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1948-05-19 第2回国会 衆議院 運輸及び交通委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月十九日(水曜日)     午後二時開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 前田  郁君 理事 高瀬  傳君       大澤嘉平治君   小笠原八十美君       高橋 英吉君    田村 虎一君       前田 正男君    井谷 正吉君       重井 鹿治君    島上善五郎君       橘  直治君    原   彪君       矢野 政男君    堀江 實藏君  出席政府委員         運輸事務官   藪谷 虎芳君         運輸事務官   岡田 修一君         運輸事務官   小幡  靖君  委員外出席者         議     員 細川八十八君         議     員 冨田  照君         專門調査員   岩村  勝君         專門調査員   堤  正威君     ――――――――――――― 五月十日  旧鶴見臨港鉄道外鉄道拂下に関する請願(土  井直作君外一名紹介)(第五二四号)  長門人丸本郷間國営自動車運輸開始の請願(  周東英雄君紹介)(第五二七号)  明石、姫路間電化促進並びに魚住村に停車場設  設の請願(田中源三郎君紹介)(第五三二号)  旧小倉鉄道拂下に関する請願(成重光眞君外一  名紹介)(第五三九号)  豊岡村に被服工質存置の請願(矢野政男君紹  介)(第五四一号)  油津港に臨港鉄道敷設の請願(川野芳滿君外一  名紹介)(第五四七号)  若江本線を金居原まで延長の請願(森幸太君紹  介)(第五四八号)  瑞浪、明石間國営自動車運輸開始の請願(山本  幸一君紹介)(第五五五号)  関西本線湊町、東京間直通列車運轉開始の請願  (東井三代次君紹介)(第五六一号)  買收鉄道拂下に関する請願(高橋傳君紹介)(  第五六二号)  岩國・黒沢間、不畑出合・阿賀間及び鮎谷・秋  掛間國営自動車運輸開始の請願(田村虎一君紹  介)(第五七三号)  下北山、上市間國営自動車運輸開始の請願(前  田正男君紹介)(第五七七号)  荒海、滝原間鉄道敷設の請願(中野寅吉君外一  名紹介)(第五八一号)  小田、久万間國営自動車運輸開始の請願(米田  吉盛君外三名紹介)(第六〇五号)  八鹿、岩美両駅間に鉄道敷設又は國営自動車運  輸開始の請願(庄司彦男君紹介)(第六一六  号)  直江津より上江線に連絡する鉄道敷設の請願(  塚田十一郎君紹介)(第六一九号)  長久保、軽井沢間國営自動車運輸開始の請願(  小林運美君紹介)(第六二二号) 同月十一日  津山、上井間國営自動車運輸開始の請願(庄司  彦男君紹介)(第六三四号)  旧富山地方鉄道拂下に関する請願(矢後嘉藏君  紹介)(第六三七号)  宮下、川口間鉄道敷設の請願(円谷光衞君外一  名紹介)(第六四一号)  石海村を省線電車車庫並びに変電所建設用地よ  り除外の請願(山名義芳君紹介)(第六四二  号)  南部、龍神間國営自動車運輸開始の請願(松本  眞一君紹介)(第六五二号)  米原、京都間電化促進の請願(長野重右ヱ門君  外一名紹介)(第六六〇号)  瀬上、船岡両駅間鉄道敷設の請願(小沢專七郎  君紹介)(第六六九号)  山田線電化促進の請願(山本猛夫君紹介)(第  六八三号)  一戸町に自動車車庫建設の請願(山本猛夫君紹  介)(第六八五号)  立野村に停車場設置の請願(内藤友明君紹介)  (第七一七号) 同月十二日  北海道廳植民軌道運営に関する請願(坂東幸太  郎君紹介)(第七四三号)  米原、敦賀間鉄道電化並びに敦賀、木ノ本新線  工事促進請願外八件(森幸太郎君紹介)(第  七六二号)  北海道植民軌道建設継続の請願(正木清君紹  介)(第七七二号)  朱鞠内、羽幌間鉄道敷設の請願(坂東幸太郎君  外三名紹介)(第七七四号)  羽幌、遠別間鉄道敷設の請願(坂東幸太郎君外  三名紹介)(第八〇〇号)  長坂村に簡易停車場設置の請願(残利三朗君外  三名紹介)(第八〇五号)  雄勝町大須岬に救難所及び推易燈台設置の請願  (内海安吉君紹介)(第八〇七号)  高田、摺沢間國営自動車運輸開始の請願(志賀  健次郎君紹介)(第八一〇号)  鐵道用枕木割当に関する請願(野原正勝君外七  名紹介)(第八二〇号) 同月十四日  徳佐、東萩間國営自動車運輸開始の請願(坂本  実君紹介)(第八五三号)  荒砥、山形間國営自動車運輸開始の請願(松浦  東介君紹介)(第八五四号)  東京、鹿兒島間及び門司鹿兒島間に直通急行列  車運轉の請願(上林山榮吉君紹介)(第八六五  号)  野村、中筋間國営自動車運輸開始の請願(井谷  正吉君外七名紹介)(第八八七号)  桑折、丸森間國営自動車運輸開始の請願(庄司  一郎君外二名紹介)(第八九六号)  日本通運株式会社鹿屋支店存続の請願(的場金  右衞門君外二名紹介)(第九〇二号)  撫養、相生間國営自動車運輸開始の請願(三木  武夫君紹介)(第九二四号)  興浜南線全通の請願(坂東幸太郎君紹介)(第  九二六号)  逗子所在の、「海の家」拂下に関する請願(小  暮藤三郎君紹介)(第九三二号)  湯之元駅に急行列車停車の請願(的場金右衞門  君紹介)(第九三五号)  彦山、大行司間鐵道敷設促進の請願(梅林時雄  君外一名紹介)(第九三九号)  札幌地区鐵道復興計画施行の請願(椎熊三郎君  外二名紹介)(第九四二号)  篠路、石狩太美両駅間に停車場設置の請願(椎  熊三郎君外二名紹介)(第九四三号)  高瀬村に停車場設置の請願(図司安正君紹介)  (第九四九号)  福島、米沢間電化促進の請願(海野三朗君紹  介)(第九五六号)  山形駅始発上野行列車新設の請願(海野三朗君  紹介)(第九五七号)  久慈、白山間及び久慈、玉ノ脇間國営自動車運  輸開始の請願(山本猛夫君紹介)(第九七〇  号) 同月十八日  九州における鐵道貨物輸送強院促進の請願(田  中松月君紹介)(第一〇〇四号)  南福井操車場及び北福井信号所昇進の請願(坪  川信三君紹介)(第一〇〇八号)  上野、金沢間急行列車を米原まで延長の請願(  坪川信三君紹介)(第一〇〇九号)  河守、宮津間鐵道敷設の請願(芦田均君紹介)  (第一〇一〇号)  武生より朝日、越逎を経て三國に至る路線を國  営自動車道路に編入の請  願(坪川信三君紹介)(第一〇一一号)  明石、網干間電化促進の請願(堀川恭平君紹  介)(第一〇一二号) の審査を本委員会に付託された。 同月十日  末吉駅、南之郷高岡口間國営自動車開設の陳情  書(第二三二号)  島根縣における省線管理機関の統一に関する陳  情書(第二五四  号)  万ケ塚駅貨物積場側線設置に関する陳情書  (第二七四  号)  新潟海運者理部の昇格に関する陳情書  (第二八七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  一 岩内、黒松内間鉄道敷設の請願(小川原政    信君紹介)(第一号)  二 玉造、佐原間鉄道敷設の請願(山村新治郎    君紹介)(第一一号)  三 鉾田、小見川間鉄道敷設の請願(山村新治    郎君紹介)(第一二号)  四 鉄道小運送業改善に関する請願(福永一臣    君紹介)(第三四号)  五 白山、新発田間鉄道速成の請願(渡邊良夫    君紹介)(第三六号)  六 小川村江田に停車揚設置の請願(關内正一    君紹介)(第四二号)  七 高岡市の西地区に停車場設置の請願(橘直    治君紹介)(第四八号)  八 猪谷、船津間鉄道敷設の請願(岡村利右衞    門君外一名紹介)(第五八号)  九 津権半島還状鉄道敷設促進の請願(山崎岩    男君紹介)(第五九号)  一〇 末吉町大字南之郷高岡口、末吉駅間國営    自動車運輸開始の請願(前田郁君紹介)(    第六四号)  一一 郡山、白石間鉄道電化の請願(厚考吉君    紹介)(第六五号)  一二 鹿屋、隼人間國営自動車運輸開始の請願    (前田郁君紹介)(第六六号)  一三 福島市、中村町原釜間國営自動車運輸開    始の請願(中野寅吉君紹介)(第六八号)  一四 荒海、滝原間鉄道敷設の請願(中野寅吉    君紹介)(第八五号)  一五 篠山、菟原両駅間並びに宮田を分岐点と    する大山駅及び大山村の間に國営自動車運    輸開始の請願(佐々木盛雄君紹介)(第八    七号)  一六 旧南海鉄道山手線拂下に関する請願(細    川八十八君紹介)(第九〇号)  一七 松戸、平間電化促進の請願(小沢專七郎    君紹介)(第九一号)  一八 武生、城崎間國営自動車運輸開始請願(    長谷川政友君紹介)(第一〇六号)  一九 米良線を三納代駅まで延長の請願(内藤    友明君紹介)(第一二六号)  二〇 名古屋、本崎間國営自動車運輸開始の請    願(酒井俊雄君紹介)(第一三四号)  二一 函館、奧尻間航路開設費國庫補助の請願    (冨永格五郎君紹介)(第一五一号)  二二 石巻、鹿島台間國営自動車運輸開始の請    願(内海安吉君紹介)(第一五四号)  二三 千葉、木更津間電化の請願(冨田照君紹    介)(第一六一号)  二四 下関、小郡間電化の請願(坂本実君外七    名紹介)(第一六三号)  二五 幸崎、中判田間國営自動車運輸開始の請    願(梅林時雄君紹介)(第一七九号)  二六 大野、三重間國営自動車運輸開始の請願    (梅林時雄君紹介)(第一八二号)  二七 緒方、日向長井両駅間に鉄道敷設の請願    (梅林時雄君紹介)(第一八三号)     ―――――――――――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 会議を開きます。  これより去る二月二十三百及び三月十六日本委員会に付託となりました請願二十七條を議題として審査に入ります。この際お諮りいたしますが、本日の各請願の議決はいかがいたしましようか、すなわちある開度件数がままつたとき議決いたしますか、または本日それをなすか。各位の御意見を伺いたいと存じます。
  3. 重井鹿治

