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1947-07-07 第1回国会 参議院 財政及び金融委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
國民貯蓄組合法
の一部を改正する法
律案
(
内閣送付
) ○
財産税等收入金特別会計法
の一部を 改正する
法律案
(
内閣送付
) ○
造幣局特別会計法
の一部を改正する
法律案
(
内閣送付
) ○
酒類配給公團法案
(
内閣提出
) ――
―――――――――――
昭和
二十二年七月七日(月曜日) 午後一時五十五分開会 ――
―――――――――――
本日の会議に付した
事件
○
酒類配給公團法案
――
―――――――――――
黒田英雄
1
○
委員長
(
黒田英雄
君) それではこれから
委員会
を開会いたします。本日は先般本
委員会
に
付託
になりました
酒類配給公團法案
について
審議
をいたしたいと思います。 先ず
政府
の本
法案
につきまする
提案
の
理由
、
内容等
についての
説明
を伺うことにいたします。
小坂善太郎
2
○
政府委員
(
小坂善太郎
君)
只今議題
となりました
酒類配給公團法案
の
提案理由
につき御
説明
をいたします。 御
承知
の如く、近
來食糧事情
の惡化、
原料資材
の窮迫のために、
酒類
の
生産
は逐次減少の一途を辿
つて
おるのであります。併しながら
酒類
は
石炭
その他
重要産業労務者
に対しましての
特配物資
、
食糧供出用
の
報奬物資
といたしまして、又
國民生活
の
明朗化
のためにも欠くべからざるものでありまするので、
酒類
の
配給
が適正に行われるかどうかということは
國民生活
の安定、
産業復興
、
食糧増産等
に極めて重大な
関係
を有するものであります。 而して今立
設立
しようといたしまする
酒類配給公團
は、
酒類
の適正な
配給
を
目的
とするものでありまして、その
設立
の
理由
は主として次の
通り
でございます。 第一は、
酒類
は米、麦、
甘藷等
の
主要食糧
を
原料
とするものでありまするが、
食糧事情
が非常に逼迫しております際に、これらの貴重な
主要食糧
を
原料
として
製造
した
酒類
については、
政府
の
責任
において
酒類
の
配給
を統制し、適正且つ有効なるものたらしめるための
機関
を設けることが必要だと考えるのであります。 第二に、現在
酒類
の卸賣り
機関
といたしましては、
清酒
、
合成酒
、
合成清酒
、味醂、燒酎につきましては、大
日本酒類販賣株式会社
、
都道
府
縣酒類販賣株式会社
、
ビール
については
麦酒配給株式会社
、
果実酒
につきましては全
國果実酒卸共販組合
、及び
雜酒
につきましては全
國雜酒卸共販組合
を指定いたしまして、
政府
の
監督
の下にこれらを一手買取り
販賣機関
といたしておるのであります。併しながらこれらの
会社組合
は
私的企業
でありまして、先に成立いたしました
私的獨占
の
禁止
及び
公正取引
の確保に関する
法律
の
趣旨
に副わないのであります。併しながら
酒類生産
及び
輸送事情
を考慮いたしまする時には、これらに代るべき
機関
を設けて、全
酒類
を一元的に集荷し、小賣
業者
に
販賣
することは最も経済的であり、又
酒類
の
品質保持
についても適当と考えるものであります。 第三に、
臨時物資需給調整法
によりまして、重要な
物資
は
政府
が直接
購入切符
で
消費者
に
割当
てることになり、
酒類
についても、
指定配給物資
としてこの
方式
を執ることにな
つて
おるのでありまするが、
生産量
の僅少な
酒類
につきましては、單に
割当
てるというだけでは多数の
酒類製造業者
から迅速に集荷し、これを適正な
價格
で以て全
國各地
に確実に
配給
することは困難と考えられるのであります。從いまして適当の裏付けをなす現物の流通を把握すると共に、全
酒類
を通じて
價格
、
運賃
、料金、
容器代等
について
プール計算
を行い、以て
價格
の凸凹を防止する
機構
を設ける必要があると認めるものであります。 第四に、
酒類
につきましては、
清酒
、
ビール
、
雜酒
、その他一切の
酒類
を
アルコール分等
を
基準
とする一定の
換算率
によりまして、総合的に把握し、
酒類
の地域的、時期
的需給
の不均衡、或いは
需要者
の
嗜好等
を考慮しながら極力適正な
配給
に努力しているのでありまして、この点から見ましても、
酒類配給公團
を
設立
して、すべての
酒類
を取扱わしむることが適当であると考えられるのであります。 次に
