますると、この機関は講和條約が効力を発生するまでは結局存続すべく性格のものであるということになるわけでありまして、從つて講和條約それ自分体につきましての事務というものについては、この機関は連合軍関係との連絡に当るというふうにも解釈せられぬでもありませんが、その辺のところはどういうふうになりますか。
  46. 芦田均

    芦田國務大臣 御質問趣意をはつきり了解したかどうか、ちよつと心もとないのですか、占領軍占領政策を日本政府に浸透せしめるという作用は内閣総理廳機関を経て行う。但し個々の打合せについては、それぞれ各省事務に関する限り、各省間とこれて行つておるが、その総合調整仕事は、主として総理廳の部局においてこれを行う、こういうふうに私は解釈しておるわけです。
  47. 安東義良

    安東委員長 從つて講和会議プロパーの仕事になりますと、主管は外務大臣であり、この連合國官憲との連絡に関してはこの連絡調整事務局が当るということになるわけですが。
  48. 芦田均

    芦田國務大臣 講和條約に関する連絡ということは、おくらくそのところはあまり明確ではないが、現在の連合國政府といえども、講和に関する問題についての権限をもつておるとは私は思いません。連合國政府軍政部は、日本の内政に関して日本を指導する権限をもつておる。しかし講和会議を開くと開かぬとかいうことをいつに定めるかということは、連合國占領軍官憲の職権とは私は解釈していない。
  49. 安東義良

    安東委員長 私のお伺いしたいのは、その点はもちろん大臣のおつしやる通りだと思いますが、たとえば予備会議が開催されたその場合に、日本國の代表者が出席するとか、出席せぬとか、その根本方針は向うできまるとしましても、これを取次いで、そしてそれに対する準備をするというようなことは、具体的には外務省が当るのか連絡調製事務局が当るのか。
  50. 芦田均

    芦田國務大臣 そういう文書なり、日本政府に対する意思表示は、連合軍司令部が取次いで内閣総理廳にこれを通ずる。内閣としてはその問題の主管が外務省であるから、これを外務省に傳える。こういう結果になると思う。
  51. 安東義良

    安東委員長 わかりました。
  52. 若松虎雄

    若松委員 話はもう一度もどりますが、実は外務大臣にもう一遍所見を伺いたいのです。從來非常に終連が活動され、各省からの事務官が一緒に終連に包容されて、かりに報告一つ出すにしても、ごく檢討された上処理されておるように私は聞いておりますが、最近はG・H・Qが各省と直接交渉されるというようなことで、それはむろん時間的にも非常に先方にも便利でしようが、ややもすると先ほど私が申し上げたように、ごく局部々々の話には事門的で非常に詳しいが、一方において総合的には非常にずさんな点があるという欠点も聞いております。むしろ常に各省意見統合した総合的知識を備えた終連事務官をしてやらせる方が適当ではないかと思います。終連の方なら大体各関係廳の意見や、あるいは大所高所から見た見解があるから、連合軍にとりても國体全体の意見として受けとられ得て好都合だと思うものであります。そういう点から見てみましても、私は今機構いじりをして國内的には総理が渉外事務を調整することは非常に結構だと思いますけれども、一方長い経驗のある終連を生かし、先ほどから申し上げましたように、各関係廳からの直接の交渉は差控えた方だ爭当ではないかと思います。最近どの省に参りましても、いろいろ渉外課とか何とかいつて、ずいぶんな人がおるようであります。また民間の会社に行きましても、すべて渉外課ができておるようなかつこうだ。殊に今整理や何かが叫ばれておるときにはああいう、ものをなくして、こういう機会に、むしろ今の終連のような機構を強化されて、やはり一本でまとめていかれる方がよくはないかと思います。もう一つ非常に関心をもつておりますのは、経済安定本部であります。これは経済事情に関する連絡機関で、連絡調整事務局と対立するような立場にありはせんか。むしろこの方面連絡調整中央事務局あたりで包容されるような御意向はありませんか。実は私ども各省に種々交渉ごとについて参りますと、「安本に言つてくれ」というようなわけで、結局は政府の中に政府一つあるような氣がいたすのであります。安本は明らかに企画廳の域を脱し、最近は実施機関にまで乗り出してきておる。たとえば公共事業費の処分につきましても、水産関係は一應農林省水産局の係でありますが、予算の施行については、関係方面云々といいまして、安本がすべて介入しなければ動かないというようなことで、まことに不便を感じておるわけです。行政機構改革が今問題になつておりますが、この際渉外関係だけでも新しい機関に総合されるような御意思はありませんか、ちよとお伺いしたいと思います。
  53. 芦田均

