○松村眞一郎君 私はこの
農業災害補償法案なるものが、從來の
農業保險なり、家畜
保險で十分に保護が行届かなかつたところを厚くしたという
意味において
賛成するものであります。しかしながら從來は家畜に関する
考え方が、この度よりも、もう少し廣かつたということをここに
考えなければならんと思います。元は家畜
保險でありますから、農業とは直接に
関係ない部分であ
つても、家畜なるが故に保護の途があつたわけであります。今度は
農業災害補償ということにされたのですから、農業を非常に廣義に解釈しまして、その中に包容する程度のものは、或いは救済もできましよう。併し農業ということが如何にも無理であるという方面においての家畜の
保險の途はここに狭ばまつたということを感ぜざるを得ないのでありますこの運用の上におきまして、成るべく農業の
意味を廣くやはり解釈するというような工合にし、そうして家畜の
保險の、從來の利益を奪わないようにして頂きたいと思います。これは行政の実際の運用上において考慮をせらるべきものであると
考えまするし、若し農業
災害保險で無理であるというならば、幾らか、それを拡張して、別の
制度をここに追加することを行政当局としては
考えるべき
責任があると
考えますし。その
意味は都市のいろいろ重要物資の輸送に從事しておるもの、
食糧輸送或いは蒔炭の輸送というようなことに從事しておる輓曳の家畜というものは、農業であるかどうかということが疑わしい場合が私は生ずると思います。從來よりも一層有畜農業ということに力を入れておる農林省としては、家畜が益畜としての非常に重要性を
考えたならば、その方面の保護も相当
考えなければならんと思います。ところが今度の案によりますると、その方面はいくらか閑却されておるということになる訳であります。農業に益畜が大切であるならば、その家畜
保險の方の
政府の力の入れ方も、この
農業保險、
農作物保險と同じようにいたさなければならんと思いますが、その
政府の
負担は家畜
保險の方には薄いということには、この案でもな
つてるお訳であります。
保險料にしましても、再
保險金額にしても、そんな点を平等にすべき必要があると思いますから、財政の
関係上こういう結果になつたか、よく存じませんけれども、將來においてはその点に考慮をお願いしまして、本案に
賛成する者であります。