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1948-06-19 第2回国会 衆議院 運輸及び交通委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十九日(土曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 前田  郁君 理事 高瀬  傳君       大澤嘉平治君   小笠原八十美君      岡村利右衞門君    尾崎 末吉君       田村 虎一君    増田甲子七君       井谷 正吉君    川島 金次君       佐々木更三君    重井 鹿治君       島上善五郎君    矢野 政男君       飯田 義茂君    堀江 實藏君  出席國務大臣         内閣総理大臣  芦田  均君         運 輸 大 臣 岡田 勢一君  出席政府委員         運輸政務次官  木下  榮君         運輸事務官   加賀山之雄君  委員外出席者         專門調査員   岩村  勝君         專門調査員   堤  正威君     ————————————— 本日の会議に付した事件  國有鉄道運賃法案内閣提出)(第七七号)     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 開会いたします。  前会に引続き國有鉄道運賃法案を議題として質疑を続行いたします。高瀬傳君。
  3. 高瀬傳

    高瀬委員 これは餘談になるかもしれませんけれども、連日政府委員がこちらへお見えになりまして——政務次官初め総局長官、あるいは陸運監理局長などもおいでになり、非常に熱心に御答弁をいただいておるのはわれわれ満足いたしておりますが、一体政府委員以外の方はこの委員会には出ないという方針運輸省はなつておるのかどうか。その点一應伺つておきたい。実は私は鉄道にもごやつかいになつておりましたし、この問題については反対的立場にありますけれども、非常にまじめに考えておる一人だと了解しております。しかるにこんな重要な法案を出して、鉄道事務次官は一体何をしておるのか、われわれにはわからぬのです。この運輸交通委員会が開かれてから事務次官は出てこない。今まで私は敗戰直後から議席をもつて運輸交通委員をさせていただいておりますが、その間において、事務次官を絶えずこの運輸交通委員会には出られた、平山次官にしたところが、佐藤次官にしたところが、必ずここに來られた。もちろん事務次官がここに出られたからといつて、われわれは決して事務次官質問をしようとか、そういう考えはありませんが、いやしくもこれだけの重大なる法案を出しておりますのに、事務次官が一回もここに顏を見せないというようなことは、私には了解できないのであります。昨日事務次官のところに参りましたところが、とにかくおれは政府委員じやないのだから、出る資格がないのだというようなことをじようだんに言つておられました。一体君は何党だということもじようだんに言つておられたわけです。そういうように議会の問題について非常に認識も足りないし、これだけの大きな問題を出して、おれは政府委員でないから全然運輸交通委員会には行けないのだというような思想では、とうていわれわれはこういう重大な問題を論議することはできない、かように考えます。事実政府委員でなくても、この前の佐藤次官にしたところが、あるいはその前の平山次官にしたところが、必ずこの委員会見えて、われわれの意見を聽き、あるいは質問があれば、それに答えておつたはずであります。しかるにこんな重要な法案を出しておいて、運輸省事務次官は全然出ておられない、昨日聽いたら、じようだんにも程度があると思うのですが、おれは政府委員でないから出ないのだと言われました。何を言うか私にはわからぬのであります。せつかく総理お忙しいところをお見えなつたのですから、私の質問はこれだけにしまして、一應運輸当局あるいは大臣見解をそれだけお伺いいたしたいと思います。
  4. 芦田均

    芦田國務大臣 高瀬君は少し誤解をしておられると思うのです。御承知通り行政事務國会事務とは車の両輪であります。國会が開会中といえども、行政事務を怠るわけにいかない。大臣が常に國会出席し、所管局長がそれぞれその事務について國会に出るとすれば、だれかその官廳に居残つて行政事務を掌る責任者が必要であることはよく御承知のことであると思います。しかるに大臣も、事務次官政府次官も、局長も、あげて國会に來ておつては、政府行政事務というものがいきおい澁滯のおそれがあるというので、これはすでに数年來の慣例として、事務次官政府委員に任命しないというのが歴代内閣方針としてとり來つたものであります。この政府においても何も変つたことはありません。そういう意味から言えば、次官よりも大臣にお聽ぎになればすべてのことはわかる大臣にわからないこまかいことは、局長説明すればわかる。事務次官がここに出なければ審議ができないという御議論は、私はいささか偏狹だとも思い、從來慣例に反した御意見でありますから、その点ははつきり申し上げておきます。
  5. 高瀬傳

    高瀬委員 よくわかりました。私は事務次官がここに出なければ、審議しないとか、できないというのではありません。とにかくこの重大な法案を出しておいてから、事務次官は一回も顏を出さない。これをわれわれとしては愼重審議をしたいと思う。大臣に聽けば全部わかるはずでありますが、そうはいかぬ場合もありましよう。ですから場合によつて事務次官も出て、少くとも——この審議が始まつたときから一回も出ない。もちろん私はただいま芦田総理の言われた御意見に対しては、別に異議をさしはさむものではありませんし、それが長年の行政上の慣例になつていることも承知しております。しかしながら運輸省として熱意をもつてこの原案を通そうとせられるならば、当然私は時折は事務次官も出る、一回も出ないなどということは言語道断なりと考えます。それが証拠に、実はこの前の議会でも、その前の議会でも、絶えず小さん問題にも事務次官が出て、ときどきはわれわれの意見を聽き、また質疑應答されております。ですからこれは多少の伸縮性をもたして、全然出ないということは私は了解できないということだけを申しているのであります。
  6. 岡田勢一

    岡田國務大臣 高瀬さんの御意見に対しましては、ただいま総理から言われたようなことでございますが、しかし御審議の過程におきまして、特に委員会事務次官を御請求になる場合には出席をいたさせますから、そういう場合には委員会の総意として申出を願います。
  7. 高瀬傳

