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1947-10-09 第1回国会 参議院 財政及び金融・商業連合委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
昭和
二十二年十月九日(木曜日) 午後十時四十二分開会 ————— 本日の
会議
に付した
事件
○
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
す る
法律案
—————
黒田英雄
1
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは
財政
及び金融並びに
商業連合委員会
を開会いたします。
前回
の
委員会
におきまして、
一松委員
、
星委員等
から
資料
の御
要求
があつたのであります。本日
政府
において
資料
の準備ができたのでありますが、この
資料
はいろいろの方面に
関係
がありまするので、
政府
としては、御覧を下さいまして、いろいろ御質疑があればお尋ね下さいまして後に、
政府
に一
應お返し
を願いたいということであるのであります。尚詳細な、この
資料
にあること又その他のことにつきましても、御必要があれば、恐縮ですが
貿易廳
に御交渉下さいますれば、何どきでもお目にかけ、又御
説明
もいたすということでありますが、さようにいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。
星一
2
○星一君 これをみんなから取らないで、各政党に一部ずつは殘して置くことにして貰いたいと思います。
黒田英雄
3
○
委員長
(
黒田英雄
君)
外部
に出なければよろしいということであります。
星一
4
○星一君 だから
外部
には出さないで、これをみんな取上げて、いつ何どきでも參考に必要なときに見ることができないということは困るから、これをお願いします。
黒田英雄
5
○
委員長
(
黒田英雄
君)
外部
にお出しにならんようにして、どなたか責任を持
つて
、御保管下さればよろしいということでございます。 それでは尚
貿易資金
の不足を來したこと等について、
政府委員
から
説明
を願うことにしたいと思います。
経理局長
は
政府委員
ではないのでありますが、
経理局長
に
説明
をされたいということでありますが、
説明員
として
説明
を聞くことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
6
○
委員長
(
黒田英雄
君) 御
異議
がないと認めます。それでは
経理局長
。
村岡信勝
7
○
説明員
(
村岡信勝
君) それでは御指名によりまして、私から、
只今
お手許にお配りいたしました
資料
について
簡單
に御
説明
申上げます。 二つの綴りにな
つて
おりますが、片方の
輸出
の
実績調
につきましては、
終戰後今年
の三月末まで、要するに
昭和
二十一年度中の
実績
と、それから今年度、
昭和
二十二年度になりましてから、最近八月末までの間におきまする
輸出
並びに
輸入
の
実績
を、
数量
並びに
金額
に分けて表示したのでございます。大体の内容につきましては、この表について御
承知
を願いたいと思います。 それからもう
一つ
の方の
数字
でございますが、初めの
貿易資金現金受拂内訳
、これにつきましては、
前回
の御
会議
の際に、すでに配付してございますようであります。 その次に二枚目の
貿易公團
資金
繰でありますが、これは各四つの
貿易公團別
にいたしますと、大体扱いの
物資別
ということに相成るのでありますが、それの九月並に十月の
資金繰り
の計画を挙げてございます。これが今回御
審議
をお願いしております、五十億円の借入金の拡張に関する直接の
参考資料
というわけでございます。 それからその次に一枚刷りで、
貿易資金昭和
二十一年度末
損益状況推定
というのがございます。この表につきましては、ここで尚若干の御
説明
をいたしたいと存じますが、大体のことにつきましては、
前回
に
簡單
に申上げたところでございます。 次の縦にな
つて
おります
輸出物資買上内訳表
、これは
貿易資金現金受拂内訳
の表の中に
貿易物資買入
という欄がございますが、それの結局
内訳
ということになるのでございます。その
資料
が五六枚ございまして、次に
輸出物資買上内訳表
というのがございます。これは
昭和
