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1947-11-14 第1回国会 参議院 電気委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    付託事件電力料金改訂並びに電力制限緩和  に関する請願(第二百六十八号) ○でん粉加工事業用電力取扱ひに関  する請願(第二百八十七号) ○電力制限の公平に関する陳情(第三  百六十三号) ○電化浴場に対する電力制限を撤廃す  ることに関する請願(第二百二十二  号) ○九州地方における電力復興に関する  陳情(第四百三十四号) ○関東地方電源増強に関する陳情(第  四百六十一号) ○電力割当に関する請願(第四百二十  七号) ○今冬の電力危機突破に関する請願  (第四百六十九号)   ————————————— 昭和二十二年十一月十四日(金曜日)    午後一時十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件綜合燃料対策に関する件 ○九州地方における電力復興に関する  陳情(第四百三十四号) ○関東地方電源増強に関する陳情(第  四百六十一号) ○でん粉加工事業用電力取扱ひに関  する請願(第二百八十七号) ○電力料金改訂並びに電力制限緩和  に関する請願(第二百六十八号) ○電化浴場に対する電力制限を撤廃す  ることに関する請願(第三百二十二  号) ○電力割当に関する請願(第四百二十  七号) ○電力政行に関する緊急質問
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それじや委員会を開会いたします。今日の議題といたしましては、綜合燃料並びに動力対策取扱に関する件と、それから公報でお知らせいたしました請願並びに陳情の扱いの件について御相談いたしたいと思います。先ず綜合燃料対策関係取扱に関する件を御報告申上げます。この前の委員会で御承認を得まして、決定をして差出しました綜合燃料並びに動力対策に関する調査承認要求は、議長に宛て提出いたしまして、そして議長の方で運営委員会の諮問を経て承認の通知が参つております。從つてこの調査承認要求はそのまま承認されてありますから、これに基いてあの内容にありました方法使つて審議に入りたいと思います。その方法と申しますのはこの前お諮りいたしましたように、鉱工業委員会、それから農林委員会運輸交通委員会の三委員会に、この電氣委員会から、連合委員会の請求をいたしまして、そうしてこの四つの連合委員会で以て、今の綜合燃料、並びに動力対策調査審議をするということになるわけです。そういふ方法で以て早速この審議を始めることに御異議ありませんでしようか。
  3. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) では早速できるだけ早い機会に出発するように処置したいと思います。この問題につきまして外に御質問なり御意見なりありませんでしたら、直ぐ陳情請願の方に入りたいと思いますが、よろしうございますか。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは予定しております請願は、請第二百六十八号、同じく二百八十七号、三百二十二号、四百二十七号の四件、並びに陳情書の陳四百三十四号、四百六十一号の二件であります。紹介議員には連絡してあるのでありますが、まだここに参られておりませんから、紹介議員のない陳情書の方からでも先に審議いたしましようか。よろしうございますか。
  5. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) その中に請願の方の紹介者も見えるかと思いますので、先に陳情の方から審議して頂きます。それでは陳情書の四百三十四号、九州地方における電力復興に関する陳情を問題に供します。專門調査員説明を願います。專門調査員ちよつと見えませんが……。なお今の時間を利用してちよつと申上げますが、近畿二府縣地区冬期電力対策というパンフレツトをお配りしたと思います。これは一昨日近畿二府五縣の縣会議員代表の方が見えまして、そうして正式な陳情手続をとられていなかつたのでありますけれども、この内容陳情電氣委員長宛にされました。それで電氣委員の各位にこの内歩をお傳え願つて、そうして善處して頂きたいというお申出でがありましたので、その文書をそのまま正式な陳情書に直して手続はとつてありますけれども、陳情関係会期が迫つておりますので、今会期に載れるかどうか分らん情勢にありすまから、一應プリントしてお手許にお配りしました、こういう内容の実際的な陳情請願、があつた。だから皆さんの御承知を得たい。こういう意味でお配りしたわけであります。それでは今の四百三十四号を問題に供します。
  6. 林誠一

    專門調査員林誠一君) 非常に簡單陳情でございますが、現在九州地方はすでに度々この席でお話がありましたが、電力不足のために産業生産に非常な破綻を來たしておる。で電力問題を解決しなければ、民間貿易の諸事業目的の達成がむづかしい。で、それに対する唯一の方法としましては、九州地区火力発電復興を積極的に実行に移して貰いたい。なお本州からの送電も急速に殖やして貰いたい。そうして一般電力消費者への適正配給電力消費合理化等をやつて、現在の九州地区電力危機を解決して貰いたいという趣旨でありまして、前回の十一月十日の委員会で諮りました請願の二百四十五号、配電強化に関する請願とありますのを文書に直したよう内容でございまして、他に新しいことはないようでございます。
  7. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 如何ですか。今の九州地方電力復興に関する陳情に関しまする取扱いにつきまして御意見がありましたらお願いいたします。或いは御質問でもどうぞ……。
  8. 大山安

    大山安君 この陳情に対しまして專門調査員としての御意見を伺いたい。
  9. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) これの取扱意見があつたら伺いたいということです。
  10. 林誠一

    專門調査員林誠一君) 取扱といたしましては、前回取扱がまだ結論的に御用相談はしてございませんけれども、勿論政府としても現在既に実行にのせておることでありますが、別の請願者からの請願という意味で、同じく政府に傳達して、尚強力に電力供給強化について善処して貰うのが適当ではないかと考えております。
  11. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の調査員の報告は、要するに採択をして政府に送付すべきものと認めるという御意見だと思います。御意見ありましたら……。
  12. 大山安

    大山安君 調査員の方として、政府に傳達して、政府がこれを可能ならしめるというよう計画が立つておるかどうか。その点が分つておりましようか。その陳情に基いて、委員会の方で政府にそれを傳達し、それで政府がそれを、可能ならしめることができるかどうかという感想ですな。それが大体のところお分りにたつておるか。
  13. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) これに対して政府がどういう意見準備を整えておるかどうかということですね。政府委員が來ることになつておりますが……
  14. 大山安

    大山安君 專門調査員としてどういうふうな、つまり予想ですか、予想でようございますから、それに対して……
  15. 林誠一

    專門調査員林誠一君) 只今の御質問に対しましては先ず火力の動員、これにつきましても、政府としましては電力局長現地に出張しまして、これが促進について努力をいたしておりますし、この間委員長が視察においでになつた時のお話でも、又現地からの発電関係説明員が参りました時のお話からしましても、数字はちよつと記憶いたしませんが、この冬までに二十一万キロでしたかの火力発電を可能ならしむるよう準備を整えておると申しますから、火力発電復旧につきましては、今後も勤労者物資その他食糧加配という別途の面の援助を今後続けまして、恐らく只今計画程度は行くじやないかと思つております。  ついでに申上げますが、只今計画というのは、ほんのこの冬を乘り切るだけの程度のものでありますから、この冬一月乃至二月に復旧いたしますものはほんの仮の手当というふうに考えられますので、永久的な解決につきましても今後もなほ政府努力を要することと考えております。  それから第二の、本州方面よりの電力送電を増加するという面は、これは恐らく現在三万五千キロ程度の能力しかございませんから、現在以上のことは差当り本当の目標ではできないかと思います。これも將來の考えとして、やはりその線に沿いますならば送電容量の増加というようなことを新たに計画しなければいけないと思いますが、差当り計画程度は参ると思つております。  それから第三の適正配電電力消費合理化ということにつきましては、先般來消費規正の規定が出ておりますし、他面、電力危機突破運動方面民間の協力も得られますならば、これは浸透の程度の問題でありますが、或る程度の改善は見るじやないかと考えております。
  16. 大山安

    大山安君 そうしますと、調査員意見としては、とにかく当面は委員会において鞭撻すればやや解決するというようなことになるのですか。
  17. 林誠一

    專門調査員林誠一君) お答えいたします。火力設備復旧と申しましても、これには資材資金関係及び相当の日数がやはりかかりますし、本格的の修理をいたしますためには、発電所によりましては積極的にその発電所を止めて修理をするということまでやりませんと解決しないのであります。只今状況としましては、止めて本格的に修理をするということは事情も許さないでしようし、その段階でないものですから、計画もまだ具体化はしてないと思います。そういう意味で、当面計画された程度の補修は行くだろうという意味で申上げましたのであります。本格的の復旧というものは今後数年間やはり相当努力を続けて参らないと完成しないのではないかと考えております。
  18. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 この陳情先達つて請願の二百四十五号と大体同じような筋合になつておりますし、尤もな陳情と思いますので、本会議に報告されて内閣へ送付するということにしたらどうかと思います。
  19. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 飯田委員の御意見につきまして、御意見がありましたらお願いいたします。
  20. 加賀操

    加賀操君 賛成でございます。
  21. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 飯田委員発言は、この陳情書議院会議に付するを要するものと決定して、同時にそれを内閣に送付するを要するものという取扱にしたらどうかという御意見です。この御意見につきまして改めてお諮りいたしますが、御異議ございませんか。
  22. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではさように決定いたしました。  次に第四百六十一号、関東地方電源増強に関する陳情議題に供します。  先ず專門調査員説明を願います。
  23. 林誠一

