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1947-10-15 第1回国会 参議院 労働委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
職業安定法案
(
内閣送付
) ○
労働基準法
の
適用除外規定設定
に関 する
陳情
(第二百五十二号) ○
失業手当法案
(
内閣送付
) ○
失業保險法案
(
内閣送付
) ○
企業再建整備
その他に関する
陳情
(第三百四十三号) ○
労働基準法
第四十條の特例に関する
陳情
(第三百四十四号) ———
—————————————
昭和
二十二年十月十五日(水曜日) 午前十時三十七分
開会
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
○
失業保險法案
—————————————
原虎一
1
○
委員長
(
原虎一
君) それではこれから
委員会
を開催いたします。本日は
失業保險法案
の
質疑應答
でありますが、先般第二章が終りまして、本日は第三章から
質疑
を願うことにな
つて
いると思います。別に
政府委員
からの
説明
がございませんならば、直ちに
質問
を願いたいと思います。何かありますか。
上山顯
2
○
政府委員
(
上山顯
君) 別にございません。
原虎一
3
○
委員長
(
原虎一
君) 第三章
保險給付
の問題から
質問
を願いたいと思います。
栗山良夫
4
○
栗山良夫
君 十
八條
と、それから二十條、二十二條について御
質問
したいと思います。これは十
八條
の
保險金
を支給する
期間
は一年間という問題がありますが、この問題は今後におけるいわゆる
労働市場
の
需給状態
の問題、そういうものの確たる
見通し
を持たなければ言えないことでありますけれども、
失業者
の
生活
を
保障
するという
建前
から言いまして、一年間で果して再び
職場
を保証することができるかどうかという問題が残るわけでありますが、現在の
見通し
では非常に悲観的な
予測
が強いのでございますが、この年限をもう少し延長する必要があるのではないか、こういう
工合
に
考え
るのでございますが、これについての
失業状態
、或いは
職場
の
安定状態
、そういうものについて見解を伺いたいと思うのであります。 それから第二十條におきましては、一年の
期間
内において、通算して百八十日を超えて支給してはならないということは、完全にまだ次の
就職先
が
はつ
きりしないのに、或いはそれの
はつ
きりしない危惧が非常に多いのに百八十日を超えてはならないということになりますと、結局この
失業保險
によ
つて失業者
の
生活
の
保障
をすると言いながら、実質的に非常に不安定な
状態
に置かれるということが
考え
られるのでございます。こういう点について立案の
方面
では実際的にこの本法の第
一條
の精神から
言つて
もどういう
工合
に
考え
ておるか。 それから第二十二條でございますが、被
保險者
が
自己
の責に帰すべき重大な
事由
によ
つて
解雇される、こうい
つた
場合には、
失業保險金
を支給しないということが明記されておりますが、今まで
組合法
によりましても
経営者
はいろいろの
理由
によ
つて
、それは政治的な活動の
理由
とか、その他色々な
理由
が掲げられておりますが、そういうものによ
つて
解雇することができない、こういうことを明記されておるにも拘わらず、表面にそういう
理由
が出ないで、いろいろな
理由
が付けられて解雇されておるような実情があるわけであります。この
自己
の責に帰せられるかどうかという
認定
は非常に重要なわけであります。こうい
つた
認定
をややもいたしますと被
保險者
の意思に反しましてなされる場合が多いということが
考え
られる。結局これの決定は
審査官
がなさることになると思います。そういうところに
審査官
というものの強い権力というものが再び発生されるわけでありまして、
審査官
の
民主化
ということが最も必要なわけでございます。そういう点につきまして、
政府
としてどういう
工合
に運用の点でお
考え
になるのですか、その点を伺いたい。
上山顯
5
○
政府委員
(
上山顯
君) 第十
八條
と第二十條は関連いたしますので、便宜二十條の方から
お答え
をいたしたいと思います。この
失業保險法
におきましては、
給付日数
は百八十日という
限度
を設けまして、
仮り
に二年三年と
失業
が続きましても、百八十日だけで
失業保險法
の
保險金
の
給付
は打切るということにいたしておるのでございます。 それで
只今
までございます普通の
保險法
の
建前
といたしましては、
外國
の例といたしましても、
給付日数
はいずれも限定をいたしておるのでございまして、百八十日という
日数
は、
外國
の最近の
立法例
はどうな
つて
おるか存じませんが、私
たち
の持
つて
おる
資料
では必ずしも短い
期間
でないのであります。尚又
外國
の
立法例
によりましては、百八十日というような
給付日数
は、
保險料
を何年間拂い込んだということと関連をさせまして、二年以上拂い込んだ場合にはこの
程度
という
給付日数
の決め方をしておるのであります。それでいずれにいたしましても、
生活保障
という理想から申しますれば、なるほど二年でも三年でも
失業保險金
を
給付
するということがいいには違いないのでございますが、併し一面
財政
の点、
保險経理
の点を
考え
、又他面
失業保險
は惰民を養成するとか、色々の非難も言われておるのでございまして、そういう点を
考え
ますとどうしても
一定
の
期間
の
限度
は設けざるを得ないのじやないかと思うのでございます。殊に
英國等
におきましてこの
給付日数
を非常に延長いたしまして、
