運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-06-28 第2回国会 衆議院 運輸及び交通委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十八日(月曜日)     午前十時二十七分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 前田  郁君 理事 島上善五郎君    理事 高瀬  傳君       大澤嘉平治君    尾崎 末吉君       田村 虎一君    中野 武雄君       松本 一郎君    井谷 正吉君       川島 金次君    重井 鹿治君       島田 晋作君    館  俊三君       橘  直治君    原   彪君       矢野 政男君    飯田 義茂君       堀江 實藏君  出席國務大臣         運 輸 大 臣 岡田 勢一君  出席政府委員         運輸政務次官  木下  榮君         運輸事務官   藪谷 虎芳君         運輸事務官   小幡  靖君         運輸事務官   石井 昭正君         運 輸 技 官 田中 茂美君         運輸事務官   橋本 改二君  委員外出席者         議     員 淺利 三朗君         議     員 内海 安吉君         議     員 海野 三朗君         議     員 鈴木 善幸君         運輸事務官   中村  卓君         專門調査員   岩村  勝君         專門調査員   堤  正威君     ――――――――――――― 六月二十六日  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  海運局増設に関し承認を求めるの件(内閣提  出)(承認第七号) 同月二十四日  横須賀線を三崎まで延長請願小暮藤三郎君  外一名紹介)(第一五八七号)  逗子駅に裏駅設置請願小暮藤三郎君外一名  紹介)(第一五九五号)  今市、田島間鉄道敷設促進請願船田享二君  紹介)(第一六〇五号)  永福寺前に簡易停車場設置請願山本猛夫君  紹介)(第一六〇六号)  山形始発上野行列車新設請願小野孝君紹  介)(第一六〇八号)  二俣佐久間間鉄道敷設促進請願竹山祐太  郎君紹介)(第一六〇九号)  品鶴線旅客電車運轉請願菊池義郎君紹  介)(第一六一〇号)  二俣佐久間間鉄道敷設促進請願神田博君  紹介)(第一六四二号)  廣瀬徳山間、廣瀬・下松間及び光・徳山間國  営自動車運輸開始請願中嶋勝一紹介)(  第一六四三号)  本日藝術院会員長期鉄道乘車証交付請願(  明禮輝三郎君外三名紹介)(第一六五六号)  鹿兒島縣下路線國営自動車運輸開始等の請  願(的場金右衞門紹介)(第一六七一号)  飯田線の設備強化並びに輸送力増強に関する請  願(吉川久衛紹介)(第一六七二号)  天満、今福間電氣鉄道敷設認可請願(細川八  十八君紹介)(第一六七三号)  大浦、湯町間國営自動車運輸開始請願(周東  英雄君紹介)(第一六八四号)  大垣、樽見間鉄道復活に関する請願外四件(大  野伴睦君外一名紹介)(第一七〇一号)  盤越線経由上野青森間旅客列車運轉請願(  海野三朗紹介)(第一七〇六号)  福島米澤間電化促進請願海野三朗君紹  介)(第一七二八号)  稻毛、幕張両駅間に停車場設置請願多田勇  君外三名紹介)(第一七七六号)  二俣佐久間間鉄道敷設促進請願坪井亀藏  君外一名紹介)(第一七七七号)  旧小運送業者並びに小運搬梱包業者を対象とす  る複数制実施請願山崎岩男紹介)(第一  七八五号) の審査を本委員会に付託された。 六月二十五日  貨物車輛運送事業の所管に関する陳情書  (第八九〇号)  福島米澤間電化促進に関する陳情書  (第八九二号)  秋田、雫石間産業開発鉄道敷設促進陳情書  (第八九六号)  津山市上井町間國営バストラツク路線開設促  進の陳情書(第八九  八号)  鉄道枕木に関する陳情書  (第九二一号)  東北、北海道に省営バス増設陳情書  (第九四〇号)  福島米澤間電化促進に関する陳情書  (第九四二号)  鉄道運賃値反対等に関する陳情書  (第九五五  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  國有鉄道運賃法案内閣提出)(第七七号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  海運局増設に関し承認を求めるの件(内閣提  出)(承認第七号)   請 願  一 北海道廳植民軌道運営に関する請願坂東    幸太郎紹介)(第七四三号)  二 米原敦賀間鉄道電化並び敦賀、木ノ本    間新線工事促進請願外八件(森幸太郎君    紹介)(第七六二号)  三 北海道植民軌道建設継続請願正木清君    紹介)(第七七二号)  四 朱鞠内、羽幌間鉄道敷設請願坂東幸太    郎君外三名紹介)(第七七四号)  五 羽幌遠別間鉄道敷設請願坂東幸太郎    君外三名紹介)(第八〇〇号)  六 長坂村に簡易停車場設置請願淺利三朗    君外三名紹介)(第八〇五号)  七 雄勝町大須岬救難所及び簡易燈台設置の    請願内海安吉紹介)(第八〇七号)  八 高田、摺澤間國営自動車運輸開始請願(    志賀健次郎紹介)(第八一〇号)  九 鉄道用枕木割当に関する請願川原正勝君    外七名紹介)(第八二〇号) 一〇 徳佐、東萩間國営自動車運輸開始請願(    坂本實紹介)(第八五三号) 一一 荒砥、山形間國営自動車運輸開始請願(    松浦東介紹介)(第八五四号) 一二 東京鹿兒島間及び門司、鹿兒島間に直通    急行列車運轉請願(上林山榮吉君紹介)    (第八六五号) 一三 野村、中筋間國営自動車運輸開始請願(    井谷正吉君外七名紹介)(第八八七号) 一四 桑折、丸森間國営自動車運輸開始請願(    庄司一郎君外二名紹介)(第八九六号) 一五 日本通運株式会社鹿屋支店存続請願(的    場金右衞門君外二名紹介)(第九〇二号) 一六 撫養、相生間國営自動車運輸開始請願(    三木武夫紹介)(第九二四号) 一七 興濱南線全通請願坂東幸太郎紹介)    (第九二六号) 一八 逗子所在の「海の家」拂下に関する請願(    小暮藤三郎紹介)(第九三二号) 一九 湯之元駅に急行列車停車請願的場金右    衞門紹介)(第九三五号) 二〇 彦山、大行司間鉄道敷設促進請願海林    時雄君外一名紹介)(第九三九号) 二一 札幌地区鉄道復興計画施行請願椎熊三    太君外二名紹介)(第九四二号) 二二 篠路、数狩太美両駅間に停車場設置請願    (椎熊三郎君外二名紹介)(第九四三号) 二三 高瀬村に停車場設置請願圍司安正君紹    介)(第九四九号) 二四 福島米澤間電化促進請願海野三朗君    紹介)(第九五六号) 二五 山形始発上野行列車新設請願海野三    朗君紹介)(第九五七号) 二六 久慈白山間及び久慈、玉の脇間國営自動    車運輸開始請願山本猛夫紹介)(第    九七〇号) 二七 九州における紹道貨物輸送強化促進請願    (田中松月紹介)(第一〇〇四号) 二八 南福井操車場及び北福井信号所昇格請願    (坪川信三紹介)(第一〇〇八号) 二九 上野大澤間急行列車米原まで延長の請    願(坪川信三紹介)(第一〇〇九号) 三〇 河守、宮津間鉄道敷設請願芦田均君紹    介)(第一〇一〇号) 三一 武生より朝日、越酒を経て三國に至る路線    を國営自動車道路に編入の請願坪川信三    紹介)(第一〇一一号) 三二 明石、網干間電化促進請願坪川恭平君    紹介)(第一〇一二号) 三三 板屋より葛原、谷合、北山を経て岐阜に至    る路線國営自動車運輸開始請願(大野    伴睦紹介)(第一〇二七号) 三四 福岡、戸田間國営自動車運輸開始請願(    志賀健次郎君外一名紹介)(第一〇三〇    号) 三五 黒磯駅に永行列車停車請願高瀬傳君紹    介)(第一〇三三号) 三六 眞岡線大子まで延長請願山口好一君    外二名紹介)(第一〇五一号) 三七 茂木、笠間間國営自動車運輸開始請願(    山口好一君外二名紹介)(第一〇五二号) 三八 宮古、小本間國営自動車運輸開始請願(    鈴木善幸紹介)(第一〇七二号) 三九 青森蟹田間鉄道復活請願山崎岩男君    紹介)(第一〇七四号) 四〇 雄武村、上幌内間植民軌道敷設請願(伊    藤郷一君紹介)(第一〇九五号) 四一 大子川尻間國営自動車運輸開始請願(    山崎猛紹介)(第一一一八号)     ―――――――――――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 会議を開きます。  これより國有鉄道運賃法案を議題として質疑を続行いたします。高瀬傳君。
  3. 高瀬傳

    高瀬委員 國有鉄道運賃法案について質問する前に、私は二、三政府委員にお伺いいたしたいと思います。まずこの前資料の配付を受けておりましたが、この國有鉄道における輸送原價運賃割合これが一つ、もう一つ國民負担力運賃関係、この二つについて一應政府委員の所見を伺いたいと思います。
  4. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように運賃政策といたしましては、まず運送原價から見た運賃がどうであるか、こういうことが第一。第二には國民負担力があるかどうかということが第二。それに財政その他の政策的な考慮が加味されるわけでありますけれども、今お尋ねの第一点の、輸送原價に対する本年度收支から見まして、もし旅客貨物とも三倍半上げればどういうことになるかというお尋ねでありますが、まず國有鉄道本年度予算面から見た概数を申し上げますと、旅客につきましては原價に対する收入割合が一・七九になります。貨物は〇・四六と相なります。旅客の中でも定期は〇・五九であります。かようにある部分原價を償つていないもの、あるいはあるものは原價以上にまわつている場合がありますが、これを独立採算制理想からいいますと、おのおの旅客貨物部分において、また定期定期以外の部分において、原價に近からしめるようにするのが理想でありますけれども、現在の段階においては急激な変革を避けるために、旅客貨物を総合いたしまして、なるたけ原價に近からしめるようにという方針をとりました関係上、今年度におきましては旅客貨物併せて〇・九二となります。〇・〇八だけがマイナスになりますので、これらのマイナスにつきましては、先般も御報告の通り一般会計から繰入れるということに相なるわけであります。ただ貨物運賃はなるたけインフレ防止のために低く抑えたのでありますが、これはその関係からいつて國策の線に沿つてやるのであるから、一般会計から繰入れるのが至当であるということが、原價主義からいつても一應言えると思うのであります。  次に第二点の國民負担力について当局はいかなる基礎をもつか、こういうお尋ねでありますが、先般來お手もとに配りました資料から見まして、まず第一に総生産に対する貨物輸送費割合でありますが、昭和十年で見ますと、総生産高は百五十五億、これに対しまして國鉄貨物收入は二億四千万円でありますから、一・六%になります。これが今回の物價及び賃金改正並びに運賃改定後は総生産高におきまして、大体推算でありますが、一兆四千六百億、これに対して國鉄以外の全運輸機関運賃を算術的に足しますと、八百九億ということになりますから、その比例は五・五に相なります。これを國鉄貨物收入、三・五倍收入を三百二十億といたしまして推算いたしますと、國鉄だけの貨物收入が総生産高に占める割合は二・二%でありまして、戰前の十年に比べてはやや上つておりますが、この程度ならば負担できる、こう思つている次第であります。これに次いで、それでは國民所得貨物及び旅客輸送運賃がどういう比例になるかという問題でありますが、國民所得昭和十年は百四十五億と推算されておりますが、これに対する國鉄貨物收入割合が一・七であります。それが本年度國民所得推算が一兆九千六十億になつておりまして、これに対する國内の総運輸機関貨物收入の合計は八百九億と推算されますから、四・二となります。その中で國鉄貨物收入だけを取上げてみますと、三百二十億でありますから、全國民所得に対する割合は、一・七すなわち昭和十年の安定時代と大体同じような比率國民所得については見られます。國鉄旅客收入について見ますと、昭和十年における國民所得に対する旅客收入三億の割合は、二・一%ということになつておりまして、今回の物價賃金及び運賃改正後における比例は三・九%ということになります。これもパーセンテージは多少上つておりますが、この程度ならば負担ができるとわれわれは思つているわけであります。次に現実の貨物運賃物價に占める割合、これを檢討いたしましたところ、現在におきましては、主要品目だけについて見ましても、昭和十一年度で申し上げますと、主要品目における貨物運賃の價格に占める割合は、四・六一であります。これが現行におきましては一・三八、これを新物價対改運賃割合を見てみますと、二・七五と相なりまして、まだ戰前安定時代に比べまして貨物運賃比率が低いということがいえると思うのであります。  次に旅客運賃につきましてさらに他の資料をもつて研究いたしました結果によりますと、まず生産費に占める交通費割合でありますが、東京、大阪、名古屋につきまして、内閣統計局昭和二十二年の七月から、二十三年の三月までの生計費調査をいたしました結果によりますと、これら三都市の平均が総收入指数を一〇〇といたしまして、食費が六七・二%、被服費が九・二%、光熱費が五・一%、住居費が三・四%、交通費がわずかに一・一%であります。雜費は一四%となつて、この雜費文化費、あるいは娯樂費等が相当の面を占めております。なるほど食費については、戰前よりは二倍程度増加をいたし、他に余裕のない、貯金する能力のないような現状におきましては、交通費をなるたけ低くすべきでありますが、これだけの三倍半上げましても、このパーセントはさしたる高騰はいたしません。それだけのものは雜費娯樂費等から流用できると思います。これをさらに限定いたしまして、今度の定期旅客運賃と、賃金の総額の中から、特に賃金基礎ベースをとりまして比較をいたしますと、まず官公吏についてみますと、昭和十一年度は大体サラリーは五十七円程度でありましたが、これに含まれる旅客定期運賃比率はいかん、こういう問題でありますが、まず一番利用の多い六箇月定期についてこれを申しますと、十一年のころは五・二七%であります。これが今回の三千七百円の賃金に改訂され、三倍半値上げになることを仮定いたしますと、その比率が六・九七%となります。一般工業労務者について考えますと、同じ六箇月の定期が、当時の七十二円余りの賃金額占むる一箇月の平均割合が四・一四でありまして、それが今回の賃金及び運賃改正によりますと、四・五五となりまして、おのおの官公吏工業につきましても多少は上つておりますが、この程度の上りは十分な負担力があるとわれわれは考えております。殊に定期通勤費は、全額会社もちのものが現在約五〇%あります。あと三〇%程度のものは、半分あるいは八割とか、いろいろ会社によつて違いますが、ほとんど大部分のものは雇主の方で負担するものが多い。この点につきましては、旅客運賃とは言いながら、生産費に轉嫁される。すなわち貨物運賃的な結果になるのであります。しかもこの旅客運賃の中で、定期は御承知のように六割から九割二分八厘程度まで非常な大幅な運賃割引をいたしておりますが、これをさらに割引率を多くいたしますことは、さなきだに一般から定期旅客に移動するものの増加が非常に最近顯著なものがありまして、國鉄運賃收入に大きな影響を及ぼすものであります。いろいろの名目で定期客として潜つて、普通の旅客が流れている現状から見まして、今回の値上げについても現在通りにいたしたい、こう存じているわけであります。以上お答え申し上げます。
  5. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま藪谷政府委員から、原價運賃との関係、あるいは國民負担力運賃との関係について詳細な説明がありましたから、大体了承いたしました。ただいまの説明によると、やはり原價運賃割合から言つても、國民負担力運賃関係から言いましても、旅客貨物同一に上げるということは、全然成り立たないように私は思う。そうすると結局現在旅客貨物を同じく三倍半上げるということは、すなわち鉄道会計收支の計算からだけ論じているように思うわけです。そういう点から言うと、むしろ旅客運賃貨物運賃をカバーするという結果になつてきて、もしそれがために三倍半にしても出る赤字というものは、嚴格に言うと貨物だけにぶつかけて補充しなければならぬ性質のもので、非常にその点が私は了解できないのです。だからただいまの説明によつて納得できない点がある。いわゆる旅客貨物と三倍半に同一に上げて、むしろ旅客運賃貨物運賃をカバーするというふうにして、鉄道全体の收支のつじつまを合わせるというところに、今回の運賃値上げの根本的な、われわれが納得できない点があるのでありますが、その点はいかがですか。
  6. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 高瀬議員の御説は一應ごもつともでありますが、運賃決定にあたりましては、第一にコストから見て適正であるかどうかを研究はいたしますけれども、運賃政策から申しまして、輸送原價の面からだけでは決定いたされませんので、これに國民負担力、あるいは國家財政鉄道会計等の点を加味いたしまして、この三者を総合的に加味してつくつたものであります。また先ほども申し上げました通り原價自体旅客貨物比率から見ましても、理想から申せば高瀬議員のようなお説は出ると思いますが、現在の段階におきましては、独立採算制への一歩を踏み出したという点におきまして、旅客貨物を総合して、なるたけ收支を償うように運賃倍率決定いたして、かねて國民生活の安定を期するために、國家財政との関連におきまして、インフレ防止の立場から貨物運賃を三倍半に定めた、こういうことであります。
  7. 高瀬傳

