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政府委員(
田中不破三君) 私からお答え申上げます、第一に
お話のございました
疎開地を轉用して
食糧増産その他をや
つてるのじやないかというふうな御
質問の趣旨であ
つたと了解いたしまするが、本件につきましては、ここの問題にな
つております
利地につきましては、丁度
終戰直前に
疎開工場敷地として
疎開の
目的で購入いたしまして、それを戰爭が濟みましてから直ちに
食糧増産に轉用したわけであります。
當時の日本の
食糧事情、それから
鐵道職員の
給食状態、こういう點を御
參考に申上げますと、丁度戰爭直後の
状態におきましては、
鐵道職員として果して體力を維持して行くだけの
食糧が配給され得るかどうか、むしろ配給されないという點に
非常懸念を抱いたのでございまして、そうして
鐵道當局としましても何らかその
對策を講じなければ、
從事員は重
勞働その他を繼續して行くのに非常な至難を覺えるのではないか、かく考えた次第であります。そういうわけでございまして、
本省には
食糧増産本部を設けまして
各局に指令を出しまして、でき得るだけ
食糧の足しになるように、
自給態他ということは勿論望みませんが、
食糧の足しになるような
食糧増産を圖らなければならん。こういう
方針が決定されまして、
現場各所でこれを實施したわけでございます。ただ
當時豫算面におきましてこれが計上されていたかと申しますると、殊に緊急の、急を要しましたことでありますので、目の間で以て流持をさして頂いております。その後二十一
年度におきましても
豫算計上方を考えたのでございまするが、これ亦
關係當局と折衝しました結果は、
項目としての目としてこれを計上するということを見合せまして、實質的にそういうふうな
食糧事情であるのだから、この
食糧増産をやるのは止むを得ないだろうから、實質的に行なうのは先ず止むを得ないとしても、今これを目に計方するということは少しく見合せよう、こういうふうな話でありました。それから又、今
年度の
豫算につきましてもいろいろ折衝しまして、一
應増加項目としましては、増加の
事項としましては、
食糧増産ということにつきまして
話合がつきまして、不日御
協贊を願いまする
追加豫算の中にはその額を計上するつもりであるのでございまするが、いずれにしましても、
當時の
状態におきましては、甚だ
申譯ないのでございまするが、目の流用で以てこれを支辨いたしましたような次第でございます。尚そういうふうなわけでございまして、
食糧事情逼迫の折から、御
承知のように
鐵道の
職員としましては、或る者は非常に重勞の職務に就き、或る者は車掌、
機關手、
機關助手その他遠方に乘務いたして參り
ます者、これらの者は
辨當を持
つて參らなければならないのでありますが、これらの
辨當は
代用食では、普通の
代用食では夏期、夏の折などには、勿論
代用食としては到著してから
華持に堪え兼ねる場合があるわけでありまして、配給されました僅かの米はそちらの方に充當する、後は
代替食で賄うて行くということから、勢い
食糧増産ということで、藷或いはその他の
代替食をできるだけ自分で
作つて賄つて行く、こういう形を取
つて只今に及んであります。併し昨今におきましては
大分事情が變りまして、
終戰直後には今申しましたように、愈愈
食糧饑饉が來るのではないかというふうな
觀點から、非常に大きな
食糧増産計畫を考えまして、これを指示さたのでありますが、そういう
方針を執
つたのでありますが、昨今におきましては、この
方針を改めまして、折角今まで、勿論
夜勤食糧その他
食糧が不十分の點を確保するという點では必要でありまするが、昨今はこの
方針を變えまして、今まですでに耕した
土地、既設の
既耕地、これにつきましては鋭意その
能率化を
圖つて行つて、
増産の
目的を達する、できるだけ
能率を擧げて
増産の
目的を達する。それで新規に、新たに買收して行くということは、
只今のところ
方針を執
つておりません。そういうわけでございますので、今後そういう
食糧増産が擴張されるということはないのでございますが、
只今の、現在保有してすでに耕しておる、或いは借りて耕しておるという
土地に對してできるだけその
能率を擧げて、幾分なりとも
食糧の、重
勞働その他に
從つておりまする
從事員の
夜勤食糧その他の配給に充てて行きたい、かように考えております次第であります。
それから
連帶會社の未
納金の問題でございまするが、これは
只今御
質疑の中にありましたように、
情實の
關係はないかというふうに
お話でございましたが、これは私
どもといたしましては殆んど
連帶會社から怨まれるほどに嚴格な
督促をいたして參
つております。この納められなか
つた理由は、
お話もございましたように、
會社の
金融状態の結果でございまして、その後ここに
推問事項として擧
つております
連帶會社の
金額については殆んど納
つておりまして、殘
つておるものは殆んどございません。尚この
連帶會社の未
納金につきましては、
お話にありましたように、できるだけ我々としましても
督促しなくてはならない。とにかく
國庫金たるべきものを
無償といいますか、何らかの對價もなしに
會社が保有しておるということになるのでございまして、これは誠に相濟まん次第でございまするので、鋭意今まででも
督促を繼續しておりましたが、今後につきましては、もう少しこの
連帶契約をする場合の
内容を改めたいということを
只今考えております。そうしてもう少し
納入を促進し得るような、何らかの形で契約をいたしたいと考えまして、
只今連帶會社方面とも折衝いたしておるのでございます。一
應御答辯申上げます。