    芦田國務大臣 いろいろ御意見がありましたが、今若松君の御心配になつている点は多少そういうことはありましようが、しかしお話言葉をそのままあてはめるような弊害は私はないと考えておるのです。安本の問題はこの問題とは緑の遠い問題であつて、深くここで私の意見述べることは必要のないことだと思いますが、しかしせつかくお話が出ましたから、國務大臣としての見解を申し上げるならば、安本は嚴に企画官廳たる職分に止まるべきものであつて、実施官廳としての安本の機構が強く出れば出るほど、各省との間の種々の摩擦をしげくして、仕事の能率を妨げるというふうに私は考えております。  それから渉外関係を全部統一するというお話ですが、実は今度総理廳機構が移つてもその人的構成從來終戰連絡事務局人間が、ほとんど全部そつくりそのまま総理廳の方に移るのであります。事務関係においては少しもその間に阻害を來すようなことはないと思います。これを各省にわたつて一つ渉外局のような形にするということが、いろいろん関係上非常に困難であるために、主として事務総合調整のみに当るということをもつて、満足するほかはない状態にあるのです。事実これを各省にわたつて仕事を引受る総合的な渉外局によると、事務の一元化ということはあるいは便利かもしれませんが、現在の各省事務取扱いからいうと、その実行に非常な困難を伴う。ちよつとやそつとの機構改革では実行できない実情にある、私はそういうふうに考えております。
  54. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 先ほども外務大臣お話で、講和会議の見透しというものがもとより困難であるというお話もあつたのでありますが、やはり私たちも同じように最近の米、ソ、中國等の國際関係から考えましても、なかなかこの見透しは困難ではなかろうかと考えております。そこでわれわれといたしましては、講和会議ができたと同じ事態を、現実の上で一日も早く調整していくということが、最もかんじんなことではなかろうかと考えます。從いまして外務大臣はそういう見地に立つて、現在の渉外事務を通ずる折衝に、万全を期していただきたいと思つております。そのときにそういう関係を一切あげて総理大臣に任して、あたかもアメリカの國務長官のごとく、総理大臣権限が非常に強化される。外務大臣は一向これに関與できない。外務大臣はただ單に閣僚として、國務大臣として関與されるだけであるということは、どうも私たちは腑におちないのでありますが、私のような考えに対する外務大臣の所見を承りたい。
  55. 芦田均

    芦田國務大臣 実際の取扱いは、終戰連絡事務局関係のある事務を總理廳に移しても、やはり閣僚としては各般の問題について、みんな一致協力する関係なのですから、必要に應じて連合國司令部の相当の機関に対する話合い等は、國務大臣の一人として、これに與かることは從來と少しも変りはないのです。その点は單なる事務的の移管ということが、從來とさほどに変つた関係になるとは私は考えていないのです。
  56. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 しかしこの法案そのものから見ると、機構の上では一向に関與されないことになつておるのであります。
  57. 芦田均

    芦田國務大臣 機構の上からはその通りです。しかし從來といえども必ずしも機構関係のことだけで、外務大臣たる者が話に行つたというわけではない。ある意味において政府を代表して行くこともあり、國務大臣としての意見を述べに行くこともあるのですから、その点は佐々木君の御心配は、なるほど官制の上からむつかしい議論をすればどうなるか知らないが、しかし内閣制度の上から言うと、何ら変るところはないというふうに私は信じております。
  58. 安東義良

    安東委員長 ほかに御質疑はございませんか。  それでは三時まで休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後三時三十分開議
  59. 安東義良

