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1947-08-15 第1回国会 参議院 司法委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
國家賠償法案
(
内閣提出
、衆議院送 付) ○刑法の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
送付
) ○
岐阜地方裁判所多治見支部
を設置す る請願(第十一号) ○
帶廣地方裁判所設置
に関する
陳情
(第四十九号) ○
刑事訴訟法
を
改正
する等に関する陳 情(第六十号) ○民法の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
送付
) ○
連合國占領軍
、その將兵又は
連合國
占領軍
に附属し、若しくは随伴する 者の財産の
收受及び所持
の禁止に関 する
法律案
(
内閣提出
) ○
昭和
二十一年
勅令
第三百十一号(昭 和二十年
勅令
第五百四十二
号ポツダ
ム宣言
の受諾に伴い発する命令に関 する件に基く
連合國占領軍
の
占領目
的に有害な
行爲
に対する
処罰等
に関 する
勅令
)の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
罹災都市借地借家臨時処理法
の一部 を
改正
する
法律案
(
衆議院送付
) ○
皇族
に
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
(
内閣
送付
) ○
家事審判法案
(
内閣送付
) ○函館市に
札幌高等檢察廳支部設置
に 関する
陳情
(第百四十号) ○法曹一元制度の
実現
に関する
陳情
(第百四十五号)
—————————————
昭和
二十二年八月十五日(金曜日) 午後一時五十二分開会
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
○
罹災都市借地借家臨時処理法
の一部 を
改正
する
法律案
○
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
○
家事審判法案
—————————————
伊藤修
1
○
委員長
(
伊藤修
君) それでは
委員会
を開きます。
最初
に
罹災都市借地借家臨時処理法
の一部を
改正
する
法律案
、これを上程いたします。
提案者
の
武藤運十郎
氏にこの
説明
をお願いいたします。
武藤運十郎
2
○
衆議院議員
(
武藤運十郎
君) それでは
提案者
といたしまして
簡單
に
提案理由
を御
説明
申上げます。実は先程も御注意があ
つた
ようでありますが、
改正案
の場合には
改正
さるべき
現行法
をお
手許
にまず差上げまして、その
現行法
と
改正
さるべき
改正案
との
個所
を御対照願います方が大変御
審議
の上御
便宜
だと思いまして
印刷
をしようと
思つたの
でありますけれども、それがまだ間に合いません。
司法省
の方へお問合せして頂きますと、なにか薄いもので
印刷
したものがあるそうでありますからこの次までに
司法省
から取寄せましてお
手許
にお届けするようにいたします。今日は誠に申訳ありませんが、
現行法
なしのままでお聽取を願いたいと思うのであります。そういと次第でありますからして、極く
簡單
に先ず
改正
をさるべき
現行法
の
要点
を申上げて見たいと思います。 御
承知
の
通り戰災
、それから
疎開
によりまして日本の半数以上の
都市
が焦土と化した
実情
でありまして、その後その
土地
の上にバラックを元の
居住者借家人
が建てております者もありますしそれから
菜園
に使
つて
おる者もありました。この
臨時
の
土地使用関係
を律するために
臨時緊急措置法
という
準拠法
に基ずきまして、御
承知
の
通り戰時罹災土地物件令
というものがございました。これによりますと、
燒跡
の
居住者
や
借家人
は、その
燒跡
に元の家主や元の
借地権者
の承諾がなくてもバラツクを建てることができ、又これを
菜園
に使うことができる。
借地権者
の
借地権
は一時
冬眠状態
に、言ひ換えますれば
権利
を行使できない
状態
におかれるというようなことにな
つて
お
つたの
であります。その後
終戰
になりまして、この
戰時罹災土地物件令
の
根拠法
であります戰時緊急
措置法
が廃止されました、
從つて戰時罹災土地物件令
もその基礎を失いましたので、これに代るべき
借地借家関係
を
整理
する
法律
を必要とすることになりまして、第九十
議会
に
提案
されたものが、
司法省
から
提案
されました本日その
改正
を求められておりますところの
罹災都市借地借家臨時処理法
であります。これは第九十
議会
におきまして
