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小野哲君
警保局長がおいでになりましたので、關聯しました事項について總担的な
質問をいたしたいと思います。
道路交通取締法案の
施行によりまして、
交通秩序の保持のために
警察官の
増員が要るのじやないかということにつきましては、先程
説明員から御
答辯もあ
つたのでありますが、
交通取締りばかりじやなく、治安全體の問題として、
警察官の
増員は誠に焦眉の急ではないか、かように思うのであります。先般來、或いは受刑者の脱獄
事件が起
つてみたり、いろいろ社會の治安、又
國民に對して不安を招いておるような實情でありますので、さような點から申しましても、どうしても
治安維持に必要な
警察官を確保するということが是非必要であるということは、これは私から申上げるまでもないのであります。現状においては一定の數によ
つて制約されておるのでありますが、何らかの
機會にこれが
増員を實現するように、勿論
政府は常に
努力を續けられておると思いますが、一層の御
努力を願いたいと思うのであります。これは
警察官の
増員についての
政府の御
措置を伺いたいというのが第一點であります。
次は治安の
維持につきまして、東京のごとき大都市の治安を
維持しなければならんということは申すまでもないのでありますが、同時に東京を取巻いておる周邊地區の
警察力を整備する。例えば千葉縣であるとか、或いは埼玉縣であるとか、そういうふうな周邊地區の
警察力を
充實するということが、結局東京都の治安の
維持と關聯いたしまして必要なことではないかと思うのであります。然るに
將來警察制度が
改革されまして變化が起りますような場合におきましては、これらの點について缺くるところが生じはしないか。言い換えれば、東京を中心とした一定の地區における
治安維持というものを
考えなければならないに拘らず、餘りに分權的な状態になる虞れがないかということを非常に懸念いたすのであります。現状におきましても、周邊地區の人口當りの
警察官の配置數は、東京に比べて非常に手薄なのであります。そのために全體としての
治安維持をいたして行くということが困難な状態にあるのではないかということを私共は見ておるのであります。特に今申しました
將來の
警察制度の
改革に伴いまして、この點についても
只今から相當研究もし對策も講ずる必要があるのではないか。先程の
増員は勿論是非必要でありますが、同時に現在の配置されておる
警察官の人員につきましては、その合理的な再配置を
考える必要があるのではないか。
増員の點と再配置
竝びに警察制度の
改革に伴いまして、特に東京都を中心とした地區的な
治安維持に對しましての
政府の御所見を伺いたいと思うのであります。
尚
最後に
警察官の待遇改善につきましては、先般も懇談會の際にいろいろ御所見を
伺つたのでありますが、特に
交通取締りに從事いたしておりまする
警察官は、
警視廰の管下におきましても七百數十名にも上
つておりまして、屋外勤務に從事いたしております
關係上、屋内の者とは餘程趣きが違
つておると私は思うのであります。從
つて増員によりまして、一人當りの負擔量を輕減いたしますと共に、その
警察官の待遇を改善して行く、こういう
措置を取ることが、一面
道路交通取締法の適切な執行ができるのではないか、これは理の當然であろうと存じます。さような
意味合におきまして、
交通關係警察官に對して何らか特別の御
措置を取
つておらるるか。又
將來お取りになろうとする心構えがあるか。この點を伺
つて置きたいと思います。