○尾崎(末)委員 その点は一
通り伺いました。次に伺いたいと思いますのは、先般も大臣の御
答弁の中に、いささかこれに叫れてお
つたようでありましたが、
労働各法規の改廃のことはしばらくおいても、こういうお言葉で先般御
答弁を伺
つたのであります。わが國の
労働組合というものは、欧米に比較をいたしますと、その組合の発達の歴史においても、あるいは教養の点においても、あるいは経驗の点から考えましても、欧米とはそういう点においてよほど落ちておるのにもかかわらず、欧米並の
労働諸法規ができ上つた。そこでその
内容におけるところのものは充実をしないで、義務の観念や責任の観念や、道義の観念等の事柄が十分でないままに、権利のみを多く主張することに行き過ぎがある。こういう点が今日の一大欠陷であることは、何人も認めておるところであろうと思うのであります。しかし今日の
日本の産業の
復興をはかるために、どうしてもこの
労働力が第一義であることは問違いのないことなのでありますから、こういう観点から考えるならば、組合の
内容がもう少し充実をし、及び教養が
相当高ま
つてきて、そこに自主的にものを判断をし、自主的にものを行動することができるというところに行くまでの間、現在の
労働法規の一部の改廃をなし、もしくは
労働法規の一部の休止をはかるということが、絶対に必要であるように私どもは考えておるのであります。ただこの点に勇敢に
政府当局で進んでまいられないその原因を考えてみますと、
労働者や
労働組合というものの感情をあまり刺激し過ぎるといけない。こういうような弱い
考え方から、こういう問題に対して勇敢に
努力をいたされておらない。これはひとり私どもだけでなく、
國民がそういうふうに受取
つておるのであります。余談でありますが、先般新橋の管内の
鉄道の方々が数十人参られまして、各党から一人ずつ参
つてこれらの人々の、
最初は陳情ということでありましたが、しまいには議論にわた
つたのでありますけれども、議論を拜聽し、なおかつ私どももこれに対していろいろな
意見を述べてみたのでありますが、結論を申しますと、その際に行政整理ということは絶対に必要であるということと、
政府整理に伴
つて、一面においては優秀なるところの人々に対して、
相当思い切つた優遇をなすという二つをどうしてもなさなければ、今日の産業の再建はできない。こういうことについて勇敢な
説明をや
つてみたのでありましたが、しまいになりますと、そういうことが
國家のためでありますならば、私どもといえども、あえて行政整理に反対をするものじやないということと、現在最も困難視されておるところの、いわゆる配置轉換等の問題についても、そういうことであるならば、進んでわれわれもこれに
努力する態勢をとるのにやぶさかでないという、こういう愉快な結論を、それらの数十人の方々から伺
つたのであります。そこで私が言わんとするところのものは、さつき申しました
労働法規の一部の改廃ない李あるいはしばらくの間これを休止するということにつきましても、われわれが今日向
つていかなければならぬところの方向というものと、事情とを正しく認識せしめ、強くこれに誠意を示すことによ
つて、これらの問題が
解決をするのではないか、こういう
確信を私はも
つておるのでありまするが、これらの問題のほかに、こうした諸法規の改廃なり、あるいは一部の休止なりがしばらくできないという事情について、他に
理由が何かあるならば、それらのことを
伺つておきたいのであります。