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1947-11-15 第1回国会 参議院 国土計画委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○戰災都市復興計
畫事業費
の
補助金増
額に關する陳情(第二十六號) ○
秋田縣米代
川
竝びに阿仁川改修促成
に關する請願(第八號) ○全
國主要道路
の整備に關する陳情 (第六十九號) ○
小名濱港修築
に關する請願(第十八 號) ○廣島縣下の
砂防工事緊急實施
に關す る請願(第十九號) ○
鈴鹿川改修
の復活及び建設省の設置 に関する陳情(第八十八號) ○長野縣茶臼山辷り
對策竝びに岡田
川
改修工事
に關する請願(第三十號) ○新潟、長野兩縣下地辷り
對策竝びに
砂防工事實施
に關する請願(第三十 一號) ○
福岡縣英彦山一帶
の
國立公園指定
に 關する請願(第三十二號) ○正法寺川
砂防工事續行
に關する請願 (第三十五號) ○
長谷川砂防工事
に關する請願(第四 十號) ○イラスケ川
砂防工事
に關する請願 (第四十一號) ○千曲川及びさい川
改修工事
に關する 請願(第四十二號) ○郷川
竝びに城川
の
砂防工事
に關する 請願(第四十四號) ○
黒瀬川竝びに中川改修工事
に關する 請願(第四十五號) ○
賀茂川改修工事
に關する請願(第四 十六號) ○
常願寺川改修促成
に關する請願(第 四十九號) ○
上下水道普及國策
の樹立とその監督 機構の統合に關する請願(第五十 號) ○
最上川災害復舊工事
の促進に關する 請願(第五十一號) ○酒田港の
災害復舊工事
の促進に關す る請願(第五十二號) ○
旭川改修工事促進
に關する請願(第 五十三號) ○
霞ケ浦北浦治水工事
に關する請願 (第五十七號) ○廣島縣嚴島町の
災害復舊工事
に關す る請願(第六十一號) ○
最上川本支流
の
改修工事
に關する請 願(第六十三號) ○
馬見ヶ崎川砂防工事
に關する請願 (第六十五號) ○
砂防行政
の一元化に關する請願(第 六十八號) ○
砂防事業補助費増額
に關する請願 (第六十九號) ○岩國港の
開港場指定
に關する請願 (第七十號) ○
岡山縣下
の
砂防工事
に關する請願 (第七十五號) ○呉市河川の
砂防工事施行
に關する請 願(第七十七號) ○
鳥取縣小田
川、荒金川の
砂防工事
に 関する陳情(第百二十七號) ○
徳島縣小松
島
港改良工事
に關する請 願(第八十號) ○
徳島縣小松
島港開港に關する請願 (第八十一號) ○
犀川流域砂防工事促進
に關する請願 (第八十五號) ○
吉井川下流改修工事費増額
に關する 請願(第八十九號) ○
岩手縣南地方
の
水災害對策
に關する 請願(第九十一號) ○表
六甲山系
の
治水事業促進
に關する 請願(第九十六號) ○
濱坂港灣修築
に關する請願(第百 號) ○
神崎川下流防災工事
の
豫算増額竝び
に尼崎港改良計畫の實施を促進する ことに關する請願(第百一號) ○五十里えん堤の築設促進に關する陳 情(第百六十六號) ○
鈴鹿川水系砂防工事促進
に關する陳 情(第百七十七號) ○
山陽國道改良促進
に關する陳情(第 百八十五號) ○今次
秋田縣下
の
水害地區復舊速
進に 關する陳情(第二百十號) ○
肱川治水工事促進
に關する請願(第 百十五號) ○
大山國立公園
の
地域擴張
に關する請 願(第百二十號) ○
舊老津飛行場誘道路下流地區一帶
の
砂防工事
に關する請願(第百二十三 號) ○瀬戸市
附近砂防施設實施
に關する請 願(第百二十四號) ○
愛知縣下
の
砂防事業費國庫補助金増
額に關する請願(第百二十五號) ○
逢妻川上流砂防工事
に關する請願 (第百二十六號) ○
兵庫縣柴山
港
改修工事
に關する請願 (第百二十九縣) ○
藏王川砂防工事
に關する請願(第百 三十號) ○大谷川
砂防工事
に關する請願(第百 三十一號) ○
水無川砂防工事促進
に關する請願 (第百三十四號) ○
木曾川上流改修工事
に關する請願 (第百三十六號) ○信濃川の
堤防工事促進竝びに建設省
の設置に關する請願(第百四十九 號) ○
鳥取縣下
の
砂防工事
に關する請願 (第百五十二號) ○江合、鳴瀬及び
吉田三川改修工事
に 關する陳情(第二百五十一號) ○
清水港修築
に關する請願(第百五十 八號) ○
新潟縣西頸城
郡根知村、
長野縣境
の 地辷
防止工事
を急施することに關す る請願(第百五十九號) ○下津港
開港指定
に關する請願(第百 六十二號) ○
荒川改修工事
に關する請願(第百六 十五號) ○
高橋川外
六
河川竝びに
二
河口砂防工