本案
の骨子とするところを概略申述べたいと存じます。 第一に、
酒類配給公團
は、
経済安定本部総務長官
の定めまする
割当計画
及び
配給手続
に基きまして、
酒類
の適正な
配給
に関する
業務
を行うことを
目的
とする
法人
であります。 第二に、
資金計画
につきましては、
基本金
は三千万円でありまして、
金額政府出資
といたしまして、
運営資金
は
復興金融金庫
から借入れることにいたしております。 第三に、
公團
の
役職員
につきましては、これらは
官吏
その他の
政府職員
でありまして、俸給、
給與
が
國庫
から支給されると共に、
官吏
に関する
一般法令
に服さなければならないという点におきまして、
公團
が
國家
の
代行機関
としての
性格
を明瞭にしておることは、さきに成立した他の
公團
と同様であります。而して
役職員
としては、できる限り
公團
の
設立
と共に
解散
する
会社
又は
組合
の從事員、その他
民間
の優秀な
経驗者
を採用いたしまして、
現下
の
雇傭事情
に
應ずる
と共に、
業務運営
の円滑適正を期したいと存じます。 第四に、
公團
の
業務
は
酒類
の一手買取り及び賣
渡し
が主たるものでありまして、これは
経済安定本部総務長官
が定める基本的な
政策
及び
計画
に基いて、
主務大臣
のなす
指示
及び
監督
に從
つて
行うものであります。即ち
製造
された
酒類
はすべて
製造業者
から
公團
に讓り渡され、
公團
は
原則
といたしましてこれを小賣
業者
に賣
渡し
、小賣
業者
から更に
消費者
に
配給
されることとなるのであります。 その他
酒類
の
配給
のため必要な
酒類
の
保管
及び運送を行うことは勿論、他に
附帶事業
として
リンク容器
の
回收
、
運賃
の
プール計算等
が考えられております。 而して
公團
の
解散
が
臨時物資需給調整法
と等しく
昭和
二十三年の四月日、或いは
経済安定本部
の廃止のときのいずれか早い方か、又は
経済安定本部総務長官
の
解散命令
によるということにな
つて
おり、平常の
経済状態
に復帰した曉には直ちに
解散
することを前提としておりますのと、
政府予算
及び貸出に当りまする
復興金融金庫
の
資金関係
から、
業務
に必要な施設は
原則
として買收せずに、
公團設立
と共に
解散
する
会社
又は
組合
その他
第三者
から賃借することにいたしているのであります。 第五に、
公團
の
監督
でありまするが、
経済安定本部総務長官
は、
酒類
の
配給
に関する基本的な
政策
及び
計画
に関しまして、指導
監督
し、
主務大臣
は、これに基きまして、実施上の具体的な又個別的な
監督
を行うこととしておるのであります。 尚お
公團
の
会計
につきましては、その
基本金
が
政府出資金
である建前から
会計檢査院
がその
檢査
に計ることにいたしておるのはこれ又他の
公團
の場合と同様であります。 第六に、
公團
の
設立
に伴う措置でありますが、
酒類配給公團
が成立したときは、現在の大
日本酒類販賣株式会社
、
都道
府
縣酒類販賣株式会社
、
麦酒配給株式会社
、全
國果実酒卸共販組合
及び全
國雜酒共販組合
は
解散
されることとなり、その清算は
昭和
二十三年四月一日までに終了いたすことといたしておるのであります。 これを要しまするに、貴重な
主食糧
を
原料
とする乏しい
酒類
の
配給
につきましては、
需給
が極めて不均衡な期間に限りまして、
政府
はみずからその統制の衝に当ることといたしまして、私的な
会社
又は
組合
による一手買取り
販賣
は、
経済民主化
の
趣旨
からこれを廃止することといたしたのでありますが、これが
公團
の
設立
の眼目であります。郎ち
政府機関
とも申すべき
公團
の
組織
と、その
民主的運営
とによりまして、
酒類
の公正な
配給
を行い、
産業復興
と
國民生活
の安定に資せんとするものであります。 以上を以ちまして
酒類配給公團法案
の
提案理由
の
説明
を終ります。何
卒速
かに御
審議
の上可決せられんことを切にお願い申上げる次第でございます。
黒田英雄
3
○
委員長
(
黒田英雄
君)
只今提案理由
の
説明
がありましたが、現在の
酒類
の
配給状況
から、
本案
を
審議
しますことについての多少補足の御
説明
でも、
主税局長
から
伺つた方
が便宜かと思いますから……。
前尾繁三郎
4
○
政府委員
(
前尾繁三郎
君) この
配給公團法
につきまして
只今政務次官
から御
説明
いたしたのでありまして、それ以上に特に附け加えて申上げることもないのでありますが、各條にわた