    專門調査員林誠一君) それでは簡單に御説明を申上げます。刷物の終りから三枚目に書いてございますが、簡略にしておりますから、補足的の説明を申上げますと、陳情者は、最近数回東京都内で集りをやつて、盛んに電力危機突破を民主的にやろうと企てておりまする東京電力協議会準備会代表者の方々によつてなされております。その二十名の連署を以て出ておりまして、その陳情者各種工場経營者、労務者、各方面の人が相当網羅されております。これの陳情趣旨は、そこに書いてありますから、本文につきましては、簡單に申上げますが、現在の電力危機突破をしないことには生産の低下と家庭生活の暗黒とで、民生の安定も期し得ない。これがためには電源増強して貰いたいという趣旨でございまして、但しこの電源増強と申しますと、甚だ漠然としておりまして、発電所を作るように感じられるのでありますが、その説明書内容を申上げますと、電源増強とここに申しております意味は、この危機を突破するために、必要な火力運轉をして貰いたいという意味でございます。それに対して火力用石炭として、本州中央部に対して百二十九万トンの火力用炭を確保してくれ、その石炭を焚く発電所はこれこれであるということで、発電所名及びそのおのおのの発電所の出すべき出力を書いております。それが第一項でございます。  第二項においては、現在の配電上の電源的の困難以外に、配電線の問題があるわけでございます。これは毎度問題になります緊急停電をやる場合にも、成るべく公平にせよという意見が、只今非常に強いのでありますが、そのために配電線を或る程度増設いたしまして、部分的に要確保電力とその他の需用家とを切り離す作業をしなければならんわけであります。そのために配電線用銅線を一万一千五百トン、それから十キロ平均の変圧器を一万三千五百台、それから油入り開閉器を一千台、並びにこれに使います絶縁油を三百五十キロリツトルを配電設備増強のために配給してやつて貰いたい。  その二本建てでございます。  前の方は、火力発電をできるだけ確保して、現在の設備において、渇水期において火力を事欠かないようにしたいということ。あとの方におきましては、その配電線増強をいたしまして、できるだけ便乘負荷というものを少くし、又配電線強化することによりまして、配電線損失を少くし、消極的に電力損失を減じたい。その二つの筋で陳情をしておりますわけです。  ついでに申上げますが、配電線を一万一千五百トン注ぎこむことによつて電力損失として五万キロ浮くであろうということも附加えております。
  24. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の説明に御質問がありましたら、或いは政府委員も見えましたので、政府委員に対する御質問でも結構ですから、御質問及び取扱に関する御意見がありましたら、お述べ願います。
  25. 大山安

    大山安君 「陳情書記載の如きこれが成案を得て速かに実施されたい」とありますが、この成案というのはこれに提出してありますか。私のところにはないようですが……。
  26. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) その内容があるかというわけですね。
  27. 大山安

    大山安君 委員に配付してあるかないかということです。私の方にはないようです。
  28. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) この印刷には出ていませんが、陳情書にはくつついております。
  29. 林誠一

    專門調査員林誠一君) これは長くなりますので、印刷には、原則として本文だけにしようということで刷つておりますから、御説明に讓りましたわけです。
  30. 加賀操

    加賀操君 御説明を聽いただけでは、はつきりしませんが、政府委員の方及び專門委員の方から、そこに差出してあります成案が大体妥当であるかどうか。こういうことを一つお聞かせ願いたいと思います。
  31. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 專門調査員に対して、この内容が妥当であるかどうかという御質問ですね。
  32. 林誠一

    專門調査員林誠一君) ちよつと私数字的に今申し上げることはできないのですが、配電線増強にいたしましても、一万一千五百トンを一括して渡せ。変圧器一万三千五百台ということを即座にやるということは事実無理だと思います。数量的に非常に大きいものになりますから、数量的の問題としましては、これだけの陳情政府の方としても実現できるとは考えられませんのですが、この方向には数量的に或る程度努力はできる筈だと思つております。又現に政府としては手配をしておられる筈であります。例えば電線の方におきましても、関東配電関係は五百トン程度引き当てておるのではないかと記憶しております。方向としてはこの方向努力する以外に只今としては方法はないと思います。
  33. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 政府委員発言の必要はありませんか。
  34. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 関東地方電源増強につきましては、御承知ように全然新しく新規の電源を開発するということは、現在只今客観情勢からいたしましても、非常に困難な状況にあります。從いまして当面最も重点を置いてやるべきことは、水力の故障によつて供給不能になつておりまする発電所がございます。或いは又水害によつて停電を余儀なくせられておる発電所がございますので、これの復旧整備に全力を注いで速に工事を完了すべきであると考えております。更に又火力につきましても急速に必要なる復舊工事をやりまして、今冬の最渇水期までにいくらかでも増強して、水火力相俟つて関東地方全体の電源増強に資したいと、かように考えておるような次第であります。
  35. 大山安

    大山安君 只今政府委員の御意見によりまして、どの程度具体的計画を立つておりますか。その辺をちよつと……
  36. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) なおちよつと私から申上げますが、今政府委員お話は、この請願に関する問題とちよつと的が外れておるんじやないかと思うのです。電力増強に関する建議の内容は、石炭増配の問題であり、それから配電資材の問題である訳なんです。
  37. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 石炭増配の問題につきましては、これは関東のみならず、全國的の問題としまして非常に重大なる事項でありまして、私共政府部内としまして、本年の下期用として百四十一万トン、これを月別にいたしますれば、十月、十一、十二、一、二、この五ケ月はそれぞれ二十五万トン、三月は十六万トン、そういう計画を立てておつたのでありまするが、いろいろの事情から十月、十一月の石炭割当はいずれも二十五万トンには達しないのでございます。併しながら現在の電力逼迫事情から申しましても、どうしても下期百四十一万トンはなんとかして確保しなくちやならんと考えておりますので、目下それぞれ関係の筋に対しまして事情を具して適当なる措置を取りつつあるのであります。  それから配電整備の問題でありますが、これにつきましてはいわゆる便乘負荷をできるだけ早い機会整理をしたいと考えております。そのために相当資材が必要となるのでありまして、これも整理方法如何によつて若干数字に変動はございまするけれども、只今までに調査いたしました結果によりますると、全國で銅線が一千トン乃至一千六百トン余り必要になるのであります。関東地方だけを見ましても、少くとも五、六百トンは必要であると考えます。そこでそれぞれの銅を現在全部入手するということは非常に困難な状態にありますので、若干の資材を特に便乘負荷整理用として割当てまして、これによつて最も整理の必要のある地方から始めまして、この渇水期までには少くとも三分の一程度整理を完了したいと考えております。なほ資材の入手でき次第、引続いてその整理は続行して参りたいと考えておるような訳であります。
  38. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 取扱に関しまして御意見ありましたらお願いいたします。
  39. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 この陳情を今までお伺いいたしますと、大体筋は結構だと思うのでありますが、ただこれに要する資材相当沢山要るので、一足飛びにここまでは到底できないと思うのでありますが、陳情の筋が尤もでありますから、できるだけこの方向政府において努力して貰うという意味で、やはり前の陳情と同じに、本会議に付して政府に送るよう取扱つたらどうかと思います。
  40. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今飯田委員の御提案につきまして御異議ありませんですか。
  41. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 飯田委員の御発言は、議院会議に付するを要するものとして、且つこれを内閣に送付することを要するものという取扱いにしたら如何かという、こういう御意見ですが、そのように決定して御異議ございませんですか。ではさように決定いたします。  それでは次の請願に戻りたいと思います。請願の二百六十八号から始まるわけでありますけれども、今紹介議員柴田君が見えておりますから、次の二百八十七号、でん粉加工事業用電力取扱いに関する請願を便宜上先に取扱うことに御異議ありませんですか。それではさようにいたします。二百八十七号を問題に供します。紹介者柴田君の御説明を願います。
  42. 柴田政次

    紹介議員柴田政次君) 私は柴田でございます。この請願の要旨は、でん粉加工事業用電力取扱いに関するものでございますが、御承知の通り全國におきまする甘藷生産は十億万貫を越しておりますが、その中でも茨城縣におきまする生産は、一ケ年一億数千万貫できておるのでございます。本年は殊に水害のため、即ち浸水によるものが比較的多いのでございまして、これ等はいずれにいたしましてもでん粉より外に使用方法がないのであります。これ等は是非ともでん粉にしなければならん。かようなわけでございまして、又でん粉を作りまする期間というものは極めて短かい期間でございまして、大体十月の下旬から十二月の末頃までが、このでん粉製造期間でございます。それより遅れましたり何かいたしますると、相当芋の腐敗を來しますのででん粉が思うように行かない。茨城縣におきまする年々腐敗に陷らしめる甘藷も、相当な数量に達しておるのでございます。是非ともこのでん粉を製造するために、極めて短時間の期間でございますから、電力の方もこれの取扱いにつきまして、一般の御配慮を願いたいという趣旨でございます。極めて簡單でございますが、右の趣旨でございまして、以下はこの請願書内容について御檢討願いまして、簡單でございますが私の申上げることは以上で終ります。
  43. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今紹介者説明に対して、或いはこの趣旨取扱いに対して或いは政府側に対しまして、いずれでも結構ですから、御質問がありましたらお願いいたします。なほ質問なければ直ちにこれの取扱い方についての御意見がありましたら伺いたいと思います。
  44. 加賀操

    加賀操君 柴田さんにお伺いいたしますが、これは茨城縣だけの問題でございますか。それともでん粉加工に対して全國的に電力を十分に配給するという問題ですか。
  45. 柴田政次