政府原案
のまま
通過
をいたしまして。昨年の九月十五日から実施をみたのであります。この
戰時罹災都市借地借家臨時処理法
の極く概要を御
説明
申上げますと、先ず
罹災都市
に
住つて
お
つた者
、その
土地
にあ
つた
家を借りてお
つた借主
、そういう者と家を建てております者は尚一年間、
菜園
に使
つて
おります者は尚六ケ月間これを使うことができる。それからさような人々は若しその
土地
にすでに
借地権者
がある場合には、その
借地権者
に対してこの
法律施行
の日から一年内に
限つて
、言い換えますならば昨年の九月十五日から今年の九月十五日までの間に
限つて
、他の者に優先して
建物所有
の
目的
でその
土地
の
賃借権
の
讓渡
の
申出
をすることができる。これに対しては
借地権者
はみずから
建物所有
の
目的
でその
土地
を
使用
する必要がある場合、その他正当な
事由
がある場合でなければその
申出
を拒絶することができないこういう
状態
にな
つて
おります。又その
土地
に
借地権
がない場合にはさような
居住者
、
借主
、
借家人
はその
地主
に対して
賃借権
の
設定
を求めることができる。言い換えますならば、その
土地
の
賃借
を
申出
ることができる。その
條件
はやはり
借地権讓渡
の場合と同じように
施行
の日から一ケ年以内に優先的に
申出
をすることができるのでありますし、それに対して
土地所有者
は正当な
建物所有
の
目的
でみずから
使用
する必要がある場合、その他正当な
事由
がなければこれを拒絶することができないということにな
つて
おりまして、
居住者
、
借家人
はこの
法律
によ
つて優先借地権
又は
優先借地権讓渡
の
申出
をする
権利
を與えられることにな
つて
おります。それから
疎開地
の場合につきましては、
罹災地
と同じに扱か
つて
おる
部分
もありますが、区別して扱か
つて
おる
部分
があります。それは
戰災地
、
罹災地
につきましては
借地権者
は
借地権
が消滅をしておらない。
從つて冬眠状態
からこの
罹災都市借地借家臨時処理法
の
施行
によ
つて
醒めて、
借地権者
として当然に
借地権
を行使しうる
状態
におかれたのでありますけれども、
疎開地
の旧
借地権者
は
疎開
によ
つて借地権
が消滅したといわれ、新たに
借地権
をうるためには改めて
借地
の
申出
をしなければならないというように、区別をして取扱を受けておるのであります。尚この
罹災都市借地借家臨時処理法
は三十五條というやや大きい
法律
でありまして、特にしまいの方から
説明
をした方が
分り
がいいというようなやや難解な
法律
であります。でいろいろまだ御
説明
を申上げなければならないところもあるのでありますけれども、先程申上げましたように原文をお
手許
にさし上げまして一應御覧願いましてから又御
説明
を申上げます方が、
便宜
かと思いまして、
罹災都市借地借家臨時処理法
の
要点
の御
説明
はこのくらいにいたしたいと思います。 次にこの
法律
の
改正
であります。お
手許
にさし上げてあります議案を御覧下さいますというと「第
一條
中「
災害
」の下に、「又は
火災
、
震災
、
風水害
その他の
災害
」を加える。」こういう
改正
であります。御
参考
までに第
一條
の前文を
朗読
いたしますと、第
一條
「この
法律
において、
罹災建物
とは、
空襲
その他今次の
戰爭
に因る
災害
のため減失した
建物
をいひ」云々とこういうふうにな
つて
おります。この
法律
の
目的
は
罹災都市
の
借地借家関係
だけを
整理
することを
目的
とした
法律
でありまするから、
空襲
その他今次の
戰爭
による
災害
、これだけを範囲の中に含んでおるのであります。ところがお
手許
に
印刷
をしてさし上げてありまする
通り
、最近非常に
火災
も
風水害
も多いのであります。昨年の五月から今年の五月までの一ケ年の
状態
を見ましても、四百戸以上
纒つて燒
けたところが八ケ所もございます。こういう
地方
は丁度
戰災
を蒙
つた
と同じように、一瞬にして五百戸千戸という
建物
が燒けてしまい、或いは倒潰をし、或いは流出をしてしま
つた
というようなわけでありまして、その被害の
状態
、その後の
借地借家関係
の問題などは全く
戰災
の場合と異なるところがないのであります。そこで
火災
、
風水害
によりまして
罹災
をいたしました
地方
から、私共の
手許
に
是非
とも
罹災都市借地借家臨時処理法
をかような
戰災以外
の
火災
、
震災
、
風水害
の場合でも同じように
適用
ができるように
法律
を
改正
をして貰いたいという
要望
が非常に多いのであります。そこでこれを私共が採り上げまして、それでは本來はこの
罹災都市借地借家臨時処理法
は
戰災
都市
の
借地借家関係
