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加賀山政府委員 熱管理の問題といたしましてわれわれの
考えておりますことは、第一には、
熱管理の域を出ると思いますが、何としてもよい
カロリーの
石炭をするということでございまして、この
数量を十分に
檢收いたしますために、特に從業員を派しまして、
山元において
檢收を嚴重にやる。またこれを消費いたす
機関区等においても十分に
檢收をいたしてやる。これが第一番だと存じますが、そのほか御
承知のように最近の炭質の低下に鑑みまして、何とかして
粉炭を特に処理をすることを
考えようということで、
相当長い
間研究を積んでまいりましたのですが、何しろ
塊炭率が元
のちようど逆になりまして、七〇%くらいが
粉炭であるというような
石炭でありまして、全部を急速に
煉炭化することは困難でありますが、本年もまた二十万トン
程度のものは何としても
煉炭化したい。まずその
方法は
ピツチによる
煉炭でございますが、御
承知のように
ピツチがなかなかありません。そこで
ピツチレス煉炭と
考えております。これは
草炭を媒介といたしまして、もちろん効果を
考えると、
ピツチほどにはまいりませんが、こういう
方法を講ずることにしております。それから何と申しましても
國鉄の
機関車は、過去に使
つておりました六千四百
カロリー程度の
石炭を焚くのに最も適した構造に
なつておりますので、
低質炭を焚きます場合には非常に
能率が惡いのでございます。これをできるだけ
機関車を改造して、
低質炭には向くようにし、それから戰時中につくりました
機関車がどうしてもできが惡うございまして、すぐ
蒸氣の
漏洩等を生ずるのであります。これは非常な損失に相なりまするので、つとめて
蒸氣の
漏洩を防ぐように、
修繕等におきまして手を盡しておる次第でございますが、これも数多くの
機関車でございますので、まだわれわれの十分満足する域には到達しておりません。それからメカニガル・ストーカーというので、これは人でなく機械的に
石炭を投炭できる。しかも人間のやりますよりはも
つて合理的に、
火床面に万遍なく
石炭がくべられるという裝置でございますが、これを
考えておりまして、すでに一部試驗をして実施いたしたものもございます。しかもその設備は
相当大きな
機関車でございませんと、かえ
つて不経済になりますので、小型
機関車には適しないのでございます。大型
機関車にこれをできるだけ取りつけまして、將來これを普及いたしたい、かように
考えておる次第でございます。おもな
熱管理の
方法といたしましては以上のような
状態でございますが、昨年もこういう調子で、われわれの力の及ぶ限り
石炭は節約しなければならないという
見地のもとに、三回にわたりまして節約運動を展開いたしたのでございますが、その結果六%の
石炭を節約することができたわけでございます。この点につきましては、お手もとに差上げました「
赤字の原因と
運賃改正の
必要性」という册子、これの
石炭の項に一部記載してございますので、この点おひまのときにお見通し願えれば結構だと思います。
次に外郭
團体の問題でございますが、殊に
弘済会の問題に関しましていろいろ御不審を煩わしたことは、恐縮いたしておる次第でございます。もともとこういう
機関については、平常からもう少し内情をごらんを願う。あるいは特に
資料を差上げて御批判を請うておけばよろしかつたと存ずるのでございますが、ちようどこういう機会にこれを御関心を得ましたことは、われわれとしてたいへんありがたく存ずるのであります。御
承知のようにもともと
鉄道弘済会は床次竹二郎氏が
鉄道大臣であられましたときに、五千円の寄附行為でも
つてできました財團法人でございまして、この
資料も御満足いただけないかもしれませんが、一應きよう差上げました
資料の第一ページに書いてございます。その他御不審の点については特にお答えいたさなければならないと存じますが、
鉄道の
関係といたしましては別に
財政的に直接のやりとりはないのでございまして、ただ社会事業、特に
國有鉄道の職員が後願の憂えなく働く、こういう特殊の仕事でございますので、退職後はどこでも使
つていただくというわけにはまいりません。また
鉄道の仕事といたしておりますと、おそらく炭鉱がそうでありますように、その負傷率なり死亡率というものは、かなり高いものでございます。これらの殉職者なり公傷者、こういつた人々の將來は、こういう事業を
経営いたしております立場上、何といたしましてもできるだけ後願の憂えをなからしめるというのが、われわれとしての務めであると存じますので、この
弘済会を極度に
利用して、その措置をと
つておるわけでございますが、いかんせん、その資金等の立場から、まだわれわれが満足し得る
程度まで至
つておりません。しかしながら昨年におきましては駅の賣店、その他の
経営いたしておる事業を通じてあげましたところの利益の中から、四千九百万円、これは純粹の社会事業費として主として使
つておるという
状態でございまして、その他の利益金は、さらにいわゆる資金、資本に
相当するものは何もございませんので、昨
年度の利益金も積立して保留をいたしておるという
状態でございます。この
弘済会等に対するわれわれの立場としては、もちろんこれは利益を貧ぼる
機関ではない、またあ
つてはならない。それは極力あるいは手足のない人、あるいは老後を養
つていけない人ができるような仕事を見つけて、それに仕事を與えて、みずから働きながらこれを救済していくというところに、重点をおいてまい
つているということでございます。みずからどうしても働く途のない者等に対しては、特にあるいはその子供の学資を
給與いたしますとか、あるいは
生活費の一部を
給與いたしますとかいうことで、救済の実をあげていくというやり方をいたしております。それに相應するような仕事をできるだけわれわれの
関係する範囲内で見つけてやるというのが、われわれの
考え方でございます。たとえば荷物の一時預かりのような仕事、これは必ずしも一人前の人でなくてもできるということから
考えまして、過去においては
國有鉄道職員が当
つておつたのでございますが、これを
弘済会に担当せしめる。
弘済会はそういつた、言葉は惡うございますが、一人前でないような人でも使
つて、それに
給與をしてや
つていくというようなやり方をいたしておる。こういう
状態でございます。