運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-04-30 第2回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月三十日(金曜日)     午前十一時五十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 水谷 昇君    理事 若松 虎雄君 理事 川合 彰武君    理事 成島 憲子君    庄司 一郎君       竹尾  弌君    根本龍太郎君       亘  四郎君    今澄  勇君       成田 知巳君    松原喜之次君       門司  亮君    和田 敏明君       伊藤 恭一君    吉川 久衛君       高瀬  傳君    東井三代次君       川橋豊治郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  委員派遣承認申請に関する件  引揚同胞対策に関する決議案起草に関する件     —————————————
  2. 水谷昇

    水谷委員長代理 それではただいまから開会をいたします。  委員長欠員でありますから、はなはだ僣越でありますが、私が代つてこの席を汚します。
  3. 庄司一郎

    庄司(一)委員 発言の御許しをいただきまして、この際動議として提案したいことがございます。それを本委員会委員長よりお諮りを願つて御善処願いたいと思います。その動議趣旨は、われわれの委員会も、全國会も、全國民も、待望してやみませんソ連関係におられますわれわれの同胞が、ようやく近く釈放され解放されて、祖國に帰る方々が毎月五万ないし七万人をわれわれが待望しておるのでございますが、その第一回がきわめて近き將來において帰國さるるのでございます。この際この時にあたつて、直接の受入態勢地でございまする北海道函館及び舞鶴の二つの港にぜひ本委員会より若干名ずつの特派員を御派遣願つて受入態勢の整備、あるいは三、四年目に初め祖國の土を踏む帰國同胞に対し、精神的の慰問慰安を與え、また、本委員会委員として許されておる合法的な範囲内において、いろいろ御斡旋、あるいは受入態勢地に対する謝辞、希望等をも述べんがために、それぞれ二箇所に委員の御派遣をお諮り願いたいと思うのでございます。
  4. 水谷昇

    水谷委員長代理 ただいま庄司委員から御提案の、引揚地でありまする函館舞鶴委員派遣に関する件でありますが、いかが取計らいいたしましようか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 水谷昇

    水谷委員長代理 それでは満場一致委員派遣することに決定いたしました。つきましては委員はどういうふうに選定いたしますか。
  6. 川合彰武

    川合委員 委員の数並びにその氏名は委員に一任したいと思います。
  7. 水谷昇

    水谷委員長代理 ただいま川合委員から御発言委員長一任の点は御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 水谷昇

    水谷委員長代理 それではさように決定いたします。では私の方から委員を指名いたします。舞鶴行、水谷昇村瀬宣親君、高倉定助君、それから函館行を和田敏明君、亘四郎君、若松虎雄君、以上六名の方にお願いをいたします。但し、以上の六名のうち当日差支えがあつた場合には他の人に代るということを御承認を願いたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 水谷昇

    水谷委員長代理 それでは派遣の期間でございますが、函館の方は五月二日出発、五月十日に帰る。それから舞鶴の方は五月四日から五月十日まで、こういうことにいたします。派遣地名はただいま申しました舞鶴函館ということにしたいと思います。それでは御了承を願います。     —————————————
  10. 川合彰武