    重井委員 まだ相当請願が出てくると思いますので、採決は後にいたしまして、請願説明だけにいたしたいと思います。そうして政府委員意見を徴する。この程度のことにしたいと思います。
  4. 川野芳滿

    川野委員長 重井さんの御意見のように決定してよろしゆうございますか     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川野芳滿

    川野委員長 それでは紹介議員紹介を求めまして、続いて政府委員説明を願い、そのあとで審査方法を御協議思し上げる。こういうことにいたします。それでは審査に入りますが、議事の進行上の日程の順序を変更いたします。  まず日程第一〇、末吉大字南之郷高岡口吉末間國営自動車運輸開始請願前田郁紹介文書表番号第六四号を議題といたします。紹介議員前田君の説明を聽取いたします。
  6. 前田郁

    前田(郁)委員 私が紹介いたします請願は、鹿兒島縣大隈地方でありまして、末吉町の南之郷高岡口から末吉駅間の國営自動車運輸開始請願であります。第一國会において私のこの大隈地方中央を貫通いたしますところの省営バスの問題を皆さん請願いたしまして、お願いをしたわけでありますが、それも未だにそのままであります。ところが、これもやはりその線の一翼でございまして、末吉大字南之郷高岡口という所は、今都城からやはり宮崎縣の飫肥に通ずる省営バスがございまして、そこと國鉄末吉駅との間をばつなぐという路線でございまして、非常に重要な線でございます。そして末吉町というのは、鹿児島縣でも一、二を爭う大町でございまして、非常に物資も豊富な所であるのであります。殊にこの末吉町のうちの高岡方面は非常にいろいろな林産物であるとか、その他食糧品がありまするし、なおまた人口も非常に稠密でありまして、学生などでここから中学校に通つておるのが百五十名もあるというような所でありまするが、それが今日乘物が全然ないために、ほとんど三時半ごろから起きて中学へ通学をしておるというありさまであります。学校が済んでからも夜遅くでなければ帰つてこれないという、非常に惠まれない事情にあるわけであります。これにぜひとも省営バスを建設していただきたいというわけでありまして、すでに一番終点にあたりまする高岡口には省営自動車としての車庫をこの部落民が寄附いたしまして、いろいろ熱意を示しておるという状態でりあます。でありますから、先般第一國会にお願いしました財部から末吉を通じ、さらに鹿屋に行くところの路線と同一に、この線を一緒に省営バスをやつていただきたい。こういうのがこの請願趣旨でございます。どうか皆さん審議の上、御採択あらんことをお願いいたします。
  7. 川野芳滿

    川野委員長 政府委員説明を願います。
  8. 小幡靖

    小幡政府委員 お答え申し上げます。この路線はただいま御説明もありましたように、既設の都城線支線に当るわけでありますので、私どもといたしましても、十分調査の上研給いたしたいと存じております。しかし、ただお断り申し上げておきますが、目下の情勢では予算資材球方の面から非常に制約がありまするので、早急に実施は困難ではないかと考えております。
  9. 前田郁

    前田(郁)委員 ちよつとこの場合に新任の小幡さんからお聽きしたいのですが、私どもは前國会以來相当に省営バスを、特に國家的見地から見てどうしても必要な路線には、これをやつていただきたいということで、各委員とも熱心に主張されたのであります。なおそれは全國にたくさんございますから、あるいは業者の方から見れば、いろいろな線もあるでありましようけれども國家的観点から見て、どうしてもこれはやらなければならぬという線だけは、やつてもらいたいということで、郷野局長に対しましても、熱心に主張いたしました。なお郷野局長もこれを徹底的にやろうという熱意をもつておつたわけでありますが、どうもある方面からの問題もありますので、それがなかなか進展をしなかつような状態にあるわけであります。今回また小幡局長のような実に熱意あり、経驗もあるりつぱな局長を自分らは迎えまして、衷心非常に喜んでおるわけでございます。この席においてお話のできる範囲でよろしゆうございますが、監理局長もいろいろ事務上の引継ぎもあつたと思いますけれども、御方針といいますか、御所見といいますか公開のこの席上で発表できないことはやむを得ませんが、できる範囲のことに対して、新局長方針なり、抱負なりをちよつとお伺いいたしたい。
  10. 小幡靖

    小幡政府委員 郷野局長が、どうしても國営でなければいかぬという所は、ぜひともやるという御方針でおやりになつたというお話をただいま承りました。私といえどももちろん同感でございます。これは申し上げるまでもいくいろいろな方面からの制約もありますし、また観点によつていろいろ意見を違うようになるかと思いますが、どう考えても國営でなければ、民営では無理だ、こう思えるのも、また國営が最も適当だと思えるものにつきましては、われわれとしてはぜひ國営ということでもつて実現してまいりたいという氣持はもちろんもつております。私も全然同感であります。ただ何と申しましても、いまさら申し上げるまでもありませんで、前田委員にもしばしばお目にかかつて申し上げておる通りでありますが、いろいろの方面制約があり、とりわけ予算資材この方面制約を受ける関係で、ぜひやりたいと思いますものでも、ごくわずかしか実施できないという現在の実情にあることは御案内のことと思うのであります。しかし言い逃れではありません。私どもとしてぜひやりたいというものについては、いろいろの困難を克服してでも、これの実現に努力したいという熱意をもつておることは、はつきりと申し上げておきます。
  11. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し何か御発言はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 川野芳滿

    川野委員長 なければ次に移ります。
  13. 川野芳滿

    川野委員長 日程第一二、鹿屋隼人間國営自動車運輸開始請願前田郁紹介文書表第六六号を議題といたし、紹介議員前田君の紹介説明を聽取いたします。
  14. 前田郁

    前田(郁)委員 本請願もやはりてに申し上げました鹿兒島縣大隅地方都城から鹿兒島に通ずる鉄道、この連絡のために鹿屋と隼人駅との間を國営自動車でやつてもらいたいという請願なのであります。これはただいま三洲バスが運行しておるのでございますが、御承知通り三洲バス大隅全体の路線——ほとんどこれは香川縣一縣にひとしき面績でございますが、これを一会社で独占的に路線をやつておるわけでありまして、私ども自由企業になれば、また今日の時代の流れから申しましても、なるべく民営でやることがいいのであろうと思うのでありますが、いかんせん、会社資本金が小さい。それから会社のもつておるところの車輛も少いために、現在この路線なんかも一日一回ということになつております。その一回も來ないことがありまして、中心地である地方事務所のあります鹿屋という所に出ていくのに日帰りもできない。バスに乘れば一時間かからぬという所もずいぶんあるのでありますが、そういう所も日帰りもできないというようなことで、非常に困つておる土地でございまして、三洲バスとしても、この路線なんかはとうてい経済路線のうちにはいつていない線でありまして、困つておるような状態なつておるのであります。こういう所はどうしても省営でやつていただかなければ、とうていこの土地の者は惠まれないのであります。しかもこの路線はやはり大隅山脈地帶でありまして、非常に山林とかその他の物資が豊富な所であります。それから交通相当あるのでありますが、何しろ会社が非常に小さい。今回増資してもようやく五十万程度で、バス一台の購入費にしか増資の費用が当らない現状にありますので、とうてい普通の民営ではできない。先年來こういうわけで土地有力者が省営をやりたいということで、政府筋にも相当運動を起してきたのでありまして、今回この請願をいたした次第でございます。これもやはり先ほど申し上げました高岡口の問題、その中央を通る問題と一括して、政府当局でも御考慮願つているわけでありまして、どうか皆樣の御審議を願いまして、御採擇あらんことをお願いいたします。
  15. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  16. 小幡靖