事に關する請願(第百六十七號) ○村松澤その他河川の
砂防工事
に關す る請願(第百六十八號) ○
利根川改修區域
を
銚子河口
まで延長 することに關する請願(第百九十一 號) ○
千葉縣内砂防工事施行
に關する請願 (第百九十二號) ○島根縣の昭和十八年
風水害復舊耕地
事業補助金増額
に關する陳情(第二 百六十四號) ○
宮谷川砂防工事費國庫補助
に關する 陳情(第二百六十六號) ○呉市河川の
砂防工事施行
に關する陳 情(第二百七十號) ○
山陽國道改良促進
に關する陳情(第 二百七十六號) ○
千代川砂防工事
に關する陳情(第二 百八十四號) ○
馬見ヶ崎川改修工事
に關する陳情 (第二百八十八號) ○大森、正光兩川の
砂防工事
に關する 陳情(第二百九十六號) ○
山口縣下
の
道路改修工事
に關する請 願(第百九十六號) ○
縣道手鎌南關線改修工事
に關する請 願(第百九十八號) ○川治川
砂防工事
に關する請願(第二 百號) ○今次
山形縣下
の
水災害復舊費
を全額 國庫負擔とすることに關する請願 (第二百四號) ○
旭川改修工事促進
に關する請願(第 二百八號) ○
重信川改修工事
に關する請願(第二 百十一號) ○蓮田川
改修工事
に關する請願(第二 百二十四號) ○
天龍川堤防復舊工事施行
に關する請 願(第二百二十七號) ○今次
秋田縣下
の
水害地區復舊
に關す る陳情(第三百二號) ○
迫川改修工事
に關する陳情(第三百 六號) ○
荒川落堀改修工事
にする陳情(第三 百九號) ○
愛知縣内
の
海岸堤防改修工事
に關す る陳情(第三百十號) ○阿武隈川その他の
河川改修工事
に關 する陳情(第三百十五號) ○
迫川改修工事
に關する陳情(第三百 十七號) ○笠岡港修築に關する陳情(第三百三 十三號) ○
利根川水系改修工事
に關する陳情 (第三百三十四號) ○今次
岩手縣下
の
水害復舊對策
に關す る陳情(第三百四十七號) ○北利根川
竝びに常陸
川
改修工事
に關 する陳情(第三百五十一號) ○今次
秋田縣由利
郡下川村の
水害復舊
費全額國庫
負擔その他に關する陳情 (第三百五十四號) ○
大分縣下
の
河川砂防工事
に關する請 願(第二百五十九號) ○
野田川砂防工事施行
に關する請願 (第二百六十一號) ○
加古川中流改修工事
に關する請願 (第二百六十三號) ○
鯖石川外
二
河川改修工事
に關する請 願(第二百七十五號) ○
神奈川縣箱根地方砂防工事促進
その 他に關する請願(第二百七十九號) ○姫路市濱縣道の一部
改修工事
に關す る請願(第二百八十號) ○
瀬戸内海國立公園區域
に愛媛縣を編 入することに關する請願(第二百八 十二號) ○
石鎚山連峰
一帶の
國立公園實
現促進 に關する請願(第二百八十三號) ○松山港
外港修築工事繼續施行
に關す る請願(第二百八十六號) ○
美嚢川改修工事
に關する請願(第二 百八十九號) ○
宮城縣登米
郡石越村の
災害復舊
に關 する陳情(第三百六十五號) ○伏木港
浚渫費國庫補助増額
に關する 陳情(第三百八十二號) ○
梨ヶ原川砂防工事
に關する陳情(第 三百八十四號) ○今次
秋田縣下
の
水害地區復舊
に關す る陳情(第三百九十七號) ○
常願寺川改修工事促進
に關する請願 (第二百九十二號) ○
富山縣下
の
河川砂防工事
に關する請 願(第二百九十三號) ○
北上川堤防補強工事施行
に關する請 願(第二百九十四號) ○
宮城縣登米
郡錦織、
上沼兩村間
の北 上川に不動橋を架設することに關す る請願(第二百九十五號) ○
狩野川改修工事竝びに防水路開さく
に關する請願(第三百二號) ○
重信川橋架替え
に關する請願(第三 百三號) ○
重信川改修工事
に關する請願(第三 百四號) ○
三國山脈
一帶を
國立公園
に指定する ことに關する請願(第三百五號) ○國道第三
號線改修工事施行
に關する 請願(第三百八號) ○
五ヶ瀬川外
二河川の
改修工事
に關す る請願(第三百九號) ○
伊豆半島
を
國立公園
に指定とするこ とに關する請願(第三百十號) ○
大淀川改修區域
の
國直轄測量調査
に 關する請願(第三百十二號) ○
大淀川改修工事促進
に關する請願 (第三百十三號) ○別府市に
國際觀光港
を新設すること に關する請願(第三百十五號) ○
鮎喰川改修工事
に關する請願(第三 百十九號) ○
兵庫縣赤穂御崎海岸
一帶を
瀬戸内海
國立公園
に編入することに關する請 願(第三百二十三號) ○弘法川
砂防工事施行
に關する請願 (第三百三十二號) ○
池内川外二河川砂防工事施行
に關す る請願(第三百三十三號) ○
夏川改修工事
に關する請願(第三百 三十四號) ○