    高瀬委員 私といたしましては、別に事務次官出席を要求する意思はございません。
  8. 川野芳滿

    川野委員長 高瀬君に御相談申し上げますが、総理大臣に対する御質疑をひとつお願いいたします。
  9. 高瀬傳

    高瀬委員 実は二、三の点について簡單に総理の御意見を伺いたいと存ずる次第であります。特に今回の運賃値上げを通しまして非常に問題になつておりますのは、鉄道独立採算制という制度であります。この独立採算制とつたためであるかどうかは存じませんが、これが少くとも今回の運賃値上げの非常な原因一つになつているとわれわれは解釈いたしております。從つて國家が非常に赤字を出して、あらゆる点で財政の運用が苦しい現在において、鉄道だけが独立採算制をとるというために——もちろん物價の値上りとか、経営のうまくいかぬ点とか、いろいろの原因がありましようが、とにかくつじつまを鉄道だけで合わそうとするために、非常に運賃値上げせざるを得なくなつているのが、私は現状ではないかと思うのであります。從つて今回の運賃値上げは、私の了解するところによりますと、特に旅客運賃のごときは、三倍半に上れば、サービスに比例しない間接税的な性格を多分にもつた運賃値上げになつて國民生活に非常に影響するところが大きい、かように考えるわけであります。從つて私はこの國有鉄道日本の國において占める地位というものが、どんなふうに重大であるかということは、めいめいの見るところによつて違うと思いますが、総理國有鉄道のいわゆる國家経済、あるいは財政に占める地位というものをどういうふうにお考えになつておられますか。これは第二義的な企業——例を申し上げる必要はないと思いますが、たとえば鉄鋼の生産であるとか、あるいは石炭生産であるとか、いわゆる政府傾斜生産方式をとつて、これらのものを重要産業に指定しておられるという場合に、國有鉄道重要産業とお認めになつておられないのかどうか。私の考えでは、少くとも運輸交通発達、特に國有鉄道が健全な発達をし、回復をするということは、日本経済再建基礎なりと確信いたしております。從つてこの國有鉄道立場國家に占める地位というものをどういうふうにお考えになるかということによつて、非常に國有鉄道再建というものの角度が変つてまいります。私はここに例をとつてみますると、たとえば石炭炭價の問題について申し上げますが、現在政府國有鉄道購入炭價を三千七百いくらとしている、しかるに重要産業においては千四百六十円かで購入しておる。從つてこの國有鉄道重要産業と認めるか認めないかによつて國有鉄道経費は約百四十億近く違うわけであります。ですからまず第一に、國有鉄道というものを政府は一体どういうふうに認識しておられるか。この点をただいまの石炭購入の問題と関連いたしましてひとつ総理の御意見を伺いたい。また独立採算制というものを、かくのごとく國家赤字に悩んでいる際に國有鉄道に固執させるのがいいかどうかという点についても、ひとつ総理の御意見を伺いたいと思います。
  10. 芦田均

    芦田國務大臣 今日の日本経済再建のためには、直接重要なる石炭、肥料、鉄等生産事業ばかりでなしに、輸送力回復がきわめて重要な要素であるということは、繰返して政府が声明をしておる通りであります。國鉄日本経済再建に寄與すべき役割がきわめて重大であるということは、高瀬君の御説の通りであります。しからば國鉄の運営は根本の問題としてどう考えるかという点でありますが、御承知通り世界の國々を見渡して、國有鉄道をもつておるという國はきわめて少いのであります。それらの國においては、むろん独立採算制でなければ鉄道会社はつぶれてしまうのですから、徹底した独立採算制をもつて運用しておるということは高瀬君がよく御承知通りであります。從つてわが國においても、西園寺内閣のときに鉄道國営を断行したけれども、爾來今日に至るまで、通常の経済状態においてはりつぱに國鉄独立採算制を維持して、いかも、ときによつて一般会計相当利益金を支給し得たという事態は、高瀬君の御体驗によつて承知通りであります。しかるに終戰後國鉄赤字が著しく巨額に上つて今日に至つた。これは一に戰爭に伴う経済変革の結果がここに現われたもので、すなわち敗戰経済の樣相が國鉄の上にもにじみ出ておる。こういうことで一應の説明はできると思うのです。從つて鉄道輸送を今後國有のままで維持するとしても、遠からざる將來において、独立採算制を堅持し得る基礎は十分に発見せられる。諸外國の例に照らし、また過去の鉄道輸送の状況に鑑みて、この目標は決して誤りでない。私どもはかように信じております。ただいつから完全なる独立採算制にはいるかということが今殘されている問題であります。從つて今日ただちに独立採算制をもつて鉄道を運用しようというのではありません。本年度の予算においても、ある程度一般会計から國鉄赤字を補填せざるを得ない状態になつておる。しかしこの独立採算制が、わが國鉄道の健全なる発達の上からも必然的に企図せられなければならないのであるから、漸次その方向に接近していきたいという点から、今日この案を出しておるのであります。石炭炭價の問題につきましては、從來すでに運輸当局より説明があつたと思いますが、なければ詳しいことをこの機会に申し上げさせたいと思います。
  11. 高瀬傳

    高瀬委員 炭價の問題については、重要産業並に扱うべく積極的な努力を運輸大臣がするかどうかということを、各委員からも聽いておりますが、その点についてはわれわれの納得するような答弁を得ておりません。從つて私は少くとも石炭の面において、鉄道重要産業並に指定し、從つて石炭購入單價については、重要産業と同じようにしてくれということを絶えず主張している一人であります。しかるにその点について、はつきりした御答弁を受けておりません。これは速記録をごらんくださればわかると思いますが、総理はこの点についてどういうふうにお考えになつておられますか、御答弁をお願いいたしたいと思います。
  12. 芦田均

    芦田國務大臣 高瀬君は鉄道の專門家でありまして、おそらくそういう点は特に御了解くださつておることと思うのでありますが、重要産業に対する價格差補給金政府予算から出す。鉄道用石炭政府予算から買うのであります。この炭價を下げて、補給金政府が出すことと、政府が高い石炭を買うこととは、結局政府ふところ勘定では出ず入らずであつて、ただ名前が違うだけです。そのことは高瀬君よく御承知のことだと思います。
  13. 高瀬傳

    高瀬委員 その点は私は十分了解いたしておりますが、結局鉄道だけが、いわゆる炭鉱業者生産費をかぶる理由はなかろう。何ゆえに國鉄が百何十億のよけいな石炭購入費を出して、いわゆる重要産業に指定されないで、高い値段石炭買つて石炭業者生産費を賄う必要があるかどうか。つまり鉄道石炭購入について、そういう経費をかぶつておるからこそ、運賃旅客貨物とも三・五倍も上げなければならないような事態が生ずるのです。つまりその費用國民負担に轉稼してくるから、この点政府の注意を喚起したいというわけであります。
  14. 岡田勢一

    岡田國務大臣 お答えいたします。他の重要産業は、それぞれ保護する必要上から、公定價格より特に割引しました炭價配炭公團から支給をいたしておりますが、その代りに、政府配炭公團石炭業者に対しましては、その損失を價格差補給金でカバーしておるのでございます。だから國有鉄道がもし特に炭價を引下げて配炭公團から石炭を買いましても、それは國のために得になるとか、石炭業者を勉強させるとか、石炭業者利益を少くするということには、ちつともならないのでありまして、やはりただいま総理から言われました通りに、一方におきましては、國の財政から價格差補給金をそれだけ支拂うことになりますので、出ず入らずであります。ですから原則として、國営の現況は價格差補給金を出さないということが、手数を省くことにもなり、それが理論的にも根拠のあることでございます。マル公石炭を買いまして、足らないところは赤字を補填するということで、今回の予算を決定いたしております。
  15. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいまの御答弁ですと、やはり石炭値段を高く買うということは、政府としては合理的である、また安く買う意思はない。特に運輸大臣としては、石炭の問題はあれでいいのだと御解釈になつておられると私は了解いたしますが、それでよろしゆうございますか。
  16. 岡田勢一