    小幡政府委員 大隅地方が特に交通の不便がはなはだしく、しかも相当資材その他の豊富な所である。この開発のために交通の整備をやらなければならぬということで、充実した交通機関を要請せられるという御趣旨は、かねがね承つておりますし、また至極ごもつともと存じております。ただ先ほども申し上げました通りに、予算あるいは資材というような関係で、いろいろな困難がありますので、さしあたり民営バスで、現在休んでいるものを何とか復活させるというような助成の方法でも講じてというようなことも、実は一應考えておつたのでありますが、ただいま前田委員の御説明を承りましても、とうてい民営バスにそこまでの余力はないというようなお話を承つたのであります。私どもといたしまして、さらに研究をいたしてみたいと存じております。
  17. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対して何か御発言ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  18. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第一六、旧南海鉄道山手線拂下に関する請願細川八十八紹介文書表第九〇号を議題といたします。紹介議員説明を聽取いたします。
  19. 細川八十八

    細川八十八君 ちよつと委員会のお許しを得ましてこの請願趣旨を申し上げます。これは旧南海鉄道山手線、現阪和線拂下げに関する請願でございます。戰局の進展伴つてこの山手線南海天王寺駅より南海東和歌山に至る本線及び鳳、山手羽衣間の支線による延長六十二、八キロを、戰時輸送対策として政府買收したのであります。戰爭も終結いたしまして、戰時輸送の目標としたところも自然解消いたしましたので、経営者はこの拂下げを受け、地方鉄道として経営いたしたいということを熱望しておりますので、さきに運輸大臣拂下げ額を出しておいたのであります。殊に第一回國会請願いたしましたところ、さいわい衆議院におかれても御採擇をいただいたのでありますが、さらに本日その実現を期してここに再度請願いたす次第でございます。この鉄道は大正十二年七月十日に認可されまして、地方有志の出資によつて建設になりまして、昭和五年六月十六日に全線開通いたしたのであります。しかるに昭和十五年に鉄道省交通調整の大局からこれを合併しろということでございまして、そこで南海線阪和線と合併いたしたのであります。そうして地元は非常な便宜をいたしておりましたところが、たまたま昭和十九年五月一日を期して政府強制買上げをしてしまつた。これはまつたく電報一本で——これについては会社側には相当意見があつたのでありますが、当然総動員法というものが控えて、いかんともすることができなくて、むりやりに調印されたようなわけであります。このことにつきましても鉄道法によつて買收價格は五分利に還元方法であつたのでありますが、これがわずかに三分五厘のものしか交付されておらない、一分五厘の損失を受けているという状態であります。そういう見地から、ぜひともこれを一つ還元をしてもらいたいというのがこの請願趣旨であります。現在におきましてはこの阪和線は、地もと市町村長が非常に現鉄道運送方法に反対をしております。ぜひ会社経営にしてもらつて、以前のようにわれわれの足として使用したいということが、非常にやかましく叫けばれている次第であります。戰時中長い間運輸事業に精進してまいりましたものを、戰爭という一つの目的から、これを強制買上げをしてしまつたということでありますが、戰爭も済んだ今日、元の会社還元することは当然のことかと考えますので、政府におかれましても速やかにこれを元に還元していただきますようお取計らい願いたいのでございます。以上申し上げてこの運輸委員会委員各位の御賛成を得て御採択願うことを希望する次第であります。
  20. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  21. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 細川さんからの御提案に対してお答えいたします。省が戰時中買收いたしましたものは約二十ばかりありますが、戰前から國有鉄道編入を希望し、または必要として線ばかりでありまして、それがたまたま戰時中買收実現されたものが多いのであります。戰時中買收したものだから、戰爭が済んだからこれを民間に拂い下げろというお氣持はわかりますが、省といたしましては戰爭が終りましても、なほ買收当時の交通系絡上、あるいはその地方産業開発上から見まして、國有を依然として必要と考えている次第であります。具体的の線につきましては、その後の変化について一々ただいま研究中であります。御提案になりました阪和線は、御承知のように大阪と東和歌山をつなぐ單絡の線でありまして、將來とも紀勢西線、東線延長しまして通ずるならば、ますます利用の多くなる線であります。また五條から新宮まで行く五新線等將來計画としてありますが、これらができました曉は、現在の和歌山線では輸送力が一ぱいでありまして、阪和線をむしろ改修して貨物輸送力までつけても、どうしても國有鉄道外側線としての使命を果させなければならぬと考えている次第であります。地方には一部拂下げ意見もございますと同時に、また現状のまま國有鉄道一つとして運営しろという声もありまして、運輸省といたしましては、現在の実情、あるいは將來の見透し等によりまして、阪和線國有鉄道として運営していきたいと考えている次第であります。
  22. 細川八十八

    細川八十八君 政府の御趣旨はよくわかつたのでありますが、國有鉄道として必要のものでありまするならば——これが開通いたしましたのは昭和五年の六月十六日でございます。それが戰爭中の十九年になつて強制買上げをしたということなのであります。それでは、そういうことが必要であるからといつても、それが成り立たない。会社が得心ができないのであります。もしこれが國有鉄道として必要であるならば、もつとその以前に、これを納得のいくように買收をすべきであります。しかしながら納得のいく買收をしておらない。その買收の得心のいかないものを、政府の力によつてこれを強制買上げをしてしまうということは、民主主義に反し、憲法の趣旨に反するものであると私は強く叫ぶのであります。その点をどうぞ十分お考え願つて、こうした強制的に買い上げたものについては、一應考慮するということをお考えおき願いたいのであります。この点強く申し入れて、もう一度この点に対するお答えを願いたいと思うのであります。
  23. 原彪

    ○原(彪)委員 関連して……。この請願になりました線とは違いますが、第一國会のこの委員会に、私は鶴見臨港、青梅鉄道、奥多摩鉄道、この戰爭中に強制買收された鉄道拂下げに関しまして、請願趣旨の辯明をいたしたのでありますが、そのときに政務次官の御答辯は、現在の段階においてはその時期ではないというような御答辯でありました。しかしその当時運輸省の省議でもこれに反対されたということを私は傳え聞いております。しかしこの委員会におきましては、満場一致採択に相なつておるのであります。そのときにおいて私は鶴見、南部、奧多摩の問題と関連いたしまして、全國二十二社の強制買收されたことに関連して申し上げたのでありますが、ただいまも細川議員からのお話にあつたように、戰爭中の強制的な買收、さらにまたその評價方法が非常に穏当を欠いておつた。たとえばその会社財産である設備とかそういうものを算定に入れずに、営業利益というようなものから算定していつたというような非常に矛盾したやり方をとつておつた。しかもその会社というものは零細な地方民の株金の集りが多いのでありまして、さようなどちらかと申せば、個人の私有権を戰爭遂行のために強制的に取上げたというようなものは、終戰後の現在においては、それぞれの持主に返してやるということを私は強調をいたしたいのであります。しかも封鎖された國債を與えられて、その会社はつぶれるばかりに相なつて、それぞれほかの営業を営んで、現在ようやく余命をつないでおる会社がたくさんあるのでありまして、ぜひとも第二國会におきましては、拂下げの可能に相なるように運輸当局も再考慮していただきたい、かように思うのでございます。第一國会においても、満場一致國民の代表であるわれわれ委員会において採択になつたのでありますから、特にこの点を御考慮されまして、事情の許す限りにおいて拂下げの可能に相なりまするように当局もお考え願いたい、かように思うものでございます。細川議員のただいまの請願に関連しまして、一言申し上げまして、特段の御考慮をお願い申し上げたいと思います。
  24. 川野芳滿

    川野委員長 政府委員に御相談申し上げますが、細川議員から再度の御答辯を要求されております。御答辯ございませんか。
  25. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 ただいまのお説を拜聽いたしまして、十分事葉を再檢討いたしたいと思います。
  26. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次に移りますが、残余の各請願に対しましては、紹介議員がお見えになりませんので議事進行上、重井鹿治君より代つて紹介説明を聽取することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 川野芳滿