だけを救済する
目的
でありますけれども、
便宜
上この
法律
を僅かに
改正
することによ
つて
緊急にかような
状態
を救済することができますならば、大変便利であると考えまして、第
一條
の
改正
ということを考えた次第であります。次に「第
二條
中「一箇年」を「二箇年」に改める。」こういうことであります。第
二條
を
朗読
をいたしますと、先程申上げました
優先借地権
の
借地
の
申出
の
條項
でありまして、第
二條
「
罹災建物
が滅失した当時におけるその
建物
の
借主
は、その
建物
の
敷地
又はその
換地
に
借地権
の存しない場合には、その
土地
の
所有者
に対し、この
法律施行
の日から一箇年以内に
建物所有
の
目的
で
賃借
の
申出
をすることによ
つて
、他の者に優先して、相当な
借地條件
で、その
土地
を
賃借
することができる。但し、その
土地
を、
権原
により現に
建物所有
の
目的
で
使用
する者があるとき、又は他の法令により、その
土地
に
建物
を築造するについて
許可
を必要とする場合に、その
許可
がないときは、その
申出
をすることができない。」二項以下を略します。そこで先程申上げましたように、この九月十五日を過ぎますと、折角
居住者借家人
に対して
優先借地
の
申出
をする
権利
優先して
賃借権
の
讓渡
を求めることのできる
権利
、左様な
権利
を行使する
期間
が九月十五日限りでなくな
つて
しもうのであります。ところが御
承知
の
通り
この
法律
は
司法省関係
の熱心な御努力にも拘わらず、まだ十分に
一般居住者
に理解をされ、知悉されておると限らないのでありまして、又
優先借地権
のあることをよく知らない者も可なり多いのであります。それから御
承知
の
通りインフレーシヨン
の
昂進
、
資金資材
、
労務
の
不足
及び
建築許可
の困難というようなことはますます甚だしきものがあります。更に
疎開
をいたしておりますものにつきましては、
轉入難交通難
、食糧難、
旅館難
、そういうようなもののために
疎開地
又は
避難地
から
燒跡
に戻
つて
来ることは
本法制定
当時よりも一層困難な
実情
に立ち至
つて
おります。更に
東京
、大阪、名古屋その他の大
都市
になりますればなります程、
建策
が復旧をいたしておりません。特別の小地域を除いては殆ど大
部分
が御覧の
通り
の
燒跡
のまま残
つて
おるような
状態
であります。かような次第でありまして、
居住者
、
借家人
の中に來たる十五日までに
優先借地
の
申出
をすることも非常に困難なことが多いのでありまして、そこで九月十五日の
期間
を
延長
をして貰いたいという
意向
が各地から非常に強いのであります。或いは
向う
三ケ年延ばして呉れとか、或いは
向う
五ケ年延ばして呉れとかいうような
要求
もあるのでありますけれども、私共はかような
要求
の中、取り敢えずもう一年これを
延長
をいたしまして、それで大体の
処理
ができれば結構でありますし、尚情勢に應じて
延長
する必要がありますならば、又その時にな
つて
適当に
延長
をすることにいたしまして、取り敢えずは
向う
一年間だけ
延長
しようというのが、この第
二條
の
改正理由
であります。 その次は第
七條
第一項の中六ケ月を一ケ年に……。
伊藤修
3
○
委員長
(
伊藤修
君) 本
会議
が始まりましても、この
委員会
は継続してやり得ることに議長の
許可
を取
つて
ありますから、さよう御
承知
願います。
武藤運十郎
4
○
衆議院議員
(
武藤運十郎
君) 「第
七條
第一項中「六箇月」を「一箇年」に同條第三項中「六箇月」を「一箇年」に改める。」御
参考
までに、第
七條
の
改正
さるべき
個所
を
朗読
いたします。「第
七條
、第
二條
第一項の
借主
が、」先程
朗読
したものであります。「同條の
規定
による
賃借権
の
設定
又は第三條の
規定
による
借地権
の
讓渡
を受けた後(その
賃借権
の
設定
又は
借地権
の
讓渡
について
裁判
があ
つた
ときは、その
裁判
が確定した後、
調停
があ
つた
ときは、その
調停
が
成立
した後)、六箇月を経過しても正当な
事由
がなくて、
建物所有
の
目的
でその
土地
の
使用
を始めなか
つた
ときは
土地所有者
又は
借地権
の
讓渡人
は、その
賃借権
の
設定契約
又は
借地権
の
讓渡契約
を解除することができる。但し、その解除前にその
使用
を始めたときはこの限りでない。」これが第
七條
第一項であります。それから第三項は「前條第一項又は第二十九條第一項
本文
若しくは第三項の
規定
により
土地
を
使用
する者がある場合には、第一項の六箇月は、その
使用
の
終つた
時から、これを起算する。」こういうことであります。これを
改正
いたします
理由
といたしましては、先程申上げましたように