    岡田國務大臣 よろしゆうございます。
  17. 高瀬傳

    高瀬委員 そうすると逆説的には、旅客に百二十億の負担を與えることになりますが、それでもよろしゆうございますか。
  18. 芦田均

    芦田國務大臣 大体鉄道を利用するとか、郵便、電信を利用する人は、これを利用する人が、その受くべき利益に比例して費用負担することが原則であつて汽車に乘るたびごと一般國民汽車賃の何がしか負担するという考え方は、必ずしも健全な行き方でない。しかしかように生活上非常に困窮している國民に対しては、おのずから別途の方法によつて生活に援護を與えるべきである。汽車に乘る人に対して、國民がみな税金でこれを負担していくというような考え方は、決して健全な行き方でないと考えております。これは高瀬君も御承知のことと思います。
  19. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま芦田総理から御意見がございましたが、私は日本経済状態が、過去の戰爭前のように、ノーマルな状態であつたときには、そういうお説も成り立つかと思います。しかし現在のように、たとえば東京もかくのごとく荒廃し、ほとんど住むに家もないような状態である。從つてだれもすき好んで宇都宮、鎌倉、大磯、あるいははなはだしきは熱海、小田原から通つている人はないのであります。これは要するに、今回の戰爭修害によつて、やむを得ず違い所から運賃を拂つてきているのでありまして、これはわれわれが毎朝起きると食事をするのと同じく、生活必需品だと思う。しか旅客の場合に例をとつてみると、約百五十キロ以内から通つている人の運賃が、鉄道運賃收入の約八五%に当ると思う。だから今一種の生活給をもらつている人から、大部分の收入をあげているのが、國有鉄道現状でありまして、昔のようにこれを利用する人からとるという思想は、現在の國有鉄道にはあてはまらない。これは飯を食うと同じように、いやいやながら遠い所から通つておる。從つてもしサービスに比例しない運賃國家がきめますと、非常な國民に対する間接税になるというのが私の見解でありまして、その点総理と非常に意見を異にするわけであります。
  20. 芦田均

    芦田國務大臣 これも高瀬君重々御承知のことで、それだから定期券が非常に安くなつている。ほとんど費用の八〇%以上を負担して、定期券値段を安くしているのであります。理想から言えば、そういう方には無賃乘車券を出すのが、一番高瀬君の論に合うかもしれませんが、そこまで國民負担をさせるのはどうかと思いまして、特に定期券を安くしているのであります。
  21. 高瀬傳

    高瀬委員 定期券を上げることについては、私は前から全然反対しておりますから、この点はこのくらいにいたします。  次に伺いたいことは、國家が今回予算を編成されまして、非常に健全財政方針を維持されていることについては、私は敬意を表している一人であります。しかしながらしさいにこれを見ますと、要するに均衡予算という名目上の予算であつて、少しも健全財政でないように思う。たとえば公債政策について見ますと、政府公債を増発することを非常におそれているようでありますが、この点について國民やみ所得が完全に捕捉されないような現在の状態においては、公債を公募するのもやむを得ないのじやないか。たとえば昨日の時事新報の社説にもありましたが、日銀の通貨発行高は大体二千二百億くらいに止まつている。この通貨の面から見ますると、その傾向が維持されている限りにおいては、いかにも経済が安定しているようであるけれども、日本のインフレは着々と高進している。これは單に通貨面だけから見るべきものではないのではなかろうかという社説を見て、私は非常に同感なのでありますが、政府としてはこの鉄道赤字を補い、あるいはほかの場合においても、公債に絶対よらないという根本的方針從つておやりになるつもりでありましようか。それとも鉄道などのような生産的な仕事は、たとえば五年間の短期公債というような形で公募しまして、七十億や八十億の公債政府が万が一背負いこみになつても、これは普通の赤字公債と同一に見るべきものではなかろうと私は考えるのであります。こういう点について、政府としては特に一般公債は公募しないという方針でありましようが、この鉄道公債に関する限り、建設改良以外に、経営面においても一つ公債を募集されるような方意思をおもちになつているかどうか。つまり一つ企業公債です。そういう点について総理の御意見を伺いたいと思います。
  22. 芦田均

    芦田國務大臣 今高瀬君のお話の点は、政府においてもしばしば考えたのであります。事業公債によつて新規事業を起すということは、必ずしも赤字公債ではない、從つてどの程度事業公債を発行し得るかという問題についても相当考慮をしたのでありますが、御承知通り現在の國鉄会計をもつてしては、これが事業公債であろうとも、利益をもつてその公債の利子を支弁するだけの見透しがつかない。それは一般会計に数十億という負担をかけておることをごらんになつてもわかるが、公債利拂さえもできないという公債が、ほんとうの意味における事業公債であるかどうかということになると、これは実質的に見てよほど考えてかからなければならぬといつたような諸般の考慮から、公債に依存する政策をやめたわけであります。
  23. 高瀬傳

    高瀬委員 私はこの鉄道に関する限り、一つのいわゆるインヴエストメント・ポンド式考えから、やはりある程度までは公債政策によるべしという意見をもつておりますから、その点は総理見解を異にしますので、この辺でやめたいと思います。  その次に私が伺いたいのは、行政整理についてでありますが、しばしばこの委員会運賃審議が行われるようになりましてから、実は行政整理の問題について各委員から熱心な御質問がありました。しかるに政府委員答弁も、運輸大臣答弁も、はつきりとこれだけの行政整理をやるのだというような御意見をわれわれは拜聽していないのであります。もちろん労働基準法なんかによりまして、人を埋めなければならぬという点は、これは國家法律できめておるのでありますから、われわれは反対する理由はないのであります。その労働基準法で埋める一万五千人でありますか、そういうようなものも案に載つておりますが、これは別に私は反対するわけではないのであります。新規労働基準法によつて採用する人間は反対ではありませんが、六十一万もおつて一体どれだけ補充するのか、政府としては欠員を補充しないという方針すら、とつているかどうかわからないのであります。從つてこれは運輸当局だけを責めてもだめなのでありますが、この行政整理について鉄寺現業官廳でありますから、特殊の性格はあるにいたしましても、政府根本的方針從つて行政整理をやるならやるという角度が、すでにこの委員会運賃審議を付託されましたときに、きまつておらなければ、われわれとしては基礎的の論議ができないと考えておるのであります。從つて一体運輸省はどういうふうにやるのか、しつこく聽いておりますけれども、これは速記録をごらんくださればわかりますが、われわれは全然納得いくまでに至つていないのであります。從つてこれほどうしても芦田総理——内閣のいわゆる行政整理に対する根本的な考え從つて鉄道特殊事情は多少考慮するにしましても、國鉄にはこれだけの整理をおれはさせるつもりだという総理の御意見を、この際はつきり伺つておく必要がある。そういうものが基礎になりませんと、この運賃値上げの合理的な審議ができないのであります。ひとつその点をお伺いいたしたいと思います。
  24. 芦田均

    芦田國務大臣 行政整理の大綱は本会議においても、しばしば私からお答えをした通りでありまして、現在最も問題となつておる出先機関の廃止のごときも、政府の第一次整理案をつくつて目下必要な方面と話合い中でありますが、おそらく來週中には具体的に発表し得ることと期待しております。そういう意味意思表示を受取つておりますから、おそらく來週中くらいには発表することと思います。その他一般行政官廳に対しては、現業員はしばらく別として、事務職員について閣議の決定しておりますことを申し上げますて、給與の面において二十三年度の予算から一割五分を差引いた経費を歳出に計上しておるのであります。ただいまの概算によりますと、これによつて約二十一億、円程度の二件費を節約して、これを予算に計上しております。しかし各省によりまして、それぞれ事情を異にします。たとえば文部省のごときは教職員の数が非常に不足しておる。あるいは法律廳の管轄しておる裁判所、檢察廳、その他の司法機関においても非常に多くの欠員がある。また警察部門においても、とうてい人員整理する余地がない。警察官の定員は大体必要な最小限度に切り詰めた十二万五千名という数でありますから、今日の情勢からしてこれを整理することは困難であるというふうな特殊の事情にあるものは別として、普通一般行政官廳においては、事務職員人件費を一割五分切り下げる。それに伴つて正確に一割五分になるか、あるいは二割の減員になるか、目下これらの事務的の作業を行つておる最中でありまして、遺憾ながら正確な整理人員を発表することはできませんが、その作業が終り次第、いま少し具体的な数字をつかむことができるだろうというふうに考えております。
  25. 高瀬傳