    紹介議員柴田政次君) 私、茨城縣だけ申上げましたのですが、実際問題は、全國的の請願になつておりますのでございます。さよに御了承願います。
  46. 加賀操

    加賀操君 主食の中で米を除きました場合には、芋類から生産される食糧が一番現在のところ多いのでありまするし、又貯藏する食糧としては、日本ではでん粉が一番適当しておりますので、食糧の現下の情勢からしまして、でん粉製造電力を十分向けるということは、非常に大切であろうと考えております。なお輸入食糧加工及び製粉に対しましては、現在でも電力を十分に配給しておる点から考えましても、でん粉加工にそれと同樣の措置を取ることは、最も妥当なことである。又やらなければならんことと考えておりますので、この請願議院に報告して政府に提出すべきものだと考えます。
  47. 大山安

    大山安君 澱粉加工食糧関係上重要でありますが、電氣重要性という方面からいえば、澱粉加工方面より、当面の対策としては一般工業、つまり重要な方面に廻されたらどういうものですか。その点は、つまり、いずれが國家に必要であるか……
  48. 栗山良夫

    栗山良夫君 今、大山委員から澱粉製造に対する電力の量、電力自体に対しまして、外の産業見合つての軽量の度合の問題を出されましたが、私はこう考えるのであります。今度の電力消費規制によりまして一應電力割当はなされるのでありますが、只今行われておりまする十一月の緊急要綱がその目途とするところをはつきり政府としては現わされたと私は思うのであります。晝間は動力、夜間は電燈を少くとも確保しよう。全産業、全家庭において確保しようというのが目的であろうと思うのでありますが、そういう意味からいつて、やはり澱粉加工業にも少くとも電氣が送らるべきであるということは成り立つわけでありますが、その外に、これは今、柴田紹介議員からも申されましたように、極めて短期間の季節的の電力であります。そうして現在甘藷相当大量生産されておるに拘わらず、日本の氣候の問題、或いは貯藏技術の問題によりまして相当腐敗の量を出しておることも、國民等しく知つておるところであります。すでにこの中にも三割と指摘されておりますが、場所によつてはもつと大きなものが腐敗しておるかも知れません。何としてもこの折角耕作農民の人が営々辛苦して作りました藷を腐らしてしまうということは、國家的に言つても、又耕作農民の立場からいつても、残念なことでありますが、電力自体は私は全國的に見れば短期間であります。而も量質共にそう大したものではないと思うのであります。從つてどうしてもこれは特別の措置を講じて、確保してやりまして、そうして澱粉生産の実、食糧確保の実を挙げなければならないと思うのでありますが、唯私はここに特に附加えて置きたいことは、澱粉加工という面において電力割当てるについては、特別の措置を講ずべきであると考えますが、できたところの澱粉が今実際に國内需要にどういう工合に向けられておるかということは、國民は全然知らないのであります。ここに記されておりますのは、食糧工業用糊、飴、デキストリン、葡萄糖、いろいろ挙げられておりますが、少くとも工業用の糊というようなものは國民は余り関知しておりませんが、飴などのものにいたりましては、恐らく闇で殆んど賣買されておるものと思うのであります。私はこういつた加工されたところの糊粉をそれぞれ等しく國民食糧の補給として確保するというような、でき上りました品物に対する適当な措置が講ぜられるならば、喜んでこの面に電力を振り向けられて貰いたいと、こういう工合に考えるのでありまして、從いまして本請願書委員会採擇並に本会議に採り上げられるべきものだと私は賛成をする次第であります。
  49. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 外に御意見ありませんですか……政府委員から発言の必要はありませんか。
  50. 古池信三

    政府委員(古池信三君) ちよつとそれでは一言申上げます。糊粉加工用の電力確保につきましては、從來の農林省からもしばしばそういう申し入れがあります。又私共もその重要性は認めておりますので、大体におきまして、從來商工局長が需要の種別を甲類の口に指定しておる工場が多いと思います。又新らしく作業される分につきましても、できる限り優先的な順位を與えておるのでありまするが、実際問題といたしましては、糊粉の工場は非常に小さい工場が多いのであります。電力から申しましても十馬力とか二十馬力とかいうような比較的小口の電力を使つておられるものが多いのでありますので、これは申すまでもなく專用の配電線は持つておりません。一般の配線電線に繋つております関係から、緊急制限のような場合にはやはり制限を受けることになつて來ておるのであります。併しながら今囘割当制も実行いたしますし、緊急制限の措置はでき得る限り最少限度に止めたいと考えておりますので、殊に期間的に見ましても、比較的短期間のものでもありますから、でき得る限り糊粉加工電力につきましては、制限の少くなるように考えて参りたいと思つております。
  51. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御意見ありませんか。外に……。請願の要旨は今皆さんが御承知の通りでありまして、最も重要な食糧問題に関連しての問題であります。併し先程政府委員からも説明がございましたので、これを内閣に送付する。議院会議に付するを要し、同時にこれを内閣に送付するを要するものという取扱いにしてよろしゆうございまするか。
  52. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ではそのように取り決めました。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 私、電氣関係の行政の面につきまして、当局に緊急質問をいたしたことがありますが、お諮り願いたいと思います。
  54. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 何の問題ですか。
  55. 栗山良夫

    栗山良夫君 主として電氣勞務省の作業衣、それから加配米、もう一つは電氣料金の收入金の問題、こういつた問題を一括して質問したいと思います。
  56. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今栗山委員から緊急質問の動議が出ておりますけれども採用してよろしゆうございますか。
  57. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) よろしうございますか……唯ちよつと政府委員としては電力局長だけですが、よいですか。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 他の政府委員の方においで願うことになつております。電力局に関係のものから先に進めて行きたいと思います。
  59. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは今の請願関係の他の紹介の議員が見えておりませんから、先程お諮りいたしましたように、專門調査員からの説明從つて継続して審議したいと思いますけれども、まだ見えておりませんから、その間今の緊急質問を採用することに御異議ありませんか。
  60. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) では、そのように取計らいます。
  61. 栗山良夫

    栗山良夫君 まだ外の政府委員が見えておりませんので、商工省関係だけで解決できる問題についての質問をまず最初に申し上げたいと思います。それは、電氣事業者が今当面して非常に苦しんでおります電氣料金の領收の問題でありますが、御承知よう電氣料金は只今の状態では外の物價に比較しまして、非常に低廉で、戰爭前に比較いたしまして十三倍というような料金が設定せられ、そうして生産用としての役割を果しておるのであります。そうして今年の新物價体系があります。そうして今年の新物價体系が形成せられましたときの電氣料金に対するいろいろな内容を伺いましても、兎に角殆んど現在の料金としては專業経営の上において余裕のある料金ではない筈であります。毎月の電氣料金が殆んど百パーセント事業会社に需要家から納入せられまして、尚且つ事業経営は非常に困難な状態を極めておる。こういうようなどちらかと申しますると、無理な料金が設定されておるのでありますが、更にその場合に尚且一つの惡い傾向がこの頃出ております。例えて申しますると、これは九州の配電区域の状態であります。私が過日労働委員といたしまして、十月二十三日から九州へ参つたときに向うで見て参つた話でありますが、九月の末日現在をもちまして九州区域で八千五百八十四万九千円の未收入料金がある。而もその中で小口の電燈電力料というのが二千三百八十九万円ばかりでありますが、五百キロワツト以上の大口の電力料が六千百九十五万八千円ある。これの取り立てというものが、非常に困難を極めておつて事業の経営上重大な支障を來しておると、こういうことを言われたのであります。而かもこの中で最も納入率の惡いのは石炭鉱業でありまして、分けても五百キロワツト以上の大口電力料六千百九十五万円の中で石炭鉱業の未納入のものが七〇%、四千三百十四万円にも及んでおるのであります。私は現在石炭鉱業は國家のあらゆる支援を受けまして、重点生産産業として國家の保護の下になされつつある鉱業でありまして、その経営の枠内における電氣料金の占める額というようなものは微々たるものだと考えておるのでありますが、こういうのが七〇%も納まつていないということについては、電氣事業の方に非常に大きな影響を持つて來るということを痛感するのであります。從いまして電氣料金の設定に当られましたところの商工当局といたしましては、こういつたよう現地において最も重要な電氣料金が、而も大口の電力料金が未納入の状態にある。そうして事業の経営が非常に障害を生じつつあることにつきまして、どういうようなお考を持つておいでになるか。又これを一掃するためにどういうようなことをお考え頂くか。そういつたような点を伺いたいと思うのであります。
  62. 古池信三