財政
上の非常な癌とな
つて
收拾
がつかない
といつて
もいいような
状態
に
至つた
というようなことも言われておるわけでございまして、
給付日数
としましては、成る程
生活保障
という面も
考え
なければなりませんが、
保險経理
上、
財政
上その他の点を
考え
まして、
日数
を
制限
するのは止むを得んじやないか、かような
考え
でおります。そうしてこの
日数
を超えまして尚
失業
しております者については
生活困窮者
に限りまして
生活保護法
の
保護
が受けられるわけでございます。
失業保險法
の場合には、これは
生活保護法
とは
建前
が違
つて
おりまして
生活困窮者
というような
要件
がないのでございますが、
期間経過
後は
生活困窮者
というような
要件
を備えた者に限りまして、
生活保護法
の
救済
を受ける、かようなことに相成るのであります。それで今申したように
失業保險金
というものは百八十日というような
限度
を設けるということが先ず
前提
にな
つて
おるわけでありますが、そういう
前提
におきましてその
失業保險金
をいつまでの
期間
に受けさすかということでございます。この
失業保險法
におきましては
失業者
はできるだけ早い
機会
に
職業安定所
に出て参りまして
就職
の
申込み
をし、まず
職業
を極力探す。そうしてどうしても
職業
がない場合に
失業
の
認定
を受けて
保險金
を
給付
する、こういう
建前
にな
つて
おるわけであります。從いまして二年も三年も経ちましてから初めて
安定所
に出て
失業
の
認定
を受けるというようなことになりますと、
事務
の整理の上からも非常に困るのでございます。
失業保險法
を設けました
趣旨
から申しましても、そう非常に長い
期間経つて
から初めて
安定所
へ出頭するというような者につきましては
失業保險金
を支給します
必要性
が薄らいでおるのじやないか
考え
るのでございます。いずれにしましても、
給付日数
としましては百八十日しかないわけでありますから、その百八十日分の
保險金
を受けますには
一定
の
期間
内に
安定所
へ出頭して
一定
の
期間
内に受けてしまわなければ、その後は受けられないと、かようなふうにいたしておりますのが十
八條
の
趣旨
でございます。 それから二十二條でございますが、二十二條の「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」でありますとか、「やむを得ない
事由
」等の
認定
は、これは
職業安定所
がいたすわけでございます。但しこの
自己
の責に帰すべき重大な
事由
というようなことは
事業主
が、これは
事務
の
手続
に亘りますが、
離職票
というようなものを出します場合に、
自己
の責に帰すべき重大な
事由
があ
つた
というようなことを書くことに相成
つて
おります。從いまして
仮り
に実際上は
自己
の責に帰すべき重大な
事由
があ
つた
といたしましても、
事業主
がそういうことを申告しませずに、單に会社の都合で罷めさせたというようなふうに書きました場合は、それの発見は非常に困難かとは思います。それとは反対に「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」がなか
つた
に拘わらず、「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」といふことを
事業主
が書いておりますような場合は、
安定所
に参りまして、当然
労働者
の方から訴えがあると思います。從いましてそれにつきましては、
安定所
が十分調べまして、これは
事業主
が「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」と書いたのは誤
つて
おるということでありますれば、たとえ
事業主
がそういうことを書いておりましても、その
通り
には
認定
いたさなくて、正当の
理由
で罷めたということで、
失業保險金
を
給付
することになるわけであります。併し
安定所
が「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」だと
認定
しましても、
本人
が不服だという場合もあり得るのでありまして、その場合には、御
指摘
にな
つて
おりましたように、
審査官
に訴えるということになるわけであります。而してこの如何なる場合に「
自己
の責に帰すべき重大な
事由
」を認めるかどうかというような
認定
の
基準
につきましては、第二十
一條
の
認定
の
基準
にも同じ問題があるわけでありますが、私
たち
としましては、成るたけ具体的な例を挙げましての
認定
の
基準
を拵えまして、地方に示したいつもりでおりますが、その
基準
を作るにつきましては、前に御
説明
をいたしました
失業保險委員会
にもお諮りいたしまして、
十分衆智
を聽いて決めて参りたい、かように
考え
ております。それから
審査官
につきましては、これは單独の者がやりますところの、非常に簡易な
審査機関
でありますが、尚その上に
合議体
の
審査会
、それから最後には訴訟というところまで
権利
の
保護
につきましては、確保を一方いたしますると共に、できるだけ
失業保險審査官
というような簡易な
手続
によりまして、
簡單
にこれを処理させるというふうに運んで参りたいと思います。
栗山良夫
6
○
栗山良夫
君 今の御
説明
で大体了承いたしましたが、もう一点だけ伺
つて
おきたいのは、過日
山田委員
からだ
つた
かと思いますが、諸
外國
においても、
失業保險制度
というものは失敗した例が多い、
日本
の如く、特に
敗戰後
の
労働事情
が混乱しておるとき、
失業者
が多量に排出される懸念の濃厚なときにおいては、こういうものは失敗する虞れがあるのではないかということを御