    高瀬委員 行政整理のいろいろな問題が今進行中であるというお話がございましたが、私の希望するところは、できるだけ運輸省においても、いろいろ労働組合等の関係もあり、むずかしいことと存じます。その立場の私は十分了解いたしておりますが、少くとも運輸交通委員会において田、運輸省考えております内容を、もつと具体的にお示しくださらぬと、われわれがこの運賃値上げ審議する一つ基礎的條件が具わらない。從つてそれが具わらないならば、一刻も早く予算を成立するように協力しようと思つても、なかなか鉄道の問題に関する限りいかないということになりますから、その点はぜひこの機会に運輸大臣にも、私は別に政党的な立場でなく、國会議員の立場でおいてお願いしておきたいと思います。  それからまだ二つばかりあります。
  26. 川野芳滿

    川野委員長 総理大臣に対してだけの質疑をお願いいたします。
  27. 高瀬傳

    高瀬委員 それから鉄道の労働組合では、運賃値上げをせずとも赤字をなくせるというのであります。國鉄労働組合が鉄道予算案を比評した意見でありますが、これはともかくといたしまして、この三千七百円ベースというものをどうしても全官公の労働組合では承認しない、しかも五千何百円ベースというものを主張して、それが全官公の方針としてきまつておるようであります。從つてこの賃金と物價の問題について、すでに三千七百円ベースというものは破綻しておるかのように見受けられます。ある筋によると、どうも三千七百九十一円ベースというのはなかなか維持できない、もうすでに予算編成前に政府方面でもあわを吹いている傾向が見られるのであります。少くとも労働組合全体の意向としては五千二百円ベースかいくらか、はつきり存じませんが、五千円ベースでなければだけだという方針をとつておるように見受けます。そうしますと、鉄道運賃値上げすれば、物價というものは、非常に心理的に影響して必ず上ると思います。そうすればますます三千七百円ベースを維持することはむずかしくなる、しか政府筋から出た方針だと思いますが、運賃がきまるまで二重價格制度をつくる、こういうことを言つておられる。今まで運輸当局は、運賃値上げというものを物價全体に占める地位が非常に低いから、物價には関係がないなどというので、物價体系なんかと、無関係に運賃願上げを主張し、それを実行しておつたわけであります。しかるに今回は政府の御意見によると、やはり鉄道運賃値上げがきまるまでは二重価格制度をとり、三千七百九十一円ベースで賃金をきめて、そうしてその次に運賃値上げの率がきまつたところで二重價格制度をとる、こう言つておられることは、すなわちこの國有鉄道運賃値上げというものが、あらゆる意味合で物價に大きな影響があるということを、政府がお認めになつておる証拠であろうと思います。從つて政府の企図するように三倍半の値上げを両方並行してやりますと、非常に物價が高くなり、この三千七百九十一円ベースは維用できないということになりますが、総理の御見解を簡單にお伺いいたします。
  28. 芦田均

    芦田國務大臣 今度の予算を組むときには、鉄道運賃値上げ物價に影響ないという考えで組んだのでありません。旅客行びに貨物の運送賃金を引上げることが生活費にどういう影響を與え、また基礎産業にどういう波紋を與えるかということは、十分考慮してつくつてあるのでありまして、物價と賃金とは一体として科学的計数に基いて三千七百円ベースをきめたのでありますから、この三千七百円の給與をさらに実質賃金として本年一月、二月ごろの実質賃金と差異がないという点に基礎を置いて、予算を組んだのでありまして、政府としては三千七百円ベースは堅持できる、かような考えをかえておりません。
  29. 高瀬傳

    高瀬委員 この点は見解の相違でありますから、これは他日事実が解決すると思いますので、私はこの点については総理の御意見をむりに拜聽することはやめます。  最後に、結局たとえば三倍半に値上げするといたしまして、政府が本億補助すると、いわゆる鉄道赤字というものがどんどんになるという計算になつております。しかしながら私はこれは結局労働組合の協力がなければ全然だめになつてしますと思う。もうすでに三千七百円ベースの問題についても問題がある。しか鉄道は三倍判運賃値上げしなければ、國家から百億補助け受けても赤字は解消しないといつておるのに、鉄道の労働組合は堂々と値上げしないでも赤字がないのだ、こういうようなことを言つておる、それからまた現在の各私鉄は盛んにストライキをやつてわれわれ大いに困つております。特に國有鉄道の労働組合の中でも、今度は労働入合本部の承認を得なくても地域的にストライキができるのであります。これはどういうわけでそういう乱暴なことをきめておるのか、これは実に非民主主義的な労働組合なりと思います。てですから、しよつちゆういわゆる山猫爭議というものが頻頻として國自鉄道に対して起りつつあることは、芦田総理も十分御承知のことと思いますが、今回國有鉄道の労働組合においては、総本部の許可を得なくても、勝手に爭議ができるのだそうであります。新聞の傳えるところがほんとうであれば、長野縣の支部などはそういう決定をしてそれを本部が承認した。これは労働組合だけのことがから、われわれ知らぬと言えばそれきりだが、そういうのはむちやな、非民主的な労働組合と、私はあえて言います。そういうことを放つておいて、ただ財政上のバランスだけ合わせて、これで独立採算制だと言つたとて世間が承知すまいと思う。問題は労働組合の運動について、特に國有鉄道の労働組合運動について、総理はいかにお考えになつておられるか、今のままでいいのか、そういう状態を放つておいて、ただバランスだけ合わせれば、それで國有鉄道赤字を解消し、独立採算制に一歩近づくのだとお考えになつておるか。この労働組合のあり方に関連して総理見解を伺つて、私の質問を終りたいと思います。
  30. 芦田均

    芦田國務大臣 わが國の労働運動をできるだけ民主的に運係して、健全なる発達をはかりたいということは、政府がしばしば繰返して声明した通りであります。その方針に毫末も変化ありません。不幸にしてたとえ一部分にもせよ、その労働組合運動の民主化に逆行するがごとき行過ぎなどが行われ——これは國鉄とばかり言いません、日本の労働運動全般について、かような形跡が現われておることはわれわれの最も遺憾とするところでうります。常に機会あるごとにその反省を求めておるのであります。しかしながら、この運動が現状のままではどうしても行過ぎに祭れて、日本再建のために阻害の要素となるのみならば、今後の民放再建の上に、大いなる妨害を與えるということがはつきりわかつたときには、政府としてはこれに対する別の方法も考えなければなるまいと考慮しておる次第であります。
  31. 川野芳滿