二十一年度分と二十二年度分と分けた方が
便嫁
かと思いましたので、分けてございます。 次に
加工賃
の
内訳表
というのが二枚続いております。これも二十一年度分と二十二年度分と分けて作成いたしました。 次に
輸入物資代金收
入額が
物資別
に作成してございます。その次に
輸入物資
の
手持
、現在
貿易廳
で
手持ち
いたしておりまする
数量
、
金額
を、やはり二十一年度、二十二年度に分けて、
数量別
に計上してございます。 その次に半分の紙、これは
昭和
二十一年度末に
貿易廳
が
輸出
のために
買上げ
て、未だシップメントができないで
手持ち
のままで持
つて
おるもの、いろいろな事情で
輸出
ができないで、
せつかく買
つたけれども
手持ち
にな
つて
おつたという
数量
の
資料
でございます。
最後
の表が、これは
昭和
二十二年度
貿易公團
が発足いたしましてからの
資料
でございまして、
貿易廳
が
買上げ
ておるわけじやありませんで、
貿易公團
が
手持ち
にな
つて
持
つて
おる
金額
の表でございます。そのトータルが出ておりまして、百三十億というのは、
昭和
二十一年度の一億三千万円と比べて非常に厖大な
金額
にな
つて
おります。これは今申上げるように
昭和
二十一年度中は
政府
が
買上げ
まして、途端にそれをシップメントするというのが
通常
でございます。
政府
が
手持ち
するということはむしろ例外的の場合であります。
昭和
二十二年度になりますと、
貿易公團
が先ず
輸出物資
を
買つて
、船が出ます
間相当期間
これを
手持ち
いたすというのが
通常
でありますので、
從つて
二十二年度の
手持物資
は八月末を取りましても
相当
金額
に
なつ
たのは当然でございます。
最後
に
貿易資金
の貸
付け
の
状況
、これはやはり
貿易公團
が発足いたしましたので、
貿易資金特別会計
から各
貿易公團
に対して
輸出物資
の
買上資金
、その他の貸
付け
をいたしますので、その
金額
は
相当
に
上つて參
りますが、
貸付金
の
内訳状況
を各
公團別
に、又は
資金別
に計上しましたのがこの
資料
でございます。 大体
資料
の
簡單
な御
説明
を以上にいたしまして、先程少し御
説明
いたしました
貿易資金
、
昭和
二十一年度末
損益状況推定
という表について若干
簡單
な御
説明
を補足いたしたいと考えます。
前回簡單
に口頭で御
説明
申上げましたように、
昭和
二十一年度の
損益状況
で極めて推定的な
資料
でございますけれども、
数字
を以
つて
書き上げますと、大体ここに表にいたしましたような結果になるのでございまして、円の方から申しますと、
資金繰り
の面の上では十四億以上の借入れをしなければ賄
つて
行けなかつたのでありまするが、円の
損益
の
立場
から申しますと、少くとも円に関する限りは、この
最後
の
差引
の欄にありますように七十五億余の益金、
プラス勘定
にな
つて
参ります。その原因は主として
手持物資
の
評價七十
三億六千七百万円ということから原因しておるのでありまして、そこに
差引
の問題がありますと申しますのは、
手持物資
のうち
輸入原綿
並びに
輸入綿
による
加工品
その
評價
でございます。御
承知
のように
原綿
はこれは一
部分
は國内に
内地向き
として民需に賣り渡されますけれども、大
部分
のものは
輸出向け
として、
政府
の所有のままで、
委託加工
の方に出されるわけでございます。從いまして、この
原綿
なり繰入綿による
評價
をいたす際に、必ずしも
内地
におけるその
統制價格
というものによらないで、
輸入
の
原價
と申しまするか、それをそのデーターを基礎にいたしまして、適当な換算をして、その場合に一
ドル
五十円で換算しております。それで以て
評價
いたしますけれども、ここにあります綿三十八億二千三百余万円の
輸入原綿
の
加工
、二十六億二千万円という表が出ておりましたので、こういう
資産評價
をいたしました結果、
差引
において七十五億という、円の上では
プラス勘定
が出て参ることに
なつ
たわけでございます。併しながらこの間も申上げましたように、
貿易資金
全体の
損益
というものは、
独り円
の側の
損益
で分るのじやなくして、その裏腹にな
つて
おります
外貨
の方の支
拂い
受取勘定
がどうな
つて
おるかということは綜合して見なければ一應の
損益
も出て参らないわけでございます。從いまして、
外貨
の方の
数字
の
関係
を勘案いたしまして、初めて全体としての