指摘
になりましたが、これを裏から言いまするならば、
失業者
が出て、そうして
國民
の相当な数の人々が
生活
の脅威に曝されるという、こういうことは
はつ
きり
言つて
おると思う。ところで
只今
申されたことは、百八十日で一應打切り、そうして
生活困窮
の者には
生活保護法
によ
つて保護
を加える、こういうことを言われたのでありますが、この
生活困窮者
というものが、若し今後
失業者
が沢山出て來る、そうして
職場
が非常に圧迫を受けて來るということになれば、この
生活保護法
の
適用
を受けなければならない人が、相当沢山出て來るのではないか、結局
失業保險
が、今局長が言われたような
理由
によ
つて
、窓口を
狹め
れば勢い
狹め
られただけは
保護法
の方に入
つて
行くのではないか。
國家
全体として、
考え
る場合はやはり
失業者
の
生活保障
というものは、どちらかの面で見なければならん、そうすれば
將來
の
労働事情
の
予測
の問題について、先程
質問
申上げたが、それについては御答弁頂きませんでしたが、大局的な見地に立
つて
見まするときには、
生活保護法
に讓るのではなく、やはり
失業者
に対しては、
失業保險
で十分に救援の手をのべるというのが本則ではないかと私は
考え
るのでありますが、この点は如何でありますか。
上山顯
7
○
政府委員
(
上山顯
君)
只今
の御
意見
誠に御尤もだと思うのでございまして、
政府
としましては、
最小限度
の
生活保護
ということは、いずれにしてもやらなければならんわけでございます。從いまして
考え方
によりましては、國の一方的の
給付
でありまするところの
生活保護法
よりも、むしろ
保險
のような組織の方が
財政
を不当に、脅かさないという
意味
からも或いは勧められるかとも思うのであります。いずれにしましても、
生活保護法
が
通り
ましたときに、衆議院の方でございましたと思いますが、
失業保險法
をこの際制定しろというような
附帶決議
がついておりますのは、恐らくそういう点をお
考え
になりましての御
趣旨
かと思います。ただそういう
意味
から申しまして、
失業保險
を充実するということは勿論望ましいわけでございますが、ただ段階々々におきまして、それをどの
程度
に組合せをするかが非常にむつかしい問題かと思うのでありまして、六ケ月がいいか、四ケ月がいいか、八ケ月がいいかということになりますと、これ又いろいろ
意見
があることかとも思いまするが、私
たち
としましては、一應六ケ月、
外國
の
例等
も参酌して、先ず常識的だと思いますが、六ケ月は
失業保險
の
やり方
でやりまして、その後は、單に困りました者だけ
生活保護
でや
つて
参りたい、かような
考え
でございます。それで御
参考
のために尚申上げますと、私
たち
の
失業保險法
の
経費
の
概算
といたしましては、
仮り
に四百七十万の被
保險者
があります場合に、何時も二十三万五千人だけが
失業保險金
の
給付
を受けておる、こういう
建前
で
経費概算
が立
つて
おるわけであります。御
参考
のために申上げますと、
昭和
二十二年六月現在で、
生活保護法
によりまして
救済
を受けております者が、概数でございますが二百六十万でございます。併しこの数は
該当人員
全部の
頭数
でございまして、
世帶数
で申しますと、これの約三分の一の九十万世帶くらいにな
つて
おります。その中で、内訳は或いは若干不正確の点があるかと思いますが、
失業
としまして載
つて
おりますものが、
扶養家族
を含めた
頭数
の方で申して約四十三万ということにな
つて
おります。從いまして
扶養家族
を除いた
失業者数
で申しますと、大体十五、六万
程度
じやないかと推定いたしております。それで
仮り
に二十三万五千の人が
失業保險
の被
保險者
として
保險金
の
給付
を受けるわけでございますが、その人が六ケ月を経過しましても、どうしても
生活保護法
で
給付
を受けなければならんという人は
困窮者
に限りますので、相当
少い数
で一應納まるのじやないかと、かように思
つて
おります。 それからもう一つ、先刻
お答え
をいたしませんでしたが、今後の
失業状態
の
見通し
といたしまして、大体どういうような
失業
の形態を予想するかというお尋ねでございますが、これは実は非常にむつかしいことでございまして、
はつ
きりした
数字
で
ちよ
つと
お答え
しにくいのでございます。それで実はこの
失業保險
の
資料
といたしまして、
失業者
の
失業期間別
の
人員
というようなものも若干調べたものがあるのでございますが、そういう調べが再
就職
いたしまして、現に
工場
におります者について、お前はこの
工場
に入るまで
失業
しておるときにどのくらいの
期間
失業
してお
つた
かということを調べました、そういう
数字
と、現在
失業者
としております者がどれだけの
期間
失業
しておるかということを見ました
数字
とを比較しますと、当然のことではございますが、この
失業期間
が非常に違うのでございまして、現在
工場
に再
就職
した者につきましては、比較的
失業期間
が短いということにな
つて
おります。ところが今どうしても
工場
その他に
就職
の
機会
がありませんで遊んでおる者を調べますと、
失業期間
が一年以上というような長い者が非常に多いということでありまして、結局全体を綜合いたしまして、今の
日本
の
失業期間
がどのくらいかというような推定をいたしますのは、実は非常に困難でございますので、若干何らかの材料を持
つて
おりますが、その
資料
を発表しますと、
却つて誤解
を招くのじやないかと思いまして差控えているような
事情
なんでございます。そういうふうに御了承を願います。
赤松常子
8
○