    川野委員長 尾崎末吉君。
  32. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 私が総理質問申し上げたいと思つたことは、高瀬委員質問されたことと重複することがたくさんありますので、それらのことをなるべく省きまして、簡明にお伺い申し上げたいと思うのであります。まず高瀬委員のお質しになつて行政整理並びに行政機構の改革に関してでありますが、先日安本長官に伺つたところによれば、行政整理等に関しては、行政調査部において十分に計画並びに方法を練つておるから、近くこれによつて努力をする、こういう意味の御答弁があつたのでありますが、一体行政調査部というものは、私ども名前は聞いておるが、行政調査部においてかようなことをやるのだ、かようにことをやつたのだという発表をあまり聞かないのでありますが、安本長官が言われたように、行政調査部の計画に基いて徹底的に行政整理並びに行政機構の改革をやろうという深い御決意が総理にあるのかないのか、この点を先に伺つておきたいのであります。
  33. 芦田均

    芦田國務大臣 行政調査部においてつくつた案に基いて今日まで諸般の計画を進めてきたのでありまして、内閣の重要な政府の一項目として、行政整理を決行することにおいては、今度といえども從來と少しも変化ありません。
  34. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 そういたしますと、私どもの方においては、今の程度のものではいわゆる行政整理というものにはなつていないように考えておりますが、総理のお考えでは、今の程度のやり方で行政整理はよいのだ、こういうお考えでありましようか。
  35. 芦田均

    芦田國務大臣 行政整理の事業はまだ進行中でありまして、まず手取り早く実行のできるところからやつていく。漸を追うてこれを調整しなければならぬ部分が多数にあります。各行政官廳にわたる機構の統合調整等についても、今日までのところまだ決定した案を実行しておりませんが、これも調査部において大体の草案ができつつありますから、でき次第これを閣議に取上げて、具体的に立法の処置に出で、あるいは予算の措置をとりたいと考えている次第であります。
  36. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 今の御答弁により、御決意を一層強くされまして、十分なる行政整理並びに行政機構の改革に御努力を希望するものでありますが、これと関言をいたしまして配置轉換の問題であります。大体配置轉換をやらなければ能率の向上というものもあり得ない。そのために配置轉換をやるということは、新しく内閣ができますと、どの内閣においても大体同じようなことを言いながら、一向配置轉換の実をあげられない。特に前の片山内閣から現芦田内閣におきまして、配置轉換に関しての熱意が現われてこないように思うのでありますが、一体配置轉換ができない、やりにくいという原因はどこにあるかを総理に伺いたいのであります。
  37. 芦田均

    芦田國務大臣 配置轉換はやつております。現に私の所管に属する外務省のごときは、あるいは会計檢査院、あるいは大藏省の主税局、もしくは文部省方面に多数の欠員があるのでありまして、できる限りそういう方面に配置轉換を行う計画で、具体案もすでにできているわけであります。
  38. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 外務省のことは伺いましたが、数を総理に伺つても御無理かと思いますけれども、大体外務省あたりから文部省その他に配置轉換をなさつた数がわかれば、概略伺いたいと思います。そのここと、ひとり外務省のみならば、各省にわたつて、先申しました能率を向上するという建前から、徹底した配置轉換をおやりになる方針がとられているかどうか。この二つを伺いたいと思います。
  39. 芦田均

    芦田國務大臣 こまかい数字はちよつと持ち合わせておりません。外務省の政府委員も來ておりませんから、あとでよく調査してお答えができると思います。その他の各省においても、むろん配置轉換を行う準備は着々進行しているわけであります。
  40. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 配置轉換の問題はわかりましたが、その次に、昨日岡田運輸大臣に伺いまして私は一部敬意を表したのでありますが、労働組合の專從職員であります。國鉄におきましては昨日運輸大臣の御答弁を伺つてはつきりいたしたのでありますが、芦田総理大臣岡田運輸大臣と御同樣に、專從職員を置いてはいけないということは國民の世論であつて、一方関係筋においても、專從職員の給料、手当というようなものを政府なり企業家が支給をすることはよろしくないことだ、こういう強い示唆がしばしば行われておるのであります、総理大臣もこの專從職員を全廃するという方向に向つて努力をされる決意であるかどうかを、あらためて伺つておきたいのであります。
  41. 芦田均

    芦田國務大臣 尾崎君のおつしやつた通り考えております。
  42. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 その点まことに滿足いたします。  その次に伺いたいのは、時間が長くかかるから一点で止めますが、運輸省鉄道総局から出されました「國有鉄道赤字原因運賃の必要性」これはたいへん参考になりました。総理大臣は御多忙でありますから、これをごらんになる機会があつたかどうかわからないのでありますが、私の意見に一致するところがありますので、この点についても御意見を伺つてみたいのであります。それはなぜかと申しますと、総理大臣並びに運輸大臣は、國鉄を民有民営に將來なるべく早い機会に移される御意思があるかどうか、こういうことを伺いたいための前提でありますが、ごく短かい一部だけを読み上げます。  「國鉄運営の欠陷として指摘される最大のものは、その予算及び会計制度である。國鉄のような企業官廳会計と商工省のような行政官廳会計とは、その実質上根本的差異をもつている。一般行政官廳では租税という強制確定的な收入によつてその経費を支弁してゆかねばならない消費会計であるから、予算には法的拘束が加えられいわゆる予算決算合致の原則が行われるのである。しかるに國鉄のような企業を合理的に運営してゆくためには、支出もこれに應じてあんばいしてゆかなければならない。その事業予算は本質上一種の見積りであり、目論見であるべきである。これに法的な拘束を加えることは、必要な作業が不自然に抑制されたり、逆に下必要な経費が支出されたりして、非能率的な経営や浪費を奬励するような結果となる。その他資金の調達についても、金銭出納についても、日常頻繁な経済取引を主たる使命とする企業官廳たる國鉄と、もつぱら権力の行使を任務とする一般行政官廳との差を無視した規則が適用されているために、國鉄の合理化、経済化は大いに阻害されているのである。從業員の給與についても同樣のことが言える。官廳給與原則に縛られていては給與は自然固定的となり、各人の能率、実績に應じて彈力的に支給する余地がほとんどなく、勤労意欲の向上に大きな支障となつている。」これはまことに私どもの意見に一致した意見なんでありますが、こういうことを総理大臣並びに運輸大臣がお認めになつておるのであるとしますれば、この論法でいきますれば、國鉄も民営に移さなければいかないという理論が十分これによつて成り立つていくと思うのであります。この帰について、いわゆる民営にお移しになる御意思があるかどうか、この点を伺つてみたいと思います。
  43. 芦田均

    芦田國務大臣 日本鉄道國有なつ西園寺内閣の当時の思想は、むしろ國防の見地から鉄道國有を急いだものだと私は了解しております。今日においては、國防の見地からわが國の鉄道経営形態を考える必要はなくなつた。従つて鉄道國有原則が將來必ず堅持されなければならぬかどうかということは、これはよほど研究の余地がある。またこれを民営に移すにしても、わが民間経済の実態をよく考慮して行うにあらずんば、そう簡單には、これだけの厖大な事業を民間に移すという計画は実行せられない場合もありましよう。また労働運動の姿についても考慮しなければならぬ点もありましよう。種々の点から考えてみて、今日政府においては、今國有鉄道をすぐに民間に移すというふうなことは考えておりません。
  44. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 御答弁の中からうかがわれることは、今までの國鉄は國防上の見地から今日の國営制度というものが立てられた。今日はそういうことが必要がなくなつたのであるから、という御答弁から考えますれば、これは民営に移しても差支えないのだが、民間の事情や、その他のこととにらみ合わして考えなければいかぬから、今すぐ問題にはならないが、將來にはこれは考慮してもよいというふうに受取つてもよろしゆうございましようか。
  45. 芦田均