    安東委員長 会議を再開いたします。  御質問がありますれば、これを続行いたします。高瀬君。
  60. 高瀬傳

    ○高瀬委員 どうもこれは内閣の既成事実みたいにきまつておるようで、いまさら反対してもたいして意味がないようであります。実は先ほども終連関係の方々に聽いたのですが、これは関係方面から言つてきておるので、どうもしようがないというような空氣が非常に強いのです。私は議会にかけた以上は、少くともこういう問題はそういうことを抜きにして、まじめにここで討議したいと考えますから、はなはだ時間をとつて恐縮でありますが、私はこれについての意見を述べたいと思います。特にこの終戰連絡事務局臨時設置法案内容を見ますと……。
  61. 安東義良

    安東委員長 御質問がありましたならば、御質問を主としてやつていただきたいと思います。
  62. 高瀬傳

    ○高瀬委員 これから質問をいたします。そこでこの内容を見ますと、非常に不徹底な感があるわけです。たとえば第一條には「連合國官憲との連絡に関する事務及びこれに関連する各廳事務総合調整に関する事務を掌らしめる。」とあります。これを内閣に置くかあるいは外務省に置くかということは、設置当時相当に論議された結果、外務省が適当なりとして置かれたのであろうと考えます。われわれが見るところによりますと、終連外務省において何ら支障がない。もちろん各省におけるいろいろな事務の專門的なものその他については、各省でやつた方がいいという意見は、設立の当初から行われたことでありまして、その点については各省からも十分連絡官が來ておるようでありますし、外務省からも逆に各省にも行つておるというようなことで、終戰連絡事務局は非常に連絡調整については有能であると私は考えております。從つて現在こういう時期に移さなければならぬという理由がわからない。しかもこの法案を見ますと、第二條のごときは「外務大臣又は賠償長官は、前項に規定する事務につき連絡調整地方事務局の長を指揮監査する。」内閣総合調整に関する事務を全然移すと言つておりながら、第二條には外務大臣はこの連絡調整地方事務局の長を指揮するというようなことも書いてあります。それからまた外務省官制の第十條の方にいきますと、「日本占領ニ関スル記録蒐集編纂並ニ研究ニ関スル事務ヲ掌ラシムル為外務省ニ特別資料部ヲ置ク」云々とあります。この二点を見ましても、内閣に移管しても、外務大臣はこういうことについては指揮監査する、非常に趣旨が不徹底のように考えるわけであります。しかもなぜこういうことを今急にやる必要があるのか。私の非常に疑問とするところであります。特にこれは外務大臣を前において申し上げるのははなはだ変でありますが、おそらく今年中には講和会議なんかなかろうと考えます。そうすれば一体外務省は何のためにあるか。結局外務省全体が終連事務向うとの総合調整事務をやるために、外務省そのものが存在する意義があるので、それ以外に講和会議も今年中にないとすれば、何もやることがない。結局外務省として現在存在する理由の大きな意義をもつている終戰連絡事務局内閣に移してしまえば、外務省というものははなはだ変なものになる。むしろ私はこの際奬來の外交の復活に備えるために、終戰連絡事務局機能を十分に外務省で活用して、政府もこれを活用して、その間に有能な外交官を養成することが、他日の平和会議に備える緊急のことである、かように私は考えるわけであります。從つてこの事務局内閣に移すということは話が逆だと考えるのであります。  またもしこれを移すといたしますと、ただいま申し上げたような理由で、終戰連絡事務局連絡調整事務外務省仕事のほとんど全部になつているような現在においては、これを突きつめてまいりますと、外務省は全然要らないということになる。そんな外務省ならこの際潔くやめてしまつた方がいい、廃止すべきだ。極端に言うとそういうことになる。しかも外務省ではときどきいろいろな問題を起しておる。たとえば奥村君のごときも、私は非常に親しいので残念に思いますが、どういう理由かでやめてしまつた。あるいは、またこの間萩原君はああいうことを言つて、ぐずぐず言われる。また最近では「ワールド・リポート」にある講和條約に関する問題なんかで、ごたごた言われておる。始終問題を起しておる。