インフレーシヨン
の
昂進
、
資金
、
資材
、
労務
の
不足
、及び
建築許可
の
制限等
によりまして、
建築
はますます困難でございます。折角第
二條
及び第三條の
規定
によりまして、
居住者
、
借家人
が
借地権
を得ましても、それから六ケ月以内に
建築
に着手いたしませんと、その
権利
を失うというのが、只今
朗読
いたしました第
七條
第一項と第三項であります。それでは折角
権利
を與えましても意味をなさないのである。
居住者
、
借主
の
不可抗力
によ
つて権利
を失わされるというような
実情
にも立ち至りますので、この際その六ケ月という
期間
を一ケ年に
延長
をして、その
期間
に
建築
の
許可
、その他準備をさせる余裕を與えたい。これが第
七條
を
改正
したいという
理由
であります。その次は第九條でありますが、これは
分り
にくい
條文
ですけれども、「
疎開建物
の
敷地
については、旧令がその
施行
の日から準用されてゐたものとみなし、且つ
疎開
によ
つて借地権者
が
借地権
を失
つた
ものについては、これを失はなか
つた
ものとみなして、前
七條
の
規定
を準用する。但し、
公共團体
が
疎開建物
の
敷地
又はその
換地
を
所有
し、又は
賃借
してゐる場合はこの限りでない。」こういうふうに
改正
したいというわけであります。第九條の
現行法
を
朗読
いたしますと、「
疎開建物
が除却された当時におけるその
敷地
の
借地権者
その当時
借地権
以外の
権利
に基いてその
敷地
にその
建物
を
所有
してゐた者及びその当時におけるその
建物
の
借主
については、前
七條
の
規定
を準用する。但し、
公共團体
が、
疎開建物
の
敷地
又はその
換地
を
所有
し又は
賃借
してゐる場合は、この限りでない。」只今
朗読
いたしましたこの九條の中、但書は変更がないのでありますけれども、
本文
の方だけを先程申上げましたような工合に
改正
をいたしたい。こういうわけなのであります。その
理由
を申上げますというと、第一に
強制疎開
は
戰災
とその意義を同じくいたすものと考えます。即ち両者とも誤れる
戰爭
の犠牲であり、
自己
の意に反し或いは
不可抗力
によ
つて借地
上の
建物
を失
つた
ものであります。故に
強制疎開地
の
借地権者
が
戰災地
の
借地権者
と同様に
保護
されなければならんことは申すまでもありません。然るにこの
罹災都市借地借家臨時処理法
は
戰災地
の
借地権
については、これを
借地権
として
保護
するに拘わらず、
強制疎開地
の
借地権
については、これを消滅したものとして、何らの
保護
を加えないという
実情
であります。これは誠に公平を失した不合理の処置と申さなければなりません。最もその不合理が
はつ
きりいたしますのは、同じ番地で
境一つ
でありました二軒の家が、一方は
強制疎開
に遭い、一方は
戰災
に
遭つた
場合に、
戰災地
の
借地権者
は直ぐ
借地権
が復活いたしまして、無
條件
でその
土地
へ來て家を建てることができるのでありますけれども、隣りの
強制疎開
を受けた
借地権者
は無
條件
にその
土地
ヘ
帰つて來
て家を建てることができないというような、これを対照いたしますというと、誠に
はつ
きりと如何に不合理であるかということが、又不公平であるかということが分かるのであります。第二に、第九條は
強制疎開地
の
借地権者
に対して、
疎開
で
失つた借地権
の
目的土地
について、
借地権設定
の
請求権
を與えておるのであります。併しながらそれでは甚だ不十分であります。当然に
借地権
が復活をするというようにならなければ、
戰災地
と公平を失することになるのであります。のみならず
目的土地
の上にすでに
権原
によ
つて建物
が建てられておる場合には、その
借地権
の
設定
の
請求
もできないというようなことにな
つて
おるのであります。第三に
強制疎開地
の
借地権
と、
戰災地
の
借地権
とを区別する
理由
といたしまして、前者は
疎開
の際
借地権
の
補償
を
國庫
から得ておるが、後者はこれを得ていないからというように申す者がございます。成る程その
通り
でありますが、これは單なる外面的な
法律論
でありまして、
実情
に適しておりません。若し
左樣
に申しますならば、
戰災
者は
建物
に対する
相当多額
の
戰爭保險金
、これは御
承知
の
通り保險会社
を通じてなされた
國家補償
でございます。この
戰爭保險金
を受取ることによ
つて
或る
程度借地権
の
補償
を受けたということもできるのでございます。而も
疎開
による
借地権
の
補償
は一方的でありまして、極めて少額のいわゆるあてがい扶持でありまして、
借地権者
はこれを一種の
戰災
と観念し、
戰爭
後は当然
借地権
が自分に戻
つて來