つて
概略申上げたいと思います。その前に
只今提案理由
の
説明
にもありました如く、現在なぜ
酒類配給公團
を作らなければならんかという点について
幾分誤解
のある向もあるかのように聞いておりますので、その点についてちよつと御
説明
申上げたいと思います。
只今提案理由
で申上げました如く、現在の
食糧事情
からいたしまして、
酒類
の
配給量
というものは非常に減少いたしております。現在におきまして、
ビール
その他を含めまして百八十万石
程度
でございます。その
自由経済時分
から
比ベ
ますと四分の一にも足りないというような
状況
でございます。 又酒に対する
需要
がどのようであるかということは、既にどなたも御
体驗
にな
つて
おり
通り
でございます。乏しい量を以ちまして非常に
需要
が多い、而も
現下
におきましては、單に酒は
奢侈飲料
というだけには止まらず、
食糧
の供出なり、或いは
石炭
の
増産
というような面にも廻しており、又
家庭配給
につきましても
相当量
を出しておるのでありますが、その
家庭配給
という点におきましても、可なり重要な
物資
の一つとして、單に不適正な
配給
の、いかなる方法でもよいというわけには参らない
状況
でございます。 その
配給
の
機構
の
中心
を現在なしておりますのは、大
日本酒類販賣株式会社
、
ビール
については、
麦酒配給株式会社
、それから
果実酒
につきましては全
國卸共販組合
、或いは
雜酒
につきましても同様に
卸共販
というものがございます。これは
生産
の面におきまして、
酒造組合
或いは
麦酒醸造組合
その他の
組合
があるのでございますが、それと大体において相対應いたしまして
販賣
の
機関
の
中心
をなしておるのでございます。そうしてその営んでおります
業務
はすべての
製造者
の造りました
酒類
を一手に買受け、又それを一手に各末端の小賣
業者
に流しておるというのでございます。酒につきまして兎角の非難はありましても、まず
割合
に
配給
がうまく行
つて
おりますのは、この
酒類販賣株式会社
、或いは
卸共販
というような
組合
の活動が
割合
に適正にい
つて
おるということであろうかと存ずるのでございます。而も非常に乏しい
酒類
でございますので、それを或いは
ビール
は
都会地
に、或は酒は農村に、
果実酒
は
産業特配
、いろいろな工夫をいたしまして、最も合理的な
配給
をいたさなくちやならないのでございます。
只今
我々は
基準酒
と申しまして、酒一升と
ビール
六本、或いは燒酎等におきましては八合というような
換算率
を用いまして、その
アルコール度数
或いは
價格
というような面から、それをうまく
消費者
に按配いたしまして
配給
しておるというような現状でございます。 又
製造者
におきましても、
製造
原價というものは可なり
各地
で違
つて
おるのでございます。殊に又
運賃
につきましても、酒の
生産地
と
消費地
というものはいろいろ錯雜いたしておりまして、
生産地
のすぐそばに
製造地
があるというわけに参らないのでございます。それらの按配を、いろいろこれらの、先程申上げました
会社
なり
組合
が合理的な
價格
の
操作
をいたしております。いわゆる
プール計算
によりまして、
價格
の
操作
をいたしまして、北海道におきましても、
東京
におきましても、長崎におきましても同樣な
公定價格
で賣
つて
おるような次第でございます。 然るところ、御
承知
のように、
独占禁止法
の発布のために、これらの
民間会社
でありますところの大
日本酒類販賣株式会社
、
都道
府
縣酒類販賣株式会社
、
麦酒配給株式会社
、全
國果実酒卸共販組合
、それから全
國雜酒卸共販組合
というものは当然
解散
をいたさねばならない運命にな
つて参つたの
であります。併し若しこれらの
機関
がなしに、全くの
製造者
から直ちに
自由販賣
をする昔のままの
時代
に返して、果して適正な
配給
ができるかどうかということにつきまして、我々は随分檢討いたしたのでございます。併しその
結論
といたしましては、到底これらの
機関
なしに、現在の非常にアン・バランスな酒の
需給
を適正に
配給
するということは、到底不可能であるという
結論
に到達いたしたのでございます。その点は
民間
の
方々
にも十分御相談申上げましたのでございまするが、同樣な
結論
でございました。從いまして我々といたしましは、どうしてもこれに代わるべき
責任
のある
價格操作
なり、
配給
の適正を期するなんらかの
機構
が必要である。その
機構
は、他の
重要物資
においても行われておりますところのいわゆる