赤松常子
君 この第二十四條でございますけれども、
支給方法
及び
支給期日
のことは政令で定めることにな
つて
おりますが、
從來健康保險
の例で見ましても非常に
支給方法
や何かが
煩雜
で、そうして
手続
がむつかしいので当然受ける
権利
がありながら面倒くさが
つて
貰つて
いない場合が随分多いのでございますね。
健康保險
の
積立金
も仄聞するところによりますと、当然
労働者
がとるべき金が数億円溜
つて
おるということを聞いておりますが、それが又何らかの形で
労働者
に歓迎されるならばいいけれども、少しも歓迎されていないということを聞いておるのであります。こういうふうなことに対しまして、この
失業保險
の
内容
は
健康保險
の
内容
とは少しは違いますから、
労働者
の方も受取るでございましようけれども、この
手続
をもつと
簡單
な、それから親切な性格にして頂きたいと思うのでございますけれども、その辺の御考慮を何かお
考え
にな
つて
おりますか。
上山顯
9
○
政府委員
(
上山顯
君)
保險金等
の
支給方法
につきましては
只今
御
意見
がございました
通り
極力簡易にし、又親切にいたさなければならんと思
つて
おります。これは被
保險者
に対する
関係
だけではございませず、
事業主
に対しての
関係
においても
保險料徴收等
につきましてもなるたけ
手続
を
簡單
にいたしたいと
考え
まして、今までの
やり方
とは大分にその
手続
の
簡素化
をはかりまして、
只今実施
をいたしております。但し一言だけ御承知願わなければならんと思います点は、
失業保險
におきましては、單に
失業者
だというだけでは
失業保險金
は貰えないのでありまして、一週間に
原則
として二回ずつ
職業安定所
に出頭して
貰つて
先ず求職の
申込み
をして
貰つて
、極力
職業
の
お世話
をする、そうしてどうしても
仕事
がない場合に初めて
保險金
を
支拂
う、こういう
建前
にな
つて
おります。それでその点につきましても、一週間二回というのが
原則
でありますが、交通不便なところにおきましては、その回数を減ずるということも
考え
ておりまするし、又その
職業安定所
のものがこちらの方から必要な所へ日と場所を決めて出掛けて
行つて
、
就職
の
お世話
とか
保險金
の
支拂
をさせるというような
便法
を
考え
ておりまして、極力
便法
は
考え
ますが、併しとにかく
失業保險金
を
支拂
います
前提
としましては、
失業認知
が必要なので、
公共安定所
に出頭することが必要だということにな
つて
おりますので、その点が或
意味
から申すと面倒だということになりまして、
失業保險金
と言えば
失業
さえすれば言わば寢ころんでお
つて
も貰えるものだと誤解しておられる人などから申しますれば、非常に面倒くさい、ありがたくないものだというような、反動としての不評判があるのではないか、その点については、私達の方も
事務
の
簡素化
でありますとか、親切という点に大いに努力しなければならんわけでありますが、
失業保險
としましては、そうい
つた
内容
のものだということを
関係者
が理解されますように、
皆さま方
にもお願いしまして、ぜひ十分理解して頂きたいと
考え
ております。
原虎一
10
○
委員長
(
原虎一
君) それでは午前中の
会議
はこれで
休憩
に入ることにいたします。午後は一時から
開会
いたします。 午前十一時五分
休憩
—————————————
午後一時三十八分
開会
栗山良夫
11
○理事(
栗山良夫
君) それでは午前中に引続きまして
質疑
を続行いたしたいと存じます。
委員長
が
常任委員長懇談会
に御出席にな
つて
おりますので、お帰りになるまで私が代りを務さして頂きます。それから
只今山田委員
から御連絡がございまして、発言いたしたいことがあるが、外の
委員会
の
関係
で出られないので、その
理由
を附しまして発言の留保を求められておりますから、又後日遡りまして前に御
質問
があろうかと思いますが御了承頂きたいと思います。 それでは一應区切りまして十八頁の三十
八條
のところまで御
質疑
をお願いいたしたいと思います。
姫井伊介
12
○
姫井伊介
君 この三章ですが、二十
一條
の第一号でこれは外にもそういう
意見
が実は多いのでありますが「
受給資格者
の
能力
からみて不適当」ということですね。これはこの前どなたか御
質疑
に
なつ
たのではないかと思いますが、「堪えられないと認めるとき」という方の希望があるわけなんですが、これはどうせ修正の所でそういうお話が出ましようが、一遍当局の御意向を聽いて頂きたいという話がありましたので、
ちよ
つとそれをお伺いいたします。
上山顯
13
○
政府委員
(
上山顯
君) 第二十
一條
第一号の点でございますが、実は私
たち自体
の間におきましてもこの第二十
一條
がこういう結果に落ちつきますまでには相当議論を闘わしたのであります。それで
外國
の
立法等
の例では、むしろこれ以上に緩と申しますか、前職と違
つた
ような
仕事
でございますれば、一應断り得るというような
立法例
もあるようでございます。 ところが我が國の
國情
といたしましては、御承知のような
状態
でございますので、余り緩にいたしますと、
却つて失業者
がいい加減のところで見切りをつけると申しますか、新らしく
職業轉換
をやるようなことを避けまして、
失業者
が停滯しやしないかというような
意見
もございまして、
能力
から見て不適当というような言葉でなくて、
能力
から見て堪え得られないときに限
つて
正当の
理由
として断り得る。苟も
能力
から見て堪え得られるという場合には、少々不適当でもその
職業
につくことを拒むことができないとこういう
嚴格
な、
受給資格者
に対しましては少し
嚴格
に過ぎるかも知れんと思いますが、そういう