るものと考えない限り、決して
默つて收
まる筈はなか
つたの
であります。否
借地権者
の大
部分
は
疎開
によ
つて
、
借地権
が保障され、消滅させられたということを知らないで、
強制疎開
によ
つて建物
は除却されましたけれども、
戰災地
と同じように
借地権
はいわゆる
冬眠状態
のまま依然として存続するものと考えていた者が非常に多いのであります。第四に、然るに当局は
昭和
二十年四月頃に至りまして、突如として
強制疎開
を解除し、
借地権者保護
のために何等の
法制的善後措置
を講ずることなく、
土地
を無
條件
で
地主
に返還をいたしました。喜んだのは
地主
であります。
地主
は直ちにその
土地
を高い
権利金
を取
つて第三者
に
賃借
した。
第三者
の中には
自己
のための
建物所有
を
目的
とする者もありましたけれども、中にはこれを奇貨といたしまして、
土地
の借
占め
をした
惡質ブローカー
も非常に多いということを聞いているのであります。これがために
地主
と
ブローカー
が不当な利得を得まして、眞面目な
借地権者
は意外にも
借地権
を
失つて路頭
に迷うという
状態
であります。第五に、
強制疎開地
の
借地権
を復活すると、すでに
建物
が建
つて
いる場合には原状を変更することによ
つて混乱
を生ずると言う者があるかも知れません。併しその点は
戰災地
についても全く同樣でありまして若しその点を
理由
として反対をいたしますならば、
戰災地
の
借地権
をも否認しなければならないと存じます。これは
借地借家人
を
保護
することを
目的
とする
本法そのもの
を否認するような結果になるのではないかと考えます。第六に、本
改正案
と同
趣旨
の
意見
は去る九十
議会
において、先程申上げましたように、この
現行法
の草案が
審議
の際に強く主張せられ、
東京弁護士会
から
も本院
に
陳情
せられたのでございますけれども、本案がすでに
貴族院
において先議可決され、その
成立
を急ぐ客観的な事情にもあ
つたの
でありまして、その
実現
を見なか
つたの
であります。我々はこれを甚だ遺憾とし、暫く
法律運用
の経過を注視することにいたしたのでございますけれども、不幸にして
本法施行
後の状況は、
裁判所
、
裁判外
において
疎開地
に関する
借地
借家問題が続出をいたしまして、且つその
解決
は困難を極めるものがございます。以て如何にこの
改正
の必要が切であるかということがお
分り
になるでありましようと存じます。第七に
戰災建物
の
借家人
及び
居住者
が旧令によ
つて
、旧令というのは先程申上げました
戰災罹災土地物件令
でございます。この旧令によ
つて
その
居住権
を
保護
される如く、
疎開建物
の
疎開人借家人
も亦旧令によ
つて居住権
を
保護
せられなければならないこと
借地権
の場合と全く同じでございます。稍稍長くなりましたけれども以上がこの第九條を
改正
の
理由
でございます。 次は
改正案
の「第十
二條
中「一箇年」を「二箇年」に改める。」この
條文
でございます。第十
二條
の
現行法
を
朗読
をいたします。「第十
二條
土地所有者
はこの
法律施行
の日から一箇年以内に、第十條に
規定
する
借地権者
(
罹災建物
が滅失し、又は
疎開建物
が除却された後、更に
借地権
を
設定
してゐる者を除く。)に対し、一箇月以上の
期間
を定めて、その
期間
内に、
借地権
を存続させる
意思
があるかないかを申し出るやうに催告することができる。若し、
借地権者
が、その
期間
内に
借地権
を存続させる
意思
があることを申し出ないときはその
期間満了
の時、
借地権
は、消滅する。但し、
借地権者
が更に
借地権
を
設定
してゐる場合には、各各の
借地権
は、すべての
借地権者
が、その
申出
をしないときに限り、消滅する。」この第十
二條
の
改正理由
は先程申上げました第
二條
、第
七條
の
改正
とほぼ
理由
を同じくするものでありまして、これによ
つて借地権
を
保護
すると同時に、
地主
をも
保護
しようとするものであります。尚第十
二條
第四項中「
区裁判所
」を「
地方裁判所
」に、第十八條中「
区裁判所
」を「
地方裁判所
に、」第十九條第二項中「
地方裁判所長
」を「
地方裁判所
」に、これはいずれも御
承知
の
通り裁判所法等
の
制定
に伴いまして、この
法律
中
区裁判所
の
管轄
にな
つて
いる
個所
を
地方裁判所
の
管轄
にする必要があるという形式的な
條文中
の
字句
の
整理
に過ぎないのであります。 それから
最後
に、次に「第二十九條第一項中「一箇年」を「二箇年」に改める」。第二十九條の
現行條文
を
朗読
をいたします。「第二十九
條罹災建物
の
敷地
につきこの
法律施行
の際現に存する旧令第四條第一項の
規定
による
賃借権
は、
建物
の
所有
を