    高瀬委員 この点は異なつた意見がありますが、盡きませんから、一應この程度にいたしておきたいと思います。  続いて國有鉄道運賃法條文について私は質疑をしたいと思うのでありますが、この前速記なしに藪谷政府委員から、この國有鉄道運賃法改正の趣旨並びに逐條の説明がありました。私は大体國有鉄道運賃法というものが非常に政治的意図をもつてつくられ、場合によつて運輸大臣だけで、よろしく運賃値上げの本質的なところをやつてしまう意図でもありはしないかと思つて、非常にその点を心配しておつたのですが、藪谷政府委員説明で、何らの政治的意図も含まれずに、すこぶる事務的にこれがつくられていることがわかりましたので、私は政府委員説明に対して非常に敬意を表するとともに、まず満足の意を述べたいと思うのであります。ただこのうちで運賃倍率の点は、おのずからわれわれの意見がございまするから、いずれ修正意見を述べることといたしまして、特に第一條の第二項でありますが、前項の運賃及び料金は、左の原則によつて、これを定めるというところに四つ條項があります。つまり公正妥当なものであること、原價を償うものであること、産業発達に資すること、賃金及び物價の安定に寄與すること、この四つ原則の問題でありますが、これは要するに、鉄道國有であり、しかもこの鉄道を運営する人たちは、全部國家の公務員であり、官吏であるという観点からいたしまして、当然官吏の権利であり、義務である國家に奉仕するという観念から言いまして、こういうような四つ原則というものは、國有であり、しかも國家官吏によつて運営される國有鉄道である以上、当然これらの原則が嚴守されなければならない、こう思うのであります。アメリカのような鉄道で、それが全部私設鉄道であり、しかもこの運賃國民生活に重大なる関係があるために、その運賃を統制するときに、たとえば例のインターステイト・コンマーシヤル・コンミツシヨンというような機関によつて統制される場合には、こういう原則を掲げる必要もあろうと思いますが、國有鉄道において國家官吏によつて運営される場合には、これらの四つ條項というものは、当然官吏に課せられた義務であるから、國家に忠実なる職務を遂行する場合には、当然こういうようにやれられるわけでありますから、その條文だけはぜひとも私は削除したい。ほかの点は大同小異、多少の意見はあるにしましても、これを讓つて、第一條の二項の四つの項目だけは、当然國有鉄道である以上、しかもそれが國家官吏によつて運営される以上、必要はない。こういう見地から私はこの四つ條文だけは、この法案から削除してしまいたい、こういう意見をもつております。これについての一應政府委員の御見解を承つておきたいと思います。
  8. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 本法は大体財政法第三條の施行に伴いまして、財政法第三條の特例に関する法律という法律に関連して、今回提案をいたしましたものであります。財政法第三條にも、國有鉄道における旅客及び貨物運賃基本賃率、こうなつておりますが、嚴格基本賃率と申しますと、旅客貨物の單位当りの賃率だけをこの法律規定をすればよいのでありますが、それだけでは盡されない点がある。すなわちこれに関連して、しかも旅客、荷主に大きな関係をもつ基本賃率、これは狭義における基本賃率ではないけれども、この法律によつて民主的に御決定を願うという点におきまして、たとえば急行料金だとか、あるいは定期割引率の最高をきめたりする、そうした点は政府といたしましても、相当民主的に規定を設けた次第であります。今高瀬委員の御指摘になりましたように、一條の二以外は非常に事務的に書かれた部面が多いと思いますが、一條の二項だけは非常に幅のある、味のある規定であります。まず第一の公正妥当という点につきましては、対人割引をしない。貨物につきましても同樣の條件貨物ならば画一的な運賃をとる、人によつて、あるいは会社によつてその貨物及び旅客運賃に差等を設けないのだ、こういうことが公正の意味であります。また妥当とは理論的に妥当である、こういう意味でありまして、いろいろの角度から見まして理論的なもの、あるいは数字から見て理論的なもの、そうしたものを意味しておるのであります。負担力についてももちろんこの條項から見て公正妥当でなければならぬ。こういうことに相なるわけであります。第二の原價を償うものであること、今回の予算につきましても、原價收入に対する割合から見まして、收入原價を九二%本年度予算においては償つておりまして、あと〇・〇八だけが赤になつております。これを一般会計から補充して收支の均衡をとつたわけであります。第三に産業発達に資すること、この点は高瀬委員もよく御承知のように、現在の貨物運賃につきましても、食糧政策あるいは農業政策産業政策漁業政策あるいは工業政策、いろいろ貨物運賃につきまして、貨物等級ともにらみ合わせて合理的に運賃を査定して産業発達に資しているわけであります。第四につきましては、賃金及び物價の安定に寄與すること、これは御承知のように定期旅客運賃につきまして割引をしたり、学生割引定期よりもさらに現在におきましては三割方割引をしている。こういつた点から申しまして、運賃につきましても社会政策的な考慮はいたしておるのであります。物價につきましても、先ほど御説明しました通り物價高騰を防ぐために、なるたけ運賃倍率を低目にしているわけであります。かようにして——第三、第四は私設鉄道といえどもこの点は多少加味されますが、國有鉄道としましては、ぜひ第三、第四に重点を置いて運賃決定する。コストなり國民負担力のほかに財政その他の國策の立場から決定せらるべきであるというのが三、四の意味であります。かようにして、運賃の目標をどこに置くかということを理想としてここに掲げるべきであるという観点から、ここに掲げた次第であります。しからば現実はいかんという問題になりますと、これはあくまで原則でありまして、この理想に向つて、目標に向つて運賃制度が進められねばなりませんが、敗戰の今日、また現在の日本の経済の事情から見まして、必ずしも十分にこれらの條件を充足しているとは申されません。しかしながらその方向に向つて努力はいたしておりまして、今後におきましても、これらの四つ條項に対して、政治的にも、事務的にもこの目標に向つて進むというのが、運賃政策上妥当かと思いまして、ここに一條の二として掲げた次第であります。
  9. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいまの説明でありますが、たとえば公正ということは対人関係考慮して書いてあるのだ、それから妥当というのは、非常に理論的な立場から書いてあるのだと、こう申されます。しかしこの妥当であるということが、利用者にはあまり苦しくなくて、運賃を上げる鉄道としては、値上げになつて利潤もあがれば結構でありますが、今はそれもあがらないで、一應経費を償うような状態になればいい、こういつたようなことではないかと思うのです。そうなれば、その次に來る原價を償うものであるということは、当然妥当という考慮のうちに含まれるわけでありますが、そういう点を一々私は論議しようというのではないのです。國有鉄道の本質からいい、鉄道國有であるということと、それからそれが國家官吏によつて運営されていくという、この二つの見地から第二項は要らないだらう。そうでないと、今までの國有鉄道の運営というものは、すこぶるめちやに行われておつた、妥当な原則もなければ、産業発達にも資しない、あるいは賃金及び物價の安定にも寄與しないというような状態で行われたのではないかというようなことになるので、國有鉄道の五十年——百年になるかどうか、私もはつきり知りませんが百年近い、いわゆる國有になつてからの傳統というものが、まるでここで再確認されたような状態で法律に出るということは、私はあまり感心しない。そういうような見地から私は、この條文は要らないという見解をもつている一人でありますが、これは私だけでもきまらないので、ほかの各委員の御意見もありましようから、私は反対の意見を表明してこの運賃法案に対する質疑を打切ります。
  10. 川野芳滿

    川野委員長 堀江君。
  11. 堀江實藏

    ○堀江委員 鉄道賃金値上げの問題は、同僚議員からいろいろ質疑があつたわけでありますが、まだ私として了解のいかぬ点は、物價値上げによつてこの運賃を上げなければならぬということはもちろん了解がいくわけでありますけれども、この運賃値上げの基本をなすものが、賃金においては三千七百円ベースをもつて打立てられている。しかしながら三千七百円ベースなるものは、これは今國会の重大問題としていろいろ討議され、質問されております。安本長官や大藏大臣は各種の委員会において、これは堅持できるということを言つておられますが、加藤労働大臣は、これは千八百円ベースよりも、今回の物價値上げによつて実質的な賃金の低下になるから、何とか補正予算において措置をとりたいというような答弁をされたように伺つております。しかしながらこの三千七百円ベースの問題は、まだ一番重大な要素であるところの米價がきまつておりません。御存じのように米價は千七百円の非常に低い米價であります。当然これが生産費を償うところの米價に是正されなければならないし、この問題については、衆議院の本会議においても米價引上げを早急にきめる、そうして物價を上げてからの政府の手持しておるところの数量に対しては、農家に還元すべきであるということが決議されております。この賃金ベースは、運賃値上げや何かの根幹をなす問題であるし、さらにこに三千七百円ベースについては、運輸省の管下であるところの國鉄労組においても、物價値上げせぬ場合においても五千二百円ベースを要求しておる。当然これは大きな労働攻勢の波が、この予算、この運賃値上げが通つたならば、起るということが予想されるのであります。そうした場合において、現在において國鉄への一般会計の繰入れは百億円でありますが、当然大きな赤字が出てくる、また國鉄は再値上げをするか、あるいは繰入金を大幅に増すかということの事態に立ち至ることは、火を見るよりも明らかであります。それで、運輸当局としましては、一般物價値上げを妥当と考えられるか。まだ米價がきまつておらぬ場合において、三千七百円というものは全然砂上の楼閣にひとしいし、また物價平均七割値上げというものが、取引高税や何かの実施によつて起るところの物價値上げを考えていないという点において、すでに政府の予定の七割値上げというものも、根本からぐらついてくるということが考えられるのでありまして、特に三千七百円ベースが運輸当局としては、國鉄の労組に対して堅持されるものであるかどうか。また三千七百円ベースの基本であるところの食糧品、特に米價の問題については、どういうふうにお考えになつていますか。過日この点につきまして運輸大臣に答弁を求めたのでありますが、あまりまだ了解がいかない。また殊に三千七百円ベースの問題はその後のいろいろの質問の経緯から見て、私はますます納得がいかない。この運賃値上げというものは、早晩に崩れるものであるということの見解をもつているものでありまして、これに対しての御答弁をお願いする次第であります。
  12. 木下榮

    ○木下政府委員 物價に関連して三千七百円ベース、この問題は非常に大きな問題でありまして、今仰せられた通りそういう結果になりはしないか、われわれもこの三千七百円ベースというものが、これで保てていくか、あるいはこのベースが破れるか、今の労働組合の言うように五千二百円程度になるか、これは將來のことでちよつと想像がつきませんが、現在においては安本長官や大藏大臣はこれをあくまで抑えていけると、こういうふうに解釈しておられますから、大体運輸省としてもその線に沿つて運賃その他のものを決定していかなければならぬと思つております。ただ將來三千七百円ベースが破れた場合に、非常な赤字になるから、これに対してどうするか、その考えはどうかということの御質問でございますが、これについては、もしそういう場合には、何らかの——これは運輸省一省だけではありません。政府として何らかの処置に出るだろうということは考えられる。あるいは追加予算を出す。何とかその処置をとるということは考えられるが、今日からその考えをもつて運賃を上げるというようなことは考えておりません。政府が、今の安本、大藏、物價廳その他の施策に伴つて、今回の運賃も上げるというに止まつておりまして、將來の、その場合には、この場合には、ということは深く考えておりません。ただそういう場合には單に運輸省だけの問題ではありません。政府全体の問題となつてくるのでありますから、そのときにはそれぞれの主務省が適当の措置をするだろう、ただそれに副つていけばよろしい、こういうふうに考えております。  米價の問題もこれは農林省、安本の関係でありまして、運輸省としては、なるべく安くきめてほしい——なるべく安くといつても、農民の方の立場からいうと、あるいは高くしなければならぬのですから、中庸をとつて適当なところできめていただきたい、こういう希望をもつているのであります。あらゆる方面から見て適当なところできめたい、こういうように考えております。
  13. 堀江實藏