    政府委員(古池信三君) お答え申し上げたいと存じますが、只今九州の実情につきまして詳しい御意見がございました。現在全國的に見まして、電氣料金の未收金が相当額に上つておることは確かに事実でございます。その大口のものにつきましては肥料工業、石炭鉱業のような例が著しいものと考えておるのであります。元來電氣供給の関係は、会社と需要者との間の契約なり、或いは供給規定によつて供給されるものでありまするから、その料金の受授につきましても、原則といたしましては、政府はその間には入るべきものではなく、飽くまで電氣事業者が需要者と協議の上でその問題は解決すべきものであろうと考えるのであります。電氣供給会社といたしましては十分にその間に努力をいたしまして、料金未收のないやうにすべきであろうと考えるのであります。併しながらこれは勿論原則論でありまして、場合によつては、それだけではなかなか困難な事態もあるのであります。私共といたしましては、会社の経営者の当局からさよう意味の申し出がありまするならば、政府としてその際に最も適当なる方法を取つて、その間の事情の好轉に力をいたしたいと考えておるわけでありまして、一例を申上げますと、肥料工業が相当電氣料金の不拂いがございました。だんだんその内情を聽いて見ますると、肥料工業としては拂いたいのであるが、どうしても金融ができないのであると、こういうことが分りましたので、私共は肥料の主管官廳と相談をいたしまして、特に金融機関方面にも頼みまして、さような肥料会社に対して金融を斡旋して、その金融せられたるものを電氣事業者の方に支拂うというようなことをいたした例もあるのであります。只今の九州の炭鉱問題につきましては、現在のところ政府は何らまだ手を打つておりません。併し会社側として、どうしても会社の力だけではその支拂いを受けることがむずかしいから、何らか政府が介入してほしいという希望がありましたならば、又そのときの模樣によりまして、政府として無理のない範囲において、最も適当と考える方法を取つて参りたいと考えておるような次第であります。
  63. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあ原則的な解決方法は今電力局長が云われた通りで、これは議論の余地のないところでありますが、私が特にこの委員会で所信をお伺いした意味は、電力料金國家で決定されたもので、同じよう石炭事業も、又肥料工業の事業もすベて強度の國家統制によつてつておる事業であります。而もそれぞれの生産の單價は事業が、成立つように組み上げられておるべき筈なんであります。その事業が、現在その生産に最も重要な電氣料金というものが、支拂えないということになれば、生産單價に無理があるのか。或いはその他にいろいろ原因があるのか。そういう点を確かめるということは、やはり監督官廳としての責務ではないかと、私は考えるのでありまして、これが本当に自由營業の問題でありならば申上げるまでもないことであります。電氣も肥料も石炭も何れも國家の統制を受けておる事業であつて國家統制を受ける事業の内部において、相互にこういう問題が起きておるということについてお伺いをいたしたわけであります。それから経營者から申出があればという、お話がありましたが、恐らく電力局におきましては電氣事業の経営の実体的な内容については、常に監視をされておる筈でありまして、こういつたような問題については、すでに恐らくお氣付きになつておる点であろうと思いますので、一つここで積極的に解決するよう方向に、何分の努力を拂われるのが適当ではないか。こういう工合に考えるわけであります。丁度政府委員がお見えになりましたので、質問を続行さして頂きたいと思います。昨日私は財政金融の小委員会で、電氣税の撤廃の請願書説明に当つたのであります。その時に内務省の係官から、私の意見に対して、電氣税は大衆課税でないというようなことを仰しやつたので、これに対して私の見解を更に語を強めて申上げたいのでありますが、兎に角十月以降続けられておりまする電力危機の実際の状況によつて國民生活において如何電氣が生活必需品であるかということが、はつきりと身を以て体驗されたと私は思うのであります。それと同樣に、産業においても極めて重要な地位を占めておることは申すまでもないことであります。然るに電氣事業自体が実際の取扱におきましては炭鉱だとか、肥料だとか、農業、そういうものに比して非常に低位に置かれておるのであります。特に電氣の勞務者に対するところの食糧だとか、被服の割当とかいうものにおきましては、各方面ですでに要望があり、又電氣委員もみずから八月には各地を視察いたしまして、それぞれ報告がなされた通りでありまして、このことが電氣勞働者の勤勞意欲に相当大きな障害を與えておるということを、私共は見聞したわけでありますが、この各点について具体的な問題で御質問をいたしたいと思うのであります。その第一点は電氣事業に対する資材食糧、被服の割当について、重点産業として優先的な取扱をいたしますことにつきましては、衆議院の本会議の決議がなされたことでもよく分つておるわけであります。政府として果して実際的にどんな具体的な対策を立てて実行せんとしておられるか。それを先ず承りたいのであります。大分各点にありますので一つずつお伺いを申上げてみたいと思います。
  64. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 電氣事業を他の産業に較べまして特に優先的に資金、資材、その他の方面において扱つて行くということは、刻下の電力事情を克服する意味合から申しましても、特に重要なる点であろうと私共は考えておるのであります。たまたま先般御指摘のように、衆議院におきまして電力危機突破の決議案が採択されたよう事情でございます。そこで政府といたしましては、本日午前の閣議におきまして、電力危機突破要綱を議決いたしたのであります。その内容につきましては、只今関係筋と協議中でございまして、恐らく明日には発表し得る段取になると考えております。発表になりましたならば御覧願えれば一應御了解頂けると考えますが、大体において石炭と同樣というところまでは只今の状態におきましては政府としても扱うことが困難のようでございますが、石炭に次ぎまして他の産業の中では最も優先的に扱つて貰うようにいたしたいと考えておるような次第であります。  なを電氣事業勞務者用の資材につきましては、いずれ後に関係の主管の方から説明があると存じますけれども、これは現在非常に加配米にいたしましても、全体が窮屈な事情でありますので、劃期的に電氣事業の從事者に特別に優先的な措置を講ずるということは非常に困難な状態にあるやに私聞いておるのであります。併しながら原則としましては只今申しましたように、石炭に次いで他の事業よりは優先的に扱うという原則を確立することになつておるわけでありますから、御了承願いたいと思います。
  65. 栗山良夫

    栗山良夫君 それでは具体的に、勞豫加配米の問題については、九月二日に商工省から御照会がございまして、それに基いて日本送電株式会社から電氣事業労務者に対する労務加配米割当量の改正に対する資料を提出されたと聞いておりますが、政府としてこれに対して改正の意思があるのか。若しあるとすれば改正すべき内容をどういう工合にお考えになつておるか、その点を伺いたい。
  66. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 電氣事業者から資料を取りまして、これに基いて現在特に火力発電所補修工事のために加配をいたしておりまする量よりも若干増加いたしましたる量を、今後加配米として割当てられるように、安定本部の主管の方面に要請をいたしております。その後未だ安定本部から我々の方に正式の囘答はありませんけれども、現在の食糧事業から申しまして、從來わりも増加して加配するということが非常に困難な情勢にあるということを聞いておるようなわけであります。從つて量的にどれだけ將來確保されるかということを、ここで私からはつきり申上げる段階にはまだ立至つておらんのであります。
  67. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、次に火力発電所で、特に只今緊急復旧修理をやつておりますところの発電所関係の加配米のことについて御質問したいと思うのであります。政府は今年の六月以降、九州と山口地方火力発電所の從業員に対しましては、特別労務加配米を直配として出されております。ところが九州、山口地方はこの特別労務加配米のためにどれほどあの発電所の緊急復旧工事が加速せられたか。労務者を奮起せしめたか。実績がはつきりと証明しておるところであります。ところがこれと反対に、ああいうような待遇を現在同じ労働をやつていながら受けていないところの火力発電所、例えて申しますれば東京における鶴見火力発電所或いは大阪の尼ケ崎発電所、その他同じく中國地方で山口縣からちよつと離れたというので、同樣の適用を受けていない廣島の坂の発電所、そういう所が多々あるのであります。特に鶴見火力発電所といたしては、明春一月末までに完成するようにという連合軍司令部からの嚴令も來ておるわけでありまして、現在深夜重労働作業を強行しておる実情であると聞いております。現在の労務加配米では到底この重労働に堪えないと思うのであります。こういつた発電所に対して、九州、山口地区と同樣の措置是非共なさなければならない。こういう具合に考えるのでありますが、これに対して御所信を伺いたいと思います。
  68. 冨吉榮二

    政府委員(冨吉榮二君) お答えいたします。誠に御尤もなお尋ねであると思います。実はこの火力発電所の労務者に対しまする加配米の件につきましては、種々立案いたしまして骨を折つて参つたのでございますが、御承知の通り最もそれを必要とします時が最も我が國の食糧事情が困憊いたしておる時代でありましたのに、私共といたしましては、もつと廣範囲に而ももつと増額の要求を政府にいたしたのでございますけれども、食糧事情何ともならないというので、いわゆる山口九州地方火力発電だけに適用するの止むなきに至つたのでございます。これは申すまでもなく関西並びに関東は水力発電が主でございまして、火力発電は從という関係に置かれているのでございます。御案内の如く九州並びに山口地方火力発電への依存度が非常に高いために、実はかよう措置を先ずこの方面にはそういう手配をいたしたような次第でございます。このことに関しましては、実は労働組合の方ともいろいろ折衝いたしまして、大体においてまあ仕方があるまいという程度の御了解等も得て実施いたしたような次第でございますが、決して今日これを以て十分と考えている訳ではなく、御趣旨の通りの方向に進まなければならんと思うのでございます。更にこの食糧事情の緩和好轉を機といたしまして、この事業に対しまして私共の考えておりますことを実施すべく努力をいたしておる次第でございます。なほこの際申上げますならば、御承知のごとく從來重点産業傾斜生産の建前をとらざるを得なかつた我が國の経済の状態といたしましては、特に石炭に重きを置きました関係上、ややともいたしますると、何かこういう俗に申しますと軽視したといつたような感じが私共の方にもあつたようた嫌いもあながちないとは申し上げ兼ねるような状態であつたかと思うのであります。この電力危機に当面し、電力危機から我が國経済の打撃というようなものに至りまして、一般國民の間にも漸く電力に対する関心が高まつて参りましたことは、不幸中の幸いであるかと思うのであります。この際におきまして商工省といたしましては、電力石炭同樣と申したいのでございますけれども、少くとも石炭に次ぐ重要産業として、電力関係取扱つて行きたい。こういつたような考え方を持つているのでございまして、只今意見の通りの方向に向つて努力中でございまするし、その希望を達成いたしたいと思つておる次第であります。
  69. 栗山良夫