目的
とするものについては、この
法律施行
の日から一箇年間、その他のものについては、この
法律施行
の日から六箇月間に限り、なほ存続する。但し、その
敷地
につき、旧令第三條 第一項の
規定
の
適用
を受ける
借地権
を有する者、(旧令第四條 第一項の
規定
による
賃借権
に基いて、その
敷地
を他の者に
使用
させてゐる者を除く。)についてはこの限りでない。」こういう
條文
であります。これを
改正
をいたします
理由
は、これ又第
二條
、第
七條
、第十
二條等
を先程申上げました
改正
の
理由
にほぼ同じでございますから省略さして頂きます。
最後
に
改正案
の附則でございますが「この
法律施行
前、旧第九條に基き、
裁判
、
調停
又は
裁判
上若しくは
裁判外
の和解により、既に確定したものは、その効力を妨げられない。」先程申上げましたように
疎開地
の
借地権者
と
戰災地
の
借地権者
とを区別して扱うのでございますことは非常に不公平でございまして、色々すでにドラブルが起
つて
おる例が非常に多いのでございますけれども、そうして又現に
裁判外
又は
裁判所
に繋属中のものもあります。併しすでに
解決
を見たものがあります、
解決
を見たものについて、更にそれを遡
つて
同様に扱うということは一旦決りました
法律
、秩序を変更するというようなことになりまして宜しくないと考えますので、この第九條の
改正
は既往に遡らない。現に
爭い
のあるもの、今後の問題だけについてこの
法律施行
後に
適用
をいたしたい。こういうふうに考える次第でございまして、
所謂
これは経過的な
規定
でございます。以上申しましたことがこの
改正案
の
提出
をいたしました大体の
理由
でございます。 実は御
説明
の
最初
に申上げました
通り
、
只今改正案
として問題に上
つて
おります各点につきましては、我が國の各所からこれを
改正
して貰いたいという
要望
が非常に多いのでございまして、私共はそれの
整理
をして集約をいたしまして
改正案
といたしました次第でありまして、これは決して申す迄もなく私個人の
意見
ではないのでございます。更にこの
改正案
を
是非
この第一囘の
國会
で
審議
、
通過
をさせて頂きたいということは先程申上げましたように、この九月十五日を以て折角與えられました
優先借地
の
申出
をいたします期限が切れるのであります。誠に
居住者
や
借家人
は困るような立場になりますので、
是非共
この
議会
で
通過成立
をさせまして、引続いて、折角與えられましたところの
借家人居住者
、借
他人等
の
権利
を
保護
をし同時に借他、
借家関係
を適正に調整をいたしたいというわけであります。尚これを
提出
いたします前にも、
司法省
の方の御
意向
も伺いました、大体において
趣旨
において御
賛成
であるというふうに伺いまして、私共も非常に意を強うして
提案
をした次第でございます。
提案
後におきまして
司法省
の
方面
の御
意見
を承りますというと、大体この
趣旨
においては
賛成
であるけれども技術的な
方面
において多少御
意見
もあるようであります。私共もこの
趣旨
が通ればいいのでありまして、
原案
の
字句
その他につきましては敢えてこれを固執するものではないのでございますから、どうか、
委員会
の皆樣におかれましても十分に御檢討を下さいまして、この方が良くはないかというような御
意見
がございますならば、どうか御遠慮なく御批判、御訂正を下さいましても、終局において私が只今縷縷申上げました修正をいたしたい
趣旨
が
実現
をいたしますならば、決して異議のあるものではないのであります。尚
最後
にお願いして置きたいことは御
承知
の
通り
第一囘
國会
でありまして、今度は名前の如く民主
國会
として私共
國会
が自主的に立法をする機関という地位を憲法によ
つて
名実共に與えられた次第でございます。從來は政府案というものが圧倒的に多くて、その
通過
率が非常にいいけれども、議院
提出
案というものは、数も少いし、それが
通過
する率も非常に少いというのが
実情
でございました。けれどもそれは古い憲法下における
議会
がいわゆる行政府の從属的な立場におかれたときのことでございまして、
國会
というものが自主権を囘復いたした立法府となりました以上は、
是非
この議院の
提出
案というものを今までとは反対に多くするように、又多く
通過
するようにいたしたいと愚考する者でございます。この法案は、議員
提出
法案といたしましては第一番目のものでございまして、深い意義を持
つて
おるものと私共考えております。どうか十分に御
審議
の上で、
是非
通過
させて頂きますようにくれぐれもお願いをする次第でございます。長い間有難う存じました。
伊藤修
5
○
委員長
(
伊藤修
君) 只今の
法律案
に対する質疑は他日にゆづりたいと存じますが、御異議ございませんか。