意見
もいろいろあ
つた
わけでございます。 併しいろいろ檢討して見まして、
失業保險法
におきまして、
保險給付
をいたしますについては決して無
條件
にすべての人にやるというのじやございませずに、
資格
の
期間
、
給與日数
に
制限
があり、いろいろな
制限
があるわけでございます。更に
本人
といたしましては
保險料
を納めておるわけでございます。そういう人に対しまして、
能力
から見て堪え得ない場合にのみ正当な
理由
として、指示された
職業
を就くことを拒み得るとするのは如何にも酷に過ぎるのじやないか。それでこれは
受給資格者
の主観的な
判断
に基くのじやありませずに、客観的な
判断
に基かなければならんと思いますが、客観的な
判断
に基きまして、
本人
の
能力
から見て不適当と認められます場合には、單に堪え得られないという以上に範囲を廣くいたしまして、その職に就くことを拒み得ることを正当な
理由
と認める方がいい、とこういう結論に
なつ
た次第であります、但しこの
能力
から見て不適当と認められます場合は、今も
ちよ
つと触れましたように、必ずしも前
職通り
ということは不適当と見得られないのでありまして、例えば今まで
事務
的な、
職業
に從事しておりましたといたしましても、
本人
の
肉体的能力等
から見まして十分
事務
的でない
仕事
でもや
つて
行けるというような場合には、やはり
能力
から見て不適当とは認めませずに、そういう
仕事
にも就いて貰うようにいたしたい、かように
考え
ておるわけでございます。
姫井伊介
14
○
姫井伊介
君
保險料
の
負担関係
でありますが、
國民
が三分の一を
負担
して、後は
事業主
と被
保險者
とで
半額当
を
負担
して行くという、この根本問題に触れるわけでありますが、
業者並
に被
保險者
が
負担額
が多くなればなる程、その
事業自体
、若しくはそれから生み出される、或いは
生産品
にいたしまするならば、その
生産品
の値段にも影響を及ぼして來るわけであります。
憲法
の二十
五條
の
規定
からいいますと、全
國民
の均衡のとれた
負担
において
費用
の
負担
というものが行われるのが
原則
的なものではなかろうか、されば
といつて
國庫
が全額を
負担
するということも
事業経営
の性質などから
考え
まして、これも肯定はできないことなのであります。せめてこれは
國庫
において二分の一を
負担
して他の二分の一を
折半関係
とい
つた
ふうなことが
憲法
の
條章
にも適い、單にその
事業
に
関係
しておる者のみが三分の二を持つということよりも、より多く民主的な意義を持つものじやないかということが
考え
られるわけなんですが、
國庫
の
財政方面
からいいますればやはり同じことで、他の一般課税によ
つて
これは賄われて行くわけであります。結局
部分的負担
を
國民全数
の均衡的な
負担
に
廣め
て行くというこの
考え方
、一方では
國家保障制度
につきましても
給付額
も
保險上均衡
にしたらいいじやないかという説もある時期でありますし、そういう点から言いまして、今申しましたように
費用
の
負担方法
をそういうように
考え
られるものじやないでしようかということをお伺いしたい。
上山顯
15
○
政府委員
(
上山顯
君)
保險料
の
負担
をもつと
國庫
で持
つた
らどうかという御
質問
でございまして、
憲法
二十
五條等
も御引用に
なつ
た次第でございます。
將來
の傾向といたしまして、こういう廣い
意味
の
社会保障
という
方面
につきましては國の
負担
が段々多くなるということも
考え
られると思います。望ましいことだとも思いますが、ただ現状といたしましては、この
夫業保險
の被
保險者
というのも、
國民
の中から申しますと一部でございまして、そういう一部の人に対しまして余り沢山な國の
負担
をするのはどうかという
考え方
もあるじやないかと思います。現状といたしましてとにかく、
保險
組織でありますので先ず被
保險者
自体も
負担
しなければなりませんし、産業の責任がどうかという議論は別として、
事業主
としましても非常な関心を持
つて
おりますので、
事業主
が被
保險者
と同
程度
は是非
負担
さしたいと思いますし、今申したように
國民
の一部の者に対しましての
負担
でありますことも
考え
ますと、國といたしましても現状におきましては先ず三分の一
程度
ということは止むを得ないじやないか、実はかように
考え
ましてな
つて
おるわけであります。 尚御
参考
のために申上げますと、現在特殊の社会
保險
でございます
健康保險
におきましては、これは
給付
費につきましては國は全然支出いたしておりません。
事務
費の一部を國が持つことにな
つて
おります。 それから厚生年金におきましてはこれは
事務
費は國が全額持ちます。
給付
費につきましては國が
原則
として一割だけ持つ、坑内夫につきまして國が二割持つ、それから船員
保險
につきましては
給付
費の二割を持つという
程度
にな
つて
おりまして、そういう今までの
保險
に比べますれば國の
負担
は非常に多いわけであります。それだけ
失業保險
としましては國としましても非常に大きな関心を持ちましてできるだけの
負担
をいたしたいという
考え
をも
つて
おるわけであります。現状から
考え
ますと、いろいろな点を併せまして、先ずその
程度
が適当ではないかと、こういう
考え
であります。
姫井伊介
16
○
姫井伊介
君 今の問題は
將來
のことといたしまして、三十
一條
におきまして、過去六ケ月間の
関係
と、それから
保險料
率を変更する場合のつまり
將來
における四ケ月間支給せらるべき
給付額
との
関係
なんですね。これは何かそういうふうな割り出しの基礎的なお
考え
があ
つて