配給公團
という以外にはないのでございます。
配給公團
につきましては、既に全般的に申されておりますように、これは臨時的な
機構
でございます。
政府
のまあ
代行機関
と申しますか、いわゆる公
法人
ではございまするが、この拵えました
趣旨
は、寧ろ
民間團体
である
民間会社
に、こういう独占的な
事業
を営ましておきますときには、そういうような必要がなく
なつ
たときに、直ちに
解散
させるということは非常に困難である。寧ろ
政府
の
責任
におきまして、それをや
つて
、不必要の場合には直ちにそれをやめる。そのためにはどうしても公的な
法人
でなくてはならないというのがこのあらゆる場合の
公團
の
趣旨
であります。酒の
配給公團
につきましても、同樣な考え方によりまして、この
配給公團法
がどうしても必要であり、又これは永久的な
機構
ではなしに、
只今
の非常な
混乱時代
におきまして、
食糧事情
の非常に惡い現在におきまして、過渡的な
機構
であるというふうな
意味合
からいたしまして、この
公團法
を作
つて
おる次第でございます。 少しく
内容
に入
つて
申上げますと、第
一條
につきましては、その
目的
を書いておるのでございます。第
一條
の「
酒類配給公團
は、
経済安定本部総務長官
の定める
割当計画
及び
配給手続
に基き、
酒類
の適正な
配給
に関する
業務
を行うことを
目的
とする。」尚お酒の
配給
につきましては、
主務大臣
は
大藏大臣
でございます。その点は第十
五條並び
に第二十條に明確に定めておるのでございます。具体的な
配給手続
或いは
割当
計当というものは
主務大臣
である
大藏大臣
がいたすのでございまするが、
最高
の
責任者
は
経済安定本部総務長官
ということに相成
つて
おるのでございます。そうしてこれは第十
五條
にあります
通り
に、基本的な
政策
及び
計画
を
経済安定本部総務長官
が定めまして、それに基いて、
大藏大臣
が具体的の
割当計画
、
配給手続
をやるのでございます。今度は
実務
の面におきまして、この
割当計画
なり
配給手続
に基いて
配給
の
実務
を行なうというのが、この
公團
の
目的
でございます。 第二項の
酒類
とは、
酒税法
に
規定
する
酒類
、即ち
アルコール分
一度以上の
飲料
を
酒類
と申しておるのであります。その点は
酒税法
と同樣の定義にな
つて
おるのでございます。 次に
配給公團
は
法人
でございます。これは後で申上げます
基本金
は
政府
が
出資
をいたしますので、
性格
から申しますと
財團法人
かとも考えるのでありますが、いわゆる公的な
財團法人
でございます。 次に、第
二條
は
事務所
でありまして、主たる
事務所
は
東京
都、從たる
事務所
は
地方各所
に設けるのでございます。
只今
我々が考えております
機構
といたしましては、
東京
の
本部
に各
酒類
の部を置き、又置務局の
所在地
に支部を置きまして、又各
府縣
の
縣廳所在地
に支所を設け、それから
税務署
の
所在地
に出
党所
を設ける。
只今酒類販賣株式会社
の
機構
も大体それに準じたようなふうにな
つて
おりますので、それ等と
税務署
その他の
関係等
を考えまして、大体そういうような
機構
で参りたいと考えておる次第でございます。 第三條は
基本金
を三千万円とする。これは
全額政府出資
でございます。
只今固定資産
については、
余り配給公團自体
が所有するということは考えられておりません。從いまして、或る
程度固定資産
は、後で申上げまするように、借入れをすることになると思うのでございます。從いまして、
基本金
は極く少額でよろしいのでございます。 次に、
公團
の
運営資金
てございますが、これは
独占禁止法
の
関係
から考えますと、いわゆる、
金融資本
の
支配
というようなことも防止せねばなりませんで、
復興金融金庫等
から借りなければならんということにな
つて
おるのであります。即ち
民問銀行
から借りましたものでは、その
民間銀行
の
支配
或いは制約を受ける場合が考えられるという点を考慮に入れておる次第でございます。 第四條につきましては、
定款
に
規定
すべき
事項
を揚げておるのでございます。大体
酒類配給公團法
は
組織法
でありまして、
会社
の
定款等
と殆ど
内容
的に同じようなことにな
つて
おるのでございます。從いましてその
記載事項
又
定款
の変更については、
主務大臣
と
安本長官
の
認可
が必要であるというようなことを
規定
いたしておるのでございます。 第
五條
につきましては、これは
登記