    川野委員長 それではそういうことにいたします。     —————————————
  28. 川野芳滿

    川野委員長 日程第一、岩内、黒松内間鉄道敷設請願小川原政信君紹介文書表番号第一号を議題といたし、重井君の紹介説明を願います。
  29. 重井鹿治

    重井委員 本請願の要旨は北海道岩内郡岩内駅から壽都都壽都町を経て同郡黒松内駅に至る地区は、本道水産の宝庫であり農・林・鉱産物の産出また大であります。しかるに本地区は交通不便のため、海陸資源は需要都市及び集散市場に移出できず、関係住民及び旅客の不便は大であります。ついては地方産業開発のため速やかに岩内、黒松内間鉄道の敷設をされたいというのであります。
  30. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  31. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 この鉄道は第九十二議会に両院で請願採択になつ路線でありまして、延長は約四十三キロの見込みでありますが、鉄道敷設法予定線になつておりません。沿線には相当の資源があるのでございますが、経過地は一貫して海岸地帶で、途中岩内、磯谷の郡界附近には險しい断崖がありまして、延長一キロ余りのトンネルと数箇所の中小トンネルができるほか、尻別川に長大な架橋を要する見込みであります。当局といたしましては、この鉄道將來輸送力増強の対象として考えられる線路ではありますが、目下の日本の現状から言いまして、資材予算の面から非常な制約を受けておりまする鉄道財政におきましては、早急実施は困難であります。なお本区間のうち磯谷、湯別間には、昭和二十二年十二月二十七日から省営自動車による区間貨物運輸営業を開始した南尻別村、西島牧村間線路が一部あるような状態でございます。
  32. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  33. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二、玉造、佐原間鉄道敷設請願山村新治郎紹介文書表番号第一一号を議題といたし、重井君の紹介説明を聽取いたします。
  34. 重井鹿治

    重井委員 本請願の要旨は、茨城縣玉造町より香澄村牛堀を経て千葉縣佐原町に至る本路線は、同地方農産物の輸送はもとより、豊富な資源の開発上重要なる路線であります。ついては速やかに本路線の敷設をされたいというのであります。
  35. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  36. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 本区間の延長は約二十七キロであります。このうち玉造、牛堀間は鉄道敷設法予定線高浜、延方間鉄道の一部でありますが、牛堀、佐原間は予定線になつておりません。途中には麻生町、香澄村字牛堀等の都邑もあり、また農産、水産等の資源のある所であります。沿線は潮來附近の水郷めぐり、香取、鹿島、息栖の三社めぐり等で観光遊覽客の多い所であります。経過地は霞ケ浦の西浦に面した湖岸でありまして、このうち玉造、牛堀間は地形も良好で大した建設上の支障もありませんが、牛堀、佐原間は低地でありますから、土工量も相当多く、また利根川、北利根川、奧利根川等に長大な橋梁ができる見込みであります。当局といたしましては現在資材予算等の乏しい情勢から見まして、急速に鉄道を敷設することは困難であります。なおこの請願と大体同一趣旨の鉾田、小見川間の請願もありますから、併せて研究いたしたいと考えておる次第でございます。
  37. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  38. 川野芳滿

    川野委員長 日程第三、鉾田、小見川間鉄道敷設請願山村新治郎紹介文書表番号第一二号を議題とし、重井君の紹介説明を聽取いたします。
  39. 重井鹿治

    重井委員 本請願の要旨は、茨城縣鉾田町より鹿島町を経て千葉縣小見川町に至る本路線の敷設は、両縣の交通はもとより、農産物の輸送に資し、かつ観光事業にも寄與する等、國家経済の復興に貢献するところ大であります。ついては速やかに本路線の敷設を実施されたいというのであります。
  40. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  41. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 本区間の延長は約四十一キロであります。このうちの鉾田、鹿島間は鉄道敷設法予定線水戸、鹿島間の鉄道の一部でありますが、鹿島、小見川間は予定線にはなつておりません。途中には鹿島町の都邑もあり、また農産物、海産物の豊富な地方でありまして、その他木材の産出も相当あります。潮來附近の水郷その他、同地方は観光ルートとしても非常に有望な地方でありまして、経過地はおもに鹿島灘に面した、東北の海岸地帶で、鉾田、鹿島間は大体高台地を通りますので、大した支障もございませんが、これも前の問題と同樣、鹿島、小見川間は低地でありますために、土工量も相当多く、その上日立川、利根川等に長大な橋梁ができる見込みでありますので、当局としましては、目下の資材予算の困難の折柄、急速にこの鉄道を敷設することには困難を感じておる次第でございます。今後資源開発と沿線の開墾、北浦の干拓等とにらみ合わせまして、十分研究いたしたいと考えておる次第であります。なお水戸から鉾田を経て鹿島に至る区間は、昭和二十三年二月五日から省営自動車の運輸営業が開始されておるのでございます。
  42. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  43. 川野芳滿

    川野委員長 日程第四、鉄道運送業改善に関する請願福永一臣紹介文書表番号第三四号を議題といたし、紹介議員紹介説明を聽取いたします。
  44. 重井鹿治

    重井委員 本請願鉄道小運送を改善する請願でございまして、熊本縣人吉商工会議所会頭滝沢義八ほか四十一名の請願にかかるものであります。その要旨は、鉄道貨物の運送取扱いは、その大部分が一駅一店制による日本通運の独占となつておるため、外部との関係も少く、全体的に事業能率が慢性的に弱体化され、独占による弊害がたいへん強いので、この際一駅一店制の鉄道小運送業を改善して、速やかに新規免許店を設置し、わが國小運送業の健全なる発達を期せられたいというのが、請願趣旨でございます。
  45. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対し政府側意見を聽取いたします。小幡政府委員
  46. 小幡靖

    小幡政府委員 小運送営業体制の民主化につきましては、かねてから研究を重ねておるところでありまして、目下も鋭意その研究を進めておるわけであります。このためにいわゆる通運事業法というものを制定いたす考えでありますが、この法案におきましては、公平な第三者の意見を聽きまして、免許基準を定め、その免許基準に適合する申請がありました場合には、特に欠格條件に該当するということのありません限り、免許を與えることにいたしたいと考えておりますので、右の法律が制定されますれば、請願の御趣旨はおのずから満足されるものと考えるのであります。なお附け加えて申し上げておきますが、この通運事業法の提出方につきましては、目下着々準備いたしておるのでありますが、関係御当局あたりとの折衝に相当に問題もあるようであります。万一この制定が間に合わないということがありましたならば、一駅一店制を改めて複数制にするということは、現行の法律におきましても可能なことでありますので、政府といたしましては、別途この事業法に盛られておる精神をくみまして、複数制の実施をいたしたいと考え、その方の準備も併せて進めておるわけであります。
  47. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し何か御発言がありますか。
  48. 重井鹿治

    重井委員 ただいま政府で立案されつつある通運事業法のお話がありましたので、この際特にお願いしておきたいのであります。いろいろ日通関係におきましても研究されておるようであります。また運輸交通産業に從事しておる関係経営者、あるいは労働組合におきましても研究されておるようでありまするので、この際当局にお願いしておきたいことは、ややもしますると当局だけが関係筋と接触されて立案され、それが一應國会へ出てまいりますとそれを修正することがなかなか困難になりますから、まず関係筋の方に御交渉なさる場合に、関係経営者、あるいは最も今日よく問題の起きます労働関係のもの、通運ならば直接関係ある日通労組、その他現在全國的に運輸交通労働組合というものが産業別に組織されつつあるような状況にありますので、そういう方面とも積極的に御交渉なさいまして万全を期して——そしていよいよ國会に出る場合には、われわれ愼重審議しますけれども、なるたけ阻害のないように、あらゆる方面を勘案して立案されることを切にお願いしておきたいと思います。
  49. 小幡靖

    小幡政府委員 御趣旨のほどはよくわかりました。すでに現在でもそういう氣持関係方面ともよく相談はいたしておるつもりでありますが、なお今後とも一層御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
  50. 川野芳滿

    川野委員長 ほかにございませんか。——それでは次に移ります。     —————————————
  51. 川野芳滿

    川野委員長 実は日程第二三、千葉、木更津間電化請願文書表番号第一六一号、紹介議員冨田照君がお見えになりましたので、日程を変更いたしまして第二三をこの際議題にいたしたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 川野芳滿