こんなに外務省というものを問題にしないから、初めから外務省をやめてしまつた方がいいではないかと考えるのであります。  それから特に最近の追放問題。もちろん連絡調整事務局内閣に移りましても、別に追放問題をここで取扱うわけではありませんでしようが、向う連絡調整を総合的にやることになりますと、いきおい外國関係に非常に練達堪能の士の集まつている事務局が結局それに利用される。最近の場合——特に曾禰官房次長を前にして言うわけではありません、曾禰君が別にその渦中にはいつたとかそういうようなことではありませんが、内閣直屬になつておれば、結局そういうことになる。私は平野問題そのものをここで取上げて論議しようとは思いませんが、こういう連絡調整の事務内閣に移すということは、そういうパージ問題その他について、直接この役所が干渉しないにしても、とにかく非常に政爭の渦中に入れられる危險性がある。そういう点で私はこの事務局設置法案に対しては非常に反対の意見をもつておるわけであります。單にこれはこうやつた方がいいのだという表面だけの理屈で、私はこれはどうしても賛成できない。確かにこういうことをすることによつて政爭の具に——そのときの内閣の都合のいいように利用される危險性がある。だから將來少くともこれがもし日本占領治下にある状態においてどうしてもやむを得ないとするならば、こういうような連絡調整事務局の長官のごとき人選についてはよほど愼重にする必要があるので、結局現内閣の地位を占めている人のごときは、相当にこれは愼重に考える必要がある。私はこういうふうなことを考えますので、この法案については非常に反対の意見をもつているわけです。簡單でありますけれども、私の考えていることはそういう理由でありまして、この法案はあまり突然で私もよくわかりませんけれども、ただいまのような意見を申し述べまして反対の意見を表する次第であります。
  63. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 今の御説に対する大臣の御答弁なはかつたようでありますが、もとより大臣の答弁を要求されておりませんので、私はちよつと重複するようでありまするが、簡單に申しまして大臣の御答弁を願いたいと思います。  今のお話にもありましたように、また午前中の外務大臣お話にもありましたように、講和会議が終了するまでの間は外交というものはないのである。こういうふうなお話がありました。しかし私たちは実質的な外交というものは終連事務を通じてあると考えているわけでありますが、その終連事務とてもこれは内閣の方に移管されるようなわけでありまするから、そういたしますると、今の御説明のように、外務省は一体何のためにあるのだというようなことになつてくるわけでありまして、先ほど外務省は休んでしまつたらどうかというようなお話もありました。あるいは最近行政整理というようなことがしきりに唱えられておりますので、そういうようなことに関連して外務大臣が具体的に何かお考えになつておるかどうかという点が一点と、もう一つはこれは先ほど言われたことのむし返しでありまするが、内閣総理大臣の管轄のもとに終連事務が移管されまする結果というものは、御説のごとくさなきだに追放問題などに関連いたしまして、とかく疑惑の目をもたれておりまする西尾官房長官などのもとにこの事務が移管されましたときに、私は多分にこれが政爭の具に供せられる憂いがありはせんかということを、私は政党政派を超越いたしました立場から考えます。從いましてこれに対しまして外務大臣としてどういうふうな御見解をおもちになつておるか、この点も承つておきたいと思います。  それから最後にこれまたお話のあつたことでありまするが、二三のいわゆる機密漏洩事件なるものに関連し、ごく最近のワールド・リポートの問題などもありまするが、その間の眞相が一向にはつきりしていなくなつて、われわれは一体それがどうなつたのかというようなことも知らないわけであります。少くともこの外務委員会あたりにおいてはこの間ワールド・リポートに掲載されました事件の願末くらいのことはお話を願いたい。またそれに関して出所進退のことも何か意思表示があつたようでありますから、それらの点について御説明願いたいと思います。以上三点について御説明を願います。
  64. 芦田均

