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1947-11-28 第1回国会 参議院 労働委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    付託事件池田市及び豊中市の地域給特地と  することに関する請願(第五百九十  六号) ○税務職員待遇改善に関する陳情  (第六百六号)   ————————————— 昭和二十二年十一月二十八日(金曜 日)    午後一時三十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件池田市及び豊中市の地域給特地と  することに関する請願(第五百九十  六号) ○税務職員待遇改善に関する陳情  (第六百六号)   —————————————
  2. 原虎一

    委員長原虎一君) これより委員会を開会いたします。  昨日請願及び陳情が各一通付託されましたので、先般可決しましたものと同時に報告するために急遽委員会を招集いたした次第であります。  先ず陳情第六百六号、税務職員待遇改善に関する陳情を議題に供します。  主税局長が見えておりますから税務職員待遇改善実状について説明を求めます。
  3. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) 最近の調査の結果、税務職員給與は、事実として百三十七円程度、他の官公廳に比して低いことが判明しました。これは税務署が大藏省管下にあり、実状が良く分るために予算折衝等において嚴重に扱われることが原因でありますが、十月以降凹凸によつて補充し、大体二級に近くなり、他とも大体平均しておると考えます。  申すまでもなく税務職員は誘惑も多く且つ人に嫌われる仕事を担当しているので、これに対して何らかの方法を講じなければならず、政府としましては現在能率給を加え滯納処分に行つたとき、又は困難なる出張等に出るときには特別手当を出すこととし、目下交渉中であります。  即ちこれによりますれば、直接税、間接税調査のための出張の日には基本給、暫定加給の四割、滯納処分等に行く場合は五割出すことになつております。上級職員等出張も多く月平均にすれば二乃至三割程度増加すると考えます。又特に第三國人調査酒類密造檢挙等危險を伴う場合は、一日につき五十乃至七十円の危險手当を出し、又最近一日に数百万円の現金を取扱う関係上、從來行われなかつた窓口手当の支給も考えている。以上のための総額は約一億円であります。  更に税務職員特殊性即ち一ヶ所に長く滯在することは、慣れ合いになつて弊害を生ずるということのために、二乃至三年毎に勤務地を変更せねばならず、且つ業務の関係上大都市に集中する必要があるのでありますが、住宅等関係でうまく行きません。これは早急に建てたいと考えますが、予算の都合にて困難であり、折角追加予算として請求中であります。  いずれにせよ職階制が確立すればもつと良い方法が考えられるのでありますが、現在のところは大体以上のような状態であります。而してここに生ずるのは千八百円ペースの問題であります。特別待遇を出しても食えないといわれても、これは全官公の問題であり、我々にはこれまでも解決することはできません。とにかく交渉が纏まり次第特別の法案として出す心算であります。
  4. 原虎一

    委員長原虎一君) 政府委員説明に対して御質疑はありませんか。
  5. 姫井伊介

    姫井伊介君 職階制による給與実施は何時頃から行われますか。
  6. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) これはいろいろの問題があり早急には実施できない。完全なる職階制は一乃至二年かかると考えます。
  7. 姫井伊介

    姫井伊介君 一億の應急措置職階制実施されるまで継続的に行うのですか。
  8. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) それでなければならんと考えます。
  9. 小川久義

    小川久義君 最近の官公廳状態を見ると出勤時間は勝手で、退廳は四時という工合で全く働いていないようであるが、これに対してどう考えるか。
  10. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) 当方としては、千八百円ペースは別として、できるだけのことをしなければ何とも言えません。
  11. 小川久義

    小川久義君 このままでは追駈け合いであり、これに或一線を引かねばならぬと考えるが……。
  12. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) 当局としては定時退廳に対して強硬な態度を以て臨んでおります。
  13. 小川久義

