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1947-11-04 第1回国会 参議院 農林委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    付託事件農地調整法改正に関する陳情(第  一号) ○物價是正及び肥料作業衣ゴム底  足袋配給に関する陳情(第十号) ○農業保險法改正に関する陳情(第  十三号) ○農業復興運動に関する陳情(第十四  号) ○水利組合費賦課に関する陳情(第二  十二号) ○食料品配給公團法案内閣送付) ○油糧配給公團法案内閣送付) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第四十六号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第五十一号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第五十九号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第六十一号) ○薪炭生産あい路打開に関する陳情  (第六十二号) ○茶業振興に関する陳情(第六十三  号) ○農業用電力料金の引下げ及び換地処  分経費全額國庫助成等に関する陳  情(第六十七号) ○東北及び新潟地方特殊事情に立脚  せる食糧供出対策改善に関する陳情  (第六十八号) ○農林省所管治山治水事業の一部移  管反対に関する陳情(第七十号) ○農地委員会経費全額國庫負担と  することに関する陳情(第七十三  号) ○林道飯田赤石線開設に関する請願  (第十七号) ○主食需給計画根本的改革に関する  陳情(第七十四号) ○養蚕協同組合法制定に関する陳情  (第七十六号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第七十七号) ○農業会農業技術者給與國庫負担  とすることに関する陳情(第八十  号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第八十四号) ○愛知縣豊川沿岸農業水利事業経費を  國庫負担とすることに関する陳情  (第八十九号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第九十一号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第九十七号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第百二号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百五号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百九号) ○蚕繭の増産に関する陳情(第百十五  号) ○養蚕協同組合法制定に関する陳情  (第百十六号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百十九号) ○飼料配給公團法案内閣送付) ○農業協同組合法案内閣提出、衆議  院送付) ○農業協同組合法制定に伴う農業團  体の整理等に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○函館営林局管轄区域変更に関する  請願(第五十四号) ○藥用人参試驗場設置に関する請願  (第六十六号) ○米價改訂に関する陳情(第百二十八  号) ○民有林野制度確立に関する陳情  (第百三十号) ○養蚕協同組合法制定に関する陳情  (第百三十一号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第百三十三号) ○開拓者資金融通に関する陳情(第百  三十八号) ○米穀供出に対する報奬制度廃止並  びに肥料配給に関する陳情(第百  四十九号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百五十号) ○遲配主食價格に関する陳情(第百  五十二号) ○岩手縣下の三農業用水改良事業を國  営とすることに関する請願(第八十  八号) ○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を  中止することに関する請願(第九十  五号) ○北海道てん菜糖業保護政策確立に  関する請願(第百二号) ○薪炭價格に関する陳情(第百六十  二号) ○農業曾農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百六十三号) ○食料品配給公團法に関する陳情(第  百七十六号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第百八十七号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第百八十八号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第百九十二号) ○市営競馬施行に関する陳情(第二  