○山崎(丹)
委員 第一点は三千七百円
ベースというものが、はたして適当なものであるかどうかという御質問のように思います。今度私
ども作業をしておりますのは、御指摘のように三千七百円
ベースを開いたいわゆる業種別
賃金というもので、各種の
物價なり料金なりをはじいておることは事実でございます。結局それによりますと、すべてのものが
相当値上りになるので、今度逆に三千七百円でも
つてす惜てのものの
値上りを抑えることができるかという問題でございますが、私
ども最初考えましたのは、大体三千七百円くらいで收まるであろう、そのように考えて作業を続けておりますが、大体において私
ども三千七百円でも
つて一應すべてのものの
値上りを
——現在
程度の実質
賃金を充実させることはまず可能であろう、かように考える次第であります。
もつと言葉を附け加えますれば、三千七百円では非常に苦しいから、かりに四千円をとるという場合には、どういうことになるかというようなことも試算いたしたのでありますが、さようなことになりますと、結局すべての
物價の基礎となる
人件費の
値上りによりまして、すべてのものが上
つてくる。それを比較的重要
物資というものを、かりに百十倍という今考えておりますような線で抑えたとしますならば、
相当の補給金というものが殖えなければ相ならぬというようなことになります。結局この
賃金ベースというものを上げることによりまして、今申し上げるように補給金その他を増額するという措置が相伴いますならば、まことに結構なのでございますが、財政上の
要求ということも相ならぬということになりますと、結局物の
値上りが
相当多い。逆に四千円に上げても、四千円では收まらないというようなことが現実に
数字の上に現われておりますので、私
どもといたしましては、今も申し上げました三千七百円というものは、これで苦しいことはもちろん苦しいのでありますけれ
ども、まずまず收まり得るものと考えております。
第二点は、
國鉄運賃が三倍半に上らなければ
——もちろん上るということを前提としてわれわれは作業いたしておるのでありますが、新聞その他には二段補正をやるというようなことが書いてあるが、眞実はどうかという御質問のようでありました。はつきり申しまして、私
どもすべてこれは事務的の問題といたしましては、價格なり料金なりを算定いたしますには、原價計算の方式をと
つております。從いまして
國鉄運賃が何倍になるかということは、すべての原價計算の重要な要素にな
つております。從
つて國鉄運賃が三倍半に
なつたならばこういうふうになるという原價計算をやりますから、必然的の道程といたしまして、上らない場合の計技というものも自然出てまいるのでございますが、それをどう取扱うかということは、私
どもまだ別に指示をいただいてはおりません。ただしかし
物價改訂が非常に遅れるということは、あらゆる企業が困る、早くや
つてくれないと、もてなくなるていう要望があることは事実であります。從
つて物價改訂を急ぐという場合、一方の前提となるところの
國鉄運賃がいつまでも上らないと、それと同時に改訂をやるという
建前をと
つておりますから、かなり企業の苦しいこともわかりますので、
政府の方で
相当御配慮あるのではないかと存じますけれ
ども、私
どもといたしましては、別にそのことは承
つておりません。