    小川久義君 千八百円ペースを基として米價を決定された農民の立場を考えたとき、公僕たる官公廳が率先して範を示して貰わねば困る。
  14. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 臨時的な措置もよいが、一刻も早く職階制を決めることが先決である。大藏省予算の元締である関係上、自己の予算に対して遠慮する傾向があるようであるが、取るべきは取り、決めるべきは決めなければならんと思うがどうか。
  15. 前尾繁三郎

    政府委員前尾繁三郎君) お説重々わかります。税務官吏の問題は我々の責任であり、これが法案作成への努力となつたのであります。大藏省のやり方に対しては極力改めるよう努力する。
  16. 原虎一

    委員長原虎一君) この陳情の取扱い方について御意見を伺いたい。
  17. 小川久義

    小川久義君 政府対策を考えておるのであるから通すのは変ではないか。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 政府対策があつても、又團体交渉がどの程度進んでおるかは別問題として、かかる陳情國会提出された以上、我々は妥当と考えるものはそのように処理しなければならない。私は議院の会議に付し且つ内閣に送付するを要するものとされることを希望します。
  19. 原虎一

    委員長原虎一君) では内閣に送付すべきものと決定いたします。專門調査員をして意見書案を朗読いたさせます。    意見書案 税務職員待遇改善に関する陳情   東京都目黒区下目黒一丁目一〇五番地 高田喜明提出  右の陳情は、税務職員は新日本再建の基礎たる健全財政堅持の要件である租税歳入確保のためにあらゆる惡條件を克服してその責任を果しつつあるが、税務職員待遇は他の官廳員に比し二、三級低位にあつてインフレ下の現在、生活苦にあえいでいる状態であるから最低生活確保のための特別の待遇善改を実行されたいとの趣旨であつて参議院は執務上諸般の困難に直面せる税務職員待遇を改善することは妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい、ここに國会は第八十一條により別册を送付する。
  20. 原虎一

    委員長原虎一君) 次の請願第五百九十六号を問題に供します。岩木哲夫君が紹介議員になつておりますが、お見えになりませんので、植竹春彦君に説明を求めます。
  21. 植竹春彦

    植竹春彦君 岩木哲夫君が是非出席し説明したいと申しておりましたが、止むを得ぬ事情により出席できませんので代つて説明いたします。  これは大阪市、堺市等が特地になつているのに高級住宅の多い池田市、豊中市が特地でないため、この地方の官公廳從業員が非常に困つておりますので、なんとかして特地に指定して頂きたいという主旨であります。
  22. 栗山良夫

    栗山良夫君 以前にこれと同趣旨請願がありましたが、それと同樣に取扱われることを希望します。
  23. 原虎一

    委員長原虎一君) この請願は採択の上内閣に送付すべきものと決定して御異議ありませんか。
  24. 原虎一

    委員長原虎一君) それではそのように決定いたしまして、專門調査員をして意見書名を朗読いたさせます。    意見書案 池田市及び豊中市の地域給特地とすることに関する請願   池田市城南町五一六番地 出光治 外八名提出  右の請願池田豊中両市地理的関係から農産物の生産入荷は僅少であつて、その殆ど全部が大阪市経由の物資に依存している実情であるから物價は高騰の一途をたどつており、両市官公廳職員生活は他の衞星都市より困難であるにも拘らず既に堺市、布施市等の地域給特地と認定されているに反し、両市が未だ甲地のまま残されていることは不合理であるから大阪市と同等に両市地域給特地に引上げられたいとの趣旨であつて参議院は願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は現在の各地の地域給の不公平を極力是正し、新給與制実施に当つて愼重に善処し、鋭意これが実施に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別册を送付する。
  25. 原虎一

    委員長原虎一君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     原  虎一君    理事            堀  末治君            小川 久義君            栗山 良夫君    委員            平岡 市三君            植竹 春彦君            紅露 みつ君            平野善治郎君            深川タマヱ君            川上 嘉市君            竹下 豐次君            姫井 伊介君            穗積眞六郎君            岩間 正男君            川村 松助君   政府委員    大藏事務官    (主税局長)  前尾繁三郎君   説明員    專門調査員   柴田 義彦君