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政府委員(
前尾繁三郎君) この
公團を作りますために特によくなる面というのは、御説の通り、大して変りはない次第であります。で、この
公團自体が現在の機構をどうしても解散しなければならぬ、しかしその解散をしてしまつた場合に、そういうものを全然なしにやり得るかというと、やり得ない。そのなんらか代りのものを持
つて來なければならないわけでございます。それは独占
禁止法の
関係上、私的な企業であ
つてはならないわけでございまするので、公的な事業、或いは公的な團体によ
つてやらなければならない。それがこの
酒類配給公團を作りました大きな理由でございます。ただこの
配給公團によりまして、各
酒類が一元的に、今までは
清酒、
合成酒という面におきましては大日本
酒類販賣株式会社、
ビールにつきましては麦酒
配給株式会社、それから
雜酒につきましては全國
雜酒卸共販組合、或いは
果実酒につきましても同樣共販組合というようなもので、可なりばらばらにな
つておつたわけでございますが、それが
一つに統合せられる。勿論その内部的機構といたしましては、各
酒類別の部門を作らなければならないかと考えるのでありますが、とにかく
一つの團体の中での一部門として働くということになりますると、非常に集荷について統一が取り易いという面がございます。又この
配給にいたしましても、各
酒類の代替
配給ということが非常にやり易くなるということが一でございます。
それからまあなんと申しましても、官営とまでは参りませんが、利害
関係或いは配当、そういうような問題がなくなりまして、全く公的の機関ということで、非常に純粹な仕事をや
つて戴き易くなる。
只今までも殆ど各統制機関につきましては公的機関というのでや
つて戴いておりますが、併し尚雜多な酒につきましては、いろいろ必ずしも適正な集荷ができ得なかつたというような面もございます。併しこれが本当の独立した公的機関としてやります場合には、そういうような面も強力に、又利害
関係を離れてやり得るというような利益もございます。恐らく現状よりは
相当よくなるというふうに考えるのでございます。ただ
官吏又は政府職員ということになりますために、いわゆる官業の弊が起り得る可能性もありますので、その点は十分戒めなく
ちやならない次第でございますが、併し集
つて戴くのは、主として
從來の統制機関の職員の方に來て戴くわけであります。その点もいわゆる官僚独善の行き方とは非常に違つた純粹の
官吏じやなしに、もう少し丸い行き方をして戴けるというような考え方を私はいたしている次第でございます。