    川合委員 本員は引揚同胞のことに関しましてはしばしばいろいろな決議あるいはまた政府に対する勧告をなし來つたのでありまするが、今日まで数百万の引揚同胞帰つてきたにかかわらず、引揚同胞現状はいろいろな点からみまして非常に遺憾にたえない点があるわけであります。從いまして私どもといたしましてはここに引揚同胞対策に関する決議案を上程いたしまして、政府をして引揚同胞対策に関する諸施策を鞭韃したいと、かように考えるわけであります。まず最初に引揚同胞対策に関する決議案を一読いたします。    引揚同胞対策に関する決議   数百万の海外同胞が本國に帰還し得たことは連合國当局の絶大なる同情によつたものであることを日本國民は深く感謝し、更に七十余万の海外残留同胞を本年結氷期までに是非とも帰還完了せしめられるよう連合國当局に懇請してやまないのである。   しかしてこれら引揚同胞が速かに正常なる國民生活に復帰することは、國内の現状からして決して容易なことではない。彼らは家も土地職業も失い、殊に多年海外にあつたために本國に人的関係少く、從つて信用もまた薄いために就職することも企業を起すことも容易なことではない。これを本國にいた國民と同じように待遇したならば、それは非常に大きな差等がつけられる結果になることは明らかである。從つてこの差等をできる限り少くし、速かに彼らを自立更生せしめることは絶対に必要であり、又連合國の好意に副う所以である。   よつて衆議院引揚同胞更生のため次のごとき対策を積極化すべきことを決意し、政府もまたこの決議に副い善処せられんことを要請してやまない。  一、引揚同胞対策を合理的に処理するために強力なる審議機関を設置すべきである。  二、今後の引揚者復員者に対しては帰還の日より各種の徴税については特に考慮を拂うべきである。  三、引揚者復員者の知識と技術を活かし、且つ彼らの希望を達せしめるために、機会を均等にし、門戸開放の政策をとる必要がある。これがため勤労希望者には職業を、事業経営希望者には資金資材企業権を、就農希望者には土地資金と農具を計画的に配当する措置を講ずるとともに、これら引揚者復員者に対する社会保障的制度を設けるべきである。  四、引揚者の大部分は住宅を持たないから、これらに住宅を與うるために、余裕住宅並びに國有建物開放等の処置を講ずべきである。少くとも二十万戸の住宅を緊急に建設する必要がある。  五、引揚者海外において喪失した財産については、戰爭犠牲負担を公平化する原則に基き、國家はできる限りの方途を講ずべきである。  六、遺家族、留守家族に対しては、その実情に即して、援護を積極的に行うべきである。   右決議する。  以上が決議案の内容であります。  すでにこの趣旨に関しましては、案にあります通りに、私からくどくどしく申し上げる必要もないと思うのでありますが、実は私ども衆議院議員並びに参議院議員全員をもつて構成されておるところの同胞救援議員連盟におきましては、ぜひともかよう決議案というものを成立せしめて、そして國会意思を明らかにする必要があるということにかねがねなつてつたわけでありまして、実は同樣の趣旨のことが本日参議院においても上程されることになつておる次第であります。どうかこの決議案動議に御賛成を賜わりまして、そして本会議においてこの趣旨弁明をし、もつて衆議院引揚同胞対策に対するところの意思というものを明らかにしたいと考える次第であります。簡單に提案の理由を申し上げます。
  11. 水谷昇

    水谷委員長代理 お諮りいたします。川合君から御提案になりました引揚同胞対策に関する決議案は本日の日程にして差支えございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 水谷昇

    水谷委員長代理 御異議ありませんから本日の日程にいたします。そうしてだたいま朗読をいただきました決議案について御意見御質問がありましたら御発言を願います。     〔「成案異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 水谷昇

    水谷委員長代理 御朗読願つた決議案は御異議のないようでありますから、満場一致これを可決確定いたします。  それではこの決議案を提出する提出者を決定したいと思いますが、どなたにしたらよろしいでしようか。     〔「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
  14. 庄司一郎

    庄司(一)委員 提出者責任者として総代は委員長代理お願い申し上げたいと思います。その他この提案者並び賛成者は本委員会委員一同ということにお願い申し上げたら御異議はないと思います。
  15. 水谷昇

    水谷委員長代理 それでは提出者委員全員ということにいたします。提出者代表委員長代理水谷昇、こういうことにいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 水谷昇

    水谷委員長代理 それでは御異議ありませんからさように決定いたします。それでは提案の御旨弁明をどなたにいたしますか。
  17. 庄司一郎

    庄司(一)委員 それは川合君にお願い申し上げたら妥当と考えます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 水谷昇

    水谷委員長代理 それでは川合さんひとつお願いをいたします。ではさように決定をいたします。ほかにありませんか。  それでは本日の日程は終りましたからこれで散会いたします。御苦労樣でした。     午後零時九分散会