○
政府委員(藤田巖君) 私農林省水産局長の藤田でございます。魚の六大都市における配給状況につきまして、最近の実情を御
説明をいたしたいと
考えております。この魚につきましては食糧
緊急対策の
一つといたしまして、六大都市に対しまして鮮魚介を三日について三十五匁、それから水産加工品を一日三匁、これを確保するところの方針を食糧
緊急対策で立てまして、七月からこれを実施しておるのであります。これは各地について必ずしも一様ではございませんが、その結果大体
東京都で例を取
つて申上げますると、当初の七月中の入荷量というものは、これは大体約三百万貫でありまして、その中家庭配給に廻りました数量が百九十二万、大体一日一人平均十四匁であります。その当時は非常にお魚の配給もよか
つたのであります。その他の地方につきましても、惡い所もございますが、大体計画の七割程度、これは確保し得たと私共は
考えております。ところが八月のなりましてから一体に入荷量が非常に減
つて参
つております。大体八月で申上げますると、
東京では一人一日大体七・三匁、それから横濱では七・四匁、名古屋では三・一匁、京都では三・九匁、大阪では三・四匁、神戸では三・八匁、大体一日に十二匁程度を確保すべき数量がこういうふうに減
つて來て参
つておるのであります。それから九月に相成りますと、
東京では一人が六・七匁、横濱では十・三匁、名古屋は五匁、京都は二・四匁、大阪は六・四匁、神戸は二・五匁、かような
数字にな
つて來ておるのであります。一日一人当り大体鮮魚で十二匁程度確保いたします計画も非常に下廻
つておりますようなわけで、大体入荷量も計画をいたしておりますところの入荷量の半分程度、こういうふうに相成
つておりますわけであります。
これはどういうような
事情でこういうふうに
なつたかと申しますと、大体この八月九月というのは、これは御
承知の魚につきましては夏枯れの時期であります。この
東京方面に入ります主な魚、例えば汽船底曳網漁業によ
つて取られます魚類、そういうふうなものは主な所が休んでおります。禁止期間に相成
つておりました
関係もあり、それから又
一つは今年は非常に近海物が水温の
関係で例年に比べて不漁でございました。それから遠いところの魚につきましては、氷が不足いたしましたし、或いは運搬するときの冷藏車が不足いたしまして、夏のことでありますので、そういうふうなものが不足いたしますと鮮度が非常に落ちますために出し澁る。又折角送
つて参りました物もそういうふうな
関係で非常に鮮度低下品になりまして、家庭配給の不向きになるところの品物が非常に沢山出て來る。
從つて入荷いたします数量が減りました上に、入
つて來ましたところの魚が鮮度低下で家庭不向き品ということにな
つて來ておるというふうな
実例がありまして、八月九月は余り芳ばしくない成績にな
つて來ておるのであります。殊に最近は多少戻
つて参
つておりますが、
東京について
考えて見ますると、東北方面水害の
関係からいたしまして、まだ貨車が完全に元のようには復旧をいたしておりません。そういうふうな
関係で輸送力が非常に減退をいたしておりますような
事情があるのであります。
これが大体鮮魚についての実情でございますが、
一つ指定水産物についての実情を申しますと、指定水産物と申しますと、例えば身欠鰊でございますとか、煮干鰯でございますとか、「するめ」でありますとか、或いは練
製品、或いは魚粉、こういうふうな大体九品目のものでありますが、指定水産物の集荷につきましては、これは大体入
つて來ております数量は、
東京、大阪方面は相当良好であります。ただ横濱、名古屋、京都方面、これが計画には達しておらないようであります。平均して申しますと、七月の現実に配給のありました数量が
東京で三匁見当、と申しますと、平均して
東京で四匁、横濱で一・一匁、名古屋で一・八匁、京都で一・二匁、大阪一・五匁、神戸一・九匁、八月に参りますと、
東京で一・八匁、横濱で二匁、名古屋で四・六匁、京都一・四匁、大阪は五・一匁、神戸一・三匁、こういうふうに相成
つておるのであります。
鮮魚及び加工品全体を通じましての配給につきましては、丁度そういうふうな時期の
関係、その外いろいろの事故がございまして、必ずしも
予定通りには入
つておらないわけであります。この点につきましては段々と十月も過ぎて参りますれば、いわば盛漁期に入
つて参りますわけであります。我々といたしましては、生産方面についても相当需要が
増加して参ります次第でありますから、極力
計画通りの六大都市方面への出荷を促進するようにや
つて参りたい、かように
考えております次第であります。
尚又折角入りましたものが、末端において横流れをいたしまして、家庭配給にならないというふうな部面も相当現実にあると
考えております。こういうふうな問題につきましては、我々といたしましては現在折角入
つて参りましたところの品物が横流れをするようなことのないように機構の
改善を行う、或いは又末端の配給の取締りその他の点を
考えまして、確実に計画配給のできるように努力をいたして参りたい、かように
考えております次第であります。