    栗山良夫君 火力発電所だけの分につきましては、十月二十五日附で安定本部と商工省へ申請が出ているように聽いております。工事期間は十月から明年二月まで、そうして加配米の数量も直接請負工事について具体的に出ております。これに対しては、この問題が恐らく解決していないのでこういうことが起きたと思いますが、その点は如何でありますか。
  70. 古池信三

    政府委員(古池信三君) この具体的問題につきましても、目下安定本部の所管の方面と折衝中でありまして、まだ決つていないのでござまいす。
  71. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと時間をとつて恐縮でございますが、續けさせて頂きます。やはり同じような勞務加配米の問題で、工事箇所別でございますが、先般の大水災によつて、利根川の佐久、伏田、利根川等の水力発電所が非常に甚大な被害を被つたことは、申すまでもなく皆さん御承知の通りであります。これが復旧は、冬期渇水までに是非とも完成する必要がありますので、現在着々その熱意を以て実行に当つているのでありますけれども、請負労務者に対しまして群馬縣から労務加配米の支給がないために、工事の遂行上非常に支障を來しておるというようなことが現地からもたらされておるのであります。群馬縣の方で労務加配米の支給がないならば、やはりこれも政府から直送米を配給いたすようにせられるべきじやないかと考えるのでありますが、この点についての御所信を伺いたいと思うのであります。又この問題も具体的に十月二十五日附で安定本部と商工省に申請が出ている筈でございます。
  72. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 佐久を中心といたしまして、利根川の水害発電所の復舊につきましては、御指摘のよう関係者一同が熱意を以て目下努力をいたしております。この加配米の問題につきましては、政府が特に考えるということは、安定本部とも協議をいたしておりますが、なかなかむずかしいのではないかと思つております。地方的の事情といたしましては、先般群馬縣知事にも特にこの復旧につきましては十分なる協力を願いたいという意思を申入れてありまして、群馬縣としても、これらの復旧に対してはできる限りの盡力をしたい。こう言つておられますので、地方的に解決し得るならば、できる限りそういうことで急速に話を決めて參りたい。かように考えております。どうしても地方的にむずかしいという場合でありますれば、又更に安定本部とも交渉いたしまして、中央からの何等かの手を打たなければならないと考えておる次第であります。
  73. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは完成期限が非常に切られている問題でありますから、緊急に御処理を願いたいと思います。  その次の問題は只今非常に難工事をやつております岩本の発電所建設工事、尾瀬沼の開発工事、こういつた工事に從事しております請負労務者が只今二千名、工事は非常に難工事でございまして、その重労働の程度は炭鉱労務者と徑庭がない。こういう工合に言われているのであります。群馬縣から前の水害の例と同じように労務加配米の支給がないために、工事場から離脱する者が続出して、そうして工事の進行を著しく阻害いたしている。こういう実情のように聽いております。これに対して矢張り地方における食糧の操作は非常に困難だと思われますのですが、矢張り政府直配ということも、この点においても考えて頂かなければならないと思うのであります。この点も御所信を伺いたいと思います。
  74. 古池信三

    政府委員(古池信三君) この岩本、尾瀬沼の関係でございますが、從來政府の直配米は非常に限定されたる範囲に限られているよう承知しております。今囘殊に請負工事の土木事業に対しまして政府から直配米を出すということについては、相当むずかしい点があるのではないかと私は想像しているようなわけでありまするが、なお御趣旨の點は安定本部にも十分に通じまして、極力善處したいと考えております。
  75. 栗山良夫

    栗山良夫君 今食糧関係について商工省からは、大体所信を伺つて非常に努力してやろう。こういうお話でありましたが、これは矢張り安定本部、農林省の方の電氣事業に対するところの認識と申しますか、事業というよりは電氣の確保という問題についての認識があるかないかということに問題は結論付けられると思うのでありますが、今までのこれらの問題について、農林省、安定本部の方の御意見もこの機会に確かめておきたいと思います。
  76. 山根東明

    政府委員(山根東明君) いろいろお話の点につきまして、商工省御当局からお答がありました。正しくその通りの実情でありまして、何しろ非常に窮屈な食糧事情でありますために、いろいろ何と申しますか、御不便をお掛けしておるような実情であることは十分承知しておるのであります。実は御承知ように十一月から日本の食料年度が新らしい食糧年度に入つたわけであります。まあ新年度発足に当りまして、食糧の年間の需給の見通しを安定本部を中心といたしまして、目下立てつつあるわけでありまして、その際特に勞務加配をどうするかという根本の大きな問題があるわけでありまして、大体政府としての考え方の根本は、今日でありましたか、安本から新聞にも発表されましたようなことで、生活物資の綜合需給計画方針というものが決つておるわけでありますが、その中にも書いてありますように、勞務加配につきましても、当初はこれは実はできるだけ事情の許す限り勞務加配も殖やして行きたいというような氣持だけは持つておつたのでありますが、來年の食糧の輸入の状況の見通しが必らずしも樂観を許さないような実情にあるわけでありまして、目下のところの考え方としましては、來年の勞務加配につきましては、まあ言わば現状と申しますが、現在の勞務加配の業種なり数量が一應決定いたしておるのでありますが、それをとにかく割らない。新規に数量を殖やし、業種を殖やすことは目下のところは見通しが立ち兼ねる実情にあるのであります。業種問の言わばアンバランスと申しますかの問題も、実なはきしにもあらずかと思うのでありまして、事情が許せば、最初申しましたように、この際根本的に再檢討をいたしたかつたわけでありますが、事情が許しませんために、目下のところではそういう実情になつておるのであります。ただ從來定められました業種につきまして、人員の過不足と申しますか、年度の当初にありましたデーターに基きまして、年間をぶつ通して來た。或る業種は最初一千人であつた場合には、年間その一千人ということでぶつ通して來た。恐らく從業員が相当殖えたであろう場合も、それでやつて來たというような過去一年の実績を振返つて見ますと、そういうような実情にあたつわけでありまして、そういう関係で実は只今群馬縣の例をお取りになりましたように、縣自体が決められた加配米もちつとも呉れない。こういう事態が実はそういう関係からも起きて來たよう事情にあるのでありましてせめて、この点位は、私共現実に日々業種によつては増員する人員をありの儘の姿で掴みたいというような氣持を持つておるわけでありまして、現実的にはせめて一年三囘か四囘位に期間を區切りまして、この人員を一つ洗つて行く。そうしてまあ少くとも決めます枠だけは実体と余り懸け離れないものにいたして行きたい。実はまあ改善と申しますか、かよう程度の氣持は持つておるわけであります。新らしい勞務加配を最後的な決定を得ますには、なほ数日を要するわけでありまして、今日も実は私も、細かい御指摘のような事例を或いは承知しておるかも知れないと思われるような係りの者も連れて参りたいと思つたのでありますが、そのことのために会議をいたしておるようなわけで、これは近く具体的な細目が決まることと思うのであります。そういたしますと、新年度の新らしい方針に基く勞務加配は、十一月は從來のような状態で續けざるを得ないわけでありますが、來月位から少くとも新らしい氣分で勞務加配の政策が発足して行くというようにお考えになつていいのではないかと考えております。と同時に、言わば端境期を脱しまして、出廻期に向いますというよう状況もありまして、群馬縣の例について御指摘になりましたような、さような極端な事例は、これは今後は見ないで済むのでないか。かように考えておるわけであります。それから電氣事業についても政府が直配したらどうか。こういうような御希望のようでありますが、これも商工省の方から御答弁があつたようでありますが、直配いたしております業種は実は石炭以下極く僅かでありまして、これも縣に枠を與えまして、縣から配給いたします実情が実はまあ余り円滑に行つていないために、止むを得ず特に緊要なものに対しては政府が直配するという建前を取つて來わけでありまして、併しとにかく縣に委せます操作が從來のようであつてはいけないということは、私共十分承知しておるわけでありまして、今後はさようなことのないように期して行きたいという前提の下においての考え方としては、むしろ今まで直配しておる部分も一隈に縣に委す。こういう方向に考え方としては考えておるわけであります。そういうよう意味合から、新らしく政府直配業種を殖やすという方法でなく、でき得べくんば從來政府が直配しておりました業種に対しても、その他の業種と同じように府縣に委してやつて行く。そうしてそれを所定の通りできるだけ確保して行く。かような考え方で進んで行きたい位の考えを持つておるわけであります。直ちに電氣事業を直配にいたしますということは、これは私共として只今考えていないものであります。
  77. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の御説明は、電氣事業の勞務者全部を直配に願いたいというのではなくて、電氣事業の十万おる勞務者の中で、特に現在食糧に困つて、仕事ができていない火力発電所とか、或いは電柱に登つて重勞働をやります外線の電工だとか、そういう人々に石炭勞働者と同じよう食糧加配を貰いたい。こういうのが趣旨なんでありまして、そこを一つ混同されないように願いたい。それからもう一ついろいろな問題が全部そうなんでありますけれども、政府の方のお話を聞くと、理由を一々そのまま承つておれば御尤なことばかりで凹まざるを得ないのですが、併しその政府の非常な努力を拂われておることは、私共認めるのに吝かでないのですけれども、但しいろいろなものが或る枠のようなものがありまして、それから突き出るような政策がどうも勇敢に行われないという点を私共指摘したい。例えば今度の米穀年度の米の問題でも、二十二年度の麦の持越が八十万石、こんなふうに書かれております。併し今年の春の麦が非常に供出が甘かつた。農家は相当まだ麦を持つておるというとこも國民がよく知つておることであります。そういうようなときに、この供出の量の問題も、勞務者自身が理由はどうか知りませんが、勞務者自身はよく知つておる。そうして不平を持つ根源になる。而もそれが政治力に対しての評判にもなる。こういうことになるので、そう大きな量でないわけであります。特に所要量につきましても、今度の見込みで勞務加配米が大体四百二十四万石ぐらい、これに対してそれの一割に近い三十九万何千石というものがその他として使途不明のものがある。併し実際に現在こういうような具合に特殊な勞働で要求しておるところの食糧というものは、絶対量から言えば誠に徴々たるものであろうと思います。そういうものを何とか捻出されるということがやはり産業がうまく動いて行く因じやないかと思います。これは希望ですけれども、そうして今申上げましたような作業箇所に対して重点的に無理でありましようけれども、とにかく直配をせられて、そうしてもう直配の效果のあつたことは九州、山口などの実績がはつきり証明しておる。これに一つ倣うようにして頂きたい。それから次に大変長くなつて恐縮でございますが、被服資材のことについてちよつと御説明を頂きたいと思います。今年九月の電氣事業の経営者團から、電氣事業に対する被服の点数増加の申議がなされております。これに対して政府としてはどんな具体策をお持ちになつておるか。又今年の八月十二日附で火力発電所用の作業衣の特配申請が日本送電株式会社から提出されております。これはどういう具合に決定いたしておりまするか。この二点を伺いたいと思うのであります。特に火力発電所用の作業衣が必要であるということは、この前私共が電氣委員として九州、大阪方面の各火力発電所を視察いたしましたときの報告にも述べたところでございまして、特別の関心を持つて處理願つておると思うのでごぞいますが、この二点について伺いたいと思うのであります。
  78. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 説明員説明を求めてよろしうございますか——それでは……
  79. 藤井淳