久慈川改修工事
の一部
施行延期
に關 する陳情(第四百四號) ○
茨城縣多賀
郡
高萩町内國道改修工事
に關する陳情(第四百九號) ○
治山治水對策
に關する陳情(第四百 十四號) ○
荒川改修工事促進
に關する陳情(第 四百二十三號) ○
菊川改修工事
に關する陳情(第四百 二十五號) ○今次
茨城縣下
の
水害復舊費
を
全額國
庫負擔とすることに關する陳情(第 四百二十七號) ○今次
群馬縣下
の
水害復舊費全額國庫
負擔その他に關する陳情(第四百三 十號) ○
那賀川改修工事促進
に關する請願 (第三百四十號) ○今次日立市の
水害復舊費
を
全額國庫
負擔とすることに關する請願(第三 百五十二號) ○高知港の
災害復舊竝びに改良工事
に 關する請願(第三百五十四號) ○
島根縣下
の
河川砂防工事施行
に關す る請願(第三百五十八號) ○今次
群馬縣下
の
水害復舊費國庫補助
に關する請願(第三百五十九號) ○
魚野川砂防工事促進
に關する請願 (第三百六十四號) ○今次
北海道水害復舊費
を
全額國庫負
擔とすることに關する請願(第三百 六十七號) ○
天龍川改修竝びに流域
の
治山治水工
事實施に關する請願(第三百七十六 號) ○
庄内川改修工事促進
に關する請願 (第三百七十八號) ○
宮城縣登米
郡
水害復舊
に關する請願 (第三百八十四號) ○山國川
改修工事國營施行
に關する陳 情(第四百四十四號) ○
治山治水對策
に關する陳情(第四百 四十八號) ○
入間川改修工事
に關する陳情(第四 百五十一號) ○
江合川堤防工事促進
に關する陳情 (第四百五十七號) ○今次
山梨縣下
の
水害復舊費國庫補助
に關する陳情(第四百六十三號) ○今次
群馬縣下
の
水害復舊費全額國庫
負擔その他に關する陳情(第四百六 十五號) ○今次北海道の
水害復舊費全額國庫負
擔その他に關する陳情(第四百七十 一號) ○今次
栃木縣下
の
水害復舊費
を
全額國
庫負擔とすることに關する陳情(第 四百七十二號) ○今次
宮城縣下
の
水害對策
に關する陳 情(第四百七十七號) ○
岩手縣膽澤
郡金ヶ崎町の
水害復舊
に 關する請願(第三百八十九號) ○
川上川砂防工事施行
に關する請願 (第三百九十一號) ○
鬼怒川上流改修工事
に關する請願 (第四百號) ○
渡良瀬川改修工事
に關する請願(第 四百四號) ○
奈曾川堤防工事區域延長
に關する請 願(第四百八號) ○玉野市
砂防工事施行
に關する請願 (第四百十五號) ○玉島溜川
海岸水門復舊
に關する請願 (第四百二十二號) ○
山陽國道玉島
町
附近改良工事
に關す る請願(第四百二十三號) ○
熊野沿岸
の地震つなみ
被害地復舊
に 關する陳情(第四百八十五號) ○
關東地方水害應急復舊措置
に關する 陳情(第四百九十五號) ○今次
神奈川縣下
の
水害復舊費全額國
庫負擔等に關する陳情(第五百四 號) ○戸粟川
砂防工事
に關する陳情(第五 百十七號) ○今次
埼玉縣下
の
水害復舊費全額國庫
負擔その他に關する請願(第四百三 十號) ○
埼玉縣大里
郡
北部利根川堤防補強工
事促進に關する請願(第四百三十 號) ○
芝川改修放水路新設工事促進
に關す る請願(第四百三十九號) ○
白川砂防工事
に關する請願(第四百 四十六號) ○
東北地方水害對策
に關する陳情(第 五百十九號) ○
土木費地元
負
擔金制度發止
に關する 陳情(第五百二十一號) ○
荒川改修工事
に關する請願(第四百 五十四號) ○
那賀川改修工事促進
に關する請願 (第四百六十一號) ○
山口縣玖珂郡
内各町村の
災害復舊費
國庫補助
に關する請願(第四百七十 一號) ○
土木費地元
負
擔金制度發止
に關する 陳情(第五百四十八號) ○今次
埼玉縣下
の
水害復舊費全額國庫
負擔その他に關する陳情(第五百五 十二號) ○
砂防施設
の
恆久對策實施
に關する陳 情(第五百五十九號) ○
茨城縣下
の
災害復舊
に關する陳情 (第五百六十五號) ○伊勢崎市を
特別罹災都市
に指定とす ること等に關する陳情(第五百六十 八號)
—————————————
昭和二十二年十一月十五日(土曜日) 午前十一時十七分開會
—————————————
本日の會議に付した事件 ○今後の
治水根本對策
に關する件
—————————————
赤木正雄
1
○
委員長
(
赤木正雄
君) それではこれから
開會
いたします。今後の
治水
の
方針
として、殊に本日は
内務省
の
砂防
に關する
方面
を伺うことにな
つて
おります。今後の
方針
をお願いいたします。
木村小左衞門
2
○
國務大臣
(
木村
小
左衞門
君)
治水
に關する
根本對策
について、
只今委員長
