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説明員(
上原誠一郎君)
企画課長が
衆議院の方に参
つておりますので、私代理して申上げますが、前の
経緯を存じませんので、よく
納得が行きますかどうか、一應御
説明申上げます。
第二十條は、
都道府縣知事の
所轄の下に
公安委員会を置く
規定でございまして、この
所轄と申しますのは前にもありましたように、第四條にありましたように、同様な
意味で各
都道府縣知事の
所轄の下に、
都道府
縣公安委員会を置くという
趣旨でございます。この
委員会は
都道府
縣国家地方警察の
運営管理を行うということにな
つております。この
運營管理というのは、第二條に申します
運営管理でありまして、結局
都道府懸
公安委員会は、
警察の実務の
執行に関して根本的なコントロールを行うという
趣旨に解しております。で、この「
所轄」といいますのは、前の
総理大臣の場合におきましては、
予算とか。
人事とかその他の
事項を持つたわけでございます。
都道府縣におきましては、
都道府縣の
警察といいますのは、
国家地方警察でありまして、その分は
管理といたしましては、
国家がこれを担当するわけでございますから、
都道府縣の
知事の
所轄という
考えはありますけれども、
予算とか
人事とかいう
権限はないのでありまして、もう少し廣い
意味で、総括的に
都道府縣の
公安委員会を
管理するという
趣旨であります。
從つて具体的には、
公安委員会の
委員の
選任ということだけが、
都道府縣知事の
任務になるわけであります。具体的な
警察の
執行に当りましては、
府縣知事は
公安委員会を指揮し、監督するという
権限はないのでありまして、ただ
公安委員会の
選任が完全でなかつた、十分でなかつたという
程度の監督はできると解しております。
第二十
一條は、この
公安委員会の組織の
規定でございまして、この
公安委員会は、五名の
委員を以て組織いたします。この
公安委団員は、
都道府縣の
議会の
議員の被
選挙機を有する者で、次のような
要件を具備するというふうに書いてあります。その
要件といいますのは、前の第
五條の第二項にありますような
資格でありまして、
官公廳の
職業的公務員等の
前歴のない者というふうにな
つております。この
内容につきましては、前の
五條の場合と同様でありまして、
説明を省略させて頂きます。で、この
資格を持
つておる者の中から、
都道府懸
知事が、
都道府縣の
議会の
同意を経てこれを
任命するのでおります。これがその
資格、
條件でありますが、次にこれに対するかくかくの
條件を挙げておりまして、一号、二号、三号、これも大体前の
五條の
規定と同様でありまして、
説明は省略させて頂きます。ただ第一号は、
禁治産者、準
禁治産者を前の
五條には挙げておりますが、この第二十
一條にはそれを挙げておりません。その
理由は、この
都道府縣の場合におきましては、被
選挙權を問題にしておりまして、被
選挙權のある者を
條件にしておりますから、この
禁治産者、準
禁治産者は被
選挙權がございませんので、この第二十
一條におきましては、第一号からそれを除いて、
破産者だけを挙げたわけであります。末項の「
委員の
任命については、その中二人以上」云々という
規定は、前の第
五條の
趣旨と同様でございまして、五名が三省になりました
関係上、この中に特に書いてあるわけであります。
第二十二條は、
委員の
兼職禁止に関する
規定であります。
都道府縣の
公安委員は、
國家公安委員会の
委員と少し
性格を変えておりまして、
國家公安委員会の
委員は
專務の職であります。その職、だけに專念するという
趣旨に書いてあります。
都道府縣の場合におきましては、そうは書いておらないのでありまして、この前千葉に行きました場合にも
説明がありましたように、一週に一回、二回、数回の
任務をすればよいというふうに
考えております。
從つてこれはその次の第三項の方の
規定と若干矛盾ができるのでありまして、その点は私共もこの
規定が若干不備であつたということを
感じております。
内容は前の
五條、六條にはなかつたのでありますが、その
趣旨は、
都道府縣その他の
議会の
議員を兼ねることができない、或いは
政党の
役員になるここできない。結局これは成るべく
政治的な色彩から遠ざけるという
趣旨でありまして、これこれの
議会の
議員になりましたり、或いは
政党の
役員になりすると、必らず
政党色が強くな
つて、
公安委員会が一党に偏する虞れがあり、或いはその外の
政治的な動きに左右される
嫌いがあるというようなことで、
議会の
議員、
政治的團体の
役員は除いたわけであります。それから