    川野委員長 それでは日程を変更いたしまして、日程第二三、文書表番号第一六一号を議題とし、紹介議員富田君の紹介説明を聽取いたします。
  53. 冨田照

    冨田照君 ただいまお取上げを願いました房総西線の電化実現のことにつきましてお願いを申し上げたいと思います。御承知通り房総西線はかつてガソリン・カーが運轉されておつた所でございまして、戰爭のために中止になつておる関係にありますが、終戰前後を通じまして、大都会からの疎開者あるいは戰災者、その後におきましては引揚者、こういう人たちが東京、横浜に近いために非常に多く移住してまいりまして、沿線の人口が急激に増加いたしたという実情にあります。のみならず沿道十万人の人たちが熱心に調印いたしまして、その筋の方へはすでに陳情にまかり出ておるような次第でありまするが、國会を通じてぜひこれが実現を促進したいという熱情をもつて請願申し上げる次第であります。現在この木更津、千葉間の線路を利用いたしておる通勤者、あるいは戰災によつて住宅難、食糧難等の関係から通学いたしておる、定期券による人々がきわめて殖えてまいりました。そのほかまた農産物にいたしましても、林産物にいたしましても、あるいは房州を控えまして、水産物等が東京、横浜地方の消費都市へ非常に多量に運ばれておるようなわけであります。その上に、將來を考えますと、三浦半島と房総半島とを結ぶこの地点がいわゆる観光地帶としての重要性をもつておりますことは、すでに皆さんのお認めくださるところであろうと存じます。その上現在その終点になつております木更津は、関係方面とのことがありまして、この関係も非常に復雜なものがございます。こういう点からいたしまして、かつてガソリン・カーが通つておつたものを、一時中止しておつたという実情をお考え合せくださいまして、できるだけ早く、この線の電化を実現させていただきたい、こういう意味をもつてお願いいたす次第であります。どうぞこの委員会におかれましても十分御審議くださいまして、これを御採択され、一日も早く実現して、この請願の目的を達成いたしますように、お願いいたす次第であります。
  54. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  55. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 富田さんから御説明がありましたように、房総西線の地方は戰前はガソリン・カーもありまして非常に便利でありましたが、戰時中ガソリン・カーがなくなり、殊に東京方面からの戰災者が疎開いたしまして、あるいはこれに加えて引揚者等も移住してまいりました関係で、沿線の各町村、小湊鉄道あるいは久留里線両社の定期通勤、通学者が非常に殖えておりますことは事実であります。また農林水産物の京浜地方への補給地であり、また將來有望な観光地であります。殊に木更津は先ほど申されたように、特殊の関係もあるのでありますので、われわれとしても目下現地について電化の精密な調査研究をいたしておりますが、予算資材関係もあり、早急に工事を実施するということは、困難な事情にあることを御了解願いたいと思います。
  56. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  57. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二一、函館、奧尻間航路開設費國庫補助請願文書表番号第一五一号、冨永格五郎紹介議題といたし、重井君の紹介説明を聽取いたします。
  58. 重井鹿治

    重井委員 本請願は函館、奧尻間航路開設費國庫補助請願でございます。その要旨は、函館奧尻間の命令航路は戰時中船舶不足のため廃止されたのでありますが、本航路による海上運送は迅速かつ経済的であり、これが復旧は沿岸関係地方民の熱望するところでありましたが、來る四月からその運航が実施される予定であります。ついては当航路補助金五千万円を國庫の予算に計上されたいというのであります。
  59. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  60. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 お答えいたします。奧尻、江刺間におきましては、現在補助金を交付いたしまして航路を実施いたしております。二十三年度も同樣補助金を計上しております。しかしただいまお話のありました函館、奧尻間につきましては、相当航路の延長になるのでありまして、今日旅客船に対する燃料事情が非常に窮屈でございまして、現在でも從來の約一割五分程度の削減を余儀なくされておりまして、現に運航しておるものも相当休航しなければならぬものがあるわけであります。從いましてこの線の実施は相当困難な事情にあるわけであります。しかし私どもといたしましては、北海道廳その他とよく連絡いたしまして、燃料事情から見まして、その航路の実施についてなお研究いたしてまいります。なお補助金でございますが、航路補助金全体が二十二年度におきましては、わずかに三十四万円程度でありまして、二十三年度におきましてもそう多額は望めない、かように考えております。殊に新しい航路に対する補助というものが非常に困難な事情にありますので、私どもといたしましてはなお十分研究いたしますが、回航路に対する今後の補助は非常に困難ではないか、かように存じております。
  61. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  62. 川野芳滿

    川野委員長 では日程第一七、松戸、平間電化促進請願小沢專七郎紹介文書表番号第九一号を議題とし、原彪君の紹介説明を聽取いたします。
  63. 原彪

    ○原(彪)委員 ただいま議題となりました松戸、平間の電化促進の請願は、小沢專七郎君に代りまして私から御紹介申し上げたいと存じます。私は第一國会の本委員会におきまして、この常磐線の沿線でありまする松戸、取手間、松戸、土浦間、松戸、水戸間の三つの紹介議員として本委員会に御紹介申し上げましたところ、運輸当局よりは非常に好意的な御答辯がありまして、その後この委員会において再質問いたしましたときに、田中政務次官から、とりあえず取手まで電化する用意ありという御明言をいただきまして、まことに感謝いたしておるものでございます。申し上げるまでもなく國鉄再建の一環として、大きく電化をお取上げになるという当局の御方針は、われわれの非常に喜びにたえないところでございます。大体当局の御方針としては、第一年度は松戸、取手間、さらに第二年度はそれを延ばして水戸ないし日立間、さらに平まで次年度にはお延ばしになるというような方針を内々承つておるのでございますが、前の委員会におきまして、私はこれを御紹介申し上げるにあたりましては、詳細にわたつて計数的な基礎その他都市の事情につきましても御了解を求めたのでございますが、松戸、土浦間は、計数的におきましても全國への混雜地区でありますし、また東京の環状都市としての土浦といたしまして、ぜひ電化しなければならぬというわれわれの熱意からいたしましても——地元民の熱意からいたしましても、ぜひお取上げ願わなければならぬ問題でございまして、さいわいに運輸当局もこの事情を十分御了察くだされて、着々とその方向に向つてお進みになつているということは、まことに喜びにたえないところでございます。小澤專七郎君紹介の平までの電化促進につきましては、土浦までは環状線として交通上の混雜とか、その他いろいろな條件がございまするが、平までといたしますれば、さらに常磐炭田を控え、あるいはまた漁業の問題、あるいは茨城縣の農産物、福島縣の農産物の関係、さらにまた日立の工業地帶の問題もございますし、諸種の重要な電化せねばならない要素を含んでいると思うのでございまして、当局の御好意ある御配慮もありますが、さらに延ばして、ぜひとも早急に平までお進め願いたい、かように思うものでございます。小澤議員に代つて一言御紹介申し上げる次第でございます。
  64. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。藪谷政府委員
  65. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 鉄道の電化方針につきましては、從來は隊道、勾配区間の多い山間部を第一に考えておつたのでありますが、敗戰日本の現状から見て、石炭資源の節約を考えねばならないという情勢下に至りましては、石炭節約の意味から申しまして、まず交通量の多い所、すなわち石炭消費量の多い所を重点的に考えるように方針が修正されたのであります。そこで五箇年計画として、まづ主要幹線を千二百キロ余り、勾配線路を二百キロ程度考慮しているわけであります。今、原さんの御紹介になりましたこの線区は、この見地からいつても非常に有力な線でありまして、御指摘になりました常磐線の乘車効率も二倍近くになつております。と申しますのは、御承知のように日本で有数の常磐炭田を控えて、石炭の動きと同時に人の動きがある。それに加えて東京方面の戰災者、引揚者が通勤、通学者として現われてきている非常に交通量の多い線区であります。從つて鉄道当局としても、本年度にはぜひ松戸、平間の中で、松戸デ取手間まで電化工事に着手いたしたい、こう考えてできるだけ早く着手したい心持で準備を進めております。  次に平までの電化の延長でありますが、これもできるだけ早く工事を進めたい。工事の時期については資材予算等との関係を考慮いたしまして、なるたけ早く実現をいたしたいと思いますけれども、本年度には実現が困難でありまして、その点を御了解願いたいと思います。
  66. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し何か御発言はございませんか。
  67. 原彪

    ○原(彪)委員 ただいま藪谷局長から松戸、取手間は本年度中に実現したいというお言葉でありまして、まことにありがたいことでございますが、さらに地元民の熱望しますところは、もう一足土浦までお延ばしあらんことを特にお願い申し上げておきたいと思います。
  68. 川野芳滿

    川野委員長 それでは次に移ります。     —————————————
  69. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第五、白山、新発田間鉄道速成請願渡邊良夫紹介文書表番号第三六号を議題といたします。井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  70. 井谷正吉