の御話にございました
砂防
についてとういことが議題であるようであります。先ず私といたしましては、
治水
の
恆久對策
に關し、その
根本方針
につきまして、一言大體の心組みの
方針
だけを申上げまして、詳細は
事務當局
の
專門家國土局長
が參
つて
おりますので、
國土局長
から御
説明
を申上げたいと思うのであります。
治水事業
は
各種産業
の
基盤
でありまして、
日本再建
の
基礎
であり、
産業
の
開發促進
に俟つところが大きいものであるということは今更私から申上げるまでもないことでございます。
政府
が
從來
から
治水事業
には
相當
多額の經費を投じて、その
促進
を期しております所以も分り切
つた
ことでありますが、ここに理由が存することであるのであります。然るに近來
治水
の
恆久施設
は
維持補充
が不完全でありまして、その間に數年の
戰時状態
もありましたのでありまして、不
完金
でありまして、これは非常に近來弱體化しております。更に
水源
になりまする
山地
は、過伐、濫伐相次ぎ、又甚だしきは盜伐というような
關係
から、著しく荒廢しておりまして、その影響は今次の
水害
によ
つて
も明瞭に證據立てられますわけであります。今後
相當
の間の
水害
の發生の危惧を非常に深くしておるわけでありまして、この點は誠に遺憾なことでございます。これが防除には格段の留意を
當局
はいたしておるのでありますが、
明年度
の
豫算
におきましても、これが
積極施策
には最重點をおきまして、
治山
、
治水
の
恆久施設
を
急速實施
に努める意向であります。尚今次の
水害
に鑑みまして、
治山
、
治水
の
恆久計畫
の再檢計を進めまするために、曾て御報告を申上げたと思いますが、五ケ年計畫を立てまして、その
方針
に基いて著々
實施
いたして行きたい、こう
考え
ておる次第であります。昨日は又この
方面
の全國に亙ります
專門家
を集めましたる
治水對策委員會
というようなものを作りまして、昨日丁度發會式のようなものを擧げまして、そういう權威を集めました
方面
に對して五ケ年計畫の
基礎等
も諮問いたしまして、今後の
治山
、
治水
に對しまする
方針
を樹立いたします上にも、こういう
委員會
に諮
つた
ものを
基礎
として、參考として參りたいと、こう
考え
ておる次第であります。
恆久對策
の大體
方針
については、かような
方針
で進んで行きたいと
考え
ておるのであります。 尚專門に亙ります詳しいことは先程申上げましたように、
國土局長
からお答え申上げたいと思うのであります。
岩沢忠恭
3
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) 本日の課題にな
つて
おりまする
砂防
につきまして、一應
從來
からと又今後においてどういうようなことを計畫しておるかという大體のことを御
説明
申上げたいと思います。
砂防工事
は御存じの
通り
大體
明治
三十一
年度
頃から
府縣砂防
を
施行
いたしまして、そうしてこの
土砂
の流出とか、或いは
山腹砂防
というようなことを
施行
いたしたのであります。ところが、
從來
は
砂防
はやはり
内務省
で、
山林砂防
も、或いは
溪流砂防
も全部
内務省
の
所管
であ
つたの
でありますけれども、最近におきましては、
山腹砂防
はこれを
農林省
の
所管
に移しまして、
内務省
といたしましては
溪流砂防
に專念するというように相成
つたの
であります。そこで
砂防
が今日までどのくらい
工費
が使われてお
つた
かということを一應御披露申上げます。
直轄河川
におきましては
明治
四十四
年度
から始めまして、四十四年から
昭和
二十一
年度
までの
總額
は、全國の
直轄河川
の
流域
に屬するものでありますが、これで僅かに二千八百八十五
萬圓餘
の金を支出しておるのであります。そうして二十二
年度
におきましては
當初豫算
といたしましては千七百八十九
萬圓
を計上して現在において
工事
をや
つて
おります。それから
府縣
の
砂防
は
明治
三十一
年度
から
昭和
二十一
年度
までに費した金は全國で二億四千百三十七
萬圓餘
を算しておるのであります。そうして今年二十二
年度
には
當初豫算
において一億三十五
萬圓
を計上して現
在府縣
において著々
砂防
をや
つて
おります。 併しながら
從來
の金額においては
相當
の
效果
を擧げてお
つたの
でありますけれども、最近における戰爭中或いは戰爭前からずつと
山地
が荒廢して、そうしてこの
土砂
を溪流を
傳つて河川
に流す、そのためにこの
河川部竝びにこの水源
を非常に荒したために、
