○
加藤委員長 ただいま
明禮君から御発議がございましたが、ただ
東京都の場合は、
運営委員会にかける必要がないのでありまして、これは自由になし得るわけであります。ただ問題は
あとで申し上げようと思いましたが、ついででありますからこの
機会に申し上げたいと存じますが、実は本
委員会としては、從
來ややもすれば、この
委員会が單なる
世耕事件のためにできたものであるがごとく、あるいは
隠匿物資を
摘発するその
調査が重要なる
任務であるがごとくに、世間からも多少誤解をも
つて見られておる点があるかと思います。ところが、本
委員会の使命は、第一次
國会において
委員会が構成されましたときに、明らかになりましたように、あくまでも
日本の現在の情勢から、経済的にも政治的にも法律的にも、ほとんど悪の根本
ともいわるべき
軍需物資の行方を追究し、これがいかに
処理されたかというところに、多くの不正なる好ましからざる
事態が起
つておりますから、そういう点を
調査摘発して
國民の
疑惑を一掃する、こういうことこそが、眞に
日本を立て直すゆえんであるという
考えのもとに、
委員会が
運営されてまいりましたので、この第一次
國会における
委員会運営の
方針を、そのまま今
國会における本
委員会の
運営の
方針とすべきであると
考えるのでありまして、そういいう点から現在最も大きな
疑惑に包まれておりますものは、各
官廳がも
つております
特殊物件処理の
状況であります。殊に
政府機関がも
つておりますもの、運輸省で、あるとか、
逓信省などでも
つております
物資は、
簿外財産と称して、内閣においてもその
内容がわからない、
所管大臣すらも十分にその
内容を知らない、こういうことではならぬのであります。本
委員会としてはそういう
政府機関所有め簿外財産と称するものの実態を明らかにするというのが、大きな
任務の
一つであると
考えます。よ
つてそういう点についても、われわれは本
委員会においてそれぞれ小
委員会を設けるなり、その他の
方法によ
つて、この点をあくまでも追究して
事態を明瞭にいたしたい。この間に、もし
官吏にしても、
政治家にしても、明白に不正なる事実がつかまえられました場合には、呵責なくこれが処断を
政府なり檢察廳に向
つて要求する。こういうことをやらなければ、この
委員会の眞の
目的を達するということにはならぬと思うのでありまして、そういう意味において、本
委員会の
運営に当りたいと思います。ただいま
明禮君が申されましたように、
東京都内における民間の
隠退藏物資と思われるものについては、
安本を督励してこれが
調査に当ることとし、
官廳関係については、本
委員会において
委員を選んで、あるいは各
官廳について直接帳簿なり、実物なりの
調査をするなり、あるいはここに
関係官吏を呼んで問い質すなり、そういう
方法を講ずることにいたしたいと存じます。
なおこの
機会に併せて私から申し上げて、
皆さんの御
了承と同時に御
協力を願わなければなりませんことは、第一次
國会当時においてなし得なか
つた仕事として、
特殊物件処理の、各
地方官廳における
状況なり、また最もふしぎにたえない
兵器処理委員会の構成なり、その後の
兵器処理委員会なるものの
運営の実体について、これをどうしても明らかにしなければならぬと思います。そういう点について
資料の方はできるだけ
整理を急いでおりますが、
資料が
整理でさましたら、おそらく
休会明け議会ごろには、大体
皆さんに
整理された
資料がお渡しできるようになるのではないかと思いますから、どうかそのときには、そういうことについても忌憚なく御
意見をお述べくださいまして、
意見が述べられたならば、ただちに行動に移り得るようにいたしたいと存じます。これだけ私として申し上げておきます。