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政府委員(齋藤大助君) それでは
農機具のことにつきまして、ちよつとお話申上げたいと思います。
農機具につきましては、
生産行政は
商工省で担当しております。
配給の方は
商工省で担当しててきましたものを
農林省に移しまして、
農林省の方で各農家に
配給して頂くということに
なつております。それで
生産を中心にいたしましたお話を申上げますから御了承願いたいと思うのであります。先ずお配りしておりますところの参議院の農林
委員会農業
生産調整法提出
資料というのが配
つてございますから、その表につきまして御
説明を進めたいと存じます。その他に
農林省の
資材課の方からの、
配給面から見ました
農機具の
生産配給に関する
資料というのと、二つございます。私の方は、長い横の表から先ず御
説明申上げますから御承知願います。
先程
経済安定本部から話がありましたように、
農機具の
需要をどのくらいに見るかということは、これは
相当なかなか掴みにくい問題でありまするが、ここにこの表の中に二十二年度の
需要見込というところがございますが、それをずつと下
つて頂きまして、その次の頁をお開き頂きますると、一應
府縣から出しました
需要見込を洗いまして、それに耐年年数を、つまり現在どのくらい
普及されておるかというような台数を耐用年数で割りまして出たものが、この大体
需要見込と書いておるものでございまして、
農林省の方から出しております二十二年度の更新
需要というところに書いてありますそれと大体合致すると思います。その
需要見込から言いますると、その次の頁にありますように、二万八千八百何十トンというのが考えられるわけであります。從いまして大体の見込としましては、二万三千トン前後の鋼材が要る。こういう
需要の
推定ができるということになるわけであります。これに対しまして先程お話がありましたように、二十二年度におきましては八千トンの鋼材の
割当があるということに
なつております。而も第一・
四半期、第二・
四半期共に一千トンづつでありまして、第三・
四半期に一千七百トンということになりましたので、尤も第一・
四半期の一千トンの外には修理用として二百トンばかりございますが、とにかく新造としましては一千トン、それから一千七百トン、こういうことに
なつております。從いましてこれを後の第四・
四半期で取返しませんと、八千トンにもなかなか到達しにくいということになるわけであります。併し半面に、我々の方でも、業者の手持ちしておりますところの厚板を、これを
石炭でもう一度赤くしまして再圧延しますれば、十二分に使えますので、再圧延という方法を取
つておりまして、これが今申しました数量の外に、第二・
四半期におきましては三百トン、第三・
四半期におきましては八百トンばかりを見込んでおります。かような鋼材の見当から行きますると、かような見当になるのでありまするが、以下、この表の右の方にずつと目を移して頂きますると、
需要見込は先程申しました通りでありますが、この
生産予定
計画というのは、これは鋼材八千トンという場合の
生産するものは、如何なるものをどれだけ
生産したらいいかということの一應の見透しであります。從いまして八千トンという極く限られたものになりますので、重点的に機種を選びましてこの
生産を行いまして農家の本当に必要とするものを先ず先に造るということを目標にしておるようなわけであります。
次に二十二年度の
生産予定というのは、第一・
四半期と第二・
四半期とそれぞれ分けて書いてございます。それによりまして、これは
農林省の方とタイアツプしまして、
商工省の方で
生産指示を貰いましたところの数字でございます。それに対しましてその横になりますと、二十二年度の
生産実績というのがございまして、從いましてこの
生産予定とこの
生産実績とをお比べ頂きますれば、大体のところにおきまして、この
生産実績の方が多く
なつております。大体の数字がそう
なつております。これは先程安本からも話がありましたように、まだまだ幾分メーカーの方では手持の鋼材がありますので、その鋼材を利用して貰いまして、我々が
割当てた以上の品物を造
つて貰
つておるというような現状でありまして、これが過去におきましては大体三万トン前後の
生産実績を上げておると言われるゆえんであります。併しながら現状におきましてはまだ多少年持がございますが、御承知のように段々と手持が窮迫して参りまするし、又流通秩序の
確立によりまして、なかなかこの鋼材を新規に新しいルートで入手するというようなことも段々と困難に
なつて参りますので、メーカー自身も
相当苦しい立場にあります。從いまして今後としては、時日を経て参りますると、
物動に計上された
資材だけを相手にして
生産して行くということになりますので、この点につきましては
経済安定本部の方におかれても、十分考えておられるようでありますが、我々としましては
農林省と十二分に提携をいたしまして、
安定本部の御了解を得まして、更に枠の拡大を行いたい。こういうように考えておるような次第でございます。
尚一言附言して申し上げまするが、この表に書いてありますところの
生産の
実績なり、
生産の予定というものは、
農林省の方が機種を選んで、そうしてこういう物をこういうメーカーに造
