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國務大臣(
水谷長三郎君)
只今堀さんの第一の御要求でございますが、これはできるだけ早くお手許に差上げたいと思
つております。
それから
資金の点でございます。これまでお廻ししました中にちよつと出ておりましたが、第二・四半期で四二%ほどの数字が出ておるということは何しておりましたが、その他のいわゆる原材料が外の基礎産業に比べての比率、これは今度出したいと思います。
それから第二の点でありますが、これは私も非常に遺憾に思
つております。
北海道のああいう若い山が、ああいう九州、宇部なんかの老朽な山に比べて非常に伸びないということは、これは遺憾に思いまして、
北海道の何を考えて、九州、或いは山口の
労働者、業者の方に誠に済まないと思
つておりますが、いろいろ考えて見ますと、
北海道の出炭減の最大の理由は、
生産意欲の低下以外には何物もない、このように考えております。勿論
資金、
資材生活物資の不足の点もございますが、現在の入手保有状況より見まして、一割以上の
増産を期待することは決して困難ではないと思
つております。從
つて北海道の出炭を増嵩せしむるためには、
労働者の
生産意欲を思い切
つて挙げる
方法をとるより
方法はないのであるから、その
方法として大体次のようなことを考えております。
第一は
北海道では
経営者側におきましても、
労働者側におきましても、
北海道の出炭減の理由として
資金資材の不足を表面に立てて主張しておりますが、実際は
北海道に対しましては、
從來も現在も他の
地方以上の
資金資材は出しておるのでございます。実際これが炭坑に如何に入手されているかということは、十分に明らかにではないですが、この際
北海道に対する
資材資金等の供給状況を詳細に調査いたしまして、明確にこれを公表……新聞その他でこれを公表いたしますと共に、今後におきましても要求に應じて思い切
つて北海道に
重点的に
資金資材を、
生産物資を注ぎ込みまして、彼等
労働者が
資金資材の入手難のために
生産を挙げ得ないというようなことを絶対に言わせないというような
方法をとりたいと思います。例えば煖房炭の問題でも六十万トン以上出れば、それは全部煖房炭に廻すということを繰返し言
つておるのでありますが、その
生産が伸びない。だからそれをばやま以外の
道民の方に、やまの
事情を公表して、そうしてやま以外の
道民の方が深切に炭坑
労働者に呼びかけるという工合にいたしたいと思うので、取敢えず前申しましたような公表主義をとりたい、これが第一考えておる点でございます。それから第二には、この際
北海道の炭坑、特に
生産の挙
つておらない炭坑を速かにその実態を調査することにいたしまして、これはこの月中に全部やりたいて思
つております。二十日或いは二週間滯在いたしまして、即決主義でやりたいと思います。即ち
石炭廳の係官、
学識経驗者、炭坑経営経驗者、学者、
炭鉱技術者、金融業者、こういうような方で調査班を
二つぐらい組織いたしまして、
生産能力、それから技術管理、
資材資金の状況、経営の実態等を診断いたしまして、その
増産を阻害しておる点は即座に処理すると共に、
炭鉱労資双方に対してこれを明らかにして、出炭の
向上を図り、強力に要請する、いわゆる診断をいたしまして、有無を言わさずにいわゆる炭を出すことを要請したい。このように考えておるのでありまして、これは大体全部この月中に埓をあけたいと考えております。
三には
北海道炭鉱で目下特別に不足しておるのは塩でございます。この塩は速かに供出することにいたしまして、その供出に当りましては
能率をば十分に考慮して配給したい、このように考えております。尚
北海道の特殊
事情に鑑みまして、特に
労務者用物資は期日前に且つ的確に
確保をして行こうと思
つております。更に又勤労所得税の問題を至急解決したい。これは單に
北海道だけじやございませんが、これはどこに行きましても、これが非常に
生産の隘路にな
つておりますので、これは全國的なことでありますが、特に解決したいと思います。それから五番目には
北海道の特殊
事情に鑑みまして、越冬
資金をば先手を打
つてこの際解決しようということを考えております。
それから六番目におきましてはマッカーサー元帥の片山総理に宛てられたあの
石炭増産要求に対して、
石炭非常対策をやりましたですが、あれを特に
北海道には
重点を置いて
一つや
つて行きたい、大体今さしずめこういうことを考えまして、
北海道の
生産増強ということに馬力を掛けたいと、このように考えておりますので、御
質問者のごとき立場におられる方の側におきましても、やまに直接間接の関係あるなしに拘わらず、
一つできるだけこういう運動をや
つて頂きたい、このように考えております。