    説明員(藤井淳君) 繊維局の製品課長であります。只今お話にありました第二点の問題でありますが、第二点の問題については私よくわかりませんので、うちに帰りましてよく調べましてあとで御報告いたしたいと思います。第一点の問題でありますが、第一点の電力事業に対する作業衣の配給はどういうようにやつておるかという問題でありますが、根本の問題といたしまして、大体今年の勞務者用の作業用品の配給は、勞務者の総人口を二千百五十万人としまして、それの〇・八、一人当り〇・八着、いわゆる八割というものが作業用品の配給の総量になつておるのであります。そうしてその中、各産業によりまして、重点度は違いますので、その重点度を変えるという問題と、今一つ、同じ作業部門でありましても、その作業の内容によりまして、非常に作業用品の傷む所と傷まないという部面がありますので、そういうものを噛合せて一つの比率を作らなければならない。それによつて割当をするということになつておるのでありますが、只今つておりますのは、昨年の比率によつてつておりまして、今年の比率はまだできておらないのです。それは昨年と、今年と産業によりましてやはり重點度も違つて來ておりますし、勞務者の数も變つて來ておりますので、目下その点につきましては安定本部におきまして、いろいろ研究して、近くその成案ができると思つております。それで第一囘の割当をつい最近いたしましたのでありますが、その割当につきましては大体去年の比率を以てやつております。昨年の比率は、電力部門に対してどういうようにやつておるかと申しますと、これは私の一人の記憶でありまして、或いは間違つておるかもわかりませんから、一應あとで調べまして、若し問違つておりましたら訂正いたしますが、大体昨年の重点産業が農業、水産業、それから炭鉱、それから化学肥料でありまして、その以下の産業はその次になつております。今言つた四つの部門を百パーセントにいたしまして、その外のものは八〇%であります。電力部門に対する一人当りの勞働者の作業衣の配給はどうかというと、年間一着と私は記憶いたしておりますが、それでありますから大体〇・八着出す。ところが去年の需給計画では勞務者一人について一着配給をしておつたのでありますが、今年は一人に対して〇・八着という割合になつておりますので、その割合で電力部門に対しましては確か〇・六四という割合で第一囘の割当が出ておると思います。それで特に電力関係の問題につきましては、先程からいろいろお話を承つておりましたと御同樣に、相当電力局の方からも強い要求がありまして、その点につきましては、安定本部が中に入りましてその重点度を変える。いわゆる配給の量を殖やすというように考えられておるように私は聞いております。大体私の説明したいことはこれだけであります。
  80. 栗山良夫

    栗山良夫君 近く成案ができるとこうおつしやつたのですが、その成案というのは、いつ頃できるのですか。そうして又成案の中に盛り込まれておる大体の電氣事業の構想ですね。それはどんな程度になつておりますか。
  81. 藤井淳

    説明員(藤井淳君) それは安定本部の斎藤事務官から……
  82. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 説明員でいいですね。
  83. 齋藤八郎

    説明員(齋藤八郎君) 只今商工省の方からお話がございましたように、安定本部におきましては産業の業種別の重点度、消耗度を研究いたしまして、各業種別の基準比率を作成中でございます。これは只今各省とも協議しまして作成中でございまして、大体作成中でございまして、大体今月中には完成の見込みでございまして、それによりまして第三・四半期の割当をいたしたいと存じて、目下急いでやつておる次第でございます。その際に電氣事業の重点度につきましては、十分現下の実状に鑑みて、重点度を昨年度よりも上げる予定でございますし、消耗度も各産業別に研究しまして、それによつて基準比率を決めたいと存じております。大体それだけであります。
  84. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 栗山委員緊急質問まだありますか。
  85. 栗山良夫

    栗山良夫君 大体これで終りになりますが、一言だけ私は安定本部の方、或いは繊維局の方にお願いして置きたいことは、どうも今まで、つい電氣事業というものは、スイツチをひねれば電氣が來るというような考え方から、非常に下積にされておつて、とうとう末端現象としてこの深刻な危機を招來してしまつたわけであります。今まで相当な手が打たれて、そうして今日まで來ておる場合よりも條件は惡いようでありまして、ここで一挙に囘復しようと思うと余程の手を打たないと私は囘復しないと思う。現在の政府がこの危機の問題を例えるのに、何時も病人に例を取りますが、電氣事業こそ本当に病人の状態に入つてしまつておると思います。從つて資金、資材、その他各般の措置を取つて頂かなければなりませんが、その中でも電氣の勞務者用の厚生資材と申しますか、副資材と申しますか、作業衣だとか、地下足袋、軍手、ゴム長、こういうものを至急にどうしてもしなければならないのでありますけれども、これに対して今まで遇せられた点が非常に薄かつたので、今これらのものは街に出れば幾らも賣つておるものであります。それも極めて高價である。現在の賃金では何ともならないものであります。こういうようなところにやはり勞務者の最も直感的な、端的な不満というものが発生して來ると思う。こういうような勞働心理の問題をよく把握せられまして、そうして繊維製品、ゴム製品といつたような、現在極めて闇値においても最高に行つておるような品物は、國家の力を以て重点産業に、必要な産業割当するように特別な措置を講じて頂きたいということを最後に希望を申上げて置きます。
  86. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 大分時間も経ちましたし、席を外される方もあるのですが予定通り請願を続けて行きますかどうか。もう一遍お諮りしたいと思います。予定しておりましたのは、先程の請願二百六十八号から始まる請願でございますが、なほ継続して審議いたしますかどうか。それでは継続してやることに御異議ありませんか。
  87. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは継続して審議いたします。今の二つの審議の前に、この前お願いいたしまして処理された請願内閣に送付を要するものにつきましては、この前御報告しましたよう意見書案を付して議院に特別報告を出すことになつております。意見書案を付しましてお諮りしたいと思います。專門調査員の方から意見書を読み上げますから、必要がありましたならば内容につきまして審議願いたいと思います。
  88. 林誠一

    專門調査員林誠一君) 読み上げます前に大体從來の請願意見書のあれをずつと調べて見まして、フオームが決つておるようであります。特に問題のないものは從來のフオームに合つたもので書いてございます。最初に申上げます日本送電株式会社水力発電工事に関する請願、これは從來のフオームに合つた方法を採つておりますと申しますことは、内容的には請願文書本文を取つてフオームに充てた。そういう形になつております。それでは読み上げます。  「右の請願日本送電株式会社の計画による水力発電工事を日本建設工業会の有力な会員である土木工事業者が施工を請負い、あらゆる困難を克服して実施中であつたが、最近セメントその他の主要資材の配給量が著しく減少したため、工事中止ほ案じており、若し中止となる場分は関係者が物心両面において困惑するのみでなく、政府に対する不信を招き、且つ從業員勞務者を失業せしめ、あらゆる方面に與える影響が大であるから、右工事を続行せられたいとの趣旨であつて、参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。」  それから次は配電強化に関する請願でございます。この分は例の発送電配電の統合というようなものを含めた請願でございますから文章を変えてございます。  「右の請願は、佐賀縣内の生産業は愈々深刻化した電力饑饉のため、壊滅寸前の状態であるから、発電能力の再檢討、発送電配電両者の統一、関西地方からの現在以上の電力の補給、節電思想の普及徹底等につき善處されたいとの請願である。発送電配電の両者を統一する等の具体的方法については研究を要する事項あるも、請願趣旨たる配電強化については、参議院はその必要を認めるから、内閣において鋭意これが強化努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。」  以上であります。
  89. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) この二つの意見書に御異議ありませんか。
  90. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではこの意見書案を付することに決定いたしました。  それでは二百六十八号の請願議題に供します。電力料金改訂並びに電力制限緩和に関する請願專門調査員から説明を願います。
  91. 林誠一