    井谷委員 白山、新発田間鉄道速成請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、越後線白山駅より新潟駅を経て羽越線新発田駅に連絡する白新線は、その沿線は越後平野の主要な地帶で、豊富は農産物に惠まれ、かつ縣下第一の淡水魚類の生産地としても親られているので、これが開通すれば産業の開発はもとより、神戸、青森、仙台東京等との捷路となり、交通網が完備されることになる。ついては該路線鉄道を速やかに完成されたいというのであります。
  71. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を爵取いたします。藪谷政府委員
  72. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 白山、新発田間の鉄道速成の件でありますが、この鉄道昭和十一年の三月、第六十議会におきまして、輸送力増進を目的として建設費予算に計上された線であります。その中で関屋、新発田間はすでに工事が完成いたしまして、昭和十八年十一月から貨物輸送の営業を開始いたしており、また新潟、上沼垂間と大形、新発田間は護岸工事に着手いたしましたが、戰時中資金、資財その他の関係から工事を一時中止いたしておるような状態であります。当局といたしましては、二十三年度も建設工事は全面的に中止のやむない状態でありまして、この鉄道についても何とかして一部でも工事を再開したい希望はもつておりますが、目下の國内事情では、この一両年中に工事を再開することは至つて困難な事情にあることを御了解願いたいと思います。
  73. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御発言はありませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  74. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第六、小川村江田に停車場設置請願、關内正一君紹介文書表番号第四二号を議題といたします。井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  75. 井谷正吉

    井谷委員 小川村江田に停車場設置請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、磐越東線小川郷、川前両駅間は十六キロ余もあつて、通勤、通学者はもとより、一般地方民の不便また大である。しかも右両駅間にある背戸峨廊と称する景勝地も、交通不便のため十分なる効自をあげていない。ついては該両駅の中間に位する小川村元江田信号所跡地に停車場を設置されたいというのであります。
  76. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。藪谷政府委員
  77. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 盤越東線小川郷、川前両駅間の元江田信号所跡に駅設置の御要望であります。同区間は今御説明があつたように十六キロという磐越東線中最も長い区間ではあります。また江田信号所がありました当時は、一時例外的に観光季節には列車を臨時に停車せしめて、観光客の便をはかつたこともあるのでありますが、その後いろいろの事情でこの施設を撤去してしまい、現在はその取扱いはいたしておりません。そこに駅を設置し、旅客の取扱いをするのには、現在の線路のほかに、旅客取扱いのための側線を設置することを必要といたしますので、現在のごとく資材の需給状態の逼迫した状況におきましては、実現が急速に困難であるということを御了解願いたいと思います。
  78. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し、何か御発言ありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  79. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第七、高岡市の西地区停車場設置請願橘直治君紹介文書表番号第四八号を議題とし、井谷君の紹介を求めます。
  80. 井谷正吉

    井谷委員 高岡市の西地区停車場設置請願の要旨を申し上げます。富山縣高岡市は北陸唯一の商工都市であり、非戰災都市として、本縣西部の物資の集散地で、貿易再開による伏木港の進展とともにその発展は目ざましいものがある。しかるに現在の高岡駅はその規模狹小で設備不完全のため、貨物の停滯、乘客の混雜等、きわめて不利不便の点が多い。ついては大高岡建設の第一歩として本市の西部に停車場を新設されたいというのであります。
  81. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  82. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 北陸本線福岡、高岡間に駅設置の御要望につきましては、先般も運輸省に高岡市の有志の方及び立野村の有志の方々が参られまして、おのおのその立場々々からの御説明がありましたので、現地の御事情につきましては十分承知しているつもりでありますが、御承知のようにこの区間は八キロ八分で、その附近としましては、比較的長い所であります。しかしながらこの区間に二つの停車場を設置しますことは、現在の交通事情その他から考えまして、すこぶる困難な事情にあるのでございます。高岡市当局の御説明によりますと、高岡市の西の端に貨物駅を設置して同市の発展のために、物資の集散を円滑にするとともに、高岡駅の救済策を講ぜられたいというのであります。これに対して地方立野村の方は、通勤、通学者の救済のために旅客駅を設置されたいというのであります。この地方のように雪の深い土地では、冬季は鉄道以外交通機関が杜絶するために、非常にお困りであることは十分拜察するのでありますが、かくのごとく一区間に二つ以上の御要望がございまして、一つ意見にまた一致を見ていないというような点もありまして、今ただちに両者の御希望を同時にかなえることは非常に困難な事情にあることを御了解願いたいと存じます。
  83. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか——なければ次に移ります。     —————————————
  84. 川野芳滿

    川野委員長 次に日程第八、猪谷、船津間鉄道敷設請願岡村利右衞門君ほか一名紹介文書表番号第五八号を議題といたします。井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  85. 井谷正吉

    井谷委員 本請願の要旨は、鉄道予定線たる高山線猪谷駅より岐阜縣船津町に至る区間は、東洋一を誇る船亜船鉱と約十万町歩の末開発の山林とを有する外、米、繭の産多く、かつ高原川の溪谷美と各所に湧出する温泉等あり、山岳観光の地域でもあるが、交通機関不備のため、その発展を阻害されている。ついては速やかに該区間の鉄道を敷設されたいというのであります。
  86. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  87. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 井谷委員の御説明にかかる猪谷、船津間鉄道敷設の件でありますが、この線路は鉄道敷設法予定線でありまして、延長約十八キロに及ぶものであります。沿道は鉱業、林産の資源がきわめて豊富でありまして、現在猪谷駅から船津を通つて浅井田まで三井鉱山会社の経営の鉄道がございまして、貨物輸送をいたしておるわけであります。経過地は断崖丘陵の多い高原川の流域でありますので、延長二キロ以下の隧道が十箇所必要であるというほか、宮川高原川等に長大な橋梁を必要といたしますので、当局としては現在の國内事情から見て、資材等の面から本鉄道敷設をすることは非常に困難があることを御了解願いたいと思います。
  88. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  89. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第九、津軽半島環状鉄道敷設促進請願文書表番号第五九号、紹介議員出崎岩男君を議題といたし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  90. 井谷正吉

    井谷委員 津軽半島環状鉄道敷設促進請願の要旨を申し上げます。青森縣は森林縣といわれ、その豊富なことは他の追随を許さないのであります。特に楮は下北、津軽両半島に分布し、わが國三大美林の一に挙げられているのでありますが輸送の便惡しく、これら豊富なる資材が山元に滯貨している状態であります。またこの方面の水産加工品、林産加工品等も同樣の状態にある。ついては速やかに青森市を起点として東津軽郡三厩に至る津軽半島環状鉄道の敷設をされたいというのであります。
  91. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府委員意見を聽取いたします。
  92. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 この青森、三厩間は第六十九議会に資源開発のために建設費予算に計上された青森、五所川原間鉄道の一部でありまして、沿線一帶はほとんど國有林で、そのうち青森、蟹田間は路盤工事は竣工しております。蟹田、三厩間がまだ竣工までに至つておりませんが、これも相当路盤工事はできております。しかしながら資材その他の関係から工事を一時中止しておる現状であります。当局といたしましては、二十三年度の建設工事は全面的に工事中止のやむを得ない状態にありますが、この鉄道についても一部なりとも工事再開をいたしたい希望はもつております。けれども目下の情勢は、ここ一両年中に工事再開は非常に困難であることを御了解願いたいと存じます。
  93. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  94. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一、郡山、白石間鉄道電化請願文書表番号第六五号、紹介議員原孝吉君を議題といたし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  95. 井谷正吉

    井谷委員 郡山、白石間鉄道電化請願の要旨を申し上げます。わが國重要幹線の一である東北本線中、郡山、白石間は、東京青森間中最大の急勾配を有し、東北本線輸送上の難点をなしておるのであります。輸送の円滑を欠くごときわめて大であります。しかも同区間に要する石炭は非常に多量に上り、また機関車の散火による鉄道沿線の火災の数も少くないのであります。ついては同地方に惠まれた豊富なる電力を利用し、該区間鉄道の電化を実現していただきたいというのであります。
  96. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  97. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 郡山、白石間の電化につきましては、現在の東北線の輸送状況から見まして御指摘のように輸送量増強の立場から当然考慮さるべき線区でありまして、目下当局におきましてもそういう意味におきまして鋭意調査研究を進めておりますが、何分資材予算関係等によりまして、急速に実現ができないことを遺憾とするものであります。
  98. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言がございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  99. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一三、福島市、中村町原釜間國営自動車運輸開始の請願中野寅吉紹介文書表番号第六八号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  100. 井谷正吉

    井谷委員 福島市、中村町原釜間國営自動車運輸開始の請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、福島縣廳所在地の福島市と、太平洋沿岸の最も優良な漁業地としての相馬郡中村町原釜間に國営自動車を運行して農山漁村の発展をはかることは、日本産業再建のため緊要である。ついては速やかに該路線國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  101. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  102. 小幡靖