損益
の概況が判明するわけで、その点に関しましては御
承知
の通り
相当
な
日本
としては
支拂勘定
にな
つて
おりまするので、それとの綜合の結果においては又この七十五億の円の上での
プラス勘定
というものが飛んで、尚若干の赤字がここに予想されるというようなことに相成ろうかと思うのであります。 大体各
資料
についての
簡單
な御
説明
をこれで終りたいと思います。
木内四郎
8
○
木内四郎
君 今この
手持
の
輸入原綿
と單價の問題について
お話
があつたのですが、そうすると
現金收入
と
輸入原綿
賣却
收入
というものは、同じような
値段
で賣却しておられますか。
村岡信勝
9
○
説明員
(
村岡信勝
君)
原綿
のうち
内地向け
に処分いたします
原綿
の
値段
は、これは
輸入
の
原價
というものとは無
関係
に、
内地
におきまする、例えば
綿製品
の
統制價格
、それからやはり統制されておりまするところの紡續の
加工賃
、それを引きましたところが、結局
原綿
の
價格
なりという算法を取りまして、
原綿
の賣
拂い
をいたしております。具体的に申しますると、その結果は極めて安い
値段
に相成
つて
おるのでありまして、昨年中の
実績
から申しますと、一ポンドあたり三円十銭というところが最近は
原綿
の
内地
賣
拂い
價格
でございます。それを仮に
輸入
原價
というものからはじき出して、例えば五十円なら五十円というようなレートで計算いたしますと、この三円十銭の
價格
よりも遥かに高いものを賣らなければならないというのが実情でございます。
木内四郎
10
○
木内四郎
君 そうすると今の
内地
のものだけですけれども、
手持
の見積りのときはべらぼうに高く
見積つて
、処分で
收入
が少いということになると、この円の
勘定
の中で七十五億というものはちよつと架空なものになりはしないかと思うのですが……。
村岡信勝
11
○
説明員
(
村岡信勝
君)
只今
のお尋ねでございますが、この
輸入原綿手持
の二十八億三千万円というものは、先程申しましたように大
部分
はこれをこのまま
加工
いたしまして、そのまま又右から左に
製品
として
輸出
するということで、大
部分國
内で処分するものではありませんので、御
承知
のように
輸入
いたしました
原綿
の特殊の
用途等
のため、
内地
に向けられる
原綿
も若干ございますけれども、その若干の
國内向け
のものについては今の
お話
のような問題が残りますが、尚今年度に入りましてからの
原綿
の
價格
は
製品價格自体
の
統制價格
の
引上げ等
の関聯もございまして、今申上げました前年度三円十銭で賣
つて
おりましたものが、今年度になりましては大体一ポンド十四円九十銭
程度
の
價格
になることになりまするので、
輸入
原價
から換算いたしました
價格
と比べて見ましても、そう大した損失にはなるまい、かように考えておるわけであります。
油井賢太郎
12
○
油井賢太郎
君 この前この
合同委員会
におきましては円の
各種
の表と
ドル
の
各種
の表と両方お出し下さるというふうにお伺いいたしたのでありますが、円の表だけを拜見したのではその詳しいことが我々によく分らないように思いますが、
ドル
の方もお出し下さるようにお願いいたします。
永井幸太郎
13
○
政府委員
(
永井幸太郎
君)
ドル
の方は
関係各省
とも協議いたしましたけれども、出す運びに至
つて
おりません。ただ御
参考
のために
経理局長
より円と
ドル
との
関係
を総括的に申上げまして、
輸入物資
に対する円の取り方が少ないということを綜合的に申上げまして、それで御了承願いたいと思います。
黒田英雄
14
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは
政府
から
要求
がありまするので
秘密会
にいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
15
○
委員長
(
黒田英雄
君) では、これから
秘密会
にいたします。從いまして
委員
、
政府委員
、事務とる者の外は退場願いたいと思います。 午前十一時七分
秘密会
に移る。
黒田英雄
16
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは
秘密会
中で
懇談会
にしまして
審議
を進めたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