百二号) ○北海道開拓事業に関する陳情(第二  百七号) ○岩手山ろく國営開發事業に関する陳  情(第二百九号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第二百十三号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第二百二十号) ○未墾地開拓事業に関する陳情(第  二百二十二号) ○群馬縣古馬牧村外三ケ村のかん漑用  水路に関する請願(第百二十一号) ○蒜山演習地の返還並びに開拓計画変  更に関する請願(第百三十五号) ○食糧配給確保に関する陳情(第二百  二十六号) ○林業振興対策に関する陳情(第二百  二十七号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第二百二十八号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第二百三十一号) ○水利組合法改正及び水利事業費國  庫補助に関する陳情(第二百三十二  号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第二百三十五  号) ○米麦需給計画根本方針に関する陳  情(第二百三十六号) ○農業保險法制定に関する陳情(第二  百四十四号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第二百四十五号) ○岩手山ろく國営開発事業に関する陳  情(第二百四十八号) ○未利用地耕作利用臨時措置法案(内  閣送付) ○青果物の統制撤廃に関する請願(第  百七十六号) ○開拓対策に関する請願(第百七十七  号) ○旧軍馬補充部十勝支部用地内山林拂  下げに関する請願(第百八十三号) ○十勝種馬育成所用地開放に関する請  願(第百八十五号) ○昭和二十二年度産米價格並びに供出  に関する陳情(第二百六十二号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第二百六十七  号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第二百六十八号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第二百七十一  号) ○自作農創設特別措置法及び同法附属  法規の一部を改正することに関する  陳情(第二百八十号) ○勤労大衆食糧危機突破対策に関す  る陳情(第二百八十二号) ○日本競馬会に関する陳情(第二百八  十三号) ○農村指導農場開設に関する陳情(第  二百九十四号) ○昭和二十二年度産米價格並びに供出  に関する陳情(第二百九十五号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第二百九十九  号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第三百号) ○臨時農業生産調整法案内閣送付) ○小坂部川貯水池改良事業國営とす  ることに関する請願(第二百七号) ○旭川合同用水工事促進等に関する請  願(第二百九号) ○農地改革促進に関する請願(第二百  十三号) ○東京都内食糧配給に関する陳情  (第三百七号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第三百十三号) ○種卵及びひなの價格撤廃並びに養鶏  用飼料増配に関する陳情(第三百十  八号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第三百十九号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第三百二十五号) ○開拓融資金増額に関する陳情(第三  百三十号) ○農地法による山林開墾行過是正に関  する陳情(第三百三十二号) ○農作物の「栄養週期栽培法」の普及  実施に関する陳情(第三百三十五  号) ○千葉縣長生茂原乾繭所設備を縣  蚕糸業会に還元することに関する陳  情(第三百三十七号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  三百四十二号) ○三方原揚水事業に関する陳情(第三  百四十五号) ○富士山ろく開発農業用水事業促進に  関する陳情(第三百四十九号) ○こうじ類の一般製造に関する請願  (第二百四十六号) ○茨城縣下北浦干拓事業促進に関する  請願(第二百四十八号) ○茨城縣下かん害対策助成に関する  請願(第二百七十六号) ○大池用水幹線改良に関する請願(第  二百九十号) ○主食配給に関する陳情(第三百六十  号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  三百七十八号) ○農地調整法並びに自作農創設特別措  