のことを書いております。
公團登記令
に定めるところによりまして
登記
をしなければならない。又
登記
をすることが
第三者
に対抗する要件とな
つて
おるのであります。 第六條は
非課税團体
であることを明記いたしておりまして、
所得税
、
法人税
を課さない。又
地方税
も課さない。併し中には、例えば
坑木税
というようなものを考えますと、或いは
矢張り公團
としても納めなくてはならないものがあるかと考えますので、
例外規定
を設けておるのでございます。 第七條は
解散
のことについて申しております。先程申上げましたように、
配給公團
は臨時的な経過的な制度でございます。從いましてここに揚げております
臨時物資需給調整法
の失効のとき、即ち
昭和
二十三年四月一日、或いは
経済安定本部総務長官
の
命令
で
解散
させることができる。何時でもその必要がなくなりましたときには、直ちに
解散
させるというようなことにな
つて
おるのでございます。尚お「
解散
に関して必要な
事項
は、政令でこれを定める。」と書いてありますが、
只今
のところ予定されておるものはございません。 次に、
名称
は「類似する
名称
を用いることができない。」というのが第八條でございます。 第九條は、この
配給公團
の
性格
が
明格
でございませんが、民法第四十四條即ち
法人
の
賠償責任
の
規定
と、第五十條即ち
法人
の住所は主たる
事務所
である、それから五十四條の
理事
の
内部的代理権
の制限をいたしましても、外部には対抗できない。それは
法人
と
理事
が
利害関係
を異にする場合には
特別代理人
を作らなくちやならぬとか、或いは非
訟事件手続法
第三十
五條
、これは
裁判
所の管轄の
事項
でありますが、これらを準用するというようなことを
規定
しておるのでございます。 次に、第二章の「
役員
及び
職員
」でございます。
役員
としては
総裁
一人、副
総裁
二人、
理事
二人以上と監事一人以上ということにいたしております。
酒類
の
関係
につきましては、
民間
の
方々
から代表的な方にお入りを願わなくちやなりません。從いまして副
総裁
を二人ということにいたしております。それから
総裁
、副
総裁
、
理事
の
職務権限
のことを
規定
いたしておりますが、他の場合と何等異なるところがございません。 次に、第十
一條
は、これらの
役員
につきましては、
主務大臣
が任命することにな
つて
おる。即ち
任命権
の在在を書いておるわけでございます。 第十
二條
につきましては、
代理人
即ち「一切の
裁判
上又は
裁判外
の
行爲
をする
権限
を有する
代理人
を選任することができる。」という
規定
でございます。 第十三條につきましては、この
役職員
がなんらか
利害関係
のある立場にある人であ
つて
はならないということを
規定
しておるのでございます。即ち酒の
製造
或いは
保管
、賣買、若しくは
輸送
を業とする
株式
を持
つて
おるとか、或いはさういうような
業務
に從事しておる、即ち兼業するとか、その他一切の
利害関係
を持
つて
はならない。
只今酒
につきましては、酒の
保管
或いは
輸送
を專業とする者はございません。例えば現在酒の
輸送
は日通に頼んでおるわけでありますが、その
株式
を持
つて
おることは、この
規定
では差支えないと思われるのでございます。要するに酒の
製造
、
販賣
の業に
関係
がある人であ
つて
はならない。即ち酒の
給配公團
につきましては、飽くまで
政府
の
責任
におきまして、
公明
にやろうというわけでございまするし、又次の十四條に
規定
しております
通り
、この
公團
の
役職員
は
政府職員
の資格であるということ等から考えまして、
利害関係
を有する人であ
つて
はならない。他の、この
公團
の特に密接な
関係
にある
営業等
の
利害関係
を持
つて
おる人であ
つて
はならないという、
公明
にしようという点にあるわけでございます。但しこれについては
罰則規定
はございません。 次に、先程申上げましたように、第十四條は、
職員
は
政府職員
であるということを
規定
し、又一般官廳の
官吏
との格の、何といいますか、格付けをいたしておるようなわけでございます。 それから
給與
の点でございまするが、これは
民間
の方が殆ど全体の人が入
つて
いただくということに相成りまするので、
官吏
の
給與
そのままでは、到底現実問題としてお入り願いにくいというような点からいたしまして、特例を定めることができるということを
規定
いたしておるのでございます。 次に
業務
でございまするが、
公團
の
業務