    ○堀江委員 ただいまの答弁によれば、三千七百円ベースなるものについては、御自信がないように拜聽したわけであります。しからば非常にこれは大きな問題になるわけでありますが、ここにかりに政府原案のごとく三倍半の値上げ承認したとしても、それが確たるところの自信がないような値上げをやることは、結局今日本の一番直面しているところのインフレを煽誘すること、インフレを煽誘することは、日本の経済再建を阻止すること、遅らかすことになるという意味において、われわれはこの運賃問題を非常に大きく見ておるわけであります。いろいろ政府当局からの御答弁によると、なるほど他物價の値上率というものは低いかもしれません。しかしながら運賃値上げインフレ一つの口火になるということは考えられることで、自信のない値上げをやる、さらにまた値上げをやるというようなことは、今後の政府全体として考えるべきであるという御意見に対しては、もちろん諒とするものでありますが、しかしただわれわれがここに考えなければならないことは、日本のインフレをどの線で止めるかという重大な問題でありまして、ただ國鉄の会計が赤字だから、それをもつて値上げをやるというような安易な考え方で、はたしてこの運賃問題を考えていいかどうか。またいろいろ討議がありましたように、國鉄というものは私企業ではない。さきに高瀬委員からありましたようにこの法案についても四つの目的をもつておるわけであります。この一つの目的である最後の四の賃金及び物價の安定に寄與すること、これは重大な問題でありまして、鉄道運賃値上げの公聽会におきましても、値上げが必ずやインフレの口火を切る、これによつて大衆の生活はますます苦しくなるということが大多数の意見のように拜聽したのでありますが、政府当局はもつと自信のある、つまりこうした一時の赤字の補填ということよりも、もつと根本的な國鉄の復興——國鉄が復興しない。非常に今乱雜な状態になつておる。もちろんこれは戰災の影響その他からして仕方がない現状であるといたしましても、復興ということを第一義に考えるべき段階であります。そうしたことによつて初めて産業の発展に寄與するところの國鉄が出現するというふうに考えるわけであります。今次官の御答弁によりますと、運賃値上げに対してはなはだ自信がないように拜聽したのでありまして、私らの考えとしては根本的に他の物價との倍率がどうかという問題ではなくして、運賃値上げインフレを促進していくか、いかぬかということに重大な関心を寄せなければならないと考えるわけであります。次官としましては、運賃値上げが他の物價比率の問題でなくして、インフレを助長するか、しないかという点についての御見解を承りたいと思います。
  14. 木下榮

    ○木下政府委員 たいへん問題が大きくてむずかしいのでありまして、どつちかと言いますると、われわれの管掌以外の問題のように考えられます。むろん関係はありますけれども……。鉄道値上げは單に赤字を填補するためのものでもありません。復興ということに非常に重きを置いております。でありますから、二十三年度において一億三千万トンの貨物輸送する計画も立てて、実現しつつあるのであります。一方においてはダイヤを改正しまして運轉回数を殖やし、一般國民の便宜をはかろう、こういうことにも力を盡しております。また運賃値上げ物價騰貴の先端を行くというふうにも考えておりません。運賃値上げのみが物價騰貴を誘引してインフレを助長するというふうには私ども考えておりません。それから物價の問題は安本、物價廳が主管でありまして、國の財政の方は大藏省がやつております。このたびの倍率その他の運賃も緊密なる連絡のもとに、物價廳、安本、大藏省、これらとよく話合いをしましてこれをきめたわけであります。われわれとしては今の段階では大藏省なり、安本なりが案を立てて、物價はこれでよろしい、三千七百円ベースでやつていけるという場合に、われわれがそれはやつていけないというような議論はいたしません。これは政府一つの大きな方針を立てられた以上、われわれとしてはその線に沿いまして今度の運賃値上げを実行する、こういうことになつておりますから、この先どうなるかということにつきましては何とも予断の限りではない。しかも御説のように、三千七百円ベースが破れて非常に國鉄が赤字になるという場合には、先ほども申し上げました通り、運輸省一省の問題でなく、政府全体の問題でありますから、政府の各関係者がこれに対して善処する。われわれはそういうふうにいたしまして、現在に即してこの運賃値上げをしよう、こういう考えでありますからさよう御承知願います。
  15. 堀江實藏

    ○堀江委員 この三千七百円ベースの問題については、もちろん今御説明になりましたように、單に運輸省の問題ではありません。しかしながら三千七百円ベースでは食えない、最低生活費が維持できないという点は重大な問題でありまして、國鉄についてはいろいろの非難があります。労働生産性が低下したという問題は全國民ひとしく認めておるところでありますが、このことが重大な問題でありまして、なぜ労働生産性が低下したか。また國鉄のみでありませんが、官業事業において、すべての官吏が腐敗堕落した傾向が多いという問題は、結局私はそうした公正妥当な賃金を出さない、最低生活費に足らないところの賃金を支給しておるから、労働生産性が低下し、あるいは不正が行われるのではないかというふうに解釈しておるわけでありまして、あなたの管下であるところの國鉄の労組は五千二百円ベースを要求しておる。そしてその貫徹のためにはあくまでも鬪うと言つております。これは一つの大きな現実であつて、將來の問題ではない。またいろいろな統計は三千七百円ベースはすでに破れたということをはつきり記録しております。こうした際に、國鉄当局として眞に國鉄を復興させるという考えがあつたならば、政府部内におきまして三千七百円ベースでなくして、最低生活費をまず從業員に與える、そうすることによつてのみ初めて國鉄の再建はあり得るし、また労働生産性の向上もあり得る、そういうふうにして初めてこうした問題は解決がつくと考えますので、こうした点については、ただ運輸省内の問題でなくて、これは安本や大藏省や政府全体の問題であるというような責任轉嫁の態度をとられないで、ほんとうに國鉄を再建するという熱意によつて政府部内においても、そうした不公正な賃金制度をまず打破するために御努力願いたい。これは希望であります。この運賃値上げの問題につきましては、他の物價と関連がある問題であつて、仮定的に言いますならば、ある程度物價値上げ承認するということになれば、当然國鉄運賃も上げるということが妥当であると考えるものでありますが、私らとしては物價を引上げてはならない、物價を引上げることは日本経済の破滅であるという点において、この運賃問題を考えておるわけでありまして、これはまた討論のときにいろいろ見解を申し上げたいと思いますけれども、そうした三千七百円ベースの問題につきましては、政府当局のうち特に一番厖大な從業員を擁しておられるところの運輸当局に善処方をお願いするとともに、從業員が眞に生活の不安を克服して國鉄の再建のために努力できるように、お願いしたい。この希望申し上げまして、私のこの件に関する質問を終ります。
  16. 川野芳滿

  17. 島上善五郎

    ○島上委員 第八條に関してちよつと御質問したいのですが、「國有鉄道の総收入に著しい影響を及ぼすことがない」というその具体的な内容、それから「軽微な変更」というその「軽微」とは一体どういうものであるかということをお伺いしたい。國有鉄道の総收入に著しい影響を及ぼさないが、國民生活、特に業者の実際の生活の上に相当大きな影響を及ぼすという場合もあり得る。そういう点をもう少し具体的にお伺いしたいと思います。
  18. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 第八條の「運賃又は料金の軽微な変更」この内容は、災害の際に運賃の減免、学生兒童等に対する割引、團体旅客に対する割引、重貨車を使用するものに対する割引等のごときものでありまして、改正ではなく軽微な変更に属するものであります。從つて國有鉄道予算に対しては大きな変革を及ぼしませんので、また國民負担につきましても、減免なり割引なりを主としておりますので、増徴するとかいうようなことは考えておりません。さよう御承知を願いたいと思います。
  19. 島上善五郎

    ○島上委員 私はこの前にもお伺いしたのですが、今堀江委員が言われたように、この運賃値上げインフレに相当大きな関係があるということ、從つて國民生活に非常に大きな関係があるということはもちろんでありまして、そういう観点から、この倍率については十分に檢討しなければならぬと思いますが、同時に國民の多数は、國鉄が一日も早く復興再建して、以前のような快適な旅行ができるように、つまり國鉄の生命であります正確であり、迅速であり、かつ安全であるという國鉄の再建ができるかどうかということに対して、非常に大きな期待をもつておるわけでありまして、こういう点に対してもつとはつきりした自信のほどを國民の前に示すということが必要であろうと思う。特に私の強調したいのは、そういうような國鉄再建を実現するためには、從業員との協力関係というものが一番大きな問題ではないかと思う。私はけさの新聞に出ておつたことについて、この機会に若干質問したいと思うのですが、今度七月から新ダイヤを実行するということを発表されましたが、この新ダイヤ実行についても、事前に労働組合との間に何らの連絡も協議も行われていなかつた。そうして組合はこれに対して事前に連絡協議が行われていなかつたということ、從つてこの新ダイヤが労働強化になり、事故発生の原因になる、現在の人員だけではとうてい間に合わぬというような点を強調しておるのでありますが、こういうことは事前に十分連絡協調が遂げられることが必要であると同時に、こういうような人員で一体間に合うのか、労働強化にならぬのかという点については、はつきりとした当局の御見解をお伺いしたいと思います。
  20. 岡田勢一

    ○岡田國務大臣 お答え申し上げます。新ダイヤの施行につきましては、立案いたしましてから今日までの間に、数回にわたりまして組合側によく説明をして、大体組合側のと方しても了承をいたしておるものと考えておりますが、新聞によりますと、新ダイヤの施行に反対のような指令がなされたとかいうお話でありますので、ただいま当局が組合本部の幹部を呼びまして、その事実を確かめ中であります。大体お話のように國鉄の再建は從業員の協力が最も必要でありまして、私らはそれを重視して今日までやつておるのであります。新ダイヤの施行ということは、とりもなおさずこれは今日の生活の澁滯を打開していきますこと、國鉄輸送力の強化という方向に向うのでありまして、これによりまして経済の安定を策し、國民生活の困難を打開していくという方向に向いますので、國鉄從業員も少々の不自由があろうとも、これに大なる協力態勢を示してくれるであろうことを期待しております。ただ人員などの点で、今日の場合といたしましては、組合側が言われるだけの人員を即座に増員するということは困難でありますが、しかしそれは、仕事のできない程度ほど労働強化によつてやれというのでは決してありませんので、具体的に言いますと、機関補助員が少いのでありますが、機関士の方が余つておるというような場合には、余つておる機関士の配置轉換的の意味におきまして、機関補助の仕事についてもらうというようなことは、今日の場合、組合としてもこの難局をお互いに打開いたしますため、われわれ民族の経済的崩壞を防ぎますために、協力をしてもらわなければならぬ問題であると考えております。またこれによつて事故発生を云々されるのでありますが、事故発生ということは機関助士のする仕事を、機関士に配置轉換的にやつてもらうということになれば、事故発生にはならないと思つております。もし何らか政治的にこれを利用することになつて、故意に事故を発生せしめるぞというふうな考えであれば、これはわが國家の再建のために全然受け容れられないことなのであります。そういう考えで組合は言つておるものとは私らは考えておりません。大体よく了解してくれて、この國民的、民族的の難局を乘り切りますために——配置轉換などに組合の考えが少し不満な点がありましても、これは協力してくれるものというふうに考えておりまして、組合側も十分に理解するようにただいま懇談中であります。
  21. 島上善五郎

    ○島上委員 組合側に再三話をしたという御答弁でしたが、一方的に話をしたから、組合が了解してくれるものというふうに解釈することは、私は間違いだと思います。経営協議会というものがあり、新聞によりますと人事委員会もあるというふうに出ておりますが、せつかくそういう機関があるのでありますから、そこで十分に協議して結論を出してから、実行にかかるという順序でいくべきではないかと思う。配置轉換ということになりますれば、当然そこに仕事上の変化も起るのですから、そういう問題に関しては、労働組合との間に協議して行うということが労働協約の中にもあるはずだと思います。一方的に話をしたから了解したものと解釈しておるというような運び方では、今後他の問題に関しても決して円満にいくものではないと思う。國鉄労働組合といえども、國家のために、國民のために必要だということに対して、決して、反対するものではないと思う。今申しましたように、一方的に了解したものと解釈しておるというような考え方で事を運ぶので、こういうふうになるのであつて、私はそういう考え方を、ぜひともこの問題についても、今後についても、根本的に改めてもらいたいことを希望したいと思います。  それからこの第一條の二項の点であります。必要がないという御意見もありますが、私は大した必要がなくて、どうしても削除しなければならぬということには考えておりません。しかしこの第一の公正妥当なものであるということに対して、二、三、四というものは、公正妥当なものであるということの内容的なものである、こういうふうに解釈される。二、三、四というものを置くといたしますならば、私はやはりどうしても、社会政策的な考慮を拂うことというような一項を入れる必要があるというふうに考えるのでありますが、せんだつての答弁ではどうもあまり抽象的であつてはつきりしませんでしたので、この機会に大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  22. 岡田勢一

    ○岡田國務大臣 お答え申し上げます。「一の公正妥当なもの」というものの中に二、三、四は含まれておるではないかというお説であり、また別に社会政策的なものを明示すべきではないかという御質問だと思いますが、大体公正妥当なものであるということだけでは、はなはだ抽象的に過ぎましてわからないことになりますので、二、三、四は具体的にこれを項目を現わしましたものでありまして、いずれもこれは一の「公正妥当なもの」というのと相並んで、非常に重要な具体事項を明文に現わしているわけであります。なお社会政策的な意味ということにつきましては、四の「賃金及び物價の安定に寄與すること」という中にもうたわれておるのであります。それをここにあらためて書きますことになりますと、非常にこまかい問題、社会政策的とは何ぞやという内容の説明がまた必要になつてくるということにも相なりますので、私らとしましては、これで盡しておるのであり、社会政策的というものを入れない方が、かえつて誤解を招かないものであると考えております。
  23. 高瀬傳

    高瀬委員 さいわい大臣がお見えになりましたので、二つばかり伺いたいのであります。実は先日新聞に道路運送法によつてつくられた地方の自動車事務所——道路運送事務所ですかの管轄する事項について、何か特殊な、臨時物資需給調整法案によつて命ぜられた配給の仕事以外のことは、地方廳に委讓するのだというような記事があつたのであります。その点についていろいろ小幡局長にここで質問いたしましたところが、小幡局長は、全然そういうことは知らないし、もしそういうことがあれば、反対であるというようなことを言つておられましたが、その点について、政治的に閣議なんかでそれだけが取扱われたのかどうか。またそういう事実があるかどうか。その点一應伺いたいのであります。
  24. 岡田勢一