砂防
をやらなければならんということはますます痛切に感ぜられるのでありまして、これを根本的に直さなければ
下流部
の
河川
を改修したり或いは
改良
しても、何ら
效果
がない、どうしても山の方を先ず以て治めなければならんというような
考え
から、昨年から全國的に、
戰爭或い
は戰爭後において、荒れた
地域
を
調査
いたしまして、今後どのくらいの金が
砂防工事
に要るかということを一應檢討いたしたのでありますけれども、昨年から今年に掛けて
相当物價
の騰貴を來した
關係上
、改めて
調査
したのが今お手許に配付いたしました
砂防
の全體計畫の
調書
であります。 これは今年の十一月の
調べ
でありまして、これを御覽になりますと
表書
にあります
通り
、大
體直轄河川
なり或いは
府縣
の
砂防
、或いは又
府縣
の
施行
の
災害對策砂防工事費
を總計いたしまして八百九十七億という
巨額
に達するのであります。これを今後どういうような
年度
でやるかということは、
國家財政
とも睨み合さなければなりませんけれども、我々
事務當局
といたしましては、先程申上げましたような原因から、できるだけ早く
治山
の方に重點を置いて、仕事をして行かなければ結局
治山治水
というものは、完璧を期さないというように
考え
ておるのであります。 併しこの八百九十七億という
巨額
の金をどう處理するかということで、第一といたしましては、先程
大臣
から
お話
になりましたように、先ず五ケ年計畫というものを
考え
ておるのであります。それで五ケ年計畫といたしましては、この八百九十七億の中で、緊急を要する
個所
を大體千百十ケ所ぐらいを選びまして、それに要する
工事費
を百五十億と算しておるのであります。これが
府縣
の
砂防工事
であります。それから
直轄河川
におきましては、
直轄
の
砂防
では大體三十ケ所で、これが五ケ年で二十億をやればいいじやないかというように
考え
ております。大體この五ケ年計畫を
基盤
にいたしまして、來
年度
以降五ケ年でや
つて
行くので、來年の二十三
年度
の
豫算
も、この中において要求しておるような
状態
であります。 大體數字的の
説明
は以上申上げましたので、この表で御覽になります
通り
に、その
個所
或いは
府縣
において、どういう
工法
で、どういう金が入るかということは、一應御覽下されば大體分るだろうと思います。尚御質問がありますれば又お答え申上げます。
赤木正雄
4
○
委員長
(
赤木正雄
君) これは
相當
詳細な
基礎資料
がありますか。
岩沢忠恭
5
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) これは各
府縣
と連絡をとりまして、本省の方においてもつと檢討してこの表を
作つたの
です。ですから大體このあります
通り
に、十一月の
調べ
ですから極く最近のものであります。これは御
承知
だろうと思いますが、前の
議會
において、私が大體日本の
砂防
というものは今後三百億前後を要するということを申上げたのでありますけれども、その後
物價騰貴
の
關係
と、又今
年度
において非常な降雨があ
つて
、
從つて山
が荒れているので、尚
砂防施工區域
というものが
相當
増加したというような二つの面から、
工費
をもつと増額する必要がありはしないかということで、改めて
調査
をしましたところが、その
集つた資料
が先程申上げた八百九十七億というような計畫に達したのであります。
赤木正雄
6
○
委員長
(
赤木正雄
君) 先程
山腹砂防
は
農林省
でや
つて
おるという
お話
でありましたが、これは
砂防
といたしましては、
内務省
も
農林省
も一貫してやられるということには何ら疑點がないと思うのですが、これに對して
大臣
はいかがでしようか。
農林省
に行こうと
内務省
に行こうと、そういうことを
考え
ずに、
治水治山
の
行政
を一つの
官廳
に
纒め
てやる、そういう
考え
はいかがでしようか。
木村小左衞門
7
○
國務大臣
(
木村
小
左衞門
君) 多く申上げませんでも、
委員長
は非常に玄人でいらつしやるからお分りと思いますが、
行政整理
の序でではありません。
根幹
にな
つて
いると思います。何かそういうやうに一貫的にならなければならんと
考え
ております。
赤木正雄
8
○
委員長
(
赤木正雄
君) その點は
大臣
にも御盡力を願います。尚
資材
の方の
關係
はどうな
つて
おりましようか。
岩沢忠恭
9
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) この
調書
で大體御覽になりますと、
