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國務大臣(栗栖赳夫君) 木村委員の御
質問でありますが、私も長年金融の面に携わ
つておりまして、その辺を最も心配いたしてのであります。実はこの追加
予算を編みますにつきましても、その点についても随分検討議論も重ねて來たのであります。先ず今お話のように第一の問題は、復興金融金庫の債券発行であります。これは今日まで実は最初は一年の割引債券を一銭二厘で発行しておつたのであります。
只今では大体一銭四厘五毛の利廻りに引上げておるのでありますが、これが市場では採算その他の点で非常にうまく行かないし、そのために多くの金額が日本銀行の引受ということにな
つて來ておつたのであります。この日本銀行の引受ということは、即ちそこに通貨増発があるのでありまして、日本の産業再建が復興金融金庫に頼る度が非常に多いということを思いますというと、この点で先ず通貨増発の途を切替えなければならんということを考えたのであります。そこで実はこういうような形をとつたのであります。これは特別会計による國債発行と併せてここで説明さして頂きたいと思うのであります。実は
國民貯蓄運動が
相当の効果を挙げまして、そうして去る九月の如きは百七十何億というような
実績を挙げておるのであります。この運動を非常にするということは、勿論必要であります。そうして自由預金の純増の中で、大体封鎖預金の拂出しを差引いた純増であります。その純増の中で、大体半分を財政資金に、半分を産業資金へと向けるのであります。産業資金の点はその半分を囘収、その他ものを加えますので、
相当の金額になると思うのであります。そうしてその財政資金の中で、
一つは公債の消化、
一つはこの復興金融金庫の債権引受けという形に持
つていくようにいたしておるのであります。既に國債につきましては、そこで金融機関が國債を持ち得るように金利水準をも変えまして、そうして大体利廻りを四分五厘くらいのものにいたしまして、そうしてこの九月には十億、それから十月に十三億を市場消化だけで賄つたのであります。十一月、十二月は國債と同じような形を復興金融債券についても実行いたすのであります。復興金融債券のいろいろ金利水準、市場の水準、及び金融機関のコストなどから申しまして、一銭四厘五毛ではなお少しペイしない点もあるかと思いますが、そこでこの復興金融金庫の補償の下に貸し出すことが、足が少し高い点もありますので、そういうような復興金融債券の手取り利廻りと十分睨み合わせまして、両方をこみにいたしまして、金融機関でペイするところまで持
つて行きまして、そうして引受けをするようにいたして貰いたい。こういうような話をしまして大体話ができておるのであります。そういうようにしますというと、日本銀行の引受けということは非常に削減されまして、市場消化、原則として市場消化一点張りで行きたいと考えておるのであります。そういうふうにして今後復興金融金庫の貸し出が多くなる、その多くなるのを、尚見合せて、債券発行或いは補償というふうなものもいたしたい。それを今申上げましたような市中の金融機関の共同引受というような形でや
つて行きたいと思うのであります。市中の金融機関におきましては、こういうような事情もあるのであります。それは貸出しの対象であります企業が企業再建整備、或いは集中排除その他の点におきまして、見透しがつかん。そこで貸出しができない。そのために集まつた資金を一時いわゆる枠を在置して置きながら、日本銀行に返済しておるというような実情もあるのでありますが、そういう資金の場合に、その資金を復興金融金庫の補償によ
つて貸出す。或いは復興金融債券を引受けて、そして間接的にその資金を貸出しに廻すというような、あらゆる改善の
方法をと
つて日銀の資金をこれによ
つて大幅に流出することを止めたいと思う次第であります。それからなお
只今お尋はございませんでしたが、この際申上げて置きたいのは、特別会計、鉄道と通信であります。これも
従來は赤字でございまして非常に大きなものが借入金で賄うために、日本銀行券がそこから出ておつたのであります。これをも改めたい。かように考えまして、今囘例外的な措置であり、非常の措置でありますけれども、一先ず
一般会計、
一般収入から出ております
一般会計から七十五億を繰り込みまして、そうして十二月から五月分のものは損益勘定において赤字を出さん。即ち日本銀行の借入れを行わない、通貨の増発をしない。こういうような
方法でや
つて行きたいと考えておる次第であります。
貿易資金でありますが、貿易資金につきましては、この損益が赤字が出ておりましたので、これを借入金で賄いますと、やはり日本銀行の通貨の増発になりますので、
一般歳入によ
つて補填しよう。そういうために五十五億でございましたか、それを見積つたわけであります。なおこの貿易資金の操作につきましては、
従來もこれは前内閣の時にも、
相当の赤字がその儘溜ま
つておるのであります。これでは金融の点に圧迫を與えるわけでございますが、十分考えまして操作等も収支の償うようにや
つて行きたい。かように考えて十分その点をも改善を加えて或いは
制度の上でも、再検討をいたす。こういうふうにいたしておるような次第であります。その他この預金部の十億の繰入でありますが、これも金融の
関係で行きますと、通貨増発を招きますので、その辺も十分考え、預金部についても独立採算制ということでや
つて行きたいと思うのであります。なおこの税が取れるか取れんかが極めて大事な問題であります。これを取らなければ、どうしあても赤字ということになる虞れがあり、その結果は一時の遣り繰りとして蔵券を出す。それがために日銀券が出る。こういう御説の
通りの結果に來しますので、この点も十分考えたのであります。そうして大体この追加
予算がその筋との
関係その他の
関係で非常に遅れました。そこで差迫
つて巨額の税金その他を取上げなければならんという
立場にな
つておりますけれども、徴収しなければならん
立場にな
つておりますが、これも先程申しました税務機構の拡大強化と税務官吏の優遇というような点も十分考え、なお
國民運動としても納税運動もいたしまして、そうして刻下の急務と、今の現段階における危機を
國民が十分認識して税を納めるかどうかついう点等をも十分徹底的に滲み込まし、そうしてこの納税の
実績をも挙げたい思うのであります。なおそれと同時に政府といたしましても、
國民貯蓄運動も合せ行うのでありまして、
國民貯蓄運動も合せ行うのでありまして、
國民貯蓄運動は実は今年の一月から九月までで大体千億近い自由預金の増を持
つておるのでありますが、これを更に來年の三月までは、この大幅の貯蓄をさす。その問題のために通貨の信用、今度の財政というものもそういう
意味では十分考慮を拂つのでありまして、通過の信用というもの、或いは預金の安全性というものをも十分考えまして、そうして貯蓄をさす。それは通貨増発の誘致を防ぐという点と、その集まつた資金を一は財政資金、一は産業資金へと廻して経済再建に資そう。こういうような考でや
つておる次第でございます。簡單でございますが、お答といたします。