    ○岡田國務大臣 お答え申し上げます。この間新聞に出ておりました記事は、何ら論議されました事実ではありませんので、これは若干間違いだと思つております。ただ閣議で論じられましたのは、國鉄といたしまして、特別会計と行政監督面とを分離いたします方向から、道路運送理事務所の仕事は今後重視せねばならぬ方向になつてくる、その代りに、ただいままでの地方鉄道局というものの中からは、行政監督面が漸次取去られて、切り離されていくことになるので、今後大いに道路運送理事務所を重視するという方向に向つていくつもりであります。ただ閣議で若干論議されましたことは、地方出先機関の整理改廃という一般論からいたしまして、道路運送理事務所の所掌事務のうちにも、地方に委讓してもよいと思われるものは、今後研究してやる、その具体的問題は、ただごく一部の人を運びます厚生車とか人力車とかいうような軽車輛的なものを考えているのでございまして、それらのものは今後の研究の結果、委讓してもいいものがあれば、それらのものぐらいは委讓してもいいのではないかということで、具体的に決定はしておりません。
  25. 高瀬傳

    高瀬委員 実はそういう問題について、この前道路運送法を規定しますときに、軽車輛のごときは当然委讓していいのではないかということを大分われわれは論じたのでありますが、運輸当局は、どうしてもこの道路運送関係からいつて、道路運送事務所に置くのだということで、われわれも讓つたわけでありますから、別に私はこの問題について反対するのではありませんけれども、その点疑問に思つたものですから、伺つたのであります。
  26. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに質問はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  27. 川野芳滿

    川野委員長 それではこの際日程を追加いたしまして、六月二十六日本委員会に付託されました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、海運局増設に関し承認を求める件を議題として、まず政府よりその趣旨の説明を聽取いたします。木下政務次官。
  28. 木下榮

    ○木下政府委員 これは法律でもございません。地方自治法の第百五十六條の四項に、地方に行政機関を設ける場合には、國会の承認を求めるという項目がありますので、それで國会の御承認を得たいと思いまして、これを提案したわけでございます。  從來新潟、神戸、高松には海運管理部があつたのですが、新潟は御承知通り裏日本全部の海運行政をやつており、高松は四國、瀬戸内海の機帆船の基地であつて、非常に重要な土地であります。また神戸は御承知通り日本の貿易港として、日本の玄関として非常に重要な港でありまして、海員組合なんかも神戸に本拠を置いております。でありますから、ほかの官廳なんかと権衡のとれるように、新潟と神戸、高松の管理部という名称を海運局という名称に直すのでありまして、これによつて人員を殖やすとか、予算がどうとかいう意味ではありません。ただ名称を直すだけの簡單なことでありますから、どうぞ御承認を得たいと思います。
  29. 重井鹿治

    ○重井委員 大体了解できるのですが、海運局になるのであつて、機構は変らない、予算も変らないということです。しかし局になる以上は、いくらか機構の変更、あるいは局長、課長というような関係の機構改革というものがあるのでございますか。どうもこれまでも、そのときは大した変動はないと言いながら、いよいよでき上りますと、必ず人員を増員するというようなことになりますので、この際出先官憲はなるたけ縮小しようというときでありますから、念のために聽いておきたいと思います。
  30. 岡田勢一

    ○岡田國務大臣 重井さんの御質問はごもつともであります。從來往々にしまして、うまくその場を逃れておいて、あとから殖やすという疑いを受けておりますが、今回の場合に限りまして、全然さようなことはありません。戰時中に特例によりまして船舶の運航、あるいは造船の檢査などにいたしましても、ほとんど戰時中の必要に迫られて、無檢査状態とでも言いましようか、そのような特例を布いておりました。それが今回昨年から戰時中の特例を撤廃いたしまして、戰前のように造船檢査も、船舶安全檢査も、それから荷役、フリーボードの檢査も復活いたし、それから船員の取扱いにつきましても、もとのように復活いたしまして、相当に機構が変りまして、ただいまにおきましては、管理部というよりも、海運局としての機構ができてしまつているのでありまして、現在そのように運営をしております。とにかく名前だけかえるのでありまして、決して予算、人員、あるいは官吏の等級を変更するということは全然ございません。
  31. 井谷正吉

    井谷委員 この新潟、神戸、高松の海運管理部を海運局に昇格する請願がありまして、その紹介議員には実は私がなつているのであります。それで今重井さんのお話のような点が問題になつたのでありますが、この点は、ここに運びますために、いろいろ当局ともお話合いをいたしまして、そういうことがないということが明らかになつておりまするし、また地方の海運の管理は海運局でなくてはならない、これは地方のこうした海運の仕事をいたす上において、非常な便利を得るわけでありますので、ぜひとも各党各位においても、御賛同願いたいということを重ねて申し上げたいと思うのであります。
  32. 橘直治

    ○橘委員 先刻木下政務次官の御説明の中に、ちよつと誤りがあるように私は聽いておつたのであります。新潟海運管理部は裏日本全般の海運行政をやつていくという御説明でありましたが、これは全然事実に相違をいたしておるのであります。私は裏日本にこれまでやはり海運局設置してほしいという意見でおつたのでありますが、このたび新潟海運局が昇格するということは、非常に結構なことだと存じております。新潟海運局の管轄は今私の聞き及んでおりまする点からいたしますと、新潟縣と長野縣というふうに相なつているようであります。この際当局におかれまして、裏日本に重点という意味で——重点と申しまするよりも、比較的在來裏日本を軽視していたという態度を是正されます上から、もう一局設置を要望いたしたいと考えておるのであります。場所は伏木港であります。御承知のごとく、在來新潟港は関東海運局の管下におりました。伏木港は東海海運局の管下におりまして、どうしても海運と陸運という面から考察をいたしてみまして、鉄道局の管轄内との緊密な折衝が要るという必要上から、私は伏木港を新潟海運局の管内に包括をしたいという御意向に対しては反対をいたしておつたのであります。御承知のごとく伏木港の周囲には七尾港、それから富山港というような重要な三港があるわけであります。かつまた造船の面から考察をいたしてみても、日本海ドツクを初めとして、奥能登一体にわたります木造船の工場が非常に多くあります。どうしてもこの三港を管轄いたしていく上におきまして、一方七尾港に海運局支局があり、伏木港にこれまた支局のあるわけでありますが、これらを包括して、せめて伏木港を管理部に御昇格なさる必要があるのではあるまいかというふうに考えております。この点に関しまして、当局の御考慮をお願いいたしたいという希望を申し上げまして、本承認を求むる件に対しまして賛意を表したいと思つております。
  33. 岡田勢一

    ○岡田國務大臣 極力考慮いたします。
  34. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本件を承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なければさよう決しました。  規則第八十六條により報告書作成の件は、委員長において作成するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 川野芳滿

    川野委員長 それではさよう決しました。  それでは午前の会議はこの程度にいたしまして、午後一時より開会することにいたします。それまで暫時休憩いたします。     午前十一時四十六分休憩      ————◇—————     午後一時四十八分開議
  37. 川野芳滿

    川野委員長 再開いたします。  午前に引続き、鉄道運賃法案を議題といたします。高瀬傳君。
  38. 高瀬傳

    高瀬委員 実は運輸大臣の出席を私は要求してこの質問をしたいのでありますが、ただいま運輸大臣は何かの御都合でお見えにならないので、はなはだ遺憾に存じます。いずれこの点は運輸大臣からはつきりと御答弁を願うことにいたしまして、一應私の疑義のある点を伺いたいと思います。さいわい木下政務次官がお見えになつておりますから、木下政務次官に伺いたいのでありますが、今回の値上げと関連いたしまして、私設鉄道に対する運輸省の根本的方針がどういうふうに相なつておりまするか。たとえば運賃値上げをいたしますと、私設鉄道の方もこれに比例して運賃値上げすることに相なるのだろうと思うのでありますが、その際にもし私設鉄道が経費が償わないという場合は、運輸省はこれに対して経費を補助してやる御方針であるのかどうか。その点を伺つておきたいと思います。
  39. 木下榮

    ○木下政府委員 高瀬委員の御質問ですが、運輸省としては國鉄運賃を上げると同じように、私鉄の運賃も上げさせることになつております。そうしてなるべく私鉄の成り立つようにしてやろう、こういう考えもつております。損がいくからこれに補助するということは、その経営いかんにもよりますし、いろいろの意味合いから、軽々にすぐこれを補償するというぐあいにはまいりませんけれども、なるべく営業の收支が立つて、そうして成り立つようにはしてやらなければならぬ、こう考えております。
  40. 高瀬傳

    高瀬委員 そういたしますと、もし今回の運賃値上げが、政府の考えておるように旅客貨物とも三倍半にならないというような場合には、私設鉄道も思つたようなに運賃收入を得られない。そういう損がいくような場合には、運輸省は何か補助金でも、あるいは補助金でもお出しになるおつもりなんですか。
  41. 木下榮

    ○木下政府委員 大体において、運輸省が提案しております今の倍率——のある程度までの修正は仕方がないと思いますが、運輸省も赤字を埋める財源がない、あるいは私鉄も成り立たぬというようなことは、われわれ考えておりません。賢明なる國会議員各位のことでありますから、それがうまく運営できるように決議していただける、こう信じております。
  42. 高瀬傳

    高瀬委員 私はその点は、木下政務次官はそうお考えになつておられるであろうと、ただいまの御答弁ではつきり承知いたします。ところが、実は本日の日本経済新聞でありましたかに、運輸大臣意見が載つております。それは今回の運賃値上げの交渉を與党三派でやりました際に、社会党が二・五倍あるいは二倍というような、いろいろなことを論議した末、運輸大臣は二・八五倍を主張された。その主張された理由として、もしこの旅客運賃値上げを二・八五倍にしないと、私設鉄道なり、あるいは客船、そういものの運賃收入が非常に減つて、運輸省としてはこれに補助金をやらなければいけない。從つてどうしても二・八五倍以下にはこの倍率を讓れないということを言つておるのであります。これがはたして事実であるといたしますると、何のために鉄道運賃を上げて、赤字を克服しようとしておるのか、その企図なり、ほんとうの目的が非常に不明になつてくるわけであります。私鉄はどうしても救済する、あるいは客船はどうしても救済する、その目的のためには國民が困ろうが、あるいは物價が上ろうが、インフレが増長しようが、そんなことはおれはかまわないのだ、とにかく二・八五倍に運賃を上げれば、客船も困らないことになりますし、私鉄も旅客に関する限りは経営に困らない。こういうことになるので、それこそだれかが言つたように、運輸省は独立採算制ということを盾にとつて國民をこの独立採算制のモルモツトにするのだ、こういうぐあいになつてしまうわけでありまして、われわれ國民は、何も運賃の試驗台になつて、モルモツトになることはないと思うのであります。でありますから、この運賃値上げをどういうふうな意図のもとに運輸大臣は考えておられるのか。実はぜひとも運輸大臣の御出席を煩わして、その御見解を伺いたいと思うのでありますが、さいわいに交通運輸に非常に経驗の深い木下政務次官がおられますから、まず運輸大臣がいつかここにおいでになつたときに御答弁を願うことといたしまして、木下政務次官のその点に対する御意見をひとつ参考のため拜聽しておきたい、こう思うのであります。
  43. 木下榮

    ○木下政府委員 私新聞を見ておりませんから、詳しいことは存じませんが、二・八五倍でなければ、海運の客船の方も、私鉄も非常な赤字になるということは、これはざつと考えても、そういうふうなことになるのではないかと考えます。けれども運輸大臣がそれを補償しなければならぬから、二・八五倍は讓れないということを言つたというふうに、高瀬委員はおつしやいますが、私はそれは信じられない。こういうふうになるというくらいのことを言われたのではないかと思うのであります。決してわれわれは國鉄運賃値上げして、それでもつて國民をモルモツトにするというふうな考えは毛頭もつておりません。またいろいろな方面から総合いたしまして、二・八五倍というものはほんとうの最低の値段じやないか、こういうふうに考えております。詳しいことはいずれ運輸大臣からお答えすることと思いますが、私としてはこれだけをお答えしております。
  44. 高瀬傳

    高瀬委員 どうもその点、私はけさ運輸大臣がお見えになつたときに聽きたいと思つたのでありますが、腑に落ちないので、重ねてただいま伺うわけでありますが、運輸大臣がお見えになりましたら、ぜひこの点について御答弁願うことにいたしまして、私は一應その点に関する質問を打切りたいと思います。
  45. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質問ございませんか。——なければ、次に請願に移ります。     —————————————
  46. 川野芳滿

    川野委員長 これより五月十二日、十四日、十八日、二十日、及び二十八日、それぞれ本委員会に付託されました請願四十一件を議題といたします。なお本日は審査のみに止め、議決は後日に讓ることとして、紹介議員の都合により、日程第三八、宮古、小本間國営自動車運輸開始請願鈴木善幸紹介、文書番号第一〇七二号を議題とし、紹介議員鈴木善幸君の説明を求めます。
  47. 鈴木善幸

    鈴木善幸君 本請願は、省線宮古駅と省線小本駅をつなぐ國営自動車の運輸開始の請願でございまして、この路線の運輸開始の問題は、宮古市、崎山、田老小本沿道各市町村民の多年にわたる要望でございまして、今回の請願も宮古市長以下約三千名にわたる連署をもつてお願いいたしておる問題でございます。  宮古、小本間は御承知のように、今日まで海運以外には運輸の便に惠まれておりませんのでありますが、この沿線には木材、薪炭、最近におきましては戰後水産業が非常に盛んになつてまいりまして、また大理石その他の地下資源も相当あるのでございます。なおこの沿線では学童の通学のために非常に不便を感じておるのでありますし、また最近は主食の輸送あるいは漁業用資材の輸送等、沿線の住民は非常に困難を極めておりまして、わずかに海路靜穏な際に、一日一往復ないし二往復程度の連絡船によつて、その連絡をいたしておる。こういうような非常に惠まれない事情下に置かれておるわけであります。もしもこの路線が皆樣の御同情ある御審議によつて開通いたしますれば、さらに沿岸の産業の勃興、文化の振興の上にも寄與するところが非常に多いのであります。さいわいにして小本、宮古間は省線が來ておりまして、わずかにこれをつなぐ十数里の間であるわけであります。先般政府は縣下の私営自動車の路線を買收されまして、國営として経営されておるのでありますが、この宮古、小本間だけが取残されておりまして、現在運輸当局に対する報告には、縣北自動車会社がこの間を動かしておるように報告されておるのでありますが、現実には定送自動車が一日に一往復やつておる程度でありまして、ほとんど旅客貨物輸送は休止いたしておるのが現実でございます。以上のような状態でありまして、沿道住民といたしましては何とかしてこの省線駅間をつなぐ路線を開始していただきますことを非常に熱願いたしておるわけであります。何とぞ一日も早く御調査いただきまして、この地元民の熱望の実現いたすようお願いいたしたいと思います。
  48. 川野芳滿

