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政府委員(愛知揆一君) 今朝
提案理由の御
説明をいたしましたが、
臨時金利調整法案につきまして極く簡單にちよつと補足させて頂きたいと思います。
御案内のごとく、從來金融機關の間におきましては、
金利の
協定を自主的にや
つておりましたわけでございまして、非常に歴史も永か
つたのでございますが、本年の十月になりましてから、金融
業者相互間において、貸出なり預金なりの
金利の
協定を
業者間において排他的に
協定をするということは獨占禁止法に牴觸する疑があるという説が起りまして、いろいろ議論があ
つたのでございますが、さような次第で、十月の二十三日に一切の
金利の
協定が
業者の申合せによりまして廢棄せられたわけでございます。ところがやはり現在のいろいろの經濟状勢下におきまして、
金利に非常に亂高下が起りますることは、いずれにしても阻止をする必要があると考えまして、
關係方面ともいろいろ相談をいたしました結果、この
法律案が漸く會期ぎりぎりのところで減に恐縮なんでありますが、でき上つたわけでございます。一方最近の
金利協定が廢棄せられました後の
状況を見まするに、今までのところはさしたる變調はないように見受けられるのでありまするが、何分にも、殊に年末を控えまして
資金が非常に窮屈でありまする折から、何の
協定もなく、又それを拘束する法令等もないということでございましては、或いはどういう事態が生ずるかも保し難いような
状況に見受けられますので、誠に恐縮でございますが、速かに御
審議を頂きたいと考えておるわけでございます。
内容はこの法文をお讀み下されば別に御疑問等もないと思うのでございますが、ただ
一つだけこの
法案の特色にな
つておりますることは、本來
金利政策というようなものは、やはり
政府としては
大藏大臣の責任において責任を取らなければならない性質のものと考えるのでありまするが、從來
協定いたしておりますような
金利というようなものは極めて技術的なものでございまするし、實際に金融機關が適用いたしまする預貯金の利率とか、或いは、貸付の利率というようなものでございますので、できるだけ技術的な
實情に明るい方々の間におきまして決めて頂きたい。而もそれを民主的にや
つて頂きたい。かように考えましたので、
金利を
調整することの發議權は
大藏大臣に持
つておりまするけれども、實際上は
日本銀行總裁に
一つ音頭取をして頂く、而も
日本銀行總裁が音頭を取
つて決めて頂きます場合には、金融界、産業界、或いは勞資の代表者、或いは役人といつたような多面的な諮問
委員會を作
つて頂きまして、その
委員會と御相談の上で
日本銀行總裁に決めて頂こう。こういうような構想にな
つておりますことが特色だと言えると思うのであります、この點だけ附言さして頂きたいと思います。
それからもう一言附け加えさして頂きたいと思いますのは、やはりこの
委員會に
勸業債券の
割増金等に關する
所得税の課税の
特例に關する
法律案というのが
提案されておるのでございますが、これは一例を申しますると、
只今實籖を賣出しております。貯蓄奬勵の一環といたしまして、現在百
萬圓の當籖金をも出しておるわけでございますが、一時所得の課税の對象にこれがなりますると、七十萬以上も税金に取られてしまいますわけで、大局的に考えまして、この
インフレのとき、特に當分の間は
一つ百
萬圓くらいの當籖金を出しても貯蓄の推進をいたしたいと考えておりまするので、これも各方面いろいろ議論もございましたのでありますが、當分の間
所得税をこういつたものに關してはかけないということに、漸く
政府部内及び
關係方面との
意見が纏まりまして、これも實は一月にもやはり引續き各種の富籖その他を出したいと思
つておりますので、一方
所得税法の方は一月一日から
施行されますると、その一月の時期などにもこういつたものの賣行きが非常に惡くなることは、貯蓄推進上、
資金吸收上困りまするので、これも會期ぎりぎりのところで恐縮でございますが、さような
趣旨でございますので、抂げてよろしく願いたいと存じます。