    芦田國務大臣 高瀬君の御意見は御意見として私は謹聽したのであります。別に御質問というわけではなかつたからお答えをしなかつた。それに引続いて今佐々木君からいろいろお話がありました。少し懇談的に申し上げることがいいのだと思いますが、そういう際にはあるいは私はこの場におられる方に出てくださいというようなことを言うのは非常に不愉快ですから言いませんが、特に私がこれから先は懇談だということを申し上げたその括弧の間のことは、皆樣と私との打合せの結果、新聞その他の印刷物には発表しないということの了解でそのままでお聽きを願つたらいいと思うのです。しかしそういう約束はできないというようなことであればあるいはまた委員長に向つて特別の形をお願いしなければならぬことになるかと思うのです。ちよつと速記を止めてください。
  65. 安東義良

    安東委員長 速記中止。     〔速記中止
  66. 安東義良

    安東委員長 速記開始。
  67. 芦田均

    芦田國務大臣 從來から外務省終戰連絡事務局は人的にも法制的にも全然別個のものであつたということは申し上げるまでもない。その意味において終戰連絡仕事外務省からとるのではないのです。外務省以外に特に政府が設けておつた終戰連絡事務局と称するものはその総裁從來外務大臣が兼ねておつた。今度はこれをはつきり総理廳の中にもつてつて、そうして外局にするのだと、こういうことですから、この終戰連絡事務局を廃止する、あるいは機構を改正するということと、外務省そのものの事業及びそのものの存在ということは從來も別であつたし、今後も別に何らその点においては変化はない。これは高瀬君も佐々木君も納得してくださると思う。しからば外務省は何をするか。なるほど日本はまだ正規の外交は開かれておらぬけれども、しかし今日でも外務省としてなすべきことは相当にある。私はまあそう思うのです。そこでちよつと速記を止めてください。
  68. 安東義良

    安東委員長 速記中止。     〔速記中止
  69. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 私が今お聽きしたのは、もとより私も外務省の人材を今こそ養成してほしいと思う。そういうことをわれわれも当局の方などと絶えずお互いに意見を述べあつているのです。ただ私はそういう意見も起るが、それに対しては大臣がどういうお考えをもつているかと聽きましたところ、それに対して大臣から御説明を承りまして、むしろ私は共鳴しておるようなわけであります。  次にそのワールド・レポートの問題でありますが、これはそれを漏洩した結果の反影がどうであつたかということを問題にしておるのではなくて、少くともこれは國民機構が不幸にして漏洩したのだ、從つてこれに対して眞相がどうもわからぬというような漫然たる態度ではなくて、もう少し積極的にこのことを突き進んで考えておかなければ困る。特に今回の政策協定の中にも、國家機密の漏洩を防ぐというようなことを固く約束されているところでありますので、さらに一段と進んでその点を明確にしてほしいということをお願いしますと同時に、この問題に関連して人事の出所進退の問題があつたようでありますが、その点はどういうふうになりましたか。またどういうふうにしてこの問題を解決なさるか、外務大臣の御所見のほどをお伺いいたします。
  70. 芦田均

    芦田國務大臣 ただいまの佐々木君の最後の御質問及び御意見至極ごもつともでありまして、決して今後ともああいう過ちを起さないとは限らないのでありますから、嚴重にその点は戒告をして、今後かようなことの絶対に起らないように、事務当局に対してもその後しばしば打合せを重ねておるわけであります。それに必ずしも直接に関連をしておるわけではありませんが、外務省の相当重要な人々から、この際一應自分の進退を考えたいというような申し出もありますが、これは目下私の手もとにおいて考慮中でありまして、おそらく遠からざるうちに何らかの形において発表し得ることと思います。さほど長い期間とは思いませんが、きよう、あすにというふうに急に手続きはとれませんが、遠からず何らかの形において世間に発表する時期がくると思います。御了承を願います。
  71. 和田敏明