置法改正に関する陳情(第三百八  十号) ○奈良縣下かん害対策に関する陳情  (第三百八十七号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  三百九十号) ○農業会農業技術者給與國庫補助に  関する陳情(第三百九十二号) ○農業共済保險法案中の農家負担等に  関する陳情(第三百九十三号) ○食糧緊急対策に関する陳情(第三百  九十九号) ○養蚕協同組合独立強化に関する陳情  (第四百号) ○農業協同組合法案の一部を削除する  ことに関する請願(第二百九十七  号) ○観光都市に対する自作農創調特別措  置法実施延期に関する請願(第三  百十六号) ○熱海観光地帶農地法の適用より除  外することに関する請願(第三百二  十四号) ○森林治水並びに災害防止林造成事業  拡充強化に関する請願(第三百六十  号) ○民有林施業案編成國庫補助増額に関  する請願(第三百三十五号) ○鹿兒島縣國立茶業試驗場九州支場  を設置することに関する請願(第三  百三十六号) ○樟脳製造事業森林組合に許可する  ことに関する請願(第三百三十七  号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  四百十七号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  四百二十四号) ○邑知潟干拓計画反対に関する陳情  (第四百二十六号) ○福岡縣三池郡高田村地先その他の干  拓事業國営とすることに関する陳  情(第四百三十六号) ○農業災害補償法案内閣送付) ○農村指導農場開設に関する陳情(第  四百三十八号) ○主食均てん配給に関する陳情(第  四百四十号) ○新発田市旧町裹練兵場拂下げに関す  る陳情(第四百四十一号) ○食料品関係公團制反対に関する陳  情(第四百四十九号) ○農地開発営團の解散に伴う開発事業  の都道府縣移管その他に関する陳情  (第四百五十号) ○民有墾地買收計画の樹立その他に  関する陳情(第四百五十二号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  四百五十四号) ○邑知潟干拓計画反対に関する陳情  (第四百五十五号) ○東京都の薪炭増配に関する陳情(第  四百六十号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  四百六十八号) ○元御料林拂下げに関する陳情(第四  百七十号) ○植林用苗木無償配付に関する請願  (第四百一号) ○適地開拓に関する請願(第四百二  号) ○北海道農業試驗場復興助成に関する  請願(第四百七号) ○燧灘干拓事業実現促進に関する請願  (第四百二十号) ○ビール麦栽培奬励に関する請願(第  四百二十五号) ○農業協同組合法制定その他に関す  る陳情(第四百八十二号) ○薪炭生産者價格等に関する陳情(第  四百八十三号) ○鹿兒島縣揖宿郡内のかん害救済に関  する陳情(第四百八十六号) ○農業保險制度拡充強化に関する陳  情(第四百九十一号) ○農地委員会費國庫補助増額に関する  陳情(第四百九十九号) ○農業協同組合法案に関する陳情(第  五百一号) ○水害林業対策に関する陳情(第五百  十一号)   ————————————— 昭和二十二年十一月四日(火曜日)    午後三時七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件農業協同組合法案農業協同組合法制定に伴う農業團  体の整理等に関する法律案   —————————————
  2. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会を開会いたします。本日は予ねて御審議を願つておりまして農業協同組合法案及び農業協同組合法制定に伴う農業團体整理等に関する法律案、この二件を議題にいたしまして、これから討論に入りたいと思います。
  3. 板野勝次

    板野勝次君 農業協同組合法案農業協同組合法実施に伴う農業團体整理等に関する法律案は、從來の官僚的な地主的な農業会を解体して、耕作農民によります自主的農業協同組合結成の途を切開いたものとして、誠に進歩的な意義を持つておるのでございまして、私は原案賛成する者でありますが、併し現在政府が採つております自作農創設主義の農政の一環でありますところの本法律の範囲内におきましては、基本的には不徹底農地改革の現状の下にありますので、貧農層の経済的、社会的地位向上と、それを可能にしまするところの農業経営共同化というものが何ら保障されていないのでございまして、これは前にもしばしば質問を繰返された点でございまするけれども、政府答弁におきましても、何らその方向を保障するごとき答弁が得られなかつたのであります。そのために富農層の利益に主として奉仕する農業協同組合が発生して行くということは必然でありまして、從つて農事生産力増進は一般的には期待する業はできないし、又現在の不合理な供出制度や、又最近改訂されました供出價格にいたしましても、依然として安い、都会の工産品に比較いたしましてシェレー差を多分に含んだところの價格しか決められていないのでございまして、そういう点からいたしましても農業生産力は縮小再生産の過程を迫るより外ないのであります。