    川野委員長 次に政府側の説明を聽取いたします。
  49. 小幡靖

    ○小幡政府委員 お答えいたします。この路線につきましてはしばしば請願、陳情がございまして、よく実情は存じております。三陸沿海地方の開発のため、殊に林産、水産その他の地下資源に惠まれておりますこの地方を開発するという見地から見ましても、また一方交通系路上の見地から考えましても、重要な路線であるということは、私どもといたしましてもよく存じておるところであります。國営自動車をこれに運行いたします件について、仙台の鉄道局に命じて現地の調査をさせたのでありまして、現に昨年十二月の暮に小本駅の改造当時もよく調査をいたさせましたが、その当時は一部道路は改修中であるということを承知いたしておるようなわけであります。そのように私どもといたしましても、この路線の重要性はよく存じておりますし、なるべく早く御希望に副うように努力いたしたいと考えておるのでありますが、御案内の通り予算、資材その他の実情にありますために、早急に実現を見ることは遺憾ながら困難ではないかと考えておる次第でございます。
  50. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  51. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第三五、黒磯駅に急行列車停車請願高瀬傳紹介、文書表第一〇三三号を議題とし、紹介議員高瀬傳君の説明を聽取いたします。
  52. 高瀬傳

    高瀬委員 本請願の要旨は、栃木縣の那須郡の黒磯という町がありますが、これは最近非常に商工業発達いたしまして、栃木縣の北では枢要な町の一つになつております。しかもその奧地には板室温泉、那須温泉というような優秀な療養地がありまして、観光地の入口としても非常に價値のある駅であります。なお同駅には夏になりますと、天皇陛下を初め各皇族の御乘降が非常に多いのでありまして、そのため乘客も非常に数が多い次第であります。從つてこれらの種々の理由から、当駅には東北線を往來する急行列車が当然季節以外にも停まるようにして、乘降客の便宜をはかつていただきたい。ただいま時刻改正になつて、急行が晝間の分と二本だけ季節的に停まるように私は承知いたしておりますが、それではとうていだめなのでありまして、一年中夜分の急行も、上り下り停まらないのがまだ二本あると思います。そういうようなものも含めて、ぜひ年間を通じて急行を停めていただきたい。これが請願の趣旨であります。何分よろしく御審議の上御採択のほどお願いいたします。
  53. 川野芳滿

    川野委員長 次に政府側の意見を聽取いたします。
  54. 石井昭正

    ○石井政府委員 黒磯駅に急行列車を全部停車させろとのお話でございますが、黒磯駅はこの附近の急行停車駅の宇都宮、西那須野、白河に比較いたしますと、きわめて少数の乘降人員でございます。また西那須野、黒磯間は十一キロ五分という区間でございますので、全列車の停車につきましては少し無理ではないかと考えております。ただいまお話もございましたように、夏季中きわめて旅客が多いと思われますときに、晝間の急行を停車させるということで実施の準備を整えておりますから、御了承願いたいと思います。
  55. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま政府委員の御説明でありますが、急行を停めれば停めるほど、お客が多くなるのでありますから、今少いので停まらないというのは、まつたく戰爭前の観念であつて、戰爭後の民主主義になつた今日では、私どもには通用しないのでありますから、どうかその辺を十分御了承の上で、御当局の方でもお願いしたいと思うのであります。
  56. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し、何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  57. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第二四、福島、米沢間電化促進の請願海野三朗紹介、文書表番号第九五六号を議題とし、紹介議員海野君の紹介説明を聽取いたします。
  58. 海野三朗

    海野三朗君 福島、米沢間の板谷のトンネルでありますが、あすこで煤煙のために今まで窒息して死んだ者が、この前にも報告されました通り七、八名に及んでおります。また難工事であるので、電化されていないものでありますから、石炭をたいて通るために、輸送力が非常に劣つておる。こういうことで裏日本の開発、すなわち日本の宝庫であると考えます地方の開発ができない、その第一、はまず亞炭であります。     〔委員長退席、島上委員長代理着席〕  次に食糧及び炭であります。そういうふうなものが十分に運ばれません。今ここに具体的に例を申し上げますならば、山形縣の亞炭でありますが、三箇月分の亞炭が今山元と、それから鉄道の駅に山と積まれておるわけであります。ただいまも六万トンからのものが輸送不可能の状態になつておるのであります。これを全國の亞炭の現状から見ますると、特に東北中でもわけて山形縣、秋田縣をつなぐところのこの板谷の問題がここにひつかかつておるために、こういうふうになつておるのではないかと考えます。もう一つは某方面の関係があるということを鉄道御当局から、過日の石炭調査会議のときに御答弁がありました。その方面の関係の貨車のことは、計算にお入れになつておかなければならぬのではないか。貨車がないから、お前の方は運ばれないじやないかということでは、どうしても納得がいかないのでございます。それで亞炭、食糧の問題にしましても、まことに惠まれざる地方であります。米の生産供出から申しますと全國第二位を占めております。税金の收まるところから考えましても、全國第二位の好成績を收めております。默々として働いておる遠慮がちな東北人の氣持をよく御了解くださつて、速やかにこの電化工事を促進していただきたいというのがその趣旨でありまして、この板谷電化のことにつきましては、どうぞ当局の誠意ある御善処をお願いする次第であります。
  59. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  60. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 お答え申し上げます。奧羽本線福島、米沢間は電化すべき特殊区間といたしまして、昭和二十一年十一月に着工いたしまして、その後工事も順調に進んでおりまして、現在六分通り竣工しております。ところが今年度になりまして万やむを得ない事情のために工事の中止を命じたような次第であります。しかしながらこの電化は多年の懸案でもありますし、省としてもぜひやりたいという希望をもつております。また地方の皆さんの御切望も非常に強いのでございますので、われわれはこの電化の工事再開ということについて、努力をいたしまして、できるだけ近い將來に工事を継続するように努めたいと考えております。
  61. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に関して何か御発言はございませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  62. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二五、山形始発上野行列車新設請願海野三朗紹介、文書表番号第九五七号を議題にいたします。紹介議員海野三朗君の説明を聽取いたします。
  63. 海野三朗

    海野三朗君 東北の方にまいりますには、殊に秋田方面にまいりますのには、秋田行の急行を利用しておりますが、上野発の秋田行急行は乘客が非常に多くありまして、容易なことでは乘られない状態であることは、御当局すでに御承知のことであると思います。他の急行などと比較してみますと、その点が非常に違うと思うのでございます。特に秋田縣、青森縣、岩手縣各縣とも、縣廳所在地の駅からは、ことごとく始発の列車が出ておるのでありますが、山形だけはこれがまだ惠まれておりません。從つて山形からの乘客が非常に多くありますために、上野に行つてやみの急行券を買うのに実に三等で三百円という状態でございます。これを乘客を緩和する意味において、鉄道料金が同じなのでありますし、税金もひとしく納めておるのでありますから、何とか山形始発の上野行の列車を新設していただきたい。と申しますのが、山形縣民一同のお願いであります。どうぞお願いいたします。
  64. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  65. 石井昭正

    ○石井政府委員 お答えいたします。ただいまの石炭並びに車輛の事情からいたしますると、山形始発の上野行列車を新設いたしますことは、困難であろうと思われます。しかしながらお話にございましたように、ただいまの奧羽線列車は非常に混雜をいたしておりまして、山形から乘車する方々が非常に御不便を感じておられる実情は私どもも十分承知いたしておりまするので、今般七月一日の時刻改正からは、山形上野行の急行に限りまして、これを山形発の時間をただいまよりもつと御利用のしよい時間に改めますとともに、二等、三等車二輛を山形から増結いたすことにいたしまして、御便宜をはかりたい。もつと御便宜をはかりたいのでございますが、現状ではそれ以上のことがはなはだむずかしい状態でありまするので、しばらくその程度で御辛抱願いたいと存ずる次第であります。
  66. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまの御答弁を伺いましたが、あの線だけがあれほどこまなければいけないということ、どうしてそれにわれわれが満足していなければいけないのだろうかということも一言御答弁をお願いしたい。そうして山形縣民にこれを傳えたいと思いますから、そこのできないというところを伺いたいと思います。
  67. 石井昭正

    ○石井政府委員 先ほどお話のございました福島、米沢間の板谷峠の間が、この奧羽線の線区の輸送のきわめて隘路となつておるのでございまして、あの区間の電化工事ができまして、かつ列車の牽引輛数も増すことができるようになりますれば、奧羽線から東北線にはいります列車輸送の緩和も相当できるかと思うのであります。ただいまでは逆にあの区間の工事中のために、今回の時刻改正にあたりましても、あの区間を通る列車を増すわけにはいかないというような状態でございまして、しばらく御辛抱願いたいと存ずる次第であります。
  68. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。
  69. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一三、野村、中筋間國営自動車運輸開始請願井谷正吉君外七名紹介、文書表番号第八八七号を議題とし、紹介議員井谷正吉君の説明を求めます。
  70. 井谷正吉

    井谷委員 省営自動車を野村駅より中筋村に運営延長請願の要旨を申し上げます。元來この線路は宇和島市と松山市とを結ぶ幹線でありまして、その最短距離に位しておる、またその心臟沿線であります。かの愛治村と野村町とをつなぐために莫大な犠牲を拂い、難工事であつた土屋トンネルの開通しましたのも、まつたくこれがためであります。本線は野村駅と大洲駅を連繋するものでありまして、縣道未改修わずかに二キロ余でありますが、これが完成に伴ひさらに延長請願をなさんと予定しております。現在大洲駅より坂石駅を通過し、野村駅より卯之町駅に至るこの間の乘客及び荷物等の輻湊状態は、まつたく言語に絶するものがあります。一般地方民の実情はいかがでありましようか。通勤連絡者ばかりではありません。老人や子供、弱体者の乘車状況はまことに見るに忍びないものがあります。ある者は初発から待ち合い、かろうじて最終に乘車をいたしましたり、あるいは遂に乘車することができずして、一泊を余儀なくするというような実例も少くないのであります。ゆえに本線の延長はまつたく大洲駅、坂石、野村、卯之町駅間の緩和の上に必要欠くべからざる線路であると考えておるのであります。ここに地方の民意を代表いたしまして本委員会の御審議を煩わしたいことが請願の大要でございます。
  71. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  72. 小幡靖

    ○小幡政府委員 御請願の趣きはまことにごもつともであると考えます。野村駅から中筋村の距離はわずかに四キロ余り、一時間の距離でありまするし、今の南豫線の路線延長という考え方で考慮いたしたいと考えておりますが、しかし井谷議員も特に御承知通り予算資材の実情でありますので、早急に実施できるかどうかということは確言はいたしませんが、十分に考慮いたしてみたいと存じます。
  73. 井谷正吉

    井谷委員 これは私どもの方では朝晩一往復でも結構でありまして、この卯之町というのは農學校がありまして、非常に通勤者があるために朝晩輻湊するということになりますから、朝晩一回だけでも結構であります。
  74. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 ほかに御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  75. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第六、長坂村に簡易停車場設置請願淺利三朗君ほか三名紹介、文書表第八〇五号を議題とし、紹介議員淺利三朗君の説明を聽取いたします。
  76. 淺利三朗

    淺利三朗君 本請願は岩手縣の一ノ関から大船渡へ参ります大船渡線の中間であります陸中松川駅と摺沢駅間の中央の地点、岩手縣東磐井郡長坂村字柴宿に簡易停車場を新設せられたいということをお願いする次第であります。元來この大船渡線と申しますのは、從來鍋弦線とまで言われておる所で、非常に屈曲いたしておるのであります。そうしてただいま申し上げました陸中松川駅と摺沢駅の間は、九キロ三分という長距離であります。しかもその曲つておる中間の柴宿という所に今回簡易停車場を設けていただきたいというのでありまして、この両駅によつて現在交通いたしております者が、この駅ができるために便益を受けるのであつて、それは長坂村、猿沢村、田河津村の三箇村の人々であります。これはともに地理的に現在の駅を利用いたしますれば、今回の候補地となる所から、さらに両方に通わねばならぬような非常な不便を感じておるのであります。それでこの問題につきましては、從來からしばしば要望せられまして、すでに昭和十年以來数回にわたつて新設の陳情、請願を出しておるのでありますが、たまたま大東亞戰爭になりまして、新たなる仕事はやつてはいかぬというようなことで、そのままになつておつたわけであります。敗戰後の現状から見ますると、日本の再建の上からいきましても、特に食糧、燃料、あるいは住宅の基礎資材というようなものが増産の第一次の基本條件になりますが、ただいま申しました長坂、猿沢、田河津のこの三箇村は、これらの資源地であります。この未開発資源を開発する意味から申しましても、また住民の便益の上から見ましても、ぜひともここに簡易停車場を設けていただきたいというのであります。本來ならば普通の停車場をお願いしたいのでありますけれども、今日の時代でありますから、資材その他の関係もありますので、簡易停車場をもつて当分満足するのでありますが、運輸当局におかれましても、この地方に何か保線分駐所というものを設けようという御計画があるそうであります。これは実際距離が非常に遠くて、特に鍋弦線のしかもその頂点をなすというような関係から、自然当局側でもそういうことをお考えになつておると思います。そういたしますと、同時にこれを簡易停車場にしていただくならば、御当局におかれましても、また仕事の上において一石二鳥ということになると思うのであります。今日の財政上至難ではありまするけれども、簡易停車場程度のものでありまするから、ぜひともこの要望を達成せられまして、地方の交通事情をもう少し緩和していただきたく、殊に薪炭とか、木材とか、またその地方には石灰石も多いのでありまして、そういう重要資源の開発にも十分役立てていただきたいと思います。現在この大船渡線は非常に虐待を受けておりまして、その交通量の多いにもかかわらず、設備が惡いということは有名であります。東京の循環電車よりももつと人がこむというような現状であります。これに乘るために、今の三箇村の人々は、自分の地方事務所へ行くのに朝の五時ころに出ていつて、ようやく朝の汽車に間に合つて地方事務所へ行く。また会議半ばにして帰らなければ、その日のうちに自分の家に帰れないという不便を忍んでおられるのでありまして、この簡易停車場の設置によつて受ける利益は、各方面において多大なものがあるのでありますから、ぜひともこの願意を御採択あらんことをお願いする次第であります。
  77. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  78. 石井昭正

