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政府委員(
前尾繁三郎君) 最近の
調査の結果、
税務職員の
給與は、事実として百三十七円程度、他の
官公廳に比して低いことが判明しました。これは税務署が
大藏省管下にあり、
実状が良く分るために
予算の
折衝等において嚴重に扱われることが原因でありますが、十月以降凹凸によ
つて補充し、大体二級に近くなり、他とも大体平均しておると考えます。
申すまでもなく
税務職員は誘惑も多く且つ人に嫌われる仕事を担当しているので、これに対して何らかの
方法を講じなければならず、
政府としましては現在
能率給を加え
滯納処分に行つたとき、又は困難なる
出張等に出るときには
特別手当を出すこととし、
目下交渉中であります。
即ちこれによりますれば、直接税、
間接税調査のための
出張の日には基本給、
暫定加給の四割、
滯納処分等に行く場合は五割出すことにな
つております。
上級職員等は
出張も多く
月平均にすれば二乃至三割程度増加すると考えます。又特に第三
國人の
調査、
酒類密造の
檢挙等危險を伴う場合は、一日につき五十乃至七十円の
危險手当を出し、又最近一日に数百万円の現金を取扱う
関係上、從來行われなかつた
窓口手当の支給も考えている。以上のための総額は約一億円であります。
更に
税務職員の
特殊性即ち一ヶ所に長く滯在することは、慣れ合いにな
つて弊害を生ずるということのために、二乃至三年毎に
勤務地を変更せねばならず、且つ業務の
関係上大都市に集中する必要があるのでありますが、
住宅等の
関係でうまく行きません。これは早急に建てたいと考えますが、
予算の都合にて困難であり、折角
追加予算として請求中であります。
いずれにせよ
職階制が確立すればもつと良い
方法が考えられるのでありますが、現在のところは大体以上のような
状態であります。而してここに生ずるのは千八百円
ペースの問題であります。
特別待遇を出しても食えないといわれても、これは全
官公の問題であり、我々にはこれまでも解決することはできません。とにかく
交渉が纏まり次第特別の
法案として出す心算であります。