は、先程申上げましたように、
酒類
の一手買取り及び一手賣
渡し
でございます。それに当然附随する問題として、
酒類
の
保管
及び
輸送
という
業務
がございます。又それらに附随する
業務
は当然やり得なくてはならないわけでございます。そうしてその
業務
は、先程申上げましたように、
経済安定本部総務長官
の基本的な
給配政策
及び
計画
というものによ
つて
、
大藏大臣
がいろいろ
指示
なり
監督
をいたすのでございます。それに
從つて配給公團
で
業務
をやるということにな
つて
おるのでございます。 それから
業務
の
方式等
につきましては、
業務開始
の際に
安定本部長官
の
認可
を得なければならない。又変更する場合も同樣でございます。その
認可
の場合には
主務大臣
に相談をいたすのでありますが、その
最終責任
は
経済安定本部総務長官
にある、即ちこの
権限
のあるところに
責任
があると、所在を明らかにいたしまして、
最高
の
権限
を持
つて
おる者が
最終
の
責任
を持たなくてはならないということを明確にいたしておるのでございます。 第十七條は、
事業計画
、或いは
資金計画
ということにつきましても、
安定本部長官
の
認可
を受けなければならないのでありますが、その際において
主務大臣
に相談し、或いはその
責任
が
最終
的に
経済安定本部総務長官
にあるということは、前と同樣でございます。 次に、
会計
の
規定
でございまするが、第十八條は、
事業年度
を
規定
いたしております。尤も前期、後期に分けますので、一年
事業年度
ではなしに、まあ二
事業年度
のような、実際はそういうような
運営
になると考えられます。 第十九條につきましては、諸
計算表
と申しますか、
財産目録
、
貸借対照表
、
損益計算書
、これを
作つて安定本部長官
に提出しなければならない。又承認を受けなければなりません。又それは
主務大臣
に相談され、
最終責任
が
安定本部総務長官
にあるということを明らかにいたしております。 その次の項は、それを公告しなければならないことを
規定
いたしております。 それから次に
財産目録
、
貸借対照表
、
損益計算書
につきましては、
会計檢査院
が
檢査
をするのでございます。
全額政府出資
でございます。
只今
のところ二分の一以上の
政府出資
をするような場合におきましては、
会計檢査院
が
檢査
をすることに相成
つて
おりますので、当然
酒類
の
配給公團
につきましても、その
会計檢査
は
会計檢査院
の
檢査
を受けることに相成
つて
おるのでございます。 次に、
酒類
の
配給公團
は、
只今
申しましたように、
酒類
の
配給
の適正を期するために作られておるのでございます。
只今
の
日本酒類販賣株式会社等
におきましては、勿論これを
配当
をいたしております。併し
酒類
の
配給公團
は、なんら
配当
を
目的
とするものではございません。ただ
人件費
なり、
物件費
なり、
事業
としては
收支償
わなくてはなりません。殊に
職員
に出します
給與
につきましては、これは
政府
から
交付金
として交付されるのでありまするが、その半面におきまして、
政府
に同額を一方に
納付金
として納めなければならないのでございます。從いまして、
配給公團
は今のところなんら利益を
目的
とするものではありませんので、
剩余金
が出ることはまずないように考えられるのでありますが、若しありとすれば、この
人件費
を
政府
に納めるというのがこれに該当する具体的の例ではないかと思います。何れにいたしましても、
剩余金
がそれ以外に出ました場合につきましても、それはすべて
國庫
に納付しなければならないのでございます。 次の項は、書類の整備のことを書いてあります。 その次の項は、
会計檢査院
が的確に
檢査
しなければならないということでございます。 第五章は、
監督
及び助成というのでありまして、第二十條は、先程も申上げましたように、経済
安定本部長官
が
酒類
の
配給
に関する基本的な
政策
及び
計画
をやるのでございまして、それに関連いたしまして、
公團
を指揮
監督
するのでございます。併しそれは常に
主務大臣
を通じまして、若し
監督
命令
、即ち
監督
上、必要な
命令
を出す必要があります場合には、
主務大臣
を通じてそういうことができるということに相成
つて
おります。
主務大臣
につきましては、繰り返して申上げます
通り
、
酒類
の
割当計画
、
配給
計画
という具体的な
事項
につきまして、一方
経済安定本部総務長官
の
指示
いたしましたところに基きましてやるのではありまするが、
酒類