富農層闇稼ぎの反面に、中農層貧農層が收奪されてますます貧困化しておる現在におきまして、農業協同組合農業生産力増進に貢献し、発達する可能は、現実の基盤では何ら見出すことができないのでございます。從つて只今申上げましたような基盤造成は、農村民主化徹底と、農村経済発展によつてのみ可能なのでありまして、又そのことこそが昭和二十年十二月九日の連合軍農民解放令精神であると私は確信するのでございます。  從つてこの法律案の目的を眞に実現するためには、政府をして次に上げます七つの農業政策を強力に実施せしめることによりまして、これを法律作文化から防禦する、こういうふうにいたしたいのでございます。  第一の点は土地改革徹底でございます。これは説明するまでもないと思います。  第二は適正利率によりまする長期短期農業資金の貸付け、及び農業生産に直接間接必要な資材の供給の優先的確保これも説明するまでもないと思います。  第三は農業生産共同化及び農業技術向上のための積極的助成、これも説明の要はないと思います。  第四は部落農業團体完全解体、これは農家実行組合等を指すのでございますが、これらがまだ農業における眞の民主化を妨害しつつあるので、これらを完全に解体して、眞に農業共同化に進み得る態勢を作る必要があると思う。  第五は電力事業法等農業協同組合事業を制約する統制法規改正でございます。これも前に質問の際申上げましたことですが、電氣事業法等改正することによつて小型発電の可能の機会を作る、こういう点を強調したいのでございます。  第六案は公職追放者及び昭和十二年七月七日より昭和二十年九月二日に至る間、農会法産業組合法及び農業團体法に基く農業團体役員であつた者を、農業協同組合役員より排除するための行政的措置、これは農業協同組合を眞に民主化するという意味で、是非実施されなければならない点であると思うのであります。  第七は解体さるべき農業会農業協同組合設立運動を行うことを抑制するための行政的措置、これも亦第六と同樣な精神から眞に民主化方向に自主的に農民が活動し得る十分な機会を與えて行く、  こういう点を特に強調し、この点への実現に向つて、各位並びに政府において十分この趣旨に賛成せられて、その方向に進むならば、この農業協同組合法案は眞に農業共同化実現を期し得る。從いましてこの裏附けなくしては農業協同組合ができましても何ら意味をなさない。從つてその点の実現是非格段行政的な措置をとられることを希望いたしまして、本案賛成する者であります。
  4. 松村眞一郎

    松村眞一郎君 私は二法案成立賛成いたす者であります。二法案施行に関しまして、行政廰に対しまして次に述べます三ケの要望をいたして成立に同意する者であります。  一、農業協同組合により廣義農業綜合発達を期し、畜産、養蚕及び茶業並びに林業專門的発達のための協同組合その他の團体の組成及び発展の自由を尊重しなければならない。  二、農業協同組合に対する金融の円滑及び協同組合の経理の調整に関し、適切な措置をなさなければならない。  三、農業協同組合員農業に関する科学知識普及並びに技術向上のための農業技術員の重用に関し施設をなさなければならない。  両法案施行されるに当りましてはこの三ヶの要望をいたしました事柄は必ず実施せられなければ、この農民の自由なる意思に基きますところの、協同組合の健全な発達を期することはできないと考えます。その意味におきまして三ヶの要望を述べる次第であります。
  5. 門田定藏

    門田定藏君 簡單に賛成意見を術べます。今囘提出されましたこの農業協同組合法案全部に対して、原案賛成するものであります。ただ希望といたしまして、從來農業会のごとく、ボス的の存在でなくして、眞にこの農業協同組合が民主的ならんことを実現するために、以前のごとくこのボス的存在を維持せんがために活動せんとする分子があるように考えますので、これを十分政府は警戒して、本当に民主的な協同組合実現さるべく、努力して頂きたいと思う。ただこれだけの希望を附して原案賛成する者であります。
  6. 高橋啓

    高橋啓君 農業協同組合法案が発表されましたときに、第九條第三項について林業家は非常に疑義を持つたのであります。それはこの文言によりまして、農業林業とはその本質を異にしておるにも拘らず、而も法的にも明確に区別されておるにも拘らず、何となくその関係が極めて曖昧になつたというような疑義を持つたのであります。第二には本組合組織強化に急であつて、外の組合に対する影響を考えない結果、その他の組織に対して混乱を來すことになりはしないかというような疑義を持たしたのであります。その次には今日過般の水害等によつて國土緑化計画というものが非常に大事なときに、農業林業とが二途に用いられる関係上、眞に施業案確立に支障を來すことなきやという懸念を持つたのであります。その他生産統制の上において不徹底を來しやしないか、或いは保護奬励の上に農業関係或いは林業関係別々にこれをなすがために、不均衡を來して生産の不円滑を來すものではないかというような懸念があつたのであります。