    芦田國務大臣 十分研究の値打のある問題だ、こういうことをお答えいたしたのであります。
  46. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 この点はその程度として、いま一つつておきたいのであります。それは先ほど高瀬委員からも熱心に御質問があつたのでありましたが、今日の給與のベース三千七百円をもつてしては、いかに政府が確信をもつておられても、とうていいつまでもこれを堅持していくということは、困難であろうかと私どもは考えるのであります。この点について、給與を現在の三千七百円ベースに置くということは、一應私どももこれに同感の意を表するのでありますが、速やかに職階制並びに能率給ということを加味いたしまして、近き將來に五千円ないし五千五百円程度までに給與を上げていく、こういうことについての御意思があるかどうか、あるいは御計画があるかどうか、この点を伺つておきたいのであります。
  47. 芦田均

    芦田國務大臣 二千九百円ベースの賃金に対する職階制の問題が、まだ委員会において最後の結論に到達しておらぬのであります。むろん職階制に対する給與関係は、一日も速やかに解決をしなければならぬと思いますが、この際三千七百円ベースを動かそうという考え方は、政府においてはもつておりません。
  48. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 お忙しいようでありますから、私の質問はこれで終ります。
  49. 重井鹿治

    ○重井委員 私は一点だけ総理大臣にお聽きしたいと思います。すでにこの問題は結論をつけなければならないときが迫つておると思います。この委員会においても、運輸大臣並びに事務当局に対しまして、相当質疑應答が重ねられまして、なお予算委員会においても論議が盡されております。なお國会内並びに國会外の國民の声から想像いたしまして、結論を出すべき時期が來ておるのではないか、こう考えるのであります。そういう意味におきまして、これは私の結論といたしまして、現在の運賃の倍率に対して、貨物運賃政府原案の通り現在の三倍半、旅客運賃は現行の二倍、定期券につきましては、通勤定期券の現行の五割、なお通学定期券におきましては現在のすえおきが、現在のいろいろな観点から見まして、公正妥当な運賃ではないかと考えるのであります。こう申し上げますと、その結果赤字が出てまいるのでありますが、もちろん財源はいろいろございます。それは詳しく申しますと、長くなりますので、ただその名目だけ申し上げますならば、おそらく総理大臣におかれましてはキヤツチされると思いますので、名目だけ申し上げます。いわゆる終戰処理費二割の節減、それから所得税二十一万円以上のものに対する現在の政府原案の減率を六%あるいは一〇%にするということ、なお個人財産増加税を創設すること、なお鉄道会計におきまして約一割を節減すること、その他これについてはすでに申し上げたのでありますが、收入の面におきましては、外廓團体なんかに対する收入なども相当あると思います。その他重要産業に対する價格差補給金、この運賃率の問題、こうしたものの財源を考えますと、先ほど申しましたこのいわゆる運賃の倍率が出てくるのではないかと考えます。すでに結論を出さなければならないときがまいつておりますので、この際総理の御決意のほどを承つておきたいと思います。
  50. 芦田均

    芦田國務大臣 政府は、今國会の御審議を願つている予算案に対する各種の法律案が、最善のものと信じて提案いたしているのであります。それに対していろいろ御修正の御意見が今あつたようでありますが、この点については、何係閣僚全部と協議した上でなければ、賛成であるかどうか答えることはいたしかねます。
  51. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに総理大臣に対する質疑はありませんか。━━運輸大臣並びに政府委員に対する御質疑はありませんか。
  52. 堀江實藏

    ○堀江委員 運輸大臣にお尋ねしたいのであります。先日ちよつとお尋ねしたのでありますが、國鉄労組におきましては、運賃値上反対である。運賃値上げしなくても、そう大した赤字が出ないという資料を出しております。われわれその資料を見まして、それが正当だというふうに見ているわけであります。現状運賃をすえおいた場合、何ぼかの赤字が出るように、政府の推算された資料には出ておりますが、その資料は石炭が二・六倍、その他の物件費や何かが、あるいは七割、あるいは十割上つたものとして計算いたしております。物價がこのままにすえおかれた場合において、運賃がすえおきであるならば、はつきりした赤字はどれだけであるかということの詳細な数字を承りたいし、また先日も質問しましたように、國鉄財政赤字であるという大きな原因は、もちろんインフレの原因もあるし、いろいろな原因はあるわけなんですが、賃金が安過ぎるために、いろいろな作業における能率が上らない、そのために各駅で見るような貨物輸送においても、大きな貨物の滯貨が生じている。最低生活を保障する賃金を支給することが能率の増進であるとわれわれは解しておりますが、大臣のお考えはいかがでありますか、お伺いいたしたいと思います。
  53. 岡田勢一

    岡田國務大臣 お答えいたします。國鉄労働組合の一部の者が値上げ反対運動をやつており、またそれから出ております何か文書を私はまだ見ておりませんが、現行運賃赤字にならない、引合うものだということが書かれておりますそうであります。私はその採算がどういう基礎から出したものかは知りませんが、さような採算には全然信を置くことはできません。それから現行運賃ではどれくらいの赤字になるかと申しますと、物價と賃金が今予定いたしておりますように改訂をせられますと、約六百九十億円の赤字になる計算でございます。  それから第三に、從事員に対する賃金が安いから能率が上らないので、滯貨が山積をしておるのではないかという御質問でございます。十分なる満足すべき賃金とは言えないかもしれませんが、今回改訂を考えております三千七百円ベースは、実質賃金を充実するいろいろな方策をとつておりますので、この方策が実行せられましたならば、まず日本の今日の敗戰経済現状から考えまして、がまんをしてもらえる賃金水準と考えております。滯貨のたくさんできております原因は、いろいろほかにあると私は思うのでありまして、これらの滯貨を減少いたしますためには、もちろん國鉄從事員の能率の増進、勤労意欲の向上等によりまして協連を得なければなりませんが、他にも貨車の数が足りませんのと、あるいは施設などが破壞されておりまして、まだ復旧ができておりませんといういろいろな原因がございますので、これらについては、それぞれできるだけ貨車の新車製造に着手をしております。その他施設の改良復旧等につきましては、今の施設と資材と予算の許されます限り、これに関して努力を傾注する考えでございます。
  54. 堀江實藏