つて貰いたいという希望の機種がございます。この機種をいわゆる
計画生産に載せまして造
つておる物をここに言
つておるのでありまして、それ以外の物、つまり今申しましたのは、大体
日本農機具工業協同組合に属しておる会員のものでありますが、それ以外の地方の組合員、地方のメーカーというようなのが大体二千見当ございまするが、その
方々のはこれには含まれていないというわけでありまするから、それを見越しますると、更にもつと大きな数量が出るということになるわけであります。そういう
方々に対しましては、燃料その他はお世話いたしておりまするが、今のところはその鋼材の点につきましては、今申上げましたような、中央で
計画生産を立ててや
つておりまする機種に手一杯でありますので、他には鋼材は廻す余地がないというふうな現状でありますので、燃料その他はお世話いたしまして、その
方々の手持の
資材を活用いたしまして、
農機具生産に寄與して頂くということに
なつておりますから、この表に出て來ました以上に、今
生産実績というものは上
つておるのであります。併し今後あとでお話し申上げますが、
配給組織が変りまするが、過去におきましては全部中央
農業会の方の指示によりまして、これは
配給されておつたものでありますので、從いましてそれ以上に地方では
農機具というものが出ておるわけであります。それがこの
商工省から出しました横の表は大体そういうふうな
計画に載つたものを出しております。又着業今満
資材課から出しました表は、これは
計画に載つたもの、それから地方メーカーのものと両方で、
推定が入
つておると思いますが、両方を加えまして書いたものであります。從
つて昭和二十一年度の
生産実績と
配給実績というのは食い違いがございます。
相当開きがございますが、
生産実績というのは中央で
計画したものと、それから地方で造
つて貰つたもの、両方が加わつたものが
生産実績、それから
配給実績は、
農林省で指示
配給したものが
配給実績に
なつておるというわけでありますから、数字が違
つておる。こういう恰好に
なつております。併しながら今後は
配給につきましては、これは
農林省の問題になりまするが、クーポン制、切符制を採りまして、切符と交換に農家に
配給して行くということになりますので、現在のような
生産計画というものも、ただ限られた素材でございまするので、どの
程度それができるかは、まだや
つて見ないと、なかなか面倒だとは思いまするが、各メーカーの切符をこなした
実績によりまして
生産をして頂くということになろうと思うのであります。かような次第でありまして、
農機具につきましては、甚だなんでありまするが、いささか人の
資材を……
計画された
資材以上に、メーカーの手持
資材を当てにして、それに頼
つてというと、頼り切
つておるわけでは決してございませんが、
相当それにおぶさ
つて計画生産を上げて頂くということでありまして、今後これが現在のストツクがなくなりました場合の手当の問題としては、十二分に考えて行かなければならない。こう考えるような次第でございます。今お話し申し上げましたのは、大体
農機具の需給
関係でございますが、需給
関係に限らず、限らずと申すと語弊がありますが、その量的に多少とも不満足な点を質的に補うという点も、又
農機具にと
つては非常に必要なことでないかと思うのでありまして、
商工省におきましても機械試驗所を動員いたしまして、
農機具の製造技術の指導をやり、或いは試驗研究に関する懇談会を開きまして、これの指導をする。或いは最近は各地方に頻繁に行われるようでありますが、
農機具の展覧会にいろいろ協力する。或いは
農機具の材質試驗を行うというふうなことをやりまして、戰前並びに戰後轉換いたしました轉換メーカーの技術の指導ということにも当
つておるようなわけであります。
農機具は御承知のように、大体において中小工業でございますが、戰後に轉換しました業者の中には、なかなか大工業もございます。これらの大工業の持
つておる技術というものは、必ずしも從來の中小工業の
農機具メーカーの持
つておつた技術と同じでないものがあるのでありまして、これを大いに活用すべき点もあるように見受けられますし、
農機具というのは、これは申すまでもないわけでありますが、各地方の実情によりましてなかなか違
つておる点もございますので、一概に普通の機械と同じように、直ぐ大量的に乘り出すというわけにも行かない品種もあるようでありますが、併し要するに大メーカーの持
つておる技術というものは、なかなか良い技術もございますので、それらを活用させるということにつきまして、
商工省といたしましても、機械試驗所その他を活用いたしまして、十二分にその活用に努める。それから又各地に展覧会を開催して頂きまして、
農機具の
普及改善に努める。相互の品種の改善に努めるということと、最近におきましては農業機械化協会ができまして、農業の機械化ということに今後メーカー、又
需要者一致して当
つて行くということに
なつておりますので、今後の
農機具の改善ということにつきましては、更に過去におきまするよりも
生産の進歩が見られるのではないか。こう考えておるわけであります。その方面につきましても、数量的の問題のみならず、質的な問題という点につきましても、十二分に一つ改善を行いたいというふうに考えておりますから、御了承願いたいと思います。