工法
によ
つて相當資材
の要らないものでも
砂防
の目的を達する所があるのでありますけれども、要するに何とい
つて
も
砂防工事
は大部分が
セメント
を
根幹
とする方法が多い
關係上
、一應は
工事費
だけを
纒め
たのでありますが、結局今後の
施工
の
促進
というものは、
セメント
の
生産
によ
つて相當制約
を受けるのではないかとも
考え
ます。御
承知
の
通り
今年は年間百八十
萬トン
のものが、現在の
状態
では
石炭事情
のために百四十
萬トン程度
に非常に減少するというようなことも言われている
關係上
、
從つて
その
工事
なんかも多少抑制をされるということは止むを得ないと思います。併しながら今後において、この二十三
年度
以降においては、何だか明るいような情報もあるのでありますから、その點についてはやはり我々が二十三
年度
に計畫しているものは大體消化し得るだけの
資材
が來るのではないかとも
考え
ております。併しながら五ケ年計畫においては、今後
セメント
の
生産
が順次戰時中の六百
萬トン
とか五百五十
萬トン
というようなことになれば、軍事的な方にこれが全然行かなくな
つた關係上
、
昭和
十年或いは十二年までにおいて、
内務省
の
土木工事
においては二百
萬トン
くらいのものを消化したことを思いますれば、當然年間二百
萬トン
近いものは今後における
土木工事
なり或いは
砂防工事
の方に充足せられるというような希望を持
つて
おりますから、結局
砂防工事
の
促進
には非常に役立つのではないかとも
考え
ております。
赤木正雄
10
○
委員長
(
赤木正雄
君)
内務省
の
土木工事
に渡
つて
おる
セメント
の率と申しますか、これは戰前に比べて今日は率は少ないように思いますが、これをやはり以前のようにお直しにならないと、結局完全な
土木工事
ができないのでありますが、これに對する
局長
の御意見いかがでありますか。
岩沢忠恭
11
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) この
セメント
の利用が非常に少ないということは
お話
の
通り
であります。この點については随分
努力
をいたしておりますが、まだ十分その
努力
が足りないために成果を擧げることができないことは非常に遺憾としておるのであります。併しながら今後はどうしても、先程申上げたような
昭和
十年頃のような域まで達するように今後十分
努力
をいたしたいと
考え
ております。
赤木正雄
12
○
委員長
(
赤木正雄
君)
從來やや
もすると同じ
治水事業
でも、
内務省
としては或いは
河川
重點というような譏りが往々ありましたが、一つの
治水
の根本觀念から、先程
大臣
の言われました
通り
に、特に
砂防
事業は今迄とは變
つて
重點的にお
考え
を願いたいと思います。これは恐らくこの委員の皆さんの間の御希望だろうと思いますから、よろしくお願いいたします。
木村小左衞門
13
○
國務大臣
(
木村
小
左衞門
君)
承知
いたしました。
赤木正雄
14
○
委員長
(
赤木正雄
君) 先程
大臣
からおつしやいました一般の
治水事業
に對する委員と申しますか、昨日そういう人の集りがあ
つた
ようですが、それと國土計畫とはどういう
關係
になるか、これは國土計畫審
議會
とい
つた
ものになりますが、それとこの國土
委員會
とどういう
關係
を持つか、そういうことも
委員會
でも問題になりますが、そういう
治水
の
内務省
の
委員會
とこれとはどういうような
考え
方に今後持
つて
行かれるお
考え
でしようか。
木村小左衞門
15
○
國務大臣
(
木村
小
左衞門
君) 今度作りました
治水
調査
會は大體技術
方面
を主にいたしまして、五ケ年計畫を樹立するような場合、大體委員の顔觸れを見ますと、實際に
治水事業
に當
つて
おられた極くエキスパートと申しますか、權威を集めまして、長年土木の
關係
は
内務省
に屬しておりましたので、
内務省
に長くおられた人が多いのでありますが、學界からも學者のような
方面
の人も引張
つて
頂きまして、又政治
方面
、
行政
方面
からも加わ
つて
貰
つて
、そういう組織を持
つて
、
内務省
が
治水
計畫を立てます根本の一つ、一口に申上げますれば相談の機關にいたしたいと思
つて
、大事なことは
行政
方面
、政治
方面
にどうしても
關係
が多いのでありますから、この意見を取
つた
方が結論を出します上に完璧を期し得るように
考え
ますが、今度の國會法は議員を他の委員にすることができない。若し委員とする場合には、參衆兩院の承認を得なければならん。恰も或る委員を