    ○堀江委員 私の質問のやり方がまずかつたのだと思いますが、物價値上げしない場合、現行の物價水準で現行の運賃の場合の赤字の見込みでございます。それから次に三千七百円ベースの問題でございますが、これに対しましては、奈良大会においてもやつておりますし、またこの國会におきましてもいろいろな労働者賃金ベースの問題について論議がありましたが、加藤労働大臣なんかも三千七百円ベースでは食えないということは言つておられました。三千七百円ベースでは、七割の消費物資の値上げを中心にして、やみ物資が六割いくらかの値上りを見ての結果でありまして、三千七百円ベースなるものが、実質賃金を低下させるということは、もちろん各種の統計から見まして、私らもそれを肯定しているものであります。これは必ず労働攻勢が起つてくる。また物價はおそらく政府の予定のごとくこうした運賃の大幅値上げをおやりになると、二倍以上に上る。さらにインフレが拍車をかけられるということは当然予想されることでありますが、政府は同僚議員の御質問に対して、三千七百円ベースは維持できると言われ、さつきも総理大臣は三千七百円ベースは維持できるように御答弁になつておりましたけれども、われわれは断じて維持できないという見解をもつておるのであります。これは見解の相違でありますが、かりに三・五倍の運賃値上げを実行した場合には労働攻勢がある。もちろん五千二百円ベースの現在の要求は、物価値上げをしない場合の要求でありまして、物價値上げが七割も行われ、さらにそれが実際においては物價が倍にもなつたとすれば、もつと大きな労働組合の要求が出てくるものと思いますが、これに対して政府が必ずこの要求を容れられなければならないような状態になるということは、明らかに見透しが立つわけであります。こうした場合においてさらに政府運賃値上げをされる意向であるかどうか。その点について御答弁願います。
  55. 岡田勢一

    岡田國務大臣 第一の御質問、現行物價のままで現行運賃の場合は、ただいまの実績によりますと、一箇年に三百五十二億七千万円ばかりの赤字が出る計算になつております。なお加藤労働大臣から三千七百円ベースではやつていけないというお話があつたそうでありますが、それは加藤氏個人の御意見であるか、私はまだその話を聞いておりませんが、閣議においては三千七百円ベースを認めておるのであります。それから、もし將來物價、賃金が改訂されましたときに、さらに運賃値上げするかどうかというお話でございますが、これはそのときの経済並びに社会情勢によるのでありまして、ただいまからは予定できないことでございます。今そういう場合になつたら、さらに上げるかどうかということも、実は考えておらない次第であります。
  56. 堀江實藏

    ○堀江委員 次にお伺いいたしたいのは、國鉄の経理のあり方でありますが、今回の値上げそのものは、國鉄の復興ということは大して重要視されないで、いろいろ資料を見ても当面のいわゆる独立採算制が中心になつているようにわれわれは感ずるのであります。この点はだれかの質問もあつたわけでありますが、第一に鉄道の経理そのものが大福帳式であつてはつきりした貸借対照表のような形式でできていなかつた。しかしようやく昨年からその方式になつてきて、減價償却なども今年は六億一千万円かいくらか計上してあるわけでありますが、この経理の問題は、國鉄再建される大きな基本的な問題だとわれわれは考えるわけであります。現在の國鉄の施設をどういうぐあいに押えるか。またその施設の價格をどういうぐあいに見るかということによつて國鉄再建はどういうふうにやつていかなければならぬかということの結論が、私は出てくるものであると考えるのであります。本年度の償却費が六億一千万円かなんぼかになつておるわけでありますが、もつと償却はよくしなければならない。それはいろいろ財政の都合でできないという説明も聽いたのであります。しかしこの資産の評價という問題でありますが、資産の評價をある訪度殖やすことによつて、それを建設の方の資金にまわしていくということがなかつたならば、國鉄再建はあり得ないと考えるわけであります。今年計上されておる六億円余りの償却費は、どういうふうな償却方式をとられるのでありますか。それの資料がありませんので、その償却の使い途について御説明願いたいと思います。
  57. 岡田勢一

    岡田國務大臣 國鉄の資産でございますが、大体説明のように、物價が暴騰いたしまして、貨幣價値が上つております現在は、帳簿價格によつて資産評價をしないで、時價を加味したものに組みかえて評價益を出したらどうかという御意見ではないかと存じます。しかしあるいは民間企業におきましては、そのような方法をとる場合もあると存じますが、國営事業の場合といたしましては、財産の評價益を出しまして、その益金を建設費、新設費等に入れていくことは、私は堅実な経営の趣旨ではないと考えます。堀江さんの御指摘のごとく、今年約六億一千万円の減價償却をいたしておりますことは堅実な行き方でございまして、建設費などは別に予算を計上してやることにいたしております。これが私は適当な方法であると考えております。もし資産評價を時價を加味して評價益を出したといたしましても、それは帳簿面のみのことでございまして、現実にはその益金は賃金として生れてまいりませんので、それを使うわけにいかないことは、堀江さんのよく御承知のことであろうと思います。それから今年度の六億円余りの減價償却は、予算参考費料の第九條にございますように、これを鉄道の路線、施設の維持費に向けて使つていく、いわゆる補修費などの中に組み入れて使つていくことにいたしております。
  58. 川野芳滿

    川野委員長 重井鹿治君。
  59. 重井鹿治

    ○重井委員 私鉄と國鐵の経理関係についてお尋ねしたいと思います。私鉄はかなり赤字が出ておる。國鉄赤字が出ておる。そして私鉄から当然國鉄に対して支拂いしなければならない貨車使用料とか、あるいは切符の賣上代金、こうしたものを私鉄がかなり支拂いを怠つておる。しかもその國鉄の金によつて私鉄を運営しておる。こういうことを聞くのでありますが、現在私鉄の國鉄に対する貸借表——金額がわかればいいのですが、そうした全体の金額と、各私鉄の貸借表がありましたならば、御提出願いたいと思います。
  60. 岡田勢一

    岡田國務大臣 重井さんの御質問は、私鉄から國鉄に対する支拂勘定になりますものが停滯しておつて、私鉄関係がそれを相当流用しているのではないかという御指摘であります。現在の未拂いにせられております額は、ただいま持ち合わせておりませんので、あとで調べましてできるだけ早い時期に御説明を申し上げたいと存じますが、今私鉄の大部分が困難な経理状態をやつているようでありますので、今の状態からいたしますと、重井さんの御指摘のような未拂勘定がだんだんに累績をいたしていく部面も想像せられるわけであります。それらにつきましては私どもよく調べまして、不合理な状態を來しているものは十分督促をいたしまして、拂込みを励行いたさせたいと存じます。
  61. 重井鹿治

    ○重井委員 各同僚の委員からしばしばお尋ねがあつたのでございますが、それに基きまして、外郭團体に対してもつと積極的な対策を現在御考慮になつているかどうか、お尋ねいたします。
  62. 岡田勢一

    岡田國務大臣 外郭團体につきましては、いろいろ世間のうわさもございまするし、このうち一部のものは先週來その責任者を呼びまして説明を求めつつございます。なかなか多忙でございますので、この運賃法の審議が済みますまでは、積極的な活動はできにくいと思いますが、一段落いたしましたならば、具体的に調査檢討を加えまして、不合理な点が発見せられますならば、是正改革いたしていきたいと存じております。
  63. 重井鹿治

    ○重井委員 外郭團体に対しまして、直接監督し、——あるいは監督できない團体があるのかもしれませんが、私はもしその外郭團体の責任者の出頭が求められるならば、現在の経営内容をお聽きしてはどうかと考えるのであります。その点はいかがでございましようか。
  64. 岡田勢一