    ○石井政府委員 大船渡線の陸中、松川駅、摺沢駅両駅の間に新駅設置の御要望でございますが、この間はただいまお話になりましたように、九キロ三分というたいへん長い区間でございます。今日まで駅の設置が実現しなかつたことはたいへん遺憾に存じているのであります。ちようどこの御要望がありましたときに、戰爭になりましたために、御要望に対しまして十分なる実現の措置が講ぜられなかつたのでございまして、地勢の関係、あるいは冬季などは特にお困りのことと存じております。当省といたしましても、戰爭中とは事情が異なつておることと存じますので、最近の実情をよく調査いたして、その結果をまつて何分の御詮議を申し上げたいと存じます。ただ御承知のように、最近予算が非常に切り詰められておりますので、予算あるいは人員という方の関係からも、多少考慮しなければならない点があることを御了承願いたいと思います。
  79. 淺利三朗

    淺利三朗君 承りますと、何かここに保線の方の分駐所を設ける御計画があるそうでありますから、それと関連しまして、一緒に願いたいというのが地方の要望であります。
  80. 石井昭正

    ○石井政府委員 なるべく調査いたします。
  81. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  82. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一、北海道廳植民軌道運営に関する請願坂東幸太郎紹介、文書表第七四三号を議題とし、紹介議員が見えませんので、井谷正吉君から紹介説明を聽取いたします。
  83. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、北海道枝幸郡歌登村は純農村で、現在ただ一つの交通機関として北海道廳の経営にかかる植民軌道が存するだけであるが、同軌道は次第に路線その他の施設物が腐朽退廃し、加うるに年々拓殖予算の削減により、これらの補強が意のごとくならないために運行能率が急に低下して、産業の振興、住民の生活に一大障害を來しつつある。ついては國庫補助をもつて該軌道の運行を強化継続されたいというのであります。
  84. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。——本件の政府側の答弁を保留いたします。     —————————————
  85. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二、米原敦賀間鉄道電化並び敦賀、木ノ本間新線工事促進請願ほか八件、森幸太郎紹介、文書表第七六二号を議題とし、紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君から代つて紹介説明を聽取いたします。
  86. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、北陸線米原敦賀鉄道の諸設備は、地形上開通以來何らの改善を見ず、しかもこの区間は旧式のトンネル多く、また急勾配の連続であり、さらにスイツチバツクの駅所が多く、物資輸送上支障があるとともに、國民旅行上の難関であり、地方産業、文化の向上発達を阻害している。ついては米原敦賀鉄道の電化並びに敦賀、木ノ本間の新線工事を促進されたいというのであります。
  87. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  88. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 米原敦賀間の電化は急勾配区間でございまして、昭和十五年一部工事に着手いたしましたが、戰爭のためにこの間の複線工事の遅延に伴いまして、電化工事は中止いたしました。終戰後國鉄の電化計画にあたりまして、この区間を長期電化計画中に編入いたしましたが、まだ工事には着手いたしておりません。次に本区間の複線工事でありますが、現在線の急勾配を緩和し、北陸線の輸送力を増すという目的から、昭和十三年から工事に着手いたしましたが、地質の関係で非常に工事が遅延しておりまする折から、戰爭に遭遇いたしまして、現在約六分通りの工事進行になつております。当局といたしましては、本複線工事を速やかに進めたい希望をもつておりますが、目下の國内事情から、予算、資材の関係もありまして、二十三年度は、一應工事中止のやむなきに至つております。從いまして、この区間の電化並びにこの複線工事とも、現在中止の形でありますが、できますれば北陸線の重要性に鑑みまして、近い將來に再開いたしたい考えであります。
  89. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  90. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第七、雄勝町大須岬救難所及び簡易燈台設置請願内海安吉紹介、文書表番号第八〇七号を議題とし、紹介議員内海安吉君の紹介説明を聽取いたします。
  91. 内海安吉

    内海安吉君 宮城縣雄勝町大須岬は雄勝町の東北最先端に位いたしまして、北南は太平洋に面し突出しておるのであります。南方約十マイルの地点は、金華山及び江の島と対立し、東北は遠く岩手縣綾里岬に対して突出しておるのであります。海域には各種魚族が集散する日本唯一の金華山漁場がありまして、漁船最も多く、かつ海洋沖合には大型、小型汽船の航行が頻繁なる地岬であります。しかるにこの大須岬は、到るところに暗礁が点在しておりますので、風濤または濃霧の際には、出漁船及び沖合航行汽船が針路を誤りまして、座礁し難波船となり、当岬に避難し來るものが多々あるのであります。これがために生命財産を喪失する数年々歳々多きを算する難域でありまして、実に救難局面の最大要所であります。大須部落民は明治二十四年一月、大須水難救済組合を組織いたしまして、帝國水難救済会に属して独力にて見張所を設置しこれが救済に当り、この地域の海難救済事業に献身的努力を傾けてまいつたのでありますが、現下の國情に際し海運業と海上産業の必死の努力を要するときに、大須岬のごとく海難事故またようやく多きを加うるを見るは、まことに残念にたえないのであります。この際救難施設の拡充、強化を痛感いたして、政府におきまして、大須岬に簡易燈台並びに救難所設置し、もつて海難防止の使命達成に御支援せられんことを願いたいのであります。ここに本町議会の決議をもちまして、請願いたしまする次第であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  92. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  93. 橋本改二

    ○橋本政府委員 まず燈台の問題から答弁いたしますと、本式の燈台を建設しますことは、目下非常な困難がございまするが、簡易燈台の御要求ならば、現地を塩釜海上保安本部をして調査させまして、なるべく速やかに御要望に副うように努力いたしたいと思います。  次に水難救済所の問題でございまするが、海上保安廳といたしましては、水難救済のことには最も力を入れておりまするが、現在保有しております船舶のみをもつてしては、満足なる結果は予期できないために、できるだけ地方の水難救済会あたりを援助いたしまして、これを強化させたいという方針は立てておりまするけれども、ただいまのところいわゆる前渡しをいたします補助金制度は、関係方面との交渉においてはなはだ困難を感じまするので、何か実績が上りましたときに、報奬制度でこれを助けていきたいというような方針で鋭意いろいろ立案中でございます。
  94. 内海安吉

    内海安吉君 この請願のいわゆる簡易燈台に対しては御賛成くだすつておることと了承いたしますが、報奬制度というようななまぬるいことではなく、こういつたような問題は、むしろ政府において積極的に速やかに取上げて、今年度はむずかしいかもしれませんが、遅くも明二十四年度予算には、ぜひとも御計上くださいまして、この要望の達成に御協力あらんことを希望いたして私の説明を終ります。
  95. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対してはほかに御発言はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  96. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第四、朱鞠内、羽幌間鉄道敷設請願坂東幸太郎君ほか三名紹介、文書表番号第七七四号を議題とし、紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君の紹介説明を聽取いたします。
  97. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、北海道天塩國羽幌町より天塩國名寄町に至るいわゆる名羽鉄道中、朱鞠内、羽幌間はいまだに完成を見ていないが、同区間は豊富なる林鉱産資源を有し、かつ日本海とオホーツク海を結ぶ重要路線である。ついては該区間に鉄道を敷設されたいというのであります。
  98. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  99. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 お答えいたします。本区間は鉄道敷設法予定線でございまして、お話のように沿線には羽幌炭田地帶があります所で、大森林その他廣大なる農耕地がありますので、相当に資源の豊かな地帶と考えられておりますが、ただ非常に地形が複雜しております所で、建設線としては難工事だという予想であります。当局といたしましては目下の國内事情で、さしあたつて新線に着手するということは困難でありますが、これらの資源開発については非常な関心をもつておりますので、將來いろいろと調査研究いたしてみたいと考えております。
  100. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何が御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  101. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第五、羽幌遠別間鉄道敷設請願坂東幸太郎君ほか三名紹介、文書表番号第八〇〇号を議題とし、紹介議員がお見えになりませんので井谷正吉君の紹介説明を聽取いたします。
  102. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、北海道苫前郡羽幌町築別より同郡初山別村を経て、天塩郡遠別村に至る路線は、留萌市を起点とし、宗谷本線に直結する北部北海道開発の一大使命を有する枢要縦貫線で、沿線には豊富なる鉱、林、水産資源を有し、前途はきわめて有望であります。ついては該区間に速やかに鉄道を敷設されたいというのであります。
  103. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  104. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 この鉄道は運輸系路並びに拓殖の計画をもちまして、第六十九議会、昭和十一年五月に建設費予算に計上されまして、そのうちの一部、すなわち羽幌、築別間約七キロには昭和十六年十二月に開通したのであります。残りの築別、遠別間四十三キロは戰時中になりまして工事の施工が延期されまして今日に及んでおる次第であります。この区間はさしあたつて近い將來に工事に再着手することが目下の國内の事情から見て一應考えられないような事態になつております。
  105. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  106. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第八、高田、摺澤間國営自動車運輸開始請願紹介議員志賀健次郎君、文書表第八一〇号を議題とし、紹介議員がお見えになつておりませんので、井谷正吉君に代つて説明をお願いいたします。
  107. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、大船渡線摺澤駅より高田町に至る縣道は、岩手縣南部ただ一つの横断道路で、三陸海岸と内陸縦貫線とをつなぐ最短距離で、交通上の重要幹線の一であり、かつ農林産物、海産物あるいは鉱産物等が豊富であるが、冬季積雪による交通難等のため、これらの諸資源も死藏されている状態であります。ついては資源の開発並びに滯貨物輸送のため、前記区間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  108. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  109. 小幡靖

    ○小幡政府委員 この路線は、迂回しております大船渡線を短絡するかつこうの路線と存じますが、目下摺澤と大原間以外は運休をいたしておりますけれども、すでに民営の自動車の路線と相なつておる関係で、まず運休しておる区間の復活に力を入れたいと思うのであります。御承知通りの情勢でありますので、國営自動車を運行させることはさしあたり困難だと思つております。
  110. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  111. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一〇、徳佐、東萩間國営自動車運輸開始請願紹介議員坂本實君、文書表第八五三号を議題とし、紹介議員がお見えになつておりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明を願います。
  112. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、山口線徳佐駅より山口縣阿武郡嘉年、高俣、吉部、福川等の各村を経て山陰線東萩駅に至る間は、國有鉄道建設予定線であつて、その沿線一帶は農林、畜産物資源並びに地下資源に惠まれ、將來を期待されているが、交通機関に惠まれず、ために住民の不便はもとより、地方開発上大なる支障となつているのであります。ついては該路線に國営自動車の運輸を間始されたいというのであります。
  113. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  114. 小幡靖

    ○小幡政府委員 この路線は山陰線と山口線とを結びます徳佐、長門大井間の鉄道敷設で、その大部分が予定線に該当いたしておりまする重要な路線であります。私も前任地の関係でよくこの地方の事情を存じておりますが、今お話もありましたように、農林産物あるいは地下資源の豊富な地方であつて、自動車の発達によりまして將來を期待されることはまことにごもつともと存ずるのであります。しかし何と申しましても、現在の事情から言つて早急の実現はむずかしいので、現在民間の自動車も運行中でありますから、まずもつてこれが増強に力を注いでまいりたいと考えております。
  115. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  116. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一一、荒砥、山形間國営自動車運輸開始請願松浦東介紹介、文書表番号第八五四号を議題とし、紹介議員代理海野三朗君の紹介説明を聽取いたします。
  117. 海野三朗

    海野三朗君 荒砥町と山形間に國営自動車を運轉していただきたいという趣意でございます。荒砥町は、米沢から今泉を経まして荒砥の方には鉄道が通つております。また山形の方は奧羽本線が通つておりますが、その荒砥と山形との間に介在しますところの約二十数箇町村の住民たちはまことに交通に惠まれておりません。殊に荒砥は農産物の産地であり、また亞炭の産地でありますので、山形とこの間をつなぐところの鉄道の敷設を請願いたしたのでありますが、それは時局柄とうてい望み得ないので、せめてこの國営自動車を運轉していただきたいと申しますのが、この地方民の切なる要望でございます。
  118. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  119. 小幡靖

    ○小幡政府委員 この路線山形から荒砥を直結します林産資源の問発線と存じますから、いずれ研究をいたしたいと思いますが、あるいはこの中間部の道路はまだ未完成で、國営自動車の運行には支障があるのではないかと思われるのであります。しかしこの点はさらによく研究をいたしてみたいと思いますが、なお山形、荒砥の両端附近には民営自動車も一部運轉をいたしておるように思います。研究はいたしますが、御案内の通り予算、資材の実情でありますから、早急実施は困難であろうということを御了承願いたいと思います。
  120. 海野三朗

    海野三朗君 この間の道路はトラツクが通るようになつておりますので、道は相当にでき上つておると存ずるのでありますが、政府御当局におかれては実地調査をいたされまして、地方民の要望を容れていただきますようにお願いいたします。
  121. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対してほかに御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  122. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一二、東京鹿兒島間及び門司、鹿兒島間に直通急行列車運轉請願、上林山榮吉君紹介、文書表番号第八六五号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君の紹介説明を聽取いたします。
  123. 井谷正吉

    井谷委員 鹿兒島縣は南九州の要地でありまして、殊に貿易再開に伴うわが國最南端の要点として、また観光ルートの一環といたしまして、今後日本再建の上に果すべき役割は実に大きいのであります。現在中央との交通はきわめて不便でありまして、これが時間的、距離的障害を除くために、東京鹿兒島間及び門司、鹿兒島間に直通急行列車の運轉を開始されたいというのであります。
  124. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  125. 石井昭正

    ○石井政府委員 御要望の趣旨に副いまして、ただいま運轉いたしております門司、鹿兒島間の急行列車と東京、門司間の急行列車を今回七月一日より時刻改正を行いますのに際しまして、東京鹿兒島間直通運轉するようにいたしております。
  126. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対し何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  127. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一四、桑折、丸森間國営自動車運輸開始請願庄司一郎君ほか二名紹介、文書表番号第八九六号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君の紹介説明を求めます。
  128. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、福島縣伊達郡梁川町北端より宮城縣伊具郡に入り、亘理郡荒浜で太平洋に注ぐ阿武隈川の流域地方は、おおむね平坦地で地味が最も豊かで、古來養蚕業その他各種農村工業が盛んで、林鉱産資源も多数に上るのであるが、交通機関に惠まれないため、住民の不便はもとより、生産物資の搬出上支障が大である。ついては東北本線桑折駅より梁川町を経て宮城縣の丸森町に至り、白石、中村間の國営自動車に接続する國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  129. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  130. 小幡靖