有給吏員を除きました
理由は、
有給吏員は
行政のエキスパートでありまして、これが又この
委員になりまして
治安の方の
責任を負います場合には、
行政の方の
専門家がこの
警察の
運営をコントロールする、或いはこれを非常に大きく支配する
可能性が生じまして、
公安委員を民間から選ぶという
趣旨に反しますので、この
有給吏員は除いたわけであります。尚この
有給吏員の兼任を禁じております。
一つの
理由は、
前歴があります場合は、
前歴者として
資格はないのでありまして、同じ兼務でも同樣の
趣旨から兼ねることを禁じておるわけであります。第二項の
服務に関する
規定でありますが、これは
國家公務員法第三章第七節に書いてありますように、いろいろな
服務に関する
規定はそのまま準用したわけでありまして、併しながら先程申しましたように、これは
專務の職ではないと書いておりますので、その点或いはこの
條文では困難かと思いますが、一應その他の
事項につきましては、この
國家公務員法の
精神によ
つてや
つた方がよいと存じましてこのように書いたわけであります。
第二十三條は前の第
七條に対應する
規定でありまして、この場合は
任期を三年にしたわけであります。これは先程
質問にありましたように何年にするかということは若干議論があるのであります。余り長過ぎても
工合が悪いし、短かくても
工合が悪いというので、三年と一
應決めたわけであります。
それから第二十四條でありますが、これは退職に関する
規定でありまして、第一号はこれこれこれの
要件に該當する場合には當然退職するというのでありまして、これは、自明の理であろうと思うのであります。第二号の「当該
都道府縣の
議会の
議員の被選擧権を有する者でなく
なつた場合」という
規定は、この被選擧権を失いまする場合は、例えば戸籍を失うとか、或いは住居を変えるというような
要件でありまして、この場合には、この
公安委員会の
委員としては不適当であろうという
考えで以てこれを
規定したわけであります。尚この二号は少し問題があるのであり出して、附則の十
五條に自治法の二十條の
改正を擧げておりますが、これによりましてこの
公安委員会の
委員に
はつた場合は被選擧権を失うのであります。といいますのは、これは
警察官などと同様に
治安のために任ずるのでありまして、それが被選擧権を持
つております場合は、いろいろな支障を生ずる点があるという
関係上、自治法の二十
一條を
改正しまして、
公安委員に
なつた場合は
警察官と同様に被選擧権を失うようにしたのでありますが、それとこの二号とは若干矛盾を生ずるわけでありますが、この二号の
趣旨はその他の
理由によ
つて選擧権を失つた場合というふうに解しておるわけであります。第二十四條のその他の
規定は大体前の八條の
規定と同様でありますから、御
説明を要しないだろうと存じます。
第二十
五條は報酬に関する
規定であります。この
都道府
縣公安委員会の
委員は、先程申上げましたように
專務の職ではないのでありまして、その市町村の町民の中の最も信頼のある、最も人格の高潔な民間として非常に高邁な識見を持
つておられる方々をお願いしまして、全般的な
管理に当
つて貰うという
趣旨でありますから、成るべくいろいろな方面の人をお願いしたわけであります。
從つてこれを
專務の職にしますと、自分の仕事を辞めてこれに当らなければならんということになりますので、それでは人を選ぶのに困難であろうという
趣旨から、例えばお医者さんであるか、或いは
学校の先生でありますとかいうふうないろいろな方々からや
つて貰う
趣旨で以
つて專務としなかつたのであります。又府縣におきましては、特に毎日出て頂く程のことはないであろうということで、一週に二三回ずつ出で貰えばいいということで、こういうふうにいたした次第でありまする報酬に関しましては、前の第九條のような
規定を特に設けませず、すべてこれを各自治国体に委せたのであります。
それから第二十六條でありますが、これは
委員会の
運営に関する
規定でありまして、
委員会に
委員長を置き、
委員の互選によ
つてこれを定めまして、この
委員会の
運営をするという
規定であります。これは第十條と同じ
趣旨から出たのでありまして、特に御
説明を要しないと思います。
で、この二十條から二十六條までの
規定が後の市町村の場合に大体準用されているのであります。又この
規定は殆んど
國家公安委員会の方の
規定の準用といいますか、或いはそれに矛盾する
部分とか、或いはそのまま準用できないもの、だけを特に
規定しておるものでありまして、大体前の
國家公安委員会の
趣旨と同様でありまして、前に詳しく御
説明があつたと思いますから、これだけにいたして置きます。