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松井道夫君 これは以前からいろいろ議論してことでございますが、要するに
農家の
經營を危殆ならしめるというような状況の場合に、その
農業資産をいわゆる
細分させないということができれば、それでこの
法律の埜いが一應到達できるのではないか、さように存ずるのであります。これが只今の例で申しますれば、五六町も作
つておるという場合には、假りに
兄弟二人で
二つに分けるにいたしましても、
農業經營を危殆ならしめるというようなことがないのでありますから、何もこの
法律によりまして
農業資産というものを一人に歸屬せしめなければならんということはないのであります。又總
面積が三
町歩以下の小さいところでありましても、これを二人なら二人の
共有にして置くということも又妨げるものでもない。何となれば、その三
町歩以下なら三
町歩以下の
農業資産を
分割してばらばらにしてしまうということでなしに、その
農業資産を
從來通り農業資産として
農業經營の範圍にして行くということであれば、何等
農業の
經營を不安定にするということもないのではないかと思うのであります。結局この三條は、この
法律の本當に企畫いたします
目的に對しまして、今申しました
二つの方面において行過ぎておる、逸脱しておるというように考えるのであります。もつと細かくあらゆる場合について考えまして規定することができれば結構なんでありますが、立法技術上そういことができないので、まあこの
程度で我慢されたのでないかと存じまするけれども、他方面から考えますとそういう必要のない場合、この
法律の
目的からい
つて必要のない場合にまで、その
法律によ
つて強制いたすということはこれは如何かと思われる。新憲法の
均分相續という原則を破
つていることになる。結局そういうことになると思うのでありまして、改めてその點について御
意見を承わりたいのであります。