の
配給公團
に関しましては
監督
命令
を出すことができることにな
つて
おるのでございます。又必要な
事項
については報告を徴し、或いは帳簿等につきまして
檢査
をするということができるのでございます。 次に、第二十
一條
につきましては、先程申しましたように、
給與
につきましては特例が認められておるのでありますが、それ以外の特別の報酬、
只今
余り具体的な例は決
つて
おりませんが、まあ
業務
手当というようなものを、必要があれば報酬規程を決めて出し得る、それについては
安定本部長官
の
認可
を得なければならない。これは
主務大臣
に相談いたしまして、又その
最終責任
が
安定本部総務長官
にあるというふうに相成
つて
おります。 第二十
二條
は、
役員
が法令又は
定款
、
法律
に基いてなす
命令
に違反した場合には、
大藏大臣
が解任することができる。又
経済安定本部総務長官
におきましては、その
役員
が不適任者である、或いは適切に
業務
を遂行していないという場合には解任することができるのであります。 次に二十三條につきましては、先程申上げましたように、
酒類配給公團
につきましては、余り固定資産を持たないというのを
原則
といたしております。と申しますのは、非常にこれが臨時的な制度である、早晩、近い將來においていつでも止められるべきものだというような
関係
にありますので、そういうものが固定設備を持つということは好ましくないことでございます。從いまして
原則
として貸借いたしましてそれでや
つて
行こう。即ち第一項につきましては、現在や
つて
おります
会社
なり
組合
が持
つて
おる施設でありまして、どうしても
業務
上必要があるという場合には貸與する
命令
を出すことができるのでございます。又どうしても
業務
上必要であるというものにつきましては、それ以外の必要な施設の所有者、又は占有者に対しましても貸與を命ずることができるのでございます。その使用料は
経済安定本部総務長官
の定める方針で適正に決める、又期間は存続期間以上に亘
つて
はならない。又それ以外の資材、即ち例えば樽だとか梱包材料というようなものでありましても、特に必要であります場合には、前に申上げました
会社
又は
組合
から讓り
渡し
又は引
渡し
を
命令
することができる。それにつきましては正当な補償を支拂はなければならないことを
規定
いたしておるのでございます。 それから尚お
主務大臣
は貸借いたしました施設を管理することにつきまして、十分なる保障をする、即ち
監督
を怠たらない
責任
がある。又これらにつきましては迅速に措置を命じ又は求めることができるということにな
つて
おるのでございます。 第六章は罰則でございます。第一は
役職員
の
命令
違反……第二十四條は施設の貸與或は資材の引
渡し
という
命令
に違反した場合の罰則でございます。 第二十
五條
は、
役職員
が
業務
以外の
業務
をやつた場合、或いは
安本長官
又は
主務大臣
の
監督
、
命令
に違反した場合につきましての罰則でございます。 第二十六條は、虚僞の報告或いは
檢査
拒否等につきましての秩序犯を
規定
いたしております。 第二十七條は、懲役罰金を併科することができる、或いは両罰
規定
等のことを
規定
いたしております。 第二十八條は、
酒類配給公團
を詐称したという場合の罰則でございます。 それから附則といたしましては、第
二條
で、この
法律
は
昭和
二十三年四月一日又は
経済安定本部
廃止の時の何れか早い時、いずれにいたしましても
経済安定本部
が廃止になるか或いは來年の四月一日、にその効力を失うということにな
つて
おるのでございます。 そのあとにつきましては、経過的に
設立
する場合の手続を
規定
いたしておるのに過ぎません。特に御
説明
は省略いたしたいと存じます。 稍稍冗長に亘つたのでございますが、一應の御
説明
を申上げた次第でございます。
黒田英雄
5
○
委員長
(
黒田英雄
君)
只今
政府
の
説明
を聽いたのでありますが、今日はこの
説明
を聽いた
程度
にいたしまして、質問は又この次の
委員会
にいたしたらどうかと思うのですが、いかがでしようか。
黒田英雄
6
○
委員長
(
黒田英雄
君) 御異議ございませんければ、本日は
説明
を聽いた
程度
にいたしまして、皆樣も御研究下さいまして、この次に御質問願いたいと思います。 尚おこの機会に資料等の提出の御要求がありますならば、今御要求を願いましたらば結構だと思います。
波多野鼎
7
○波多野鼎君
酒類
の
製造
高並びに
配給
高についての資料を一つ出していただきたい。
中西功
8
○中西功君 もう一つ、今までの