からなんでございましようか。その点をお伺いしたいと思います。
上山顯
17
○
政府委員
(
上山顯
君) これは第三十
一條
の点でありますが、毎年三月末日と九月末日におきまして、過去六ケ月間の
保險
経済のバランスを見まして、結局剩余として残
つて
おります金額が、
將來
四ケ月間の
保險給付
の予想額に満たないと認められますような場合においては、緊急の必要があれば議院にお諮りせずに、先ず
失業保險委員会
の
意見
を聞きまして
保險料
率の変更ができるということに
なつ
たわけであります。それでこの四ケ月ということにつきましては理論的に必然的に四ケ月間という
数字
が出て参るわけではございませんが、大体
保險
経済といたしましては、最初の年におきましては、先刻來御
説明
いたしておりますように、六ケ月間の
資格
期間
を満たしませんければ、
保險金
を受けますところの
資格
が発生しないわけであります。でありますから、最初の年におきましては、半年分の
保險料
が大体続いて参
つて
おるということになりまして、それが後の
保險
経済運営の場合のいわば手持金というような恰好で運営されるわけであります。そういう金額に、その後の
保險
経済の様子によりまして
積立金
が減
つた
り、殖えたりするわけでありますが、大体半年分ぐらいの手持金というのは始終持ちたいつもりで
考え
ておるわけでありまして、それが半年分が割れまして四ケ月間以下にな
つて
しま
つた
、四ケ月の
保險給付
予想額より以下にな
つて
しま
つた
という場合においては、状況を見まして、
仮り
に三ケ月末、九ケ月末現在におきましては、四ケ月未満にな
つて
おるが、後の経理の大体の傾向を見て別にあわてて
保險料
率を変更する必要はないというときにそのままにして置きますが、その四ケ月分を割りまして、而も
保險料
の
給付
がどんどん殖えて
保險料
收入よりも少ない。このまま放
つて
置きますと、
保險
の
積立金
が一ケ月分になり、二ケ月分にもなるという虞れが間近に迫
つて
來るという、そういう場合におきましては、急いで
保險料
率を引上げなければならないと
考え
ております。そういう場合にこの法律の
適用
がされるのであります。今申しましたようにこの四ケ月というのが三ケ月でよいのではないか、或いは五ケ月でなければならんというような点についてはいろいろ
意見
があると思いますが、まずまず四ケ月という辺を適当ではないかという
意味
におきまして、こういう結論に
なつ
たわけであります。
姫井伊介
18
○
姫井伊介
君 「過去六箇月間に徴收した
保險料
総額」とありますが、若し未納額があ
つた
場合にはどういうことになりますか。
上山顯
19
○
政府委員
(
上山顯
君) これは現に徴收したということでありまして、未納額は一應勘定に入れておりません。それに今申しましたように、これは大体のところを押えまして、四ケ月分くらいが剩余金として残
つて
おればまずまずよかろうというような大体のところを押えてのことでございますので、未納額まで細かくは
考え
てございませんが、唯私
たち
といたしましては、未納額等についてはできるだけこれを少くなるように、平素から努力して参りたいと、こんな
考え
でおります。
栗山良夫
20
○理事(
栗山良夫
君) 速記止めて。 〔速記中止〕
栗山良夫
21
○理事(
栗山良夫
君) 速記開始。それでは第五章に移
つて
よろしうございますか。第五章お願いいたします。第六章まで一緒にいたしましようか……。
姫井伊介
22
○
姫井伊介
君 第三十九條の第二項に「
失業保險委員会
」とありますが、これは
事業主
、それから被
保險者
、それから公益代表、この同数委嘱につきましての選定と申しますかね、それはどういうふうな方法をお取りになりますか、業者自体の何か組合があ
つて
選挙するとか……
上山顯
23
○
政府委員
(
上山顯
君) 被
保險者
代表と
事業主
を代表する者の両者につきましては、
関係
團体等に候補者を御推薦願いたいつもりでおります。但し公益を代表する者につきましては、場合によりましては
関係
の方々の御意向を伺うかも知れませんが、それは必然の必要
要件
というふうには
考え
ませずに、できるだけ廣い範囲から適当な人を私共の方で選考いたしたいと、かように
考え
ております。
姫井伊介
24
○
姫井伊介
君 そういうふうな
手続
上のことは政令でお決めになりますか。
上山顯
25
○
政府委員
(
上山顯
君) さようにいたしたいと
考え
ております。
栗山良夫
26
○理事(
栗山良夫
君) それでは私から
ちよ
つと御
質問
申上げます。四十條から四十四條までは主として明らかにされておりますが、
失業保險審査官
の責任と申しますか、任務と申しますか、これはこの
保險法
案の管理運営その他採決事項全般に亙りまして、非常に重い任務を課せられておると思うのでありますがこの点につきまして私は非常に密接な関連を持ちますのは、やはり
保險
審査会
であり、
失業保險委員会
であるというふうに
考え
ますが、この
保險
審査会
並びに
保險
委員会
と
審査官
との
関係
が割合に明らかにされていない。こういう点が一つ
指摘
できると思うのであります。そうして
委員会
は大臣の委嘱で選任されるところのやはり諮問機関でありまして、その活動もみずから
限度
がある、こういう
工合
に
考え
ております。権限も非常に漠然としておるように
考え
られるのであります。問題はこの
失業保險
の最後の締め括りをするところの実権は
失業保險
の
審査官
に握られておる、こういうことに殆んどいえると思うのでありますが、そういたしますならば、
失業保險
を本当に民主的に運用するためには、
審査官
に人を得るということが非常に重大なポイントになろうと
考え
るのであります。こういう重要な
仕事
を担当される
審査官