政府
でお願いしましたところが、何の委員でありましたか、兩院のどつちか一方でこれが拒否せられたというようなことがありますので、これは非常に必要なことであるが、もう少しや
つて
見ました上で、どうしても政治
方面
、
行政
方面
に是非タツチして貰わなければならんということがあ
つた
場合には、一つ
相當
の
政府
の力を以て、
内務省
だけではなく、
政府
の力を以て要望するが、取敢えず技術
方面
の人たちに寄
つて
貰
つて
調査
會という名の下に
調査
して頂きたい、というのは先程私が申上げました
通り
、何としても荒廢の度が大きい、戰時中の濫伐、過伐によ
つて
治水
というものは非常に荒廢の度が大きい、
從つて
今後の
治水
は自信が持てない
個所
が非常に殖えたものでありますから、こういうものは、内務
當局
の技術者だけでや
つて
も力の及ばんことがあるだろうということで拵えましたような次第でありまして、これは
政府
と申しますか、
内務省
の國土局の一つの相談機關でありまして、今
お話
の審
議會
のような、全體の
政府
としてや
つて
おります形とは違
つて
おります。行く行くはそこまで進展して行く……この
調査
の結果を頂きまして、そういうことになるかも知れませんが、只今のところは
内務省
直屬の機關であ
つて
、
調査
して頂くというような構想で始めたのでありますが、別にどこまでもそれで行かなければならんというのでありませんで、これらの人々の、今度寄せました
調査
會委員の意向なり、又その決議によりまして、學界の
方面
からも入れる。尚又それではいけない、
行政
方面
からも、それから又兩院にそういう規定があれば、是非その規定は改正して貰
つて
、政治
方面
からもこれに對する意見を開陳して貰わなければならんということでありますれば、そういうことに進んで行こうということで、取敢えず昨日發足いたしました
調査
會でありまして、大體そういう根本精神であります。
赤木正雄
16
○
委員長
(
赤木正雄
君) この
治水
の
砂防
問題について別に御質問はないでしようか。
安部定
17
○安部定君 來年は
砂防
の方の
セメント
はどのくらいありそうでありますか。
岩沢忠恭
18
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) 來
年度
の數量を確定的に申上げることはできませんけれども、先程申上げました
通り
、多少
石炭事情
が好轉すれば、それに比例して
セメント
の
生産
というものは殖えるのじやないかという感じは持
つて
おります。
從つて
砂防工事
のようなものにも、今
年度
よりは多少多量の配給というものが可能じやないかという一つの大きな希望は持
つて
おります。
安部定
19
○安部定君 どのくらいございますか。今
年度
はどのくらい使
つて
おるのですか。
岩沢忠恭
20
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君)
砂防
だけで一萬五千五百トンです。ですから本當に微々たるものです。
安部定
21
○安部定君 先程の御話では、
昭和
八年から十二年の間に二百
萬トン
使われたというのは、
砂防
だけではないのですか。
岩沢忠恭
22
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) そうじやないのです。これは全國の
直轄
工事
竝びに
府縣
工事
、
土木工事
といいますか、
土木工事
には
砂防
も
河川
も道路も皆入
つて
おりますが、それで大體二百
萬トン
ぐらい消化してお
つたの
です。
安部定
23
○安部定君 その二百
萬トン
時代に、
砂防
は何トンくらいでございますか。つまり本
年度
使
つて
おる一萬五千トンに對する
昭和
八年、十二年頃の……。
岩沢忠恭
24
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) それはちよつと分りません。
安部定
25
○安部定君 私ちよつと一つ希望を申述べたいと思います。私はこの間の關東
水害
のときに群馬縣の上流の崩壞を見て來たのでありますが、同時にその視察が終
つて
から大分縣別府に丁度これと類似の
個所
がありますので、それの視察にも出たのでありますが、別府にあります境川の川を見ますと、丁度今度の赤城の
個所
と非常に似ております。地質上果して似ておるのかどうか、私は地質學者でありませんから分りませんが、崩壞の
状態
は、我々が見ますと全く同じような
状態
であります。更に雨量を
調べ
て見ましたら、先般の雨が群馬縣では三百九十ミリであ
つた
