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岩間正男君 それではこの前の八月十八日に開かれました第三小
委員會の結果について
簡單に御
報告をいたしたいと思います。
委員は七名のうち六人出席されまして、それに
河崎委員、
松野委員が外の
委員會から參加されました。
案件としては第一に
岐阜高等農林の
昇格問題と、それから六・三制の
全額國庫負擔の問題であります。
第一の問題につきましてはいろいろの討議が行われたのでありますが、
結論を
簡單に申し上げますと、結局これは單に
岐阜高等農林だけを切り離してここで採り上げるというような
立場のものではなくて、やはり新らしい大
學制度に連關して、更に
日本の大きな
文教政策の今後の
行政措置と連關してこれを解決すべきものである。それで今後も尚こういうような
請願が行われるかも知れないけれども、それらの問題はすべてそのように全體を含めた問題として處理すべきものである。
從つてこの
案件については院議に付す必要のないものというふうに小
委員會の
意向として
決定されたわけであります。併しそのために折角の
請願者の熱意に對して水をかけるようになるのは甚だこれは
委員會としても忍びないことである。この不安を一掃するためには、
總合的な
設立基準というようなものを
決定して、
文部省にやはりできるだけ早い間にそれを通告して貰う。
竝びに昇格運動というものは現在各所で行われているけれども、そういう
運動によ
つて特にその
學校が優先的にやられるというようなものではないので、飽くまでも
公平妥當な、更に科學的な見地からこれが行われるのであるから、特別そういうことに
努力をすることは餘り
意味のないことだというような通牒、そういうものを發して適宜に處置することを
附帶條件として
話合になつたのであります。
第二の六・三制の問題につきましては、六・三制のどこまでを
全額國庫負擔にしたいのであるかという點は、
請願書の中では分らない。例えば今度の六・三制に伴うところの
校舎を作るために
全額負擔とするというのであるか、それとも
教員の
俸給を含めてであるか、それからこれはずつと先までそういう
要求を貫徹するのであるかというような點で不明瞭な點がある。その點について
話合いが行われたのであります。無論これは
結論としては出されない問題でありますが、
委員會の
意向としては要するに六・三制を
實施して行くところの
精神、それは
日本の
學制をここで全面的に改革して民主化するという點である。更にその
精神の一番大きな問題は、
教育の
機會均等を與えるという點である。それを確立するためには六・三の全部の問題、
教員の
俸給のようなものも
國庫負擔にして行くところの
要求が含まれておるものだとこれは解釋できるものであるというような
意向にいつたようであります。とにかく取敢ず現實的な問題として、今六・三によ
つて校舎が建てられないということが一番大きな現實的な問題であるから、これについて本
委員會としてはこの
請願の
趣旨を十分採り上げて、そうしてここで速急にこれが
實現を見るように
努力すべきであるという
意見が非常に多かつたのであります。この中で一、二の
委員から、
全額負擔ということは民主的ではない。
教育の自治の
立場からこの點については相當
考えなくちやならないというような少數
意見もございました。併しこれについても相當熱烈な討論が鬪わされたのでありますが、結局
委員會の
方向としましては、今なぜこれを
國費によ
つてやられなければならないかという
意味は、現在の
日本の
經濟状態ではこれを地方に委せ、又は個人的なそういう
自由意思というようなものに委せたのでは、
日本の
教育の
機會均等が全面的に確立されない。これを
國家が今採り上げて
國家の力によ
つてここに十分な
親心を以てこれを
運營してやることこそが今の
教育を再建するには最も重要な段階なんであるというような現實に對するところの更に
教育の今後のあり方、そういうような點からの論議が結局主流となりまして、そういう
方向に大體の御
意見の一致を見たのであります。結局採決に入りましてこのように
決定されました。
請願の
趣旨を全面的に採り上げること、そうして
參議院規則の百七十條の先ず第一項によりまして
議院の
會議に付すを要するものかどうかという件につきましては、これは
會議に付するを要するものである。更に第二項によりまして、
内閣に
送付を要するものであるか否かという點につきましては、無論これに對する
意見書を付して
内閣に
送付を要するものであるということが
決定を見たのであります。
以上
簡單でありますが、第三小
委員會のこの前の結果について御
報告申上げます。