これにつきまして沢山の陳情がありまして、その中には立場々々における陳情でなく、権威ある学者或いは体驗家が、而も有数な人々が、この陳情に名を連ねられておるということは、私共は見逃せない事実であると考えるのであります。このようにこの一項に対して國民懸念を持つておる人が非常に対数あるということを私はここで指摘したいと思うのであります。  ここにおきまして、農林大臣にこれらの懸念についてどうするのだと質問いたしたところが、これは行政的措置によつて何とかするというお話であつたのであります。これらの懸念行政的措置によつて方法が何とかできるというものであれば、私は何ら差支えないと考えておるものでありますがそれは林業專門的立場において、はつきりとこれらの林業に関する行政が一元化されて、この問題の処理に当つて林野局がこれに当るというような農林大臣の意向であるとすれば、それに関する諸般の行政的措置によつて何とかできるということを私も考えるのであります。政府当局もそれに対して万全の方法を採つて、かくのごとき懸念なからしむるということを心配してくれるならば、私はこのまま通しても末端における弊害も除去されるのぢやないかと考えるのであります。結局こういうようないろいろな懸念が出て参りますのも、森林制度はつきりと確立するということによつて除去されるのぢやないかと私は考えるのでありまして、この際我々参議院の立場といたしましては、林業発達並びに國土保安立場から、この山林緑化実現するために、森林制度はつきりとここで立てるということについて皆さんの御賛成と御協力を得ることに期待いたしまして、これに賛成いたす次第でございます。
  7. 寺尾博

    寺尾博君 私は本案賛成する者でありますが、特に今後の日本農業技術進歩発達という見地から、この協同組合法重要性を認めたいと思うのであります。從來農業技術指導は概して個々農家を対象とし、即ち篤農家のごとき農家が発生することを期待して指導して來たかのごとき感があるかと思うのでありますが、技術的進歩即ち新技術を実際の農業に活用するということになりますと、農家の本來の性質である保守性、保守的の性格、或いは我々は特にこれを農家不動性、動かざる性質などという言葉などを使つて論議することがあるのであります。そういう関係で新技術參透普及ということがとかく行い得ない。で、どうしても新技術実現するのにはここに共同ということが是非共必要になる、協同体の研究とその綜合した設備によつて農業改良の新らしい途を取ろうぢやないかということは、從來個個農家の考えでは概してむずかしい。又かような新技術には必ず能率の高い新らしい機械が伴う。例えば先頃或る地方へ丁度麦の頃行つてみますとその農業会或いは郡農業会支部動力噴霧器使つて、毎日各農家の麦畑を一日六町歩ぐらいの割合で藥剤撒布をやつておる。かようなことにして初めてその科学的技術が実際に活用できる。これを個々農家に一人々々やることを何ぼ数えたり勧めたりなどしても、なかなかその普及徹底するものでない。又そういう機械個々農家は備えることはできない。知識的にも精神的にも又実際的にもこの能率の高い機械、そうして殊に新らしい機械は特殊の知識技術を要する。これを個個農家に期待することはできない。かような意味において協同ということと新技術発展ということは車の両輪のごときものであると考えるのでありまして、その他尚能率の点からいいましても、協同というこの必要は非常に高いものである。尤もロシヤであるとかアメリカのような農地の非常に廣い所、從つて一條件農地が非常に廣く発展するようなところにおいては、農作業までも共同的にして能率を高めるという面も一面ありまするが、我が國の國内においても、場合によつてはいわゆる作業共同的にすることも有効に適用される機会のないことはないと思いますが、必らずしもその種のことまで無理に共同を強いることは実際に副わないことがあると思う。併し先程申しましたような殊に科学技術、有効なる能率の高い技術を適用するということ、更に又今後この地方々々に適したところの農産加工であるとか、或いは農村工業であるとか或いは副業成立という事柄農業経営上非常に重要なものになる。その中には輸出農産物加工品等の発生もできるのでありまして、この種のごときものは全く協同態勢によつて初めて成り立つものである。又その副業には勿論農業のみならず、農業以外の方面におけるところの技術的の発達が必要である。かように考えて來ますと、今囘協同組合法成立するということは、科学技術発展見地から実に喜ぶべきことである。又それは言葉を変えて逆に言えば協同組合法実現せしむると共に、その組合発達を図ると共に、協同組合技術的発達を全うするような國家的施設が是非必要である。今後において、協同組合の基礎ができた上においては技術的発達に関する施設を最も重要視すべきである。或いはこれらの組合は自主的に進歩さすべきものであるという見方が一面あるかも知れませんが、実際において今申しますような有効なる技術的の発達ということを、個々組合の自然の発達に放任して置くことは、大きな期待をすることが困難である。どうしてもここに國家的の施設を必要とするのでありまして、今囘の協同組合法成立ということに私は技術上の見地からそういう意味を以て特に賛成をいたすのであります。