をどういうふうな心構えで選考になるか、その
資格
というようなものはどういうような
工合
に御予定にな
つて
おるかこの点を伺いたいと思います。
上山顯
27
○
政府委員
(
上山顯
君)
審査官
の職務が非常に重要でございますことは、
只今
御
指摘
に
なつ
た
通り
であります。從いましてこれの選任につきましては十分注意いたしまして、適任者を得るようにいたさなければならんと思
つて
おるのであります。いずれこれは政令になりまするか、或いは他の選考の方針というようなことになりますか、まだ十分具体的には決めておりませんが、何らかの選考の
基準
を決めまして、適任者さえございますれば、必ずしも從來の官吏の経驗というようなことを問いませずに、廣く適任者を探しまして最もこの
仕事
に適当な人を選考いたしたい、かように
考え
ております。
栗山良夫
28
○理事(
栗山良夫
君) 御
質問
もないようでございますので第七章の雜則の方へ移りたいと思います。
ちよ
つと速記を止めて。 〔速記中止〕
栗山良夫
29
○理事(
栗山良夫
君) 速記を始めて。それでは第八章の罰則も同時にお願いいたしたいと思います。
堀末治
30
○堀末治君
ちよ
つとお尋ねいたしますが、五十
一條
に臨檢という言葉があるのです。どうもこの臨檢という言葉は、非常に非民主的なような感じがするのですが、もう少し何か柔らかな言葉はございませんか。
上山顯
31
○
政府委員
(
上山顯
君)
只今
の
保險法
にもございまするし、それから最近出ております
労働基準法
にもやはりこの臨檢という言葉があるのでございます。これと同じ実質的の
内容
を持ちまして、もつといい言葉がありますれば私達は字句に拘泥しないのでございます。
栗山良夫
32
○理事(
栗山良夫
君) 字句の問題は堀さんが
指摘
された点御尤もだと思いますが、この言葉が新らしい言葉であれば誰も不思議に感じないかも知れないのですが、この言葉が今まで釀し出していた現実の姿が
國民
に非常に不愉快に感じられておるので、結局字句を変えて頂けばそれで皆が釈然とするのだと思うのです。
堀末治
33
○堀末治君 その
通り
なんです。どうも今まで何か臨檢なんていう言葉は本当に不愉快な言葉でして、相変らず官尊民卑というような感じがするのですが、ましてやこういうような法律ですから、できるならばこういうような字句のないことを希望するのです。出張などというような言葉でも分ることは分るのですが執行という言葉に代るべき言葉となると、
ちよ
つと困るですね。
栗山良夫
34
○理事(
栗山良夫
君)
ちよ
つと速記を止めて。 〔速記中止〕
栗山良夫
35
○理事(
栗山良夫
君) 速記開始。
上山顯
36
○
政府委員
(
上山顯
君) 臨檢という言葉が
只今
まで余り愉快でない連想を伴うというような氣持ちがありますことは私
たち
もよく了承いたすのでございますが、ただ臨檢というのは單に出張するとかいうよりは、強い積極的な檢査等を予想してそこへ臨みますことを
意味
する言葉でございますので、これ以上よい言葉がありますれば私達言葉自体に拘泥する意思はございませんが、外の法令にも沢山ございますので、御了承願いたい、かように
考え
ております。
原虎一
37
○
委員長
(
原虎一
君) 個々の
條章
だけを
考え
ますと、五十
一條
だけを
考え
ますと、この場合の臨檢は次のことをなし得るのであ
つて
、臨檢それ自体の持つところの意義というものは比較的薄いのじやないかと思うのです。外の法律案等に用いる場合におきましては別でありまして、この五十
一條
の「又は雇用した
事業
所に臨檢し」、というこの「臨檢」は次のことをなし得るのでありますから、その場合においては場所に臨むでもよろしいし、出張したという
意味
になし得るのですね。臨檢でなくても臨場でも、場所に臨むでもいいわけですね。
上山顯
38
○
政府委員
(
上山顯
君) 大変細かい御檢討でございますが、
関係者
に対し
質問
をしたり或いは帳簿書類の檢査をすることもございますし、單に臨檢だけで済むこともあるわけなのでありまして、その場合は臨檢だけで
工場
内を廻りまして、疑わしいと思います所をずつと廻るというようなこともあり得るのじやないかと思います。
姫井伊介
39
○
姫井伊介
君 そういう
意味
でしたら、又は雇用した
事業
所を査察し
といつて
もいいわけですね。
事業
所を査察して見て、
関係者
に対して
質問
する
といつて
もよろしいのですね。
栗山良夫
40
○理事(
栗山良夫
君) 如何でしようか、この問題は今ここで決定するわけにも参りませんので、一應
政府
の方の御
意見
を伺
つて
置きまして後程討論の方で処理することにいたしては。
堀末治
41
○堀末治君 サービス官廳ですから、成るべく言葉からサービスして行く方がいいですね。
栗山良夫
42
○理事(
栗山良夫
君) その外御
質問
はございませんか。
姫井伊介
43
○
姫井伊介
君 罰則まで行
つた
のですか、附則もそうですか。
栗山良夫
44
○理事(
栗山良夫
君) 罰則のところまで参りました。御
質疑
もないようでございますので、それでは最後の附則のところまで拡げまして、全般的に御
質疑
をお願いいたします。
姫井伊介
45
○
姫井伊介
君 その施行期日でございますが、これは先程もお話合いがあ
つた
ようですが、これは適当に決めればそれでいいのじやないのですか。
上山顯
46
○
政府委員
(
上山顯
君) 施行期日でございますが、これは当初の予定としましては、もつと早く法律の成立することを予想いたしまして、十月一日から施行いたしたいと
考え
てお
つた
のでありまするが、
只今
のような状況でございますので、十月一日から施行することはいずれにしても困難ではないかと思
つて
おります。できれば十一月施行というようなふうにいたしたいと思
