○島村軍次君 大分重要な御質疑があつたようでありますが、
根本的の問題といたしまして、尚疑問が取り去らない點が相當あると思うのであります。それは重要なる
農産物の
生産というのは、米麥、馬鈴薯のごとき
主要食糧であるということは分りますが、その
考え方であるならば、むしろそういうことをはつきり謳われた方が適當じやないかと思う。
それから第二條におきまして「
農業計畫とは」という言葉の中には、勿論
作付面積、
生産數量、
供出數量がありますが、
裏付けすべき「
肥料その他の
資材で命令で定めるものの
配給數量について」、こうあります。そうして「行政廳の定める計畫をいう。」とあります。だから
農業計畫というものの中には、
生産及び
配給についてのものを全部含んでおる
意味と解釋していいと思います。その點はどうですか。果してそういうことになりますれば、先程松村
委員及び岡村
委員からもお話になりましたように、一方的に
生産計畫についてだけ、この業者の定める
生産計畫についてだけの罰則でありますか。第七條の三項の
規定に違反云々のことは、これは
農業者に對する罰則のようでありますが、この點についても、罰則の點が片手落のような感じがいたしますので、一應その点の御
見解を承
つて置きたいと思います。
それから
大臣は、堂々と
納得の行くということを數囘お話にな
つておりますが、勿論國家の或る
程度の計畫に國民が協力することは當然でありまするが、この
生産調整法というものを逆に下から持
つて行
つて、そうして
市町村で
農業者から出させる、そうしてそれを
市町村で決めて行く、
市町村で決めたものを府縣で決めて行く、府縣で決めたものを
農林大臣がそれを全國的に睨んで決めると、下からの段階で行けるという
法律で、そうして国家の
考えとそれを
調整する
法律の形に取るべきが、私はこの
納得の行くという
大臣の
考え方から行けば當然じやないかと思うのでありまするが、
農家に對しては、頭から民主的な決議機關を作り、そこで
調整をして行くんだと言
つておるが、併し事實はこれは役人の
割當なんであります。押付けであります。而して
價格の面においても、これは物價廳が決める。物價廳の役人も、これは私は萬能ではないと思う。勿論政治的にいえば、米の
價格の問題でも、これは本會議において確か和田安本長官か、或いは西尾官房長官だつたと思いますが、東浦議員の
質問に對しては、將來物價の決定に當
つても國會を中心とするという
考えを持
つておるという御答辯があつたというのです。それに對して
只今の
農林大臣の御答辯は、これはいろいろ政治的な情勢があ
つて、どうも不安のような、政治に利用されるというような弊害があるのじやないか、そのために物價廳の役人に任すのだというような御答辯のように拜聽できるのでありますが、これは誠に私怪しからんことだと思うのでありまして、物價廳の役人のやられたことを一應國會へ、或いは秘密會でもよろしい、
價格の決定においても、一応は決定前においてお諮りになるということが當然じやないかと思う。殊に
農産物及び米價の問題は、すべての基本になることはよく分
つておりますが、先程の
委員會において、このパリテイー計算の方式について、實際の原案をお立てに
なつた方の意見を聞きますというと、パリテイーのいわゆるウエイトの問題は勿論のこと、それに加うるべき六十數品目以外に、例えば牛の勞力費、この頃段當牛耕をやるには五百圓掛かります。それはよく
大臣も御存じであると思います。人を頼めば百五十円くらい掛かる。かような勞力費というものの全くこのパリテイー計算というものに加味せられないということは、百姓はよく知
つておる。そうして一面
生産調整法というもので、
調整法が出ますと同時一番我々の耳に悲難囂囂たるものがあつたのは、やはり昔の藩政時代と同じように、言ふことを聞かねば直ぐ罰則だというようなことが、非常に
農家の強い意見にな
つております。それに對して行政の妙味を發揮すればこの
生産調整はうまく行くと言われますけれあも、戰時中あの
統制を強化した場合においても、石川
委員の言われたように、
生産調整令というものは殆ど失敗に歸した事實があるわけであります。そこで末端機構において、この
法律が先程の疑問が解決するにいたしましても、
調整法を本當によく徹底させ、而してこの
作付なり、或いはここに上
つておる各般の事項を、第五條の第二項の各號の關係をうまく
調整するということは、
農家自身の勞力の按配その他の點からい
つても、非常に重要な影響を受けることになるのでありまして、これらに對して、この
調整法
實施に當
つて、どれだけの豫算を以て、どういう機構の下に
實施をされんとしておりますか、一應その點も承
つて見たいと思います。