    專門調査員林誠一君) この請願は新潟縣の新潟鉄工所社長外多数の事業界の方々の請願でございます。趣意を申しますと、新潟縣は本邦屈指の豪雪多雨地區であつて、豪雪多雨に伴う天災というものも非常に多い。ところが新潟縣の縣民を苦しめている豪雪多雨が利用されて、本邦有数の電力生産縣となつている。それで発電力にいたしまして六十万キロ、その中の約五割、三十万キロを縣外に出している天然の発電を與えておる。天候において苦しめられているにも拘わらず、それに対して発電される電力一般の平等観に從つて縣外にその半分を送り出されるので、どうかその特殊事情を考えて貰いたいということが趣旨でございまして、その事情簡單に申上げますと、先ず冬季が長い。それから縣の面積の三分の二くらいは半年に亘つて雪に埋もれてしまう。非常に乾燥も惡いし、日照時間も少いということで、点燈を余計に要する。又洗濯物の乾きも惡いというようなこともございます。又雪崩その他によつて災害を受けることが多い。それから水のために洪水の被害が非常に多いので、堤防の決潰、橋梁の流失等も非常に多い。なお農産の方の関係としましては、有数の生産地ではありますが、冬雪が深いために、單作地で冬の麦作ができないということで、工業方面生産でも増加しなければやつて行けないというようなことが書いてございます。そういう趣旨からして先ず電力料金のランクをA地区に改訂して貰いたい。A地区と申しますのは、割合電力量の多い地域、從つて料金が安くなつている地域なのです。  それから第二番目の希望といたしましては、電力制限はこれを撤廃するか、止むを得なければ最小限に止めて貰いたいということをいつております。ちよつと虫がいい話だと思うのですが、東京地方で使用される電熱の一割でも加減して貰えば、新潟縣は電燈動力も平常通りに使うことができるのだというようなことをいつております。大体以上の通りでございます。
  92. 冨吉榮二

    政府委員(冨吉榮二君) 現下の電力事情におきましては、一般に需要を制限せざるを得ない状況でございまするが、積雪が多いために長時間点燈を必要とする地方に対しましては、その他の地方におきまするよりも、電燈使用制限を緩和することといたしておるのでございます。併しながら電熱の使用については、需給状況より一般に使用を認めることは困難でございまするので、経済安定本部におきまして策定する薪炭等の燃料綜合対策に基いて、電熱の使用は原則として薪炭の移入消費地に限ることといたしまして、その他の地区は薪炭及び代用燃料によつて賄なわれることになつておるのでございます。なお電力料金は縣單位の電力單價の算定が極めて困難でございまするし、且つ適正を欠きまするので、縣單位の料金制を採用すれば、各縣相互間の均衡についても、徒らに料金粉爭を釀すこととなる憾みがございまするので、配電会社供給区域を單位といたしまして、設定することに決定されたのでございますが、電氣生産縣と消費縣とにこれを設けること等については、將來の研究に待つこととしたいというのが政府の方針でございます。
  93. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 專門調査員並びに政府委員に対する御質問、或いこはれの處理に対する御意見がありましたら、お願いいたします。要するにこの請願内容は、新潟縣を中心とするこの特殊事情、特に電氣面の特殊事情を認めて、そうして料金をA地区に改訂してもらいたいということと、電力の制限を撤廃するか、さもなければ最少限に止めて頂きたい。特殊事情から來る二つの特別な取扱いをしてもらいたい、こういう請願であります。
  94. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこの請願書の前段にありまする積雪が多い、そうしてこのために灯の方を十分に確保しろという問題については、今政府委員から御答辯がございましたが、現在その他の地区より多く取られておりますので、精神は十分にもう活かされておると思うのです。やはりその精神で行かれるべきだと思う。ただこの料金の問題につきましては、これは俄かに何とも申上げようがないのでありまして、若しこれをこういう工合に縣が希望されるよう方向に、生産縣と消費縣の問題を突き詰めてやつて行きまするならば、これは由々しい問題です。現在電氣事業が行なつておられるあのプール計算、電力原價の共同清算制というものの是非ば別問題といたしまして、根本に触れる問題であり、且つ今まで國民電氣が奉止して來たところの最も宜かつた全國一律料金、そうしてどこへ行つて電氣の恩惠が、どんな中心都市におきましても、どんな山間部に入りましても、どんな北に参りましても、南に参りましても、殆ど同じ料金で電氣が使える。電氣の方からいえば、國民に奉止しておるというような形が崩れて來まして、若し私共の承知している例で申しまするならば、一番現在電氣をよく作つておりまする北陸地方電力原價と石炭を焚いておりまする九州の電力原價とをそのままで計算するならば、九州は現在の電力料を十一倍にしなければ、もたないというようなことを私は聞いておるのであります。そういう意味から言つて非常に電氣事業運営の根本に触れる問題でありますので、これはこの電氣委員会と雖も相当の研究をしてなくて決議いたすことは困難だろうと、こういう工合に考えまして、從いましてそういつたような観点に立つて、本請願書の処理をせられんことを希望したしのであります。
  95. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 直接この請願の処理につきまして御意見ありませんでしようか。
  96. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 只今お話のおりましたように、この請願は、相当電氣の供給に対する根本に触れた点が多いのであります。政府委員の仰せにのように、只今状況では直ちにこういうことに触れることはどうかと思うのであります。この請願は、結局本会議の議に付するを要せずというふうにお取計らいになつたらどうかと思うのであります。
  97. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 飯田委員の御発言は、この請願は、現在の電氣事業の根本に触れる問題であるから、直ちにこれを会議に付するを要するものとし、直ちにそれから先に処理するという段階まで運ばなくて、本会議に付するを要せないものという一應の処理をして、そうしてなお研究して見たらどうかという御意見だろうと思います。飯田委員の御意見に対しまして御異議ありませんでしようか。
  98. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御異議がなければ左樣決定に取計らいたいと思います。それでは、請願の二百六十八号は一應今のように本会議に付するを要しないものというやうな決定の取扱いになりました。  その次に三百二十二号の、電化浴場に対する電力制限を撤廃することに関する請願議題に供します。これも紹介議員がお見えになつておりませんから、代りまして專門調査員から御説明いたします。
  99. 林誠一

    專門調査員林誠一君) ではちよつと私から御説明申上げます。請願者は、全國電化浴場協会長、東京都の電化浴場協会長と、大阪の電化浴場協会長と、京都同じく、兵庫同じく、愛知縣同じく、神奈川縣同じく、東北六縣同じく、そんなような顔触れになつております。請願の骨子を申上げますと、國民保健上、燃料不足のために公衆浴場が甚だ経営が困難になつて來た。そこへ持つて來てどこを指しますか、当局並びに関係会社が浴場を電化したらいいだらうということを勧めていたので、浴場業者も乏しい財政の中から多大の費用を捻出して、電化設備をした。そうして相当調子がよかつたという訳なんでありますが、最近の電力事情の困難によりまして、この期間常時という契約になつておりますから、期間常時のために最近の電力事情で、電化浴場が殆ど営業ができない。それは結局國民の保護に直接影響することになるので、燃料の供給としましても、次金の面及び割当も非常に少いために、闇で仕入れなければならないので、経営上そう燃料を仕込むこともできないので、浴場の開業が非常に困難である。從つてこれを國民保健の立場で以て當時電力に直して貰いたいということが主眼でございます。その中には電氣業者としては……多少痛いところがありますが、一旦浴場の電化を勧めておいて、朝令暮改的に一片の法規によつて浴場業者を死地に追いやるということは甚だ横暴だというような、きつい文面も現われております。重要な点はそれだけと思つております。
  100. 冨吉榮二

    政府委員(冨吉榮二君) 只今お述べの如く公衆浴場の電化は、終戰後におきまする著しい燃料不足と、当時相当余力のありました電力事情からして、余剩電力を利用して燃料の節約を図る目的で企図せられたものでございます。最近における電力需給事情の逼迫から、これに対する電力の供給が潤沢でなくなりつつありますことは、私共といたしましては、誠に遺憾と存ずるのでございます。併しながら熱源として使用せらるる電氣ボイラーについては、商工省としては燃料経済の点から水力に余裕がある場合に限つて供給するものとして、一般工場等の電氣ボイラーも特殊電力として取扱つているのでございますが、公衆浴場についてはその需要の公共的性質にも鑑み、豊水期間中における供給を可及的に確保する趣旨、特に期間常時電力として容認している次第でございます。期間外である十月中旬より翌年三月に至る期間き御承知の如く渇水期でございまして、多量の火力発電を必要とする事情にございますので、燃料の合理的使用の見地から、電氣ボイラー用の電力は供給しない方針でございます。而してこの間の電化浴場の操業については、石炭その他の通常の燃料の配給によつて維持せらるべきものと考えているのでございまして、これらの燃料手当につきましては浴場の所管省である厚生省等から商工省に対して早くから要望しておつたところでございます。尤も新設浴場で石炭ボイラーの設置のない浴場については、資材資金等の関係上、急速にこの冬の他種熱源の切替えが間に合わず、これがために地域的に一般公衆に多大の迷惑を及ぼすことになる場合もあろうかと考えられますが、これらの対策については、目下経済安定本部等におきまして、折角檢討中でございます。以上の通りでございます。
  101. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御質問ありましたら……
  102. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 石炭の焚けない風呂というのはどのくらいあるのですか。
  103. 古池信三