    ○小幡政府委員 この路線福島から丸森を経て常磐線の中村を結ぶ鉄道敷設法予定の線に該当いたしております。また東北線と常磐線の短絡線でもあり、阿武隈川流域の地方の産業の開発ともなる重要路線であるということはよく存じておりますが、目下の予算、資材その他の関係から早急に実施困難なことを御了承願いたいと思います。
  131. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  132. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一五、日本通運株式会社鹿屋支店存続請願的場金右衞門君ほか二名紹介、文書表番号第九〇二号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君の紹介説明を求めます。
  133. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、今回発表された日本通運株式会社の企業再建整備案によれば、鹿兒島縣大隅地方ただ一つ輸送機関の中枢たる日通鹿屋支店が分離し、一地方運送店として轉落するようであるが、これは当地方の開発に一大支障を來すのみならず、國家的見地からも重大なる損失であるから、日本通運より鹿屋支店を分離することは反対で、これが存続方をはかられたいというのであります。
  134. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の説明を聽取いたします。
  135. 小幡靖

    ○小幡政府委員 日本通運株式会社の再建整備計画につきましては、現在の各種情勢下における同会社の責務任の重大性及び國有鉄道における輸送計画の実施に重大な関係がありますので、これに対しては深甚な関心をもつておるのであります。同社の再編成計画は各地取引制の確保、重要物資の流通秩序の維持増進及び鉄道輸送の計画性の確保、その円滑化を基本方針といたしまして、さらに営業收支の償うか、償わぬかというような点も重要な問題といたしまして、利用地域の整備につきましても、その方針に從つて処理いたしておるのでありまするが、再編成計画の決定は、持株整理委員会の所管に属しておりまするので、請願の御趣旨は十分同委員会に傳達することにいたしたいと考えております。
  136. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  137. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第九、鉄道用枕木割当に関する請願、野原正勝君ほか七名紹介、文書表番号第八二〇号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を求めます。
  138. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、岩手縣枕木林産組合に対する昭和二十三年度供出割当量は三十五万本にすぎず、手持量換算額約一億円が資金化されないため、本縣の枕木業者は現在破局的危期に当面している。かくては生産意欲の減退、專門技術者の離散轉業等、今後の枕木生産上憂慮すべき結果を招來するから、栗五、雜五の割合を以て供出割当増加をはかられたいというのであります。
  139. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  140. 中村卓

    ○中村説明員 簡單に御説明申し上げますが、実は國鉄は大分今まで枕木に困つておりまして、昨年の下期から枕木増産運動というものを始めまして、大分業者の皆樣方の御協力を得た関係上、昨年においては七百二十万本納入していただきました。二十一年度の三百万本に対し非常な好成績を示しております。但しその過半数が下半期に納入されたため、二十三年度三月末日において約三百万本の使用残高を保有しておるわけであります。二十三年度予算に要求されている使用見込み六百万本の計画から見ると、本年度は三百万本を購入すればよいことになるのでございますが、枕木の生産確保の見地から大体五百万本ぐらいの購入計画を考えているわけでございます。この数字を基礎におきまして、なお話がございましたように岩手縣については過去の成績もよい縣であるので、できるだけ計画としては考慮しても、昨年度の購入実績、並五十万五百五十八本、分岐一万九百三十本に対し、今年度の計画は並三十五万本、分岐一万六千本でございまして、相当去年より減つているというかつこうにならざるを得ないということなので、この点はわれわれとしても申訳ないと思つておりますが、予算関係その他の事情よりやむを得ないものがあるのではないかと思つております。なおその対策といたしましては、今までのところ一種と申します腐りにくいものを減らしまして、三種を少し殖やそうということを考えておりますと同時に、かつまたビルマ、タイとかフイリツピン方面への輸出の話がございますので、その方もにらみ合わせて九州方面の枕木をそちらにまわして岩手、北海道のものをこれに使いたいと考えておりますし、國内の調整もしてみたいと考えております。それでもなおお困りの場合には、金融の御斡旋を業者の方にいたしまして業者の方の困らないような方法をとりたいと考えております。
  141. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  142. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一六、撫養、相生間國営自動車運輸開始請願三木武夫紹介、文書表第九二四号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君の紹介説明を求めます。
  143. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、鳴門海峽地方は文化、観光及び産業上の要地であるが、撫養線により高徳線に連絡している関係上、貨客の輸送に不便を感じている。ついては撫養、相生間に國営自動車の運轉を開始されたいというのであります。
  144. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  145. 小幡靖

    ○小幡政府委員 仰せの通り、鳴門海峽地方の海岸線に、完備した交通機関を要請されますことはごもつともと存じますが、國営自動車を運轉いたしますことは、先ほど來しばしば申し上げまする通りに、非常に困難な現状にあります。さいわい御請願路線はすでに民営自動車の路線に相なつておりますので、目下は休止路線になつておりますが、早急にこれを復活させるということが早急であるとかように考えております。
  146. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  147. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一七、興浜南線全通の請願坂東幸太郎紹介、文書表番号九二六号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  148. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の趣旨は、北海道興浜南線鉄道、すなわち雄武駅から北見技幸駅に至る鉄道の速成に関しては、昭和二十一年議会で採択されたのでありますが、財政及び資材難のため、その実現を見るに至らなかつたのでありますが、本線は本道北方運輸の環状線の一環であり、沿線における未開発漁田の開発捉進、鉱産資源及び原野の開発に資すること大でありますから、ついては速やかに該線を全通されたいというのであります。
  149. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  150. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 興浜南北線の重要性につきましては、政府もこれを認めております。もちろん鉄道敷設予定線でありまして、南北線の建設は部分的に進んでおります。殊に戰時中撤去いたしました約五十キロは、重要性を認めて復帰したのでありますが、その残余の区間をつなぐものにつきましては、ただいまのところ修繕、建設に対する予算、あるいは資材、全体の面から考えて、早急にこの区間を連絡することは目下困難な事情にございます。
  151. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  152. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一八、逗子所在の「海の家」拂下げに関する請願小暮藤三郎紹介、文書表第九三二号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  153. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の趣旨は、横須賀市逗子海岸所在の運輸省経営にかかる「海の家」は、都人士から非常な絶讃を受け、年とともに利用者は増加の一途をたどり、國民の保健並びに体位の向上に寄與したことはもとより、当地の発展に資するところ大なるものがあつたのであります。一方本市は軍港都市であつたため、終戰により市財政はいよいよ窮迫の度を加えつつあるのであります。ついては本市の有力な財源として、「海の家」を本市に拂い下げられたいというのであります。
  154. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  155. 石井昭正

    ○石井政府委員 逗子にございます「海の家」拂下げの御要望でございます。ただいま「海の家」は職員の教育並びに修養施設として使用いたしておりまするが、きわめて狹隘をつげておるのであります。夏季のみはこれをリクリエーシヨン用として一般の方々に供しておるわけでありますが、年間を通じますと、大部分がただいま申し上げました職員の教養用に使用いたしておりますので、ただいまこれを拂い下げてもらいたいという御要望には、おこたえしにくいと存ずるのであります。
  156. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  157. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第一九、湯之元駅に急行列車停車請願的場金右衞門紹介、文書表番号第九三五号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  158. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、鹿兒島縣日置郡湯之元駅は、九州における知名温泉として將來の発展を予想される湯之元温泉を控え、日々の乘降客は鹿兒島、川内両都市間における各駅の上位にありまして、將來地方都市としての形態を着々具備しつつあるのであります。ついては該駅を急行停車駅として指定されたいというのであります。
  159. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  160. 石井昭正

    ○石井政府委員 今回七月一日から改正いたしますダイヤによりますと、鹿兒島本線には東京鹿兒島間の直通の急行が一往復でございますが、湯之元駅の近くでは、川内及び伊集院にそれぞれ停車いたしておりまして、その停車直後に上り下り接続しておる区間列車がございますために、ただいまのところ急行列車の停車を殖やすというわけにはまいらないので、接続列車を御利用することで御辛抱を願いたいと存ずるのであります。
  161. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  162. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二〇、彦山、大行司間鉄道敷設促進請願、梅林時雄君ほか一名紹介、文書表番号第九三九号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  163. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、北九州築豊炭田隣接の福岡縣朝倉、大分縣日田、熊本縣阿蘇一帶は、本邦著名の森林地帶でありますが、現在輸送路不備のため、杭木百二十万石が滯貨しておる状態で、石炭増産上きわめて遺憾であります。ついては日田線のうち未完成部分たる彦山、大行司間の鉄道敷設工事を速やかに着工され、日田線を全通されたいというのであります。
  164. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  165. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 この鉄道は、第六十五議会で資源開発並びに運輸系路上の見地から、建設費予算に計上せられまして、そのうち添田、彦山間、及び夜明、大行司間は開業いたしましたが、残りの彦山、大行司間のうち、釈迦嶽隧道の一部分を除いて、大部分はすでに土工工事を完了いたしました。しかし資材関係でもつて目下工事を中止しておりますが、当局といたしましても、この鉄道の使命に鑑みまして、急速に工事を再開いたしたいという希望をもちまして、目下関係筋と折衝中でございます。最近関係筋の方から現地調査に参りまして、私どもといたしましても極力工事の再開を速やかならしめるべく、努力いたしておる次第であります。
  166. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  167. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二一、札幌地区鉄道復興計画施行請願椎熊三郎君ほか二名紹介、文書表番号第九四二号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より説明を聽取いたします。
  168. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、札幌地方の発展、人口の激増、発着貨物増加等により同地方の國有鉄道路線、停車場その他の諸施設は速急にこれを拡張改良する必要に迫られているので、運輸省において計画中の札幌地区鉄道復興計画を昭和二十三年に着工し、速やかに完成されたいというのであります。
  169. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  170. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 札幌地方の客貨の鉄道施設の狹隘ということは、多年問題になつておりますので、最近の機会に札幌附近の將來を見透しました拡張計画を樹立して、この將來の計画の一部として着工すべく考慮中でございます。本年度からこの工事の一部に着手いたすつもりでございまして、暫定施設といたしまして東札幌貨物駅の荒荷線の新設、西札幌貨物駅発着線の土工工事等を施行する予定であります。
  171. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  172. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二二、篠路、石狩太美両駅間に停車場設置請願椎熊三郎君ほか二名紹介、文書表番号第九四三号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  173. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、産業振興のため、北海道石狩國篠路村の緊急開拓事業を促進して農産物の増産をはかり、併せて生鮮魚介陸揚地としての機能を充実し、近接消費地帶への迅速豊富な供給輸送の根拠地たらしめるため、速かに札沼線篠路、石狩太美両駅の中間、釜谷臼地区に停車場を設置されたいというのであります。
  174. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  175. 石井昭正

    ○石井政府委員 札沼線篠路、石狩太美間は九キロ一分ありまして、御希望の地点は石狩川の流域で草炭の産地でございます。この請願の駅ができますれば、札幌市内の燃料対策上非常に御便益であろうと存じますが、御希望の地点は、石狩川の鉄橋の附近でございまして、駅の設置には必ずしも適当でない場所でございますので、さしあたりまして駅の設置につきましては、御要望に副いかねる次第でございます。
  176. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  177. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二三、高瀬村に停車場設置請願、図司安正君紹介、文書表第九四九号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  178. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、山形縣東村山郡高瀬村は、仙山線の楯山、山寺両駅の中間に位し、停車場がないために、多量に産出する林、農、鉱産物の搬出並びに通勤、通学上きわめて不便である。ついては本村の実情を調査の上、本村内に停車場を設置されたいというのであります。
  179. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  180. 石井昭正

    ○石井政府委員 山寺、楯山間は六キロ二分の距離がありますが、この間はほとんど全区間急勾配の連続でございまして、駅の設置は技術的に困難でございます。強いて設備いたしますると、非常に莫大な工事費と資材とを要しますので、目下の経済状況のもとでは、とうてい不可能と申し上げるほかはないのでございまして、しばらく御辛抱をお願いいたしたいと存じます。
  181. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本件に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  182. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二六、久慈白山間及び久慈、玉ノ脇間國営自動車運輸開始請願山本猛夫紹介、文書表第九七〇号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  183. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、岩手縣九戸郡長内村白山、久慈町間及び長内村地内久慈港、玉ノ脇間は人家が調密で、多数の官公署、小学校等が存在し、さらに各種の重要工場があつて、毎日の通勤者、通学者がおびただしい。ついては地方民の利便をはかるため、速やかに該両区間に國営自動車を運行されたいというのであります。
  184. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  185. 小幡靖

    ○小幡政府委員 久慈町を中心に沼宮内、軽米、普代の各國営自動車路線はすでに完成されておりまして、從つてこの町には自動車区も設けられているのでありますが、御承知のように、國営自動車の路線を開きますことはもちろん、わずかの延長につきましても、目下の國内情勢では、簡單に実施できない現状にあるのであります。なお、この路線につきましては、第一回の國会の請願もありまして、事情はよく存じておりまするので、さらに研究はいたしたいと存じますが、ただいま申し上げましたような次第で、早急の実現については、必ずしも機を得ていないことを御了承願いたいと思います。
  186. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本件に関して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  187. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二七、九州における鉄道貨物輸送強化促進の請願田中松月紹介、文書表第一〇〇四号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  188. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、日本再建のため輸送力の増強が叫ばれている今日、國鉄輸送力は生産増強に伴わず、貨物は山元や駅構内に放置されつつある。木材地方と称される南九州においても建築用材を初め杭木、木炭等の生産は急激に増加しつつあるが、輸送難のため滯貨がはなはだしい。ついては鉄道輸送力増大並びに海上輸送の強化を促進されたいというのであります。
  189. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  190. 石井昭正

    ○石井政府委員 南九州地方の輸送力の逼迫につきましては、当省も十分承知いたしております。これも國鉄全体の貨物輸送力が全面的に逼迫してきたためでございまして、南九州地帶と同じような状態が、青森、岩手、北海道、秋田、島根というような各農林産資源のきわめて豊富で、しかも輸送力の狹い地方に、いろいろ現われておるのでございます。これに対しましては、まず何としましても、國鉄全体の輸送力の増強をいたさなければ、根本的には解決できないのでありまして、これに対しましては、御承知のように閣議決定を経まして、種々対策を講じてはおるのでございまするが、予算、資材等の関係から、急速に所期の整備ができないのを、まことに遺憾に存じておる次第でございます。南九州には木材で推定二十万石にも達する滯貨を擁しておると見られておるのでございますが、この中には杭木、あるいはパイプ用材、あるいは輸出用材等、きわめて緊要なものがございますので、これらの緊急を要するものを優先輸送いたしまするために、一般の土建材の輸送は、御要請の二五%ぐらいしか送れないような状態になつておるような次第でございます。從いまして、これらの輸送につきましては、本州から回送いたしました九州の炭鉱に参りますところの石炭を積む空車を、そのまままず南九州へ押し下げまして、そこで杭木を積んで、それから炭鉱に輸送するというような措置を講じておりまして、いくらかでも増送できますように、あらゆる苦心をいたしている次第でございます。なお海運に轉移さすという問題は、これは輸送の励行、増強をいたします根本方針でございますので、可能なる地帶と時期を選びまして、極力これを実施するように努力しておる次第でございます。
  191. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 ほかに何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  192. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二八、南福井操車場及び北福井信号所昇格請願坪川信三紹介、文書表第一〇〇八号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  193. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、福井縣北福井地方は都市計画上住宅地として、また各種産業の工場地帶として予約され、急激に発展しつつある。また福井操車場附近は大工場、病院、学校等を初め各種生産工場等もあり、盛んに交易が行われ、ともにその駅勢圏内には多数の人口を有し、貨客も多数であるが、これらの貨客は鉄道を目前に見ながら遠く離れた駅を利用しなければならない。ついては北福井信号所及び福井操車場を一般駅に昇格されたいというのであります。
  194. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  195. 石井昭正