    小幡政府委員 中村町原釜は漁業の点から考えて、太平洋の最も優位な地点である。それと福島とを結びたいというお心持はよく了解できるのでありますが、先ほどから申し上げました通り國営自動車の運行ということにつきましては、目下の情勢では予算資材関係で早急に実現は困難かと考えられまするので、現在この路線には福島電鉄会社バスが一日二往復運轉しているのでありまするが、この福島電鉄会社バスの増強をはかりたいと、目下のところでは考えておるのであります。
  103. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次の日程に移ります。     —————————————
  104. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一四、荒海滝原間鉄道敷設請願、中野寅君君紹介文書表番号第八五号を議題といたし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  105. 井谷正吉

    井谷委員 荒海滝原間鉄道敷設請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、野岩線田島、今市間鉄道については着々延長実現し、昭和二十二年度には会津線田島線より荒海間に至る間に鉄道の開通を見たが、これを路盤はすでに完成し、軌條を敷設することをもつて足りる、わずか八キロ離れた滝原まで延長することは、奥地重要実源の開発を期する上において大なる意義がある。ついては荒海、滝原間の鉄道を敷設されたいというのであります。
  106. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  107. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 ただいま御紹介になりました荒海滝原間鉄道敷設請願でありますが、荒海、滝原間は第六十九議会におきまして資源開発並びに運輸系絡上の見地から、建設費予算に計上されました今市、田島間鉄道の一部であります。毎長約八キロで路盤工事は竣工しておりますが、資材その他の関係から工事中止のやむなきに至つておりまして、目下のところ二十三年度も工事再開は非常に困難であります。なお滝原、今市間延長約五十キロはまだ線路の設定は済んでおりませんが、最近途中の五十里附近の鬼怒川に洪水の調整を目的とする築提が建造の予定ということを聞いておりますので、もしこれが実現するとすれば、この鉄道敷設に対して大きな影響を與えることになりますから、その点につきましては関係の向きと連絡をとつて研究いたしたいと存じます。
  108. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  109. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一五、篠山、菟原駅間並びに宮田を分岐点とする大山駅及び大山村の間に國営自動車運輸開始請願佐々木盛雄紹介文書表番号第八七号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  110. 井谷正吉

    井谷委員 篠山、菟原駅間並びに宮田を分岐点とする大山駅及び大山村の間に國営自動車運轉開始の請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、兵庫縣多岐郡篠山町西北部地方は木材、木炭、米、麦等、農林生産物が同郡の大半を占めるにかかわらず、交通の便が不備のため、産業発展に大なる支障を來している。ついては篠山町を経て、兵庫縣多紀郡岡野村、南河内村、北河内村、草山村を経て京都府天田郡菟原村に至る園福線菟原駅に達する路線並びに兵庫縣多紀郡北河内村宮田より分岐し、福知山線大山駅及び大山村に達する間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  111. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府意見を聽取します。
  112. 小幡靖

    小幡政府委員 篠山町の西北部は特に物資の非常に豊富な所であるにかかわらず、東南部に比べて交通が不便であるということ、御請願の御趣旨はごもつともと思います。また園福線、園篠線の短絡線といたしましても、本路線は意義のある路線であると考えておるのでありますが、何と申しましても現在の予算資材から申しますと、これが実現は早急には困難であるという点を御了承願いたいと思います。
  113. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  114. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一八、武生、城崎間國営自動車運輸開始請願長谷川政友紹介文書表一〇六号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  115. 井谷正吉

    井谷委員 武生、信崎間國営自動車運輸開始請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、福井縣南條郡武生町は、同郡及び丹生、今立三郡の物資の集散地であり、又丹生郡四ケ浦町は縣下第一の漁場で、その漁獲物及び加工品は縣外へも移出されている。さらに武生町と四ケ浦町とを結ぶ沿線には豊富の水・林・農産資源がある。しかるに本地方交通機関に惠まれず、関係住民の不便は大である。ついては武生町より四ケ浦町城崎に至る線路に國営自動車の運輸を開始されたというのであります。
  116. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  117. 小幡靖

    小幡政府委員 御請願趣旨にあります通り、現在不便を忍んで福井鉄道を選んで、ようやく往來しておるという実情にあることは、まことにお氣の毒に存ずるのであります。しかしながら現在のところ早急には実現困難かと思いますので、現在民間の業者が営業しておりますので、この改善強化策をはかりたいと考えておる次第であります。
  118. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対し何か御質疑はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  119. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第一九、米良線を三納代駅まで延長請願内藤友明紹介文書表番号第一二六号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  120. 井谷正吉

    井谷委員 米良線を三納代駅まで延長請願の要旨を申し上げます。本請願の要旨は、宮崎縣兒湯郡湯の前と妻とを結ぶ國営バス米良線は、日豊本線との連絡がないためその不便苦痛は言語に絶するものがある。ついては該線を妻より延長して上新田を経て日豊本線三納代駅に直結されたいというのであります。
  121. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  122. 小幡靖

    小幡政府委員 湯の前から妻までを米良線が現在つないでおりますが、妻から本線までの間、これが支線なつているために実に不便がある、これを直結させたいという御趣旨と拜するのでありますが、妻から上新田を経て三納代へ通ずる路線は、沿道に非常に物産が多くて、しかも最短の経路であるという点から申しまして、私どもとしてこれは相当に考慮すべき線であると考えております。早急の実現についてはもちろんお約束できませんが、十分考慮いたしてみたいと考えております。
  123. 川野芳滿

    川野委員長 本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  124. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第二〇、名古屋、岡崎間國営自動車運輸開始請願紹介議員酒井俊雄君。文書表番号第一三四号を議題として、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  125. 井谷正吉

    井谷委員 名誤屋、岡崎間國営自動車運輸開始請願の要旨を申し上げます。岡崎市より矢作町、高岡村、東郷村及び八事を経て名古屋市に至る路線は、名古屋、岡崎を結ぶ最短路線で、沿線は一帶は住宅、公園の適地が多く、また岡崎、名古屋両市への通勤、通学者も非常に増加しつつあるが、交通の不便はこれが発展を阻害している。ついては速やかに該路線國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  126. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  127. 小幡靖

    小幡政府委員 この線も一々ごもつともな御希望であると考えます。御承知通り現在この路線は、名古屋鉄道会社の営業路線なつているのでありますが、目下のところこれは休止の状態なつております。國営自動車の運行いたしますことは非常に困難が予想せられますので、名古屋鉄道会社の休止路線、これを復活させることに努力した方が実現が早いのではないかということも考えたのでありますが、この点についてはまだ十分研究の足らない点もあると考えますので、十分に研究をいたした上でもつて善処をいたしたいと思います。
  128. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  129. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二二、石巻、鹿島台間國営自動車運輸開始請願紹介議員内海安吉君、文書表番号第一五四号を議題とし、井谷君の御説明を願います。
  130. 井谷正吉

    井谷委員 石巻、鹿島台間自動車運輸開始請願の要旨を申し上げます。石巻市から縣立公園旭山を経て東北本線鹿島台駅に至る路線は、交通頻繁で、沿道には蔬菜の生産地あり、穀倉大崎を控えて、物資運送上きわめて重要である。また、近ごろは進駐軍を初め旭山に來遊する者が増加しているが、東北本線並びに石巻駅より遠距離のため不便が大である。ついては該路線間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  131. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  132. 小幡靖

    小幡政府委員 この路線の大部分は仙北鉄道会社バス路線でありますが、その大半は現在運休いたしておりますので、地もとの方々にはさぞかし御不便なこととお察し申し上げます。しかしながら國営自動車の運行については非常に困難が予想せられますから、この仙北鉄道株式会社の民當自動車の育成に努めた方がいいのではないかと考えております。
  133. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対し何か御発言はございませんか。——次に移ります。     —————————————
  134. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二四、下関、小郡間電化請願坂本実紹介文書表番号第一六三号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  135. 井谷正吉

    井谷委員 下関、小郡間電化請願の要旨を申し上げます。基礎産業再建のため石炭の消費量を節約し、しかも輸送能力の増大とその効率化をはかるため、國鉄電化が実現されつつあるが、山陽本線の下関より小野田を経て小郡に至る太間は、商工業、文化の中心地帶で、貨物の輸送はもとより、通勤、通学者の数は多大で、將來ますますその増大が予想される。ついては現在の電化区間たる門司、下関間を小郡まで延長されたいというのであります。
  136. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします
  137. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 下関、小郡間の電化につきましては、現在の関門電化の延長の点から見ますと、まつたくごもつともな御要求でありますが、電化の新方針としまして、山間勾配区間のほかに、交通量の多い主要本線からやつていくということになつております。そういう点から見まして、この区間は交通量は多いのでありますが、比較的九州の炭田に近いわけでありまして、そういう趣旨から申しますと、なるたけ炭田に遠い主要幹線の区間から着手することになるのが当然であります。その点において、この区間については一應の考慮はすべきでありますが、先ほどから申し上げたように資材予算の面から見まして、ただいまのところでは急速に実現は困難でありますが、この障害がなくなりますれば、漸次本区間の電化も將來としては、大いに考慮すべきだと存じております。
  138. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  139. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二五、幸崎、中判田間國営バス輸開始請願、海林時雄君紹介文書表番号第一七九号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  140. 井谷正吉