    ○和田委員 今の問題に関連してでありますが、今議題になつている議題には、私はもちろん賛成なんです。外務省から終連を離さなくちやならぬという議論を前からしていたし、実はあなたが統率されておる外務省の中にもそういう議論をする人が多々あるということも、私は聞き及んであります。そういう建前から申し上げるのですが、ああいつた大事な問題が外務省審議されつつある際に、議会の外務委員会にもう少し連絡をとつて、互いに敗戰國民としての國民の声、これをやはり條約面に盛るというくふうがもうすしあつていいと思うのです。今まで外務委員会というものは相当芦田さんに出席を求めても、非常に機微だからなるべくならば出ないというようなことでありましたが、この終連のやる仕事、講和條約の締結というものは、國民的な非常な大きな仕事で、やはり今後の日本外交政策をどういうふうにして立てていくかというような根本問題とも、絡んでくるのですが、いわゆる國民外交といつたような見地からいつても、議会の外務委員会が外務委員会の職能、機能というようなものをもう少し発揮して、そういつた大事な問題をきめていかなくちやならぬと思うのです。私はあのことが新聞に出たときの率直な意見を申し上げますならば、それも知らない間に外務省の官僚が勝手にああいうことをしておるということを聞いて、依然としてやはり外交は霞ケ関の奥深く、一部の人によつて壟断されておるというような感じをもつて、非常に私は不愉快に思つたのであります、今日ほんとうにわれわれ國民の声を外交の盛つていく、そういう建前から、私はもう外務省外交事務をやるほんとうの技術機関であつていい、外交はやはり國会から生るべきであるという建前を私は非常に主張するのです。そういう意味からもああいうものが突如として外國に漏れたということは非常に遺憾だと思うのです。その点大臣はどういうふうにお考えになつているか。  また第二の点としてお尋ねしたいのは、私が先ほど申した、外務省内にもそういつた声があるということは、非常に外務省のあり方に対する不信の声が省内にかなりあるということなんです。つまり戰爭中外務省というものは、いわゆる陸海外というこの三者が一体となつて外交政策をやつてきた、殊に和戰の権利を大体陸海と一緒になつて決定してきた、そういう意味からいくと、この陸海両省と同じような責任をやはり外務省は負わなくちやいかぬ。しかるに現実の外務省を見ると、相当南方侵略政策やあるいは支那に対する侵略政策を実際企画案した連中が、いまだ相当外務省には残つている。そういう意味から言つて終連内閣に置けという一部の人の議論は、外務省に対する非常な不信の声でもあるのです。そういつた矢先において、早くもわれわれの期待する、いわゆる外交國民の手に還つてきた、一部の外務官僚が陸海両省と一緒になつてつてきた旧來の外交の形式を破らなくちやいかぬという、今國民的な非常な要望が漠然として起つている際に、依然としてその期待を裏切つたというふうな印象を実は受けたのですが、そういう外交の今後のあり方といいますか、いわゆる國民外交というか、一部の外務官僚が、旧憲法時代は外交大権というような名のもとに、天皇の名によつて、いわゆる外交大権が握られていたというような、そういつた形体は当然改めなくちやならない段階に立至つているのであつて、今後そういう点について、外務大臣は当然新しい考え方をおもちだろうと思うし、またもたねばならぬと私は考えるのですが、そこらの点に対する大臣の忌憚のない意見を承りたいと思うのです。
  72. 芦田均