配給
会社
が五つか六つありますね。
酒類販賣株式会社
など五つありますが、この
会社
のあらましが分るような……いわゆる統制
会社
ですね。こういう資料を一つ出していただきたい。
前尾繁三郎
9
○
政府委員
(
前尾繁三郎
君) どういう範囲ですか、その概略を……
中西功
10
○中西功君 私が知りたいのは、結局今までどうして
酒類
が統制されていたかということを知りたいのであります。 それからもう一つは、これが実は二十三年の四月一日ですか、そういう期限付にな
つて
おります。しかも今は二十二年の七月なのです。でこれをや
つて
行く場合に非常にむづかしいようなものであるかどうか、実際やる場合にですね。現在の統制をや
つて
おるやり方について、どんな
会社
がどういうふうにや
つて
いるか、それに関する参考資料をお願いいたしたい。
黒田英雄
11
○
委員長
(
黒田英雄
君) それは現在、どういうふうに今までや
つて
來ているかということが、ちよつと一覽して分るような
説明
を欲しいということですね。
中西功
12
○中西功君 できるならば、
職員
とか主要
役員
などの名前も知らせていただきたい。
木村禧八郎
13
○木村禧八郎君 これは直接これに関連していること以外にも関連すると思うのですが、いろいろ
公團
というものが沢山できましたね。その
公團
に対する
政府
の
出資
額、それから必要なる運轉資金、大体の見込でいいのですが、
復興金融金庫
から運轉資金を借入れるというのが、單にこれだけだつたら問題は小さいでしようけれども、その他
公團
が非常に沢山できまして、その運轉資金はみな
復興金融金庫
から借入れるという、そういうような建前らしい。そこでいろいろな
公團
が必要とする運轉資金の大体の額ですね。それと
公團
の
政府出資
の問題ですね。大体のお見込でよろしいですが、一つ……
波多野鼎
14
○波多野鼎君 もう一つ資料を欲しいのですが、こういう今までや
つて
いた統制
機関
の、各種の
酒類
についての中間手数料がどんな
程度
に上
つて
いるかという資料を一つ出していただきたい。
前尾繁三郎
15
○
政府委員
(
前尾繁三郎
君) それは各酒の種類に從
つて
のあれでよろしうございますね。総額ではないのですね。
波多野鼎
16
○波多野鼎君 総額ではなくて種類別に……
中西功
17
○中西功君 資料ではなくて質問ですが、この
配給公團
の
法律
は前の議会で通つたわけですね。これはそうすると閣議に掛けて、大藏省として新らしく出されたわけですね。
前尾繁三郎
18
○
政府委員
(
前尾繁三郎
君)
酒類
の
配給公團
については、今度が初めて提出するわけでありまして、他の石油とか五つか六つかでありましたか、前議会におきましては、外の
物資
につきまして
配給公團
が出來たわけです。
酒類
につきましては、この三月の議会にはまだ司令部との折衝が、
関係
方面からもう少し檢討してからということで、前議会には間に合わなかつたわけであります。最近の司令部とのお差し合いの結果、よろしいということに相成りまして、又閣議を経て茲に提出した次第であります。
玉屋喜章
19
○玉屋喜章君 附則の第
二條
に、「この
法律
は、
昭和
二十三年四月一日又は
経済安定本部
廃止の時の何れか早い時に、その効力を失う」ということが書いてあるが、これは
昭和
二十三年四月一日が來たら廃止するものと思
つて
お
つて
よろしうございましようか。
前尾繁三郎
20
○
政府委員
(
前尾繁三郎
君) 先程申し上げましたように、この
公團
はできるだけ早い機会に、その必要がなければ止めなくちやならんというので、こういうような過渡的の
規定
を設けておるのでありまして、その時にな
つて
尚お必要であるという場合には、議会の協賛を経て延ばすということになるわけであります。
黒田英雄
21
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは本日はこの
程度
に止めまして散会いたしたいと思います。本日の
委員会
はこれで閉会いたします。 午後二時五十六分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
黒田 英雄君
理事
波多野 鼎君 伊藤 修君 委員 木村禧八郎君 椎井 康雄君 伊藤 保平君 森下 政一君 山田 佐一君 玉屋 喜章君 松嶋 喜作君 田口政五郎君 深川タマヱ君 星 一君 小林米三郎君 赤澤 與仁君 西郷吉之助君 九鬼紋十郎君 小宮山常吉君 渡邊 甚吉君 中西 功君 川上 嘉君
政府委員
大藏政務次官
小坂善太郎
君 大藏事務官 (
主税局長
)
前尾繁三郎
君