伊藤修
6
○
委員長
(
伊藤修
君) 御異議ないと認めます。
左樣
決定いたします。それでは次に
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
を議題に供します。先ず政府委員の御
説明
をお伺いいたします。
佐竹晴記
7
○政府委員(佐竹晴記君) 大臣お差支えで、私より只今上程されました
皇族
の
身分
を難れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
について
提案理由
を御
説明
申上げます。 日本國憲法の
施行
に伴い、旧皇室典範並びに
皇族
親族令及び
皇族
身位令と共に明治四十三年
法律
第三十九号「
皇族
ヨリ臣籍ニ入リタル者及婚嫁ニ因リ臣籍ヨリ出テ
皇族
ト爲リタル者ノ
戸籍
ニ関スル
法律
」が廃止されましたが、これと同時に現行皇室典範の
施行
を見るに至りました。そして現行皇室典範の第二章には
皇族
がその
身分
を離れられる場合及び
皇族
以外の女子が
皇族
となられる場合について、数ケ條に亘
つて
規定
いたしておるのでありまして、このような場合には、その方の
戸籍
をいかに
処理
するかを定める必要があるのであります。即ち先に廃止されました前述の明治四十三年
法律
第三十九号に相当する
法律
が当然必要とな
つて
まいるわけであります。この要請を満さんがため立案されましたものが、この
法律案
でありまして、言わば本
法律案
は、皇統譜令と
戸籍
法との橋渡しともいうべき
法律案
なのでございます。次にこの
法律案
の内容の
要点
を申上げます。第一点は、
皇族
がその
身分
を離れられた場合の
戸籍
に関する
規定
であります。先ず
皇族
が皇室典範第十
一條
の
規定
によ
つて
皇族
の
身分
を離れられた場合には、その方について新
戸籍
を編製することにいたし、更にこれと同時に、皇室典範第十三條の
規定
によ
つて
皇族
の
身分
を離れられたその方の妃、直系卑属及びその妃がある場合には、これらの方々も共にその
戸籍
に入ることにいたしました。第
一條
がその
規定
であります。次に、
皇族
以外の女子で親王妃又は王妃となられた方が、その夫を失
つた
後に皇室典範第十四條第一項又は第二項の
規定
によ
つて
皇族
の
身分
を離れられた場合、又はその方が離婚によ
つて
皇族
の
身分
を離れられた場合には、いずれも原則として婚姻前の
戸籍
に復籍し、又
皇族
女子で他の
皇族
の妃となられた方が、夫を失い又は離婚された場合に、それ以前すでにその直系尊属が
皇族
の
身分
を離れておられるがため、みずからも
皇族
の
身分
を離れられることがあるときには、原則としてその直系尊属の
戸籍
に入ることにいたしました。第
二條
がそれであります。第二点は、
皇族
女子が天皇及び
皇族
以外の者との婚姻によ
つて
皇族
の
身分
を離れられる場合には当然
戸籍
法の
適用
によ
つて
その夫の
戸籍
に入られるのでありますから、これにつき特別の
規定
を設ける必要はありませんが、唯その方がその後離婚される場合には、復籍すべき
戸籍
がない訳でありますから、その方について原則として新
戸籍
を編製することにいたしました。第三條がその
規定
であります。第三点は、
皇族
以外の女子が皇后又は妃となられた場合には、その方を從前の
戸籍
から除籍いたすことにいたしました。第四條がその
規定
であります。第四点は、以上のような
皇族
の
身分
の得喪があ
つた
場合における
戸籍
の届出について
規定
したことであります。即ち、
皇族
がその
身分
を離れられた場合には、その方から、
皇族
以外の女子が
皇族
となられた場合には、その四親等内の親族から、それぞれ所定
期間
内に一定の届出をなさしむることにいたしました。第五條乃至第
七條
の
規定
がそれであります。かかる届出に基いて、市町村が
戸籍
法の
規定
に則り、それぞれ
戸籍
記載の手続をすることとなる訳であります。 以上が、この
法律案
の大要であります。何卒愼重御
審議
の上、速かに可決せられんことを御願い申上げます。
伊藤修
8
○
委員長
(
伊藤修
君) それでは
家事審判法案
を上程いたします。これに対する政府委員の御
説明
を
簡單
にお伺いいたしたいと思います。
佐竹晴記
9
○政府委員(佐竹晴記君) 只今上程されました
家事審判法案
について、
提案理由
を申し上げます。 日本國憲法の
施行
に伴いまして、個人の尊嚴と両性の本質的平等の大原則に則りまして、民法中
身分
法の分野において一大
改正
を加えることとなり、既にこれが
改正
法律案
を
提案
いたしたのでありますが、由來
身分