    芦田國務大臣 第一点の機密文書についてのただいまの御意見は、私もまつたくその通り自分の責任を痛感しております。こういうことが漏れるということはまことに困つたことだと思うので、できるだけ今後は嚴重に、かようなことを再びしないように措置をする決意をもつております。  それから第二の点は、私も根本において同じようなことを考えておつたので、自分が政界にはいつて十六、七年になりますが、その当初から絶えず言つてきたことは、外交國民の手に取返さなくちやいけないのだ、軍部官僚の外交権を議会に取返さなくちやならないということを主張してきたのでありまして、そのことは昭和七、八年ごろの議会の速記録をごらんくださると、私の言つたことはわかります。そこで今日の至つて、殊に新憲法による民主主義政治機構が確立されるには、むろん國会が國政の中心となつていくのでありますから、日本外交を官僚の手に任せて晏如としておられるわけのものではないことは、これは言うまでもないことであります。だから國会及び國会に席を連ぬる政治家が有能なる官僚の能力を十分使えばよいのである。十分能力の発揮し得られるように仕向けて、そして國会並びに國会に席をおく政治家の考えている方向に役立つように使うということが、今日非常に必要なことだと思う。ということは、日本の議会においては、英米の議会におけるがごとく諸般の外交上のニユースを手に入れたり、あるいは文献を調べたりすることは、まだ非常に多くの欠陥をもつておる。どんなに鋭敏な國会人といえども、自分の机の横に條約書が一册もなくて條約の研究ができるわけのものではない。今後日の本國会が何ら官僚の助けをまたずして、独自の手ですべての調査研究ができるという時期に至る何年かの間は、否でも應でもやはりある程度現存の機関を利用するほかに途がない。そういう意味において條約の立案とか、審議とかいうことは、最も便宜の多い各省において行うことは、現在としてはやむを得ないと思う。そこで將來の民主的外交に備えて今日から國会方面においてもそれぞれの設備を行い、人材を吸收するということは至急やらなければならぬことだが、それをやらない前に、せつかく今日までもつておる人間と、材料とを手放すということはできないことです。そういう意味において、私どもは現存の外務省機構というものを十二分に利用してこれを活用すべきだということを先ほど來述べておつたにすぎないのです。ですから、今後の外務委員会機構も私は率直に申しますと、ちようど今日の日本外務省と同じように、やはり独立をわれわれが回復するまでは幾多の制約があることは、これはやむを得ません。現に正規の外交がないところで外務委員会機能を発揮しようというのですから、土俵のない上で相撲をとらなければならないというのが、今日の外務委員会実情だと思う。そこで何でも思う通りの議論をこの委員会の席上に述べるということは、それが必ずしも國民の目ざしておるようなふうには、諸外國に受入れられない場合が多いのであります。ちよつと速記をやめてください。
  73. 安東義良

    安東委員長 速記をやめてください。     〔速記中止
  74. 安東義良

    安東委員長 速記を始めてください。
  75. 和田敏明

    ○和田委員 大体においてよくわかりますが、せつかくそういうことを外務当局、あるいは終連でやつているとしたら、大臣としても何かの方法でもう少しわれわれの貧しいながらも知能というものを使うくふうがあつてしかるべきだと思う。この点は大臣ばかりを責めるわけではありませんが、これは前から私が主張しておつたことは御承知の通りであります。しかし遺憾ながらそう言つては惡いが、新聞に出ている情報程度政府委員がまとめたものを聽かしてもらう程度で、もつと大事な基本的な問題には触れていないという現在の姿を非常に遺憾と思うので、今後だんだんそういう大事な段階になつてきたのだから、外務機構と外務委員会関係というものについて一段と新たな構想をとられんことを特に希望する次第であります。
  76. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 最近とかく問題になつております追放問題などに関連いたしまして、これが内閣の方に移管されましたときには、政爭の具に供せられるというような点が多分にわれわれは疑問を抱かざるを得ないのでありますが、そういう点に関しまして外務大臣としてどういうお考えをもつておられますか。絶対そういうことのないように、どういうようにするかというお考えでもありましたならば、われわれとしてもこの点はきわめて重大な点でありますから、率直にお話を願いたいと思います。
  77. 芦田均

    芦田國務大臣 お答えいたします。追放の問題は内閣においてはもつぱら司法大臣が責任をもつてこの仕事扱つておるのです。ただ例外的に財閥関係に関言する問題を他の國務大臣の手において臨時処理した例はありますが、今日はもうその問題もほとんど片付いてしまつて、ほとんど全部と言つて差支えないのですか、司法大臣が主管大臣としてこれを処理しておる。しかし司法大臣が必ずしも連合軍の官憲打合せをするのに十分なスタツフをもつておらぬ関係上、ときどき終戰連絡事務局経驗のある事務官に命じて連絡に使いその他に当らしめることはあります。しかしながら未だかつて終戰連絡事務局の一部局がこの追放問題に関する権限内閣から與えられたということはないのでありまして、終戰連絡事務局の大多数のスタツフが新しい名のものに移つたからといつて、追放問題に対する取扱いが政治的色彩を加えるものとは私はどうも考えられない。実際の仕事の運用から見てさような危險はないというように私は考えております。ただこの際私の印象を申し上げると、林國務大臣、膳國務大臣、あるいは平野前農林大臣、それらの追放問題が事の実際と非常にゆがめられて、いかにも政治的な色彩を帶びた隱謀であるかのごとき風評が世の中の一部に傳えられておるが、私は大体事の眞相を知つておりますから、まことにこれは残念なことだと思つておるのでありまして、そういう際に終戰連絡の移管が行われて、また何らか追放問題等にこの機関が使われるのではないかという杞憂を抱かれる方があることは、昨今のそういう世上のうわさから起つておるんだと思いますが、それは私が知つておる限り絶対になかつたことであり、またこの問題のために、追放問題に政治的色彩が加えられるごとき危險があろうとは私は絶対に考えない。これは別に説明のためとか、委員会における答弁という意味じやありません。私のほんとうに信じておるところを率直に申し上げておるのでありますから、その点は明瞭にお聽取りを願いたいのです。
  78. 安東義良