    岡田國務大臣 決して差支えないことであろうと存じます。しかし重井さんも総理に御質問の場合に仰せられておりましたように、すでに運賃法案も、予算案も、たいへん時期が切迫をいたしておりますので、時間の関係もございますから……。そういうことをおやりになつてもいいと思いますので、もし委員会におきましてそういう御決定になりますれば、そういう斡旋をいたしまして結構でございます。
  65. 川野芳滿

  66. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 三倍半という運賃値上げ説明をたびたび同僚議員から求められ、また説明を聽いたのでございますけれども、どうも三倍半の根拠がはつきりしないのでありますが、もう一度はつきり御説明願いたい。
  67. 岡田勢一

    岡田國務大臣 お答えいたします。まず今回の決定の根拠は、大体原則といたしましては独立採算制、すなわち経営原價に合うような運賃率を定めたいということが原則でございますが、ただ、ただいまのインフレーシヨンの高張しております現状におきましては、物價政策に第一の重点を置かなければならないという必要上、物價をある程度の水準で抑制しなければならぬという考えがそこに加わつてまいりまして、それはすなわち運賃法の第一條の中の基本的理念の項目を四項目あげております。それの生産を阻害しない。産業の発達に資するという項目にあてはまるわけでございますが、同時にまた賃金その他ともよく調和のとれるということなどから考えまして、今回の物價と賃金の改訂によく調整がとれますような見地で、一應そろばんをはじきましたわけであります。その結果運賃の倍数を決定いたしたわけでございますが、しか独立採算制を全然根本的に崩壊せしめるがごとき大きな赤字を出すこともできませんので、まず今日の國民生活現状から考えまして、從來の経驗によりまして、採算原價から幾分高い旅客運賃でありましても、今日の現状から負担できるという水準を求めたわけでございます。そういたしまして、一部は一般会計からその赤字を補填することになりまして、結果的に申しますと百億円の一般会計からの赤字補填を出す、しかしそれは鉄道を利用せらるる以外の全部の國民負担に帰することになるのでございます。そういう水準がまず今日の日本経済の実態から考えまして適当なところであると信じまして、結論を得ました次第でございます。
  68. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 この間の公聽会などを聽きますと、旅客運賃は大体二倍が適当である、あるいは貨物運賃は三倍半あるいは四倍、五倍というようなところが妥当であると言うような人があつたのでございますが、これに対しまして大臣のお考えを伺います。
  69. 岡田勢一

    岡田國務大臣 公聽会におきましてそのような御意見が多かつたように拜聽いたしておりますが、一應これは御意見といたしまして、そういう考え方もあるとは思いますけれども、政府といたしましては物價政策の担当者、あるいは総合経済を担当しております者、またわれわれのごとく現業の責任をもつておる者等が、経営原價の面などからこまかく科学的に秩序ある計算を組み立ててまいりますと、やはりただいまの三・五倍同率という結論になるのでありまして、旅客二倍ないし二倍半とか、あるいは三倍とかいう標準も、その理由根拠はそれ相当にあるわけだと私は考えまするが、その計算は、そろばんをはじきます出発点と、考える基準の相違によりまして、そういうふうに違つてくるのではなかろうかと考えます。
  70. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 大体その問題は大臣説明で了承できましたけれども、先日同僚議員からパスの調査要求をしたはずです。まだそれをいただかぬように思う。これを至急お願いしたいと思つております。
  71. 岡田勢一

    岡田國務大臣 岡村さんにお答えいたします。大体印刷は上つておるそうでございますが、まだ仕上げをやつておるそうでございます。もし午後にでもできるようでございましたら、お届けをいたします。できませんでも、明後日はきつとお届け申し上げます。
  72. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 今度の値上げの重要問題を審議するに非常に重大な関係があると思いまして、先般資料の要求の中に、私から戰時中に強制買收した民間路線、その各線ごとの赤字の総額、それらの問題を全部そろえて出していただくように要求してあるのであります。それは各線の総合的なものでなく、その一つずつの関係を調査していただくように要求してありますが、それができておるかどうか。それからなおその他に各委員から出した資料の要求は全部おそろいになつたのでありましようか。その点も併せて伺つておきます。
  73. 加賀山之雄

    ○加賀山政府委員 伺いました資料のうち、皆さんの御参考になるようなこと、それから特に御希望になつた資料と二通りあるわけでございますが、資料といたしましては、ただいまのところで、ほとんど大部分できておるつもりでございます。大体委員部を通じて提出いたしておるということであります。
  74. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 私の要求した各買收線の赤字の関係はないのでありますが、それが最も重要な関係で、私はそれを要求したのであります。
  75. 加賀山之雄

    ○加賀山政府委員 早速取調べます。私の方ではもう提出しておるつもりでございます。
  76. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 私の申し上げるのは、買收した各線ごとの赤字の関係を要求してあるのですから、その点をどうか……。
  77. 岡田勢一

    岡田國務大臣 小笠原さんにちよつとお伺いしますが、戰時中に買收しました私鉄会社の一線ごとの今の経営の損益状況でありますか。
  78. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 そうです。
  79. 岡田勢一

    岡田國務大臣 それはまだできておりませんので、至急つくりまして……。
  80. 川野芳滿

    川野委員長 委員長からも運輸当局に要望しておきます。先般來より参考資料の要求が委員から多数あつたわけであります。また昨日も相当参考資料の提出の要求があつたと委員長考えております。昨日の御答弁によりますと本日までに提出する、こういう御答弁であつたようでありますが、しかしいろいろな事情で今日まで御提出にならない点も了承いたします。できるだけ月曜日までに御提出願つておきます。
  81. 加賀山之雄

    ○加賀山政府委員 昨日尾崎委員から御要求になりました資料は本日差上げております。
  82. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 これは値上問題も大分世間にやかましくなつておるし、何分修正というような問題も起ることは予測されるのであります。その場合に歳入の関係をどの辺に求めるかということは、政府当局もわれわれ委員も研究しなければならぬと思うのであります。その点をまとめるための参考になる資料であり、あなた方も修正された場合に、どの点をもつて應じようというような覚悟のもとに今日調査する資料であります。ただ審議の期間ばかり急いであられますが、これはかえつて急いだ方が結末が惡くなるかもしれませんから、審議を盡す意味において至急やつていただきたいと思います。  なお委員長に申し上げますが、資料が集まらないのに、毎日こうしてお互いにむりして質疑應答ばかり続けておるようでは困りますから、資料がいつできるかということを考えて、月曜日と言わずに火曜日でもいいから、そつくりそろつてから審議にはいつたらどうですか。
  83. 川野芳滿

    川野委員長 委員長に資料が配付になりませんので、まだ配付にならないかと考えましたが、大体の資料は要求者の方に今日出されたそうであります。小笠原委員の御要求の参考資料はまだ御提出になつていないという御答弁でございますが、しかしこの資料は至急に提出させることにいたしたいと存じます。なお質疑質疑でやはり並行してやつていきたいと存じます。  この際お諮りいたしますが、午前の会議はこの程度にいたしまして一旦休憩し、午後一時より再開いたしまして、場合によつては懇談会でも開いてみたいと考えるわけでございますが、いかがいたしましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がなければ、午後一時より再開することにしまして、これにて暫時休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