と思いますが、別府近郊におきましては、現に
調べ
たところによりますと、
昭和
十八年の九月十八日から二十一日の雨量は九百五十ミリも降
つて
おります。そうした多量の雨が降り、而も山の崩壞
状態
も非常に似ておるのにぞつとしたのでありますが、別府市が砂の底に入らずに今日までおるということは、境川の川に六十四本の堰堤ができております。これは何でも
内務省
の
努力
によりまして、
昭和
七年以來や
つた
そうでありますが、非常に立派なものができております。而もその堰堤が全部滿ちて一ぱいにな
つて
おりまして、引續き第二の
工事
をやらなければならんような段階に來ておるのだと思いますが、それにしても、要するにこの堰堤で赤城にも匹敵するような危險
状態
を切拔けておる現場を見て非常に有難いことに思
つたの
であります。最もひどい赤城の現状を見て、又最も救われた二つの
状態
を見て、私は國民の一人々々が若しこういう立場に立
つて
兩方を見ることができたならば、恐らくこれは一刻も早くできるだけこの
砂防
の方に力を入れて頂きたいという感じを持つだろうと確信いたしたのであります。先程來の
大臣
、
局長
の
お話
で隨分今後御
努力
を願うようでありますが、更に異常な決心をお持ちにな
つて
、一つ是非この計畫を最大限に實行して頂くようにお願いたしたい、こう思うのであります。以上であります。
赤木正雄
26
○
委員長
(
赤木正雄
君) この計畫を實行された後の附帶
效果
と申しますか、これを見ますと水力發電或いは灌漑に莫大な附帶
效果
がありますが、これは恐らく多くの人が知らない程の
效果
だと思いますが、一方
治水
の根本をお立てになると同時に、こういうような灌漑の用水なり、殊に電力が非常に起るということになりますと、これは農村の工業その他に非常に益することが多いと思いますが、これは特に
大臣
もこの點を強調して、
砂防
の世間の知らん
效果
があることは恐らく私は商工省もこれは御
承知
にならないと思いますが、實に莫大な電力が起るようでありますから、特にこの點を御了承願いたいと思います。ちよと速記を止めて……。
赤木正雄
27
○
委員長
(
赤木正雄
君) 速記を始めて。
岩沢忠恭
28
○
政府委員
(
岩沢忠恭
君) 今
委員長
の
お話
になりまして水力電氣のことにつきまして、現在岡山縣におきまして、
砂防
堰堤を利用して農村電化の一助とするために計畫を進めておるやに聞いております。これは大體現在において山奥なんかで電氣が來ていない所がある。又非常に山奥に木材なんかがありまして、その木材を都會に素木で運ぶのは非常に輸送上ロスが多い。これはやはり
生産
地において製材する、そうして製材したものを輸送すれば非常に輸送力を増強し、又都會の方におきましても直ぐそれが役立つというような
考え
から、その附近にあります
砂防
堰堤を利用して、そうしてその發電をし、その電力を農村の電化竝びに工業用にやろうという計畫を立
つて
おります。これは非常に發電のモーターが小さいのでありまして、このモーターにつきましては、
内務省
といたしましては三菱電機の方とも連絡を取りまして、そういうような特殊のモーターを一つ試作して見て呉れというので、現在試作して、これはいずれ遠からず岡山縣の方におきましてもそれを利用するのじやないかと思います。これが成功すれば、
砂防
の堰堤が今後續々とできた場合においては、そういうようなロー・ヘツドで、小さい僅かな水で僅かな發電をしても、田舍の方の農村は、脱穀なり或いはその他工業
方面
、家内工業の方に
相當
利用されるのじやないかと思
つて
、非常に希望を持
つて
おります。
赤木正雄
29
○
委員長
(
赤木正雄
君) 今の
局長
の
お話
は、極めて些細な話のようでありますが、實は非常に重大な問題と思います。だからこの問題は成るべく一つ早く實現されるようにして、一ケ所でも實例を作
つて
、それを全國に及ぼすというようにお願いしたいと思います。 別に御質問ありませんか。……なければ、これでこの
砂防
に關する
政府
に對する質疑は終ります。 尚この際皆樣にお諮りいたしますが、中井委員が
請願
陳情
の小委員にな
つて
おりましたが、中井さんの代りに田中さんがなりましたから、田中さんを
請願
陳情
の小委員にお願いいたします。 では本日の
委員會
はこれで終ります。 午前十一時五十五分散會 出席者は左の
通り
。
委員長
赤木 正雄君 理事 島津 忠彦君 委員 石坂 豊一君 小林 英三君 田中 信儀君 安部 定君 高田 寛君 久松 定武君 北條 秀一君 町村 敬貴君
國務大臣
内 務 大 臣
木村
小
左衞門
君
政府委員
内務事務官 (
國土局長
) 岩沢 忠恭君