    安東委員長 それでは質疑はこれをもつて打切ります。     —————————————
  79. 安東義良

    安東委員長 ただいまより討論に入りたいと思います。もし討論の必要がないようでありまするならば、これを省略してはいかがですか。
  80. 和田敏明

    ○和田委員 今多少誤解があつたようですから、それに関連して討論を行いたいのですが、私が説明の過程において用いたことがいろいろ引用されたことは迷惑であつて、どうしても内閣に移すべしという議論の根拠は、そういつたいろいろの從來の戰爭遂行中以來のいきさつのある外務省のもとに、終連といつたごとき國民的な大事業と申しますか、結局平和條約締結ということは國民的な関心事であつて、一省が独占すべきものでない。そういつた見地から私は終連事務はあげて総理大臣の管轄下におくべしという根本的な考え方が成り立つと思うわけです。もちろん無條件降伏をしたわれわれには、講和條約に対するいろいろな注文も、かれこれ言うべき筋合もないのであります。しかしながらいかに敗戰國といえとも、國家としての最低生存権、從つて國民としてやはり最低生活権を維持するだけの経済力を確保するということは、これは立ちどころに世界に向つて主張できると思うのです。また敗戰國民として領土が狭められた上に、多数の人口を要する日本人が、やはり國際社会に伍して生きていくための國家の最低生存権、またそれから派生するいろいろな問題は出てくると思います。そういつたものは堂々と世界に向つて主張できるのであつて、そういう意味からこの戰爭の結末をつけるところの講和條約というものは國民的な関心事である。一省が独占すべきものでない。殊にその一省が戰爭中は陸海両省とともに、戰爭遂行の責任を相当國民に対して負うておるわけです。そういつた因縁のある一省が独占すべきじやない、國民の総意を結集して、新しい日本の再出発を規定するところの平和條約の参加に向うべきであろうという見地から、終戰連絡事務局総理廳に移すべきであるという議論をし、政府の提案を大体妥当であるということを私は信ずる次第であります。
  81. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 議事進行に関して発言いたします。討論は先ほど質疑の形式におきまして、相当盡されたと思いますので、本日はこの程度で打切りまして、明日委員会を再開いたしまして、政府当局において非常にお急ぎの事情もありますから、明日採否を決せられんことをお願いいたします。
  82. 安東義良

    安東委員長 ただいまの佐々木君の御提案に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 安東義良

    安東委員長 では明朝正十時より再会いたしたいと思います。     —————————————
  84. 安東義良

    安東委員長 それから昨日御相談いたしました救援物資の寄贈に関し、在外同胞に対する感謝決議案を御委託によつてつくりましたが、こんなふうにやつたらいかがかと思います。  終戰以來在米洲同胞から平和的民主國家の再建を念としつつ耐乏の生活を続けている内地の同胞に多大の救援物資が贈られた。右物資は亞細亞救援公認團体(ララ)を通じ又はその他の方法によつて送附せられ、幾多不幸なわが同胞の生活を潤し、わが國民を心から感激させた。  ここに衆議院は特に院議をもつて在米洲同胞に対し深厚な感謝の意を表するものである。  右決議する。 大体いかがでございますか。もし御賛成でありますれば、提出者は外務委員会委員全員の名前を連ねたいと思います。これも御了承願いたいと思います。  それではこれをもつて散会いたします。     午後四時二十七分散会