    ○石井政府委員 北陸本線福井操車場及び北福井信号所を一般駅に昇格の御要望でございますが、本件につきましては、今回初めて承りました問題でございますので、よく実情を調査の上、採否の決定をいたしたいと存じております。
  196. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  197. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第二九、上野、金沢間急行列車を米原まで延長請願坪川信三紹介、文書表番号第一〇〇九号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  198. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、現在金沢、上野間に急行列車が運行されているが、乘客の実情は金沢地区よりも福井地方より轉車する者が多数であり、さらに福井以南においては米原経由により東京方面への乘客が漸増しつつある現状であります。しかるに金沢、米原間に急行列車の運行がないため、地方民の不利不便は大であります。ついては上野、金沢間の急行列車を上野米原間に延長されたいというのであります。
  199. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  200. 石井昭正

    ○石井政府委員 福井以南の地方から、米原経由で東京方面においでになるには、今回七月一日より改正いたしますダイヤによりますれば、福井を七時三十二分に乘車いたしますと米原で東海道線の急行列車に接続いたしまして、東京に二十一時三十分に到着いたすのでございます。また夜行を御希望なさる方は、福井を十六時二十分にお乘りになりますと、米原でこれも急行列車に接続いたしまして、東京には翌日の朝の六時十五分に到着いたすのでございます。北陸線経由でおいでになりますと、福井を十五時三分の汽車にお乘りになりましても、金沢で約一時間二十六分で接続がございまして、上野には翌日の八時五十分に到着いたすというようなかつこうになるのでございます。かように米原経由の方は晝夜二回の便宜がございまして、直江津経由の方はわずかに一回でございまするから、福井以南の地域から東京方面への方は、米原経由の道を御利用になる方が、現在では非常に御便宜のように考えられまするので、上野、金沢間急行を米原まで延長いたすということは、現状においてはさして必要のないものと考えておる次第であります。
  201. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  202. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三〇、河守、宮津間鉄道敷設請願芦田均紹介、文書表番号第一〇一〇号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  203. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、京都府與謝郡宮津港は満鮮の玄関清津、羅津と相対する開港場で、わが國経済再建上重大使命を有するとともに、観光地として、漁港として輸送の迅速を必要とするので、宮津港と大阪、神戸を短時間に連絡せしめるとともに、沿線地方産業の発展に資するため、北丹鉄道の終点河守駅から宮津に至る間に鉄道を敷設されたいというのであります。
  204. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  205. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 この河守、宮津間は沿線の林産あるいは鉱産の資源が相当ございますが、まだ鉄道敷設予定線になつておりませんので、詳しい調査をいたしておらないのでございます。ただ図面で調査いたしますと、約二十キロの見込みでありまして、経過地の途中には大江山の山脈がありまして、工事としては相当難工事と考えられております。当局といたしましては、目下の國内事情では本建設線を早急に着手するということは困難な実情でございますが、資源開発並びに観光上の問題を考えまして、今後研究いたしてみたいと存じております。
  206. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  207. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三一、武生より朝日、趣迺を経て三國に至る路線國営自動車道路に編入の請願坪川信三紹介、文書表番号第一〇一一号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  208. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、福島縣南條郡武生町より丹生郡朝日町及び越逎村を経て坂井郡三國町に至る道路は縣内主要な幹線で、沿道一帶は農、林、水産物の主要な産地であり、また種々の工業も盛んであるが、道路の幅が狹く、屈曲が多く、また勾配も急な箇所があつて車馬の通行に著しい障害を來している。ついては該道路を改修し、國営自動車道路に編入されたいというのであります。
  209. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の御意見を聽取いたします。
  210. 小幡靖

    ○小幡政府委員 自動車の運行にはまず道路の完成が先決問題であることは申し上げるまでもないのであります。しかるにこの路線はただいま御説明にもありました通りに、非常に道路が惡いのでありまして、とうてい國営自動車の運行には適しないのであります。なお現在運行中の民営自動車の関係もありますし、また予算、資材その他の事情から考えましても、この惡い道路の上に、ただいまのところでは國営を考えることは至難であろうと考えております。なお道路の改修につきましては、運輸省といたしましても、関係方面に連絡して、その改修促進をお願いいたしておるような次第であります。
  211. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  212. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三二、明石、網千間電化促進の請願、堀川恭平君紹介、文書表番号第一〇一二号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君の紹介説明を聽取いたします。
  213. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、米原、姫路間の電化計画中には姫路駅より網干駅に至る電化計画も含まれているが、その後これは延期されるようであるが、網干駅は播磨平野にあつて地の利を占め、姫路市の交通計画に伴い、西部姫路の発展性は大であり、その中心に位する同駅は近郊に各種工場があり、工業が盛んで、また良港を控え、その將來を有望視されている。ついては姫路、米原間電化計画中、明石、網干間の電化を促進されたいというのであります。
  214. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 政府側の意見を聽取いたします。
  215. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 東海道線の電化に関しましては、最近の輸送情勢を勘案いたしまして、米原、姫路間を電化計画に編入いたしておりますが、予算、資材の関係がありまして、本年は着手の運びに至らなかつたのでございます。この区間の電化も早い機会に着手するつもりでございます。從つて米原、姫路間の電化をさらに網干まで延長するということについては、今後この米原、姫路間の電化計画と併せて、十分調査研究の上善処いたしたい、かように考えております。
  216. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  217. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三三、板屋より葛原、谷合、北山を経て岐阜に至る路線國営自動車運輸開始請願、大野伴睦紹介、文書表番号第一〇二七号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  218. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、岐阜縣山縣郡及び武儀郡北武藝村、乾村、洞戸村、坂取村はいずれも山林地帶で、多量の蓄積材を有し、また本巣郡根尾村は大森林並びに鉱脈が多数あるにかかわらず、輸送機関に惠まれないため、この一大宝庫も死藏されている現状である。ついては根尾村坂屋を経て山縣郡葛原村、谷合村を通じ、谷合村から北山村に至る分線を加え、岐阜に至る間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  219. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  220. 小幡靖

    ○小幡政府委員 岐阜から樽見を経て棍原と越波に至る國営自動車路線がありまするが、これは貨物輸送の使命のもとに、いわゆる原産地輸送路線といたしまして、戰爭中の昭和十九年九月に開始いたしたのであります。しこうして目下かような原産地輸送路線というものをいかに整理するかということについて、実は再檢討中なのでありまして、これらを延長することについては未だ考えていないのであります。しかし滯貨の問題がありますることは、御説明通りでありますので、当地には民営の貨物自動車もありまする関係上、別途考慮いたしたいと考えております。
  221. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に関して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  222. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三四、福岡、戸田間國営自動車運輸開始請願志賀健次郎君ほか一名紹介、文書表番号第一〇三〇号を議題とし、紹介議員代理として井谷委員より紹介説明を聽取いたします。
  223. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、岩手縣九戸郡伊保内、江刺家、戸田の三箇村の豊かな資源は、二戸郡福岡町の利用によつて初めてその價値を生じ、福岡町の産業も興隆するという共栄の関係にあるが、この間に輸送機関がなく、現在民間所有車によつてわずかに輸送をしている状態で、生産に順應することができず、物資の損傷は相当量に上つている。ついては速やかに福岡、戸田間に國営自動車の運輸を開始されたというのであります。
  224. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  225. 小幡靖

    ○小幡政府委員 この路線の大部分でありまする北福岡、伊保内間は、現在運行中の民営自動車が経営上の都合で、國営自動車の運営について、すでに同意をいたしておりますので、昨年度実施候補路線といたしまして、計画を立てて準備をいたしたのであります。しかし運輸省の予算削減と資材などの関係から、計画はいたしましたが、実施に至らず、今日に及んでおる次第であります。なお本件につきましては、第一回の國会に請願もありまして、目下さらに研究をいたしておりまするが、諸種の事情で早急実施は困難であると考えております。
  226. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  227. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三六、眞岡線大子まで延長請願山口好一君ほか二名紹介、文書表番号第一〇五一号を議題とし、紹介議員代理として井谷委員より説明を聽取いたします。
  228. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、眞岡線延長し、茨城縣那珂郡長倉村を経て同縣久慈大子町に至る鉄道敷設工事は、戰前において栃木縣芳賀郡茂木町より同郡中川村河井までの路盤工事を終つたが、戰爭の勃発とともに中止されたままになつている。しかるにその沿線の資源はきわめて豊富であり、また地方民の要望も大であるので眞岡線大子まで延長されたいというのであります。
  229. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  230. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 この鉄道は、第五十六議会、昭和六年三月、資源開発並びに運輸系絡上の見地から、建設費の予算に計上されました路線でございまして、林産、農産の資源が豊富であり、茂木町、烏山、羽黒町等の都市もありますし、沿線は人口もきわめて多い所でございます。現在ここで茂木、中川間延長約六キロの土工工事が進行いたしておりましたが、資材、予算その他の面から工事を中止いたしておるような次第であります。当局といたしましては、資源開発路線については、速やかに工事を進めたい希望はもつておりますが、二十三年度の建設線は全面的に工事中止のやむなき状態になつておりますので、さしあたり御希望に副いかねるような次第でございます。
  231. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  232. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三七、茂木、笠間間國営自動車運輸開始請願山口好一君ほか二名紹介、文書表番号第一〇五二号、紹介議員代理井谷委員より紹介説明を聽取いたします。
  233. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、栃木縣芳賀郡茂木町より茨城縣西茨城郡笠間町に至る縣道は人馬の往來はげしく、沿道各町村は農、林産物が多量に産出されているが、交通機関に惠まれないため地方民の不便は大である。ついては速やかに該縣道に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  234. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取をいたします。
  235. 小幡靖

    ○小幡政府委員 民営バス運行の休止のための御不便はごもつともと存じますが、御請願の茂木、笠間間、これは常野線の延長とも考えられまするけれども、先ほど來御説明申し上げます通り、國営自動車の新しい線を建設いたしますことはもちろん、一部の延長につきましても、目下の國内情勢では相当の困難があるのでありまして、この路線につきましても休止中の民営バスを復活して地方交通の便をおはかり申し上げたいと考えております。
  236. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  237. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三九、青森蟹田間鉄道復活請願山崎岩男紹介、文書表番号第一〇七四号を議題とし、紹介議員代理井谷委員より説明を聽取いたします。
  238. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、青森市を起点として東津軽郡蟹田町に至る鉄道敷設工事は昭和十八年完成したが、翌十九年突然この施設を撤去され、二十一年に再度敷設の運びになつたが、遅々として進まない。ついては津軽半島の交通上多大なる利便を與える本区間の鉄道敷設工事を速やかに完成されたいというのであります。
  239. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。
  240. 田中茂美

    田中(茂)政府委員 この青森、蟹田間は第六十九議会、昭和十一年五月に資源開発のために建設費予算に計上されました青森、五所川原間鉄道延長で、延長約二十七キロ、沿線一帶はほとんど國有林で、日本三大富林の一として有名な所であります。この区間は路盤工事は竣工いたしておりまして、戰後再着手いたしましたけれども、予算、資材その他の関係から、工事を再度中止いたしておるような次第でございます。当局といたしましては、この鉄道についても速やかに工事を再開いたして、御希望に副いたいと考えております。
  241. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  242. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第四〇、雄武村、上幌内間植民軌道敷設請願、伊藤郷一君紹介、文書表番号第一〇九五号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  243. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、政府の一大施策たる緊急開拓事業により北海道紋別郡雄武村未利用可耕地四千五百町歩の開発と、その奧地の同郡中幌内に通ずる村道沿線全域にわたる三万六千町歩の森林資源開発のため、雄武村より地方費道に沿い中幌内を経て上幌内に至る間に植民軌道を敷設されたいというのであります。
  244. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本件に関する政府側の意見聽取は、本日はこれを留保いたします。     —————————————
  245. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第四一、大子川尻間國営自動車運輸開始請願山崎猛紹介、文書表番号第一一一八号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  246. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、茨城縣多賀郡豊浦町より久慈郡中里村、賀美村、染和田村、天下野村、高倉村、生瀬村及び袋田村を経て大子町に至る道路は、交通量の多いにもかかわらず自動車の便なく、沿道十万の住民はまつたく困却している。ついては該区間に國営バスの運輸を開始されたいというのであります。
  247. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に政府側の意見を聽取いたします。小幡政府委員
  248. 小幡靖

    ○小幡政府委員 大子から川尻に至りまする五十キロの区間でありまするが、この区間には民営自動車が運轉いたしておるのでありまするけれども、現在のところは川尻寄りの方約二十キロ余りを残して、大子寄りの方は大半運休をいたしておりますので、御不便はごもつともと存じます。しかし國営自動車を運行いたしますることは、目下の國内情勢で困難でありまするので、運休中の民営バスを復活することに努力をいたしたいと考えております。
  249. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ、次に移ります。     —————————————
  250. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 次に日程第三、北海道植民軌道建設継続請願正木清紹介、文書表番号第七七二号を議題とし、紹介議員代理井谷正吉君より紹介説明を聽取いたします。
  251. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、当別町開拓事業促進のための植民軌道建設計画は、昭和二十二年度に引続き本年度さらに二十キロ建設計画中、諸種の事情により実施困難とのことであるが、かくては食糧の増産、民生の安定、産業の振興上に重大なる影響を及ぼし、かつ既設線十キロが全然無意味となるから、本軌道の建設を継続されたいというのであります。
  252. 島上善五郎

    ○島上委員長代理 本件に関する政府側の意見聽取は、本日はこれを留保いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十三分散会