    政府委員(古池信三君) 全國におきまする電化浴場は大体千五百十三ヶ所になつております。その中で電氣以外の燃料と併用でありまするものが約六百軒でございまして、これにつきましては期間常時電力を送つておらない期間、即ち本年で言いますれば、十月の十六日以後については大体毎月一定日数分の燃料を特配するような手配をしておるのであります。それから電氣だけで焚いておりまする設備の浴場につきましては、差当りの問題としては、六大都大におきまする約百六十ヶ所につきまして、できるだけこれを早く他の燃料を併用するよう設備に改造をさせようとこういう計画で参つております。なお府け加えて申上げますが、この燃料併用設備が完了しませんものについては、電化浴場期間常時電力の認可期間外、即ち十月十六日以後におきましては、深夜間一週一回程度電氣の使用は認めることといたしまして、なお地域によつて電力需給の状況如何によりましては、商工局長の指示によつて、深夜に限つて一回以方送電日数を増加し得るよう措置も講じておるようなわけであります。
  104. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御質問ございませんようですから、この処理について御意見をお述べを願いたいと思います。
  105. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 これは只今政府委員の御説明ように、常時電力として契約しておられないので、一應は停められても止むを得ないように思うのでありますが、終戰後餘剰電力のあつた際に、大分浴場の電化を勧められたような傾きがありまして、今から考えますと、政府の見透しにも大部狂いがあつたと申しますか、違つた方向に指導された結果、こんなことになつた。政府としても相当責任があると思うのでありますが、併し現在のよう電力事情の下では、どうも無理に浴場にこれ以上に電氣を供給することもできない状態でありまして、需要者に対して、誠に氣の毒な店もありますが、現在の事情止むを得んと思います。政府はできるだけこの燃料の供給に努力されて、國民の健康上必要な浴場でありますから、できるだけ営業に困らないようにお骨折りを願うということにいたしまして、この請願は本会議に付するを要せざるものということに扱いたいと思います。
  106. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 飯田委員の御意見に対して御意見ありませんですか。飯田委員の御意見は、要するに國民保健上の公衆衛生の立場からも、浴場を必ず作らなければならん。併しそれを今の状態で電氣を全部期間常時電力制の制限をなしにして、全部電氣を送るということは、電氣事情から非常に困難だ。從つて政府においては、特に外の燃料についても、十分風呂場ができるように、廻すよう努力して貰いたい。最大限のものが送れるよう措置する。今直ぐに撤廃するとかいいうようなことではなく、余りがあれば……余りがあると申しますか、需要上の最も必要な限度内において送れる措置、まあこの二つの希望をここで述べられて、一應これは会議に付するを要しないということに決定するのは止むを得ないが、そうせなければならんのじやないか。こういう御意見だと思います。飯田委員の御意見につきまして御異議ありませんか。
  107. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではさように決定いたしました。  それではもう一つ最後に四百二十七号、電力割当に関する請願議題に供します。これも紹介議員がお見えになつておりませんから、專門調査員から御説明申上げます。
  108. 林誠一

    專門調査員林誠一君) この請願は、熱海市の日本社会党支部の支部長からの請願でありまして、電力割当に対して、土地の特殊性を認めて貰いたいという請願でございますが、その理由としましては、熱海は、御承知ように、温泉で立つておる町でありますが、その温泉を汲み出すのに電動機を用いております。全市に千百九十九馬力のモーター設備をしておるそうであります。それに対する消費量が、今年の七月の閑散期でも、実際の使用量が十六万四千キロワットアワーくらいになつておる。それが今度の電力需給調整によりますと、一ヶ月一馬力三十キロという計算に下げられますと、三万五千キロワットアワーくらいしかない。六日目に一日くらいしか運轉できない。月にしますと、月五囘くらい。五囘というか、五日間になりますか、五日間の運轉しかできない。それではやつていけない、熱海市としては静岡縣の地方税に対して相当大きな負担を持つておるので、その点も考慮の上、割当制の実施に当つて特殊性を認めて緩和して貰いたいという請願でございます。その最後の目標は昨年冬期の制限量の程度に緩和して貰いたいということが一つの目標のようにとられます。
  109. 冨吉榮二

    政府委員(冨吉榮二君) 最近の電力事情は、供給力に比しまして需用が非常に激しく増加いたしましたために、年間を通じ電力割当制によつてこの需用を抑制して需給の均衡を得るために、今囘電氣需給調整規則を改正して、省告示を公布することとしたのでございますが、産業以外の一般動力用の電力割当量は、原則として機器容量一キロワットについて月三十キロワット時としておるのでございます。本件のごとく特殊事情にあるものにつきましては、その事情を考慮して電力事情の許す範囲で、商工局長が割当量の修正をなすこととしておるのでございまするので、具体的な問題としては当該地方官廳で善処せしめることといたしたいと考えております。
  110. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御質問なり、御意見なりありましたら、お願いいたします。  ちよつと私から電力局長にお尋ねいたしますが、こういう措置の実際の指令権というか、それをやる官廳は、地方商工局の電力部になるわけですか。
  111. 古池信三

    政府委員(古池信三君) そうです。
  112. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 そうすれば、これは幾らか土地の事情によつて緩和する余地があるのですか。
  113. 古池信三

    政府委員(古池信三君) これは商工局長が特殊な事情があると認めて、若干の緩和はできると思つております。
  114. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 多少そういう緩和の余地があるとしますれば、この請願は本会議に報告して、政府の方に送付するということに扱つたらどうかと思います。
  115. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 外に御意見はありませんですか。それでは飯田委員のこの請願取扱に対する御意見は、本会議に報告して、同時に内閣に送付すべきものと決定したらどうかという御意見です。御異議ありませんようでしたらば、これに決定したいと思いますが……。
  116. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではさよう決定いたします。  それでは今日予定しておりました請願陳情を初めとする議案は大体終了したわけでありますが、この今日扱いました請願並びに陳情の特に内閣へ送付すべきものというふうに判断したものにつきましては、先程の意見書と同樣な意見書を作つて会議に報告することになつておりますが、この意見書の作成につきまして、若し御同意が得られますならば、今日の処理した問題には特別の意見はないと思いますから、委員会に御一任願えれば、大体そのフオームによつてつて早速提出したいと思いますが、如何でございましようか。
  117. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではこの意見書案の作成は委員長に御一任願います。大して問題ないと思いますから、できるだけ至急に作つて適当に本会議の方に議長に提出したいと思います。  それでは今日、外に特別の緊急議題がなければ、これで……。
  118. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 二、三日前から実施されました緊急制限ですが、あれがどうも一般に徹底していないように見るのでありますが、その結果かどうか知れませんが、一向改善された樣子もなく、前よりも停電がひどくなつたということを言つておる所がある。実際の全体としての状況はどんなことになつておりましようか。
  119. 古池信三

    政府委員(古池信三君) ちよつとお答えしますが、まだ十日に緊急電力調節要領を公布いたしまして実施に移つた次第でございますので、本日までにそれほど目立つて效果は現われておりません。周知宣傳につきましても、政府を初め会社等が極力やつてはおりますけれども、まだ十分に徹底しないためかとも存じます。今ここに取敢えず調べました資料によりますると、これは緊急調節要領実施前の九日と実施後の十一日の実例を見たのであります。関東配電の区域内だけでありまするが、両日とも使用電力量としましては余り変つておりません。ただピークは若干ずれて参つておる実績が出ております。深夜間におきましては若干使用電力が殖えておりまするし、朝は五時から六時の間に相当ピークが出て來ております。それから八時から十一時までの間も相当に負荷が出ております。それから十二時、一時、二時頃は若干減つております。三時から四時までが殖えております。そうして四時から五時、六時、七時、八時までは減つております。八時、九時は丁度同じ線になつておりまして、九時から十時は逆に殖えておるような実はカーヴが出ております。極めて僅かではありますけれども、あの要領を知られた方々はあの線に沿つて努力をして貰つておるものと私共は認めておるような次第であります。
  120. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 これは非常にむづかしい問題だと思いますが、折角ゆり始められたんですから、もう少し徹底しますように何らか適当な方法をお取りにならんと、この儘だらだらとやつてしまうと、又この次の割当制にまで惡い影響が及んで來はしないか。何らかの方法をお取りにならんと知らん人が多いのです。又知つておる人も、新聞の記事がどうも割当とごちやごちやに書いたせいか、混同して何のことか訳が分らずにおるものが多い。もつと徹底するよう方法を一つ至急お取りになつて、夜間の停電のなくなるところまで持つてつて頂きたい。
  121. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今飯田委員の御意見、これはこの前の委員会緊急質問みたいな形で、栗山委員からも強硬に述べられたことであります。政府におかれては尚一層そういつた努力をされんことを私からも新にお願いしたいと思います。なお具体的な問題につきましては委員会を閉会いたしまして、御檢討願つたらどうかと思いますから、一應閉会いたして宜しうございますか。
  122. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは今日の委員会はこれで散会いたします。    午後四時一分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木良作君    理事      飯田精太郎君    委員            原口忠次郎君            下條 恭兵君            西川 昌夫君           橋本萬右衞門君            赤澤 與仁君            大山  安君            岡本 愛祐君            加賀  操君            宿谷 榮一君            栗山 良夫君   政府委員    商工政務次官  冨吉 榮二君    商工事務官    (電力局長)  古池 信三君    農林事務官    (食糧管理局総    務部長)    山根 東明君   説明員    総理事務官    (経済安定本部    生活物資局衣料    課)      齋藤 八郎君    商工省事務官    (商工省繊維局    製品課長)   藤井  淳君