関係に基く家庭内や親族間の紛爭につきましても訴訟制度の下におきましては、夫婦、親子、兄弟、親族が互いに原告、被告として法廷に対立し、黒白を爭わねばならず、家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図るという見地からは理想に反する遺憾な点があるのでありまして、家庭内や親族間の紛爭を理想的に
解決
いたすためには、
裁判
官に民間有識者を加えた機関が、訴訟の形式によらないで、親族間の情誼に適合するように紛爭を
処理
することが望ましいことであります。夙に各
方面
からかかる要請を充足する制度といたしまして且又家庭内や親族間の重大事項について後見指導をする制度といたしまして家事審判所制度の設置が
要望
され、しばしばその
趣旨
の建議や請願があ
つたの
であります。
司法省
におきましてもかかる
要望
に應えるために、夙にこの家庭内や親族間の紛爭と重大事項、即ちいわゆる家庭
事件
について審判と
調停
を行う制度として、家事審判所制度の設置について調査研究を進め、その一環として、
昭和
十四年に家庭
事件
について
調停
を行う制度として人事
調停
法の
制定
を見、相当の成果を挙げておるのであります。然しながら、
改正
民法に從い、國民が平和な家庭生活と健全な親族共同生活を営みますためにはこの機会に、家事審判所制度を全面的に採用することを必要といたしますので、茲に本法案を
提出
して御
審議
を仰ぐ次第であります。 次に本法案の内容といたしまする主要な諸点を挙げて御
説明
申し上げます。第一は、家事審判所は、家庭
事件
のみを取り扱い、その手続も訴訟手続によらないのでありまして、訴訟
事件
を取り扱う
裁判所
とは
処理
する
事件
及び
処理
する手続を異にいたしますので家事審判所を家庭
事件
のみを取り扱う
地方裁判所
の特別の支部といたしました。第二は、家事審判所が取り扱う
事件
でありますが、家庭
事件
のうち、離婚
事件
、離縁
事件
等、その性質上訴訟手続によ
つて
処理
することを必要とする
事件
を除いて、それ以外の家庭
事件
は、総て審判
事件
とし、又禁治産
事件
失踪
事件
等、その性質上
調停
に適さない
事件
を除き、それ以外の家庭
事件
は総て
調停
事件
といたしますと共に、この審判の対象とならない訴訟
事件
については
調停
前置主義を採り、又
調停
に適する審判
事件
については、何時でも
調停
に付し得ることといたしまして、家庭
事件
は総て一應家事審判所において
処理
することといたしますと共に、家庭
事件
を可及的に関係人の互讓によ
つて
円満に且自主的に
解決
するようにいたしました。第三は、審判は、原則として家庭審判官が参與員の参與によ
つて
行い、
調停
は原則として家事審判官と
調停
委員を以て組織する
調停
委員会
が行うことにいたしまして、
法律
專門家である
裁判
官と世故人情に通じた徳望ある民間人が、一体とな
つて
、親族間の情誼を考慮し、家庭
事件
を具体的妥当に
解決
するように措置いたしました。第四は、現行人事
調停
法に比し、
調停
を強化いたしまして、婚姻又は縁組の無効
事件
、嫡出子の否認
事件
等の
調停
におきましても、当事者間に合意が
成立
した場合には、必要なる事実を職権で調査した上、その合意に相当する審判をなし得ることといたしますと共に、家庭
事件
について
調停
が
成立
しない場合には、強制
調停
をもなし得る途を開きまして、可及的に家庭
事件
を訴訟によらず
調停
によ
つて
処理
するようにいたしました。第五は参與員及び
調停
委員について祕密漏泄の罰則を設けまして、家庭内の祕密が世間に暴露されることを防止して、当事者が安んじてこの家事審判所制度を利用し得るようにいたしました。 以上諸点の外、審判及び
調停
につきましては、非訟
事件
手続法を準用してその手続を簡素にいたしまして、
事件
の迅速な
解決
と費用の軽減を図りました。 只今申上げましたのが、本法案の概要でありますが、その他の詳細な点につきましては、御質疑に應じて御
説明
申上げます。何卒愼重御
審議
の上速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
伊藤修
10
○
委員長
(
伊藤修
君) この本案に対する質疑を他日続行いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
伊藤修
11
○
委員長
(
伊藤修
君) では
左樣
決定いたします。
委員会
はこれにて散会いたします。 午後二時五十二分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
伊藤 修君 理事 松井 道夫君 委員 大野 幸一君 齋 武雄君 奧 主一郎君 鬼丸 義齊君 小川 友三君 來馬 琢道君 松村眞一郎君 山下 義信君 阿竹齋次郎君
衆議院議員
武藤運十郎
君 政府委員 司法政務次官 佐竹 晴記君 司法事務官 (民事局長) 奧野 健一君