○
政府委員(河野一之君) 農業共済の
関係でありますが、これは
從來農業保險によ
つてや
つておりましたものを新らしく農業共済
制度に直しまして、それに対して更に保險をつける。こういう
関係に変
つて参
つたのであります。
從來の農業保險でありますると、水稻とそれから麦及び桑に限られてお
つたのでありますが、それと共に共済の原因といたしまして、冷害を除いてお
つたのであります。今度の新らしい農業
災害補償
制度におきましては、水稻、麦は勿論でありますが、桑の桑葉についての共済
制度を蚕繭、即ち繭に改めたのであります。それから共済原因につきましても、新たに冷害を入れております。それから家畜につきましては家畜保險
制度というのがあ
つたのでありますが、これを
災害補償
制度の中に取込んで
法律を一本にいたしたということにな
つております。そうして農業
災害補償については農業共済組合というものが市町村單位にできまして、これに対してお互いが
共済掛金によ
つて共済をする。そうしてこの共済の責任を府縣單位の連合会に保險いたしまして、その保險を
政府において、農業
災害補償保險再保險特別会計でありますが、この特別会計で再保險する、こういう建前に相成
つておるわけであります。そういたしまして
共済掛金はどういう
負担になるかと申しますと、最末端における農業の
共済掛金は、通常の
災害については、これは農民が全部
負担するのであります。ところが異常の
災害、通常ないような異常の
災害につきましては、その二分の一を農家が
負担いたしまして、後の二分の一を消費者が
負担する、こういう恰好にな
つております。それから超異常、二十年に一遍とかいうような超異常
災害につきましては、その全額を消費者が
負担する、こういう建前にな
つております。その消費者が
負担するということは、即ち現在の
制度の下におきましては
食糧管理特別会計が
負担する。こういう建前に相成
つております。從いまして
共済掛金に相当する部分は、米の消費者
價格に繰入れらるべき性質のものでありますが、今
年度の米價を計算いたします際におきましては、その分は米價の計算の中に入
つておりませんでありましたので、
食糧管理特別会計が一應
負担するのでありますが、その分を
價格調整補給金的色彩を有するものといたしまして、
一般会計から農業
食糧管理特別会計に繰入れてやるべき必要がある
ために出しました
法律であります。大体農業共済
関係の
負担の
関係は以上の通りでありますが、数字的に申上げまするならば、水稻につきましては、
平均反当り共済
金額が九百円でありまして、その
共済掛金の総額は十二億五千万円程になります。それにいたしまして、農家の
負担が六億八千二百万円、消費者
負担、これは結局國において
負担することになるのでありますが、
一般会計からの繰入れ、即ちこの
法律案によ
つて負担することになるのでありますが、水稻の
関係が五億六千八百万円
負担いたします。それから麦につきましては、
平均反当り共済
金額が四百円でありますが、
共済掛金の総額が九千三百万円、農家の
負担が五千万円、
一般会計を通じまして、
食糧管理特別会計が
負担いたしますその
金額は四千二百万円ということで、これらを合計いたしまして、端数を切上げまして六億一千百万円というものを今度の
補正予算に計上いたしてある次第であるます。これによ
つて大体お分りになりますように、
共済掛金の大体半額
程度を國が
負担いるとこういう
関係にな
つております。その外國庫といたしましては、
從來通り
事務費を
負担いたしております。共済組合及び府縣の連合会の
事務費を國が
負担しておるのでありまして、この
金額は今囘提出いたしました補正第九号の
予算に入
つておるような次第でございます。