黒田英雄
17
○
委員長
(
黒田英雄
君) 御
異議
ないと認めまして
懇談会
に移ります。 午前十一時六分
懇談会
に移る。
—————————————
午後零時十七分
懇談会
を終る。
黒田英雄
18
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは
懇談会
を終了いたしまして、
秘密会
も終ることにいたします。 午後零時十八分
秘密会
を終る。
黒田英雄
19
○
委員長
(
黒田英雄
君)
委員会
に移ります。先程申上げたように、
政府
は本
貿易資金特別会計
につきましては、近く
改正案
を
國会
に提出するということであるのでありまするから、その場合に尚引続き御
審議
を願うことにいたしまして、まだ御
審議
や御質問も済まないと私は認めておりまするが、その場合にお願いすることにいたしまして、この場合は一
應連合委員会
をこの
程度
で中止いたしまして御
異議
ございませんですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
一松政二
20
○
一松政二
君
商業委員会
として……
貿易資金
ということになると消えてなくな
つて
行くというものが
貿易資金
であ
つて
いい筈はないのであります。
苟くも
何かの
資金
とすれば、若しも
貿易
のために
欠損
が起らない限り、純
貿易
の
欠損
ならざる限り
貿易資金
がなくな
つて
行くという理窟はないのでありまして、
貿易資金
と名を
付け
ればこの
欠損
が
貿易
によ
つて
起つたのでなければならないのであります。今まで承
つて
おるところによると、この
欠損
は食糧を安く賣つたために起つた
損害
がその大
部分
を占めておるように承
つて
おるのでありまして、これは皆樣がこの
説明
によ
つて
御
承知
のように
貿易資金
の性質を全然離れておるのであります。これをいつまでも
貿易資金
であるかのごとく
國民
に印象
付け
るということは、私はそれは間違いであ
つて
、一日も早くこの点を
改正
いたしまして、若し
貿易資金
が要るなら、
貿易資金
を本來の
立場
に立
つて
要求
されるように
政府
に要望いたしたいのであります。
星一
21
○星一君 今の
商業委員長
の議論に対しては私は疑義があります。今の
委員長
のようなことは、この時代には通りません。そういうことができる國ではありません。
貿易資金
は
貿易
で損得のないようになるということはあり得ません。今
日本
は破産しておる。
破産管財人
の下に祖賣しておる國でありますから、そういう平常の時の
貿易論
は通りません。それですから今百億円、二百億円、三百億円くらい損をしても止むを得ません。併しその損によ
つて
大きな
輸出
のできる、
損害
ということになることを研究することが必要と思います。
黒田英雄
22
○
委員長
(
黒田英雄
君)
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
黒田英雄
23
○
委員長
(
黒田英雄
君)
速記
を始めて。法案が後で提出せられることについて、
一つ政府
のお考を伺
つて
置きたいと思います。
小坂善太郎
24
○
政府委員
(
小坂善太郎
君)
只今黒田委員長
から云われましたように、
政府
といたしましては
追加予算
の確定いたしました後におきまして、
貿易資金特別会計法
の
改正
に関する
法律案
を提出いたして、皆樣の御
審議
を仰ぎたい、かように考えておる次第であります。
黒田英雄
25
○
委員長
(
黒田英雄
君) それでは御
異議
ないと認めますから、
連合委員会
はこれで一應中止いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会
出席者
は左の通り。
財政委員
委員長
黒田
英雄
君
理事
波多野 鼎君 伊藤
保平
君
委員
木下禧八郎
君 椎井 康雄君 森下 政一君
西川甚五郎
君 松嶋 喜作君 山田 佐一君
木内
四郎
君
深川タマヱ
君 星 一君
赤澤
與仁
君
九鬼紋十郎
君
小林米三郎
君
小宮山常吉
君
西郷吉之助
君
高橋龍太郎
君 中西 功君
商業委員
委員長
一松
政二
君
理事
鎌田 逸郎君
委員
松下松治郎
君
油井賢太郎
君 島津 忠彦君
深川榮左エ門
君
政府委員
大藏政務次官
小坂善太郎
君
貿易廳長官
永井幸太郎
君
説明員
貿易廳経理局長
村岡
信勝
君