  8. 羽生三七

    ○羽生三七君 この二つの法案に、次に述べるような希望意見を附して賛成するのであります。  第一に、先程もどなたかのお話がありましたが、土地改革徹底が是非必要であると思うのであります。土地改革徹底と相俟つてこの法案施行されませんと、この法案は作文に終る懸念を十分に持つております。固より土地改革によりまして、所有権が移動するということも大きな変革ではありますが、ただ所有権を変革しただけで日本の農業生産が必ずしもプラスになるとは申されないのであります。所有権の変革と共に、同時に農業協同組合等の運用よろしきを得て、生産面における基本的な発展が伴わなければ、この法案意味は私は余りないと思うのであります。つまりこの法案生産部面においてその協同性を十分に発揮するか、流通部面においてその協同性を十分発揮するかは、当該農業協同組合員自身が決定するのでありまして、これは飽くまで自由の原則に基くのでありますが、併し私共は日本の農業の將來を考えまして、強いてみづからの希望を言うことが許されますならば、我々はこの農業協同組合が完全にその成果を果すためには、特に生産部面における協同化がきわめて重要である。そのためには農地改革、例えていうならば更に現在以上の改革のみならず、土地の交換分合に法的基礎を與えるとか、その他諸般の方策が採られなければならないと思うのであります。このことによつてのみ初めて私は本協同組合の意義が達成されるので、そうでなかつたならば從來農業会と殆んで変りのないものになり終るであろうと私は思つております。  いま一つは、先程やはりこれもどなたかからお話がありましたが、農業技術の飛躍的発展を図るために、從來農業試驗場等が象牙の塔に籠つておるようなあの態度を一擲いたしまして、新らしく生れる農業協同組合等と一体になつて、日本の農業技術の高度化を図つて行かなければならない、こう思つております。併しこれらのことは先程申しましたように新らしく生れる農業協同組合員自身が決定すべきことでありますけれども、併し我々がかくのごとき希望を持つておるということは一向差支えないと思いますので、そういうことを期待しておるわけであります。  以上の点を希望意見として、法案賛成いたします。
  9. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 討論はこれで終結いたしました。これから農業協同組合法外一件につきまして採決に入りたいと思います。
  10. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 衆議院の修正になつております施行の日のことでありますが、三十日を超えんことになつておりまして、その通りでいいと思いますが先程も申上げては置きましたが、どうぞ当局の方で、十二月の一日が施行日になるように御協力を願つて置くように希望を申上げて置きます。
  11. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) それではこれから採決に入ります。この二つの法案は御承知のように施行期日の点を衆議院で修正されてこちらへ廻つております。從つて衆議院の修正案を基礎にいたしまして、これから採決いたしたいと思いますが、衆議院の修正案通り可決することに御賛成のお方の起立を願います。
  12. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 全員賛成であります。從つて法案は衆議院の修正案通り可決することに決定いたします。  尚例によりまして委員長が口頭報告をいたします要旨につきましては、從來通り委員会の経過を中心にいたしまして報告いたしたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時四十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            木下 源吾君            森田 豊壽君            高橋  啓君    委員            太田 敏兄君            門田 定藏君            羽生 三七君            北村 一男君            柴田 政次君            西山 龜七君            平沼彌太郎君            木檜三四郎君            小杉 繁安君            佐々木鹿藏君            石川 準吉君            宇都宮 登君            岡村文四郎君            河井 彌八君            島村 軍次君            寺尾  博君            藤野 繁雄君            松村眞一郎君            山崎  恒君            板野 勝次君            廣瀬與兵衞君   政府委員    農林事務官    (農政局長)  山添 利作君