    井谷委員 幸崎、中判田間國営バス輸開始請願の要旨を申し上げます。日豊線幸崎、豊肥線中判田の両駅を結ぶ二十四キロの道路は、運輸交通に重大な役割を演じているが、その交通機関としてはまつたくなく、住民の不便はこの上もない。しかも終戰後沿線一帶の産業の復興は著しいが、輸送難のため山材のごときは著積のまま各地に腐敗している。一方軍関係の諸施設が平和産業に轉換発足したため、ますます交通機関の必要を見るに至つた。ついては速やかに該区間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  141. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  142. 小幡靖

    小幡政府委員 事情はよく了承しております。現在佐賀関、幸崎間の國営自動車を実施をいたしておりますので、佐賀関線の現況とにらみ合わせて目下研究中でありますが、この区間には一部民営の自動車が運行しておりますので、いずれ道路運送委員会にお諮りをいたしてみたいと考えております。
  143. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  144. 川野芳滿

    川野委員長 日程第二六、大野、三重間國営自動車運輸開始請願紹介議員梅林時雄君、文書表第一八二号を議題とし、井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  145. 井谷正吉

    井谷委員 大野、三重間國営自動車運輸開始請願の要旨を申し上げます。大分縣大野郡北部は民営バスがあるのみで、南北を連絡する交通機関がない。しかるにその中心に位する大野町は縣下有数の農林産物の生産地で、多くの物資を移出し、相当量の生活必需品を移入している。また本町と三重町とは密接な関係を有しているが、戰時中物資難のため民営バスの運行も中止され、滯貨がはなはだしく、両町の交通に多大な支障を來している。ついては大野町と三重町の間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
  146. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  147. 小幡靖

    小幡政府委員 三重町と大野町と、相当大きな地方中心地でありながら、この間の交通がとだえるということは、非常に御不便なこととお察し申し上げるのであります。現在の臼杵から三重町までは臼三線が國営自動車として運行いたしておりますので、この臼三線の延長路線として目下門司鉄道局とも相談をし研究をいたしておりますが、しかしながら現在の予算資材から申しまして早急の実現はやはり困難じやないかと考えております。
  148. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何が御発言はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  149. 川野芳滿

    川野委員長 次は日程第二七、緒方、日向長井両駅間に鉄道敷設請願梅林時雄紹介文書表第一八三号を議題といたします。井谷君の紹介説明を聽取いたします。
  150. 井谷正吉

    井谷委員 緒方、日向長井両駅間に鉄道施設の請願の要旨を申し上げます。大分縣大野郡は木材、木炭、満俺鉱、大理石、ドロマイト、石灰石、錫鉱、硅石、金鉱、タングステン、天然炭等諸種の物資を包藏する宝庫にもひとしい地方であるが、交通の便はなはだ惡く、これら物資の搬出に非常な困難を感じ、地方の発展を阻害すること大である。ついては豊肥線緒方駅と日豊線日向長井駅を通ずる鉄道線を敷設されたいというのであります。
  151. 川野芳滿

    川野委員長 次に本請願に対する政府側意見を聽取いたします。
  152. 藪谷虎芳

    藪谷政府委員 豊肥線の緒方駅から日豊本線の日向長井駅に至る線路は鉄道敷設法予定線にはなつておりませんが、延長は四十七キロばかりある見込みであります。この線路はまだ十分には調査いたしませんが、沿線には林産、鉱産等の資源も相当ありまして、現在では日向長井駅から北川に沿つて小野市村字小日平まで延長約十五キロに営林署の森林鉄道がございます。この線路は途中数箇所の字名を指定して請願されておりますが、地形上から見まして線路の勾配、曲線半径等を考慮するときには、指定通りの所を通ることは困難であります。線路の経過地は日豊線寄りの方は北川の流域にありますので地形は幾分よろしゆうございますが、その他は山間部でありまして、合川白村界及び梅津越附近は複雜な地形で、いずれも延長二キロ余の隧道のほか、二十数箇所の隧道を掘らねばならぬような困難な地形であります。当局といたしましては目下の國内事情では、さしあたつてこの鉄道を敷設することは困難でありますけれどもお話の日向長井駅から三重町、または牧口に至る二つの線路も考えられますので、今後愼重に比較研究いたしたいと考えている次第であります。
  153. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本請願に対して何か御発言はございませんか。
  154. 重井鹿治

    重井委員 これに関連して聽きたいのであります。私岡山縣でありますが、過日新聞を見ておりましたところが——岡山縣の南部、宇野線の宇野駅から南部地帶は企業地帶でありまして、岡山縣のかなり産業の盛んな所でございます。その地方鉄道を敷設してもらいたいという要求は、もう二十年來の要求であつたのでありますが、最近それが南備鉄道というのが認可になつた、そして近く株式を募集する。こういうような新聞記事が出ておりました。はたして認可になつたかどうかよく存じないのでありますが、こうした國有鉄道としての請願相当出ておりますときに、私鉄が認可になる。そうすれば、もし私鉄として資材あるいは資金があると認可される可能性があるのかどうか。なお私鉄を認可される場合は、当局のお考えによつてできるのか。あるいは鉄道会議その他どういう機関を通じて認可になるのか、そういうことを関連してこの際お聽きしておきたいと思います。
  155. 小幡靖

    小幡政府委員 私設鉄道の認可の承認を求めてまいりましたときに、現在といたしましては、認可と工事の施行認可とは別でありまして、土地のいろいろの事情の関係で、認可だけはとりあえず得ておきたいという請願がよく出てまいるのであります。たとえて申しますと、路線を敷設する土地が、復興計画などに載つてどんどん建物を建てられるということになりますと、あとでもつて線路を敷きたいというときに故障になりますから、とりあえず、そこの所だけは線路の敷設用地として残しておきたい、こういつたような要求も出てまいるのであります。これは一應ごもつともと思えるので、かりにすぐ工事ができぬといたしましても、その線路敷に予定せられる所に、相当強固な建造物を建てるということをやめてもらつて、すぐにでも取壊せるといつたものを建てる、こういうような考え方もあると思いますので、將來特につくることが必要だと認められるものについては、一應これを認可するという方針をとつております。但しいよいよ工事を施行するという場合になりますれば、これはもちろん金の面、資材の面でこれの裏づけがなければなりません関係相当困難であり、また実際にやるということになりますと、関係御当局の方の承認も得なければならぬ。こういうことになりますので、実際の工事施行ということになりますと、必ずしも容易ではないと考えますが、一應路線を敷設する点だけの認可は運輸省の方でいたしております。
  156. 重井鹿治

    重井委員 御参考までに、そういうことを認可なさる場合に御考慮願つておきたいことがあるのであります。実は、これまた岡山縣でございますが、バスの乱可をもつております。そしてそれは現在運行いたしておりません。ところがそのバスの線況に並行して、戰時中運需会社会社線があつたわけであります。その会社線は、岡山縣の最も産業地帶に面した鉄道路線なのであります。その路線が私鉄として認可になることによりまして、瀬戸内海の沿岸でございますが、あそこが開港になり、そこまで鉄道が私鉄として認可になりまして、運輸事業を吸われるということになりますと、その地方の発展はもちろん、四國あるいは九州とも連絡いたしまして、たいへん運輸交通上好都合になるのでありますが、バスの認可をもつております関係上、この会社線を私鉄として認可してもらおうとする場合に、路線をもつておるバス会社がかなら物を要求をしておるというような話もあるのであります。認可されてただちに運行ができるというような見透しのつくものはいいのでありますが、そうした権利だけ與えておきますと、そういうような弊害が出てくるのであります。その点はよく御考慮の上御認可あらんことをお願いいたしたいと思うのであます。
  157. 川野芳滿

    川野委員長 これにて日程請願審査を終了いたしましたが、その議決は後日に讓ることにいたしまして、本日はこの程度にして散会いたしたいと存じますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 井谷正吉

    井谷委員 この次の委員会に、私は大臣に緊急質問を二問題ほどいたしたいと思いますから、どうぞ大臣が御出席になるようにお取計らい願いたい。
  159. 川野芳滿

    川野委員長 それでは次会は公報をもつて御通知申し上げることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十二分散会