つて
おるのでありまして、適当に御修正をして頂きたいと実は
考え
ております。
堀末治
47
○堀末治君 そのことは二十三年一月からということになりませんかね。議会がこんなことですと、なかなか容易でない。從
つて
十一月一日というのは見込がないと思います。
上山顯
48
○
政府委員
(
上山顯
君) この法律は勿論國会に御審議願いまして、成立しなければ施行できないわけでございまするが、私
たち
の氣持といたしましては、
失業者
が段々出て参るわけでございまして、できるだけ早く施行いたしたいというような氣持は持
つて
いる次第でございます。できますならば、十一月一日からは施行の運びに至りますようによろしくお願いいたしたい、かような氣持を持
つて
おります。
堀末治
49
○堀末治君 今の上山局長の御
意見
も御尤もですけれども、これはなかなか雇用主の
負担
になるわけなのですね。幸い私共のように席を設けた者はよく
内容
が分りますけれども、そうでなければ一般の雇用主などというものは、こういうことは容易に分らない。而も出て直ぐやる、相当の人数の多いところにな
つて
來るというと、その
負担
というものはなかなか多いわけですが、一般に周知せしめるためにも施行
期間
が一月ぐらいあ
つて
もいいかと思うのですが、そういう
意味
においてその筋の方の御了解は得られませんでしようか。
上山顯
50
○
政府委員
(
上山顯
君) 私
たち
も周知の点が十分ありますことは、勿論望むところでございますが、一方施行を非常に急がなければならんような
事情
もございますので、できますならば、十一月から施行の運びになりますようにお願いいたしたい。かように
考え
ております。尚私
たち
としましては、まだこれは國会で御審議中でありまして、どうお決め願うかは決ま
つて
ない次第ではございますが、予め國会の議決を経ましてこれは成立しました場合を予想いたしまして
事業主
に対して最少
限度
、若しもこの法が施行されたならば、こういう点が
関係
して参るというようなことの最少
限度
のことだけは
事業主
の方にも知らせるようなこともいろいろや
つて
おりますような次第でありまして、そういう点もよろしく御了承願います。
ちよ
つと速記を止めて下さい。
栗山良夫
51
○理事(
栗山良夫
君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
栗山良夫
52
○理事(
栗山良夫
君) 速記開始。それでは
委員長
がお見えになりましたので、私は席へ帰して頂きます。 〔理事
栗山良夫
君退席、
委員長
退席〕
原虎一
53
○
委員長
(
原虎一
君) そういたしますと
失業
手当法の方を引続いて御
質問
願いたいと思いますが、速記の時間的都合もあるそうでございますから、本日は
失業保險法
だけで打切
つて
よろしうございますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
原虎一
54
○
委員長
(
原虎一
君) それでは
失業保險
の方の
質疑應答
は一應これで終了いたしたことにいたしまして、次会は
失業
手当法の方をいたしたいと存じます。 その前に御了解を得て御決定願
つて
置きたいと思いますのは、先般一般労働問題に関する調査をいたすことにな
つて
議長の許可を得て、その調査事項の一つといたしまして、先般開かれました労働大臣の招請によります労働團体代表者の、こういう
会議
が今後開かれますときに、本
委員会
の委員は自由に傍聽に出席なし得るように
政府
に取計らすということであります。この件について御了解を得て御決定を願いたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
原虎一
55
○
委員長
(
原虎一
君) 今一つは労働
委員会
、特に中央労働
委員会
に本
委員会
の委員諸公の自由なる出席を許されて、そうして労働
委員会
の模樣を調査するということも御了解願
つて
、中央労働
委員会
会長代理の末廣嚴太郎博士に書面を以て通知いたしたいと思
つて
おります。この点も御了解願いたいと思います。それについて何か……。
栗山良夫
56
○
栗山良夫
君 労働
委員会
の方は、中央はそれで結構でございまして、是非お願いしたいと思うのでございますが、都労委の方も合せて御承認願
つて
置いた方が便利じやないかと思います。
原虎一
57
○
委員長
(
原虎一
君) 地方の労働
委員会
も東京におきましては絶えず開かれておるようでありますから、その方も栗山君が言われますように御希望の方は出席傍聽なし得るようにいたしたいと思います。
竹下豐次
58
○竹下豐次君 傍聽の場合には
委員会
としてはその都度申込まれることになりますか、それとも委員は誰でも
行つて
傍聽できるということになるのですか。
原虎一
59
○
委員長
(
原虎一
君) 今の方針といたしましてはその都度了解を得るというのは困難ですが、公開の場合においては委員は出席して傍聽なし得るような了解を得たい、こういう
考え
を持
つて
おります。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
原虎一
60
○
委員長
(
原虎一
君) それではさよう決定いたします。どうも御苦労樣でした。これで散会いたします。 午後二時二十七分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
原 虎一君 理事 堀 末治君 小川 久義君 栗山 良夫君 委員 赤松 常子君 天田 勝正君 千葉 信君 山田 節男君 木下 盛雄君 平岡 市三君 紅露 みつ君 奥 むめお君 川上 嘉市君 竹下 豐次君 早川 愼一君 姫井 伊介君 松井 道夫君
政府委員
労働
事務
官 (
職業
安定局 長) 上山 顯君