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1947-09-26 第1回国会 参議院 決算・労働連合委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
國家公務員法案
(
内閣送付
) ○
國家公務員法
の
規定
が
適用
せられる までの
官吏
の
任免等
に関する
法律案
(
内閣送付
) 昭和二十二年九月二十六日(金曜日) 午後二時四分開会 ――――――――――――― 本日の会議に付した
事件
○
國家公務員法案
―――――――――――――
下條康麿
1
○
委員長
(
下條康麿
君) これより本日の
連合委員会
を開会いたします。昨日に続けて
審議
いたしたいと思います。昨日は
懇談会
でありましたけれども、出入りで結局二十五名、過半数でありましたので第一回の
委員会
として取扱いたいと思いますが、如何でしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
2
○
委員長
(
下條康麿
君) それではさように認めます。
國務大臣
が見えておりますから御
質問
なりなにか……。
山下義信
3
○
山下義信
君 昨日御質疑がありましたかどうか、本員は中途退席いたしましたので、重複いたしておりましたらば
お許し
を願いたいと思うのでございますが、この
公務員法案
によりまして
任命
が行われまする
職員
の範囲でございますが、第
二條
第十二項によりますと、
現業廳
、
公團
その他これらに準ずるものの
職員
はこの
法案
によらないような御
規定
になっておりますようでございます。
現業廳
と申しますと、言うまでもなく
鉄道省
、
逓信省関係
が厖大な
現業員
がありますわけでございます。もとよりこれらは他の或いは
労働基準法
、そういったものによりまする建前になっておるのであろうとは思うのでございますが、この
法案
を御立案相成りまするときに、
現業廳
というものに対しまする御
方針
というものはどういうふうにお考になりましたのでしょうか。これを除外するということになりますると、殊に或いは公園その他の
職員
も悉く除外いたすということになりますると、
官公吏
の大部分というものがこの
法案
の
規定外
に相成るように心得るのであります。それらに関しまして御
当局
はどういうふうな御
方針
で
おいで
になりますか、承りたいと存じます。
前田克己
4
○
政府委員
(
前田克己
君)
現業廳
と申しましても、ここで主として考えておりまするのは、
國家企業
に從事する
職員
、これを主として頭に置いて考えたのであります。
國営企業
の場合でも
企業経営
という
見地
から見ますると、同種の
民間
の
業務
と相似た所があり、繰
つて
その
職員
の処遇につきましても同じような
考慮
が拂われなければ
いかん
と思うのでありまして、その半面、
一般行政官廳
の普通の
行政事務
をや
つて
おりまする
職員
とは、相当その
身分等
につきましても異なるものがあると思うのであります。で、むしろ一
般官廳
の
業務
に從事する者と同一の
規律
に属せしめますよりも、各
企業そのもの
の特色に應じました
規律
に属せしめた方が、
企業
の
経営
に適当であると考えたのであります。例えば
人事管理
というような
部面
から言いましても、これは
企業能率
の増進というような
見地
から考えた方がよろしい
部面
が非常に多く、その
外船與
でありまするとか、
任用試験等
につきましても、
人事院
で統轄する
一般
の
行政職員
とは相当違つたことが考えられると思うのであります。そういうわけで、一應この
國家公務員法案
におきましては、
特別職
として
法律
の
適用
を排除しておるのであります。併しながら勿論これを無
法律
のままで放置するわけには行きませんので、別に
現業廳
の
職員
に対して、いわば
現業廳職員法
というようなものを制定する必要があると考えられるのであります。又その
人事行政
の綜合というような点も、或
程度人事院
で扱わせるのが適当だ。かように考えておる次第であります。
山下義信
5
○
山下義信
君 一
應御説明
を承
つて
置くことにいたしておきまして、尚関連いたしまして伺いたいと思いますことは、
只今
の
現業廳
の特異な点を二、三お述べになりましたのでございますが、その中で
人事
に関しまする
管理
というようなものが、
一般
の
官廳
と又違つたところがあるということでございますが、これは正しく私共も了承いたしますが、併し今度は
反対
に申しますというと、一
般官廳
の
官公吏
というものが、殆ど普通の
企業体
の
職員
の
人事
の
動き方
と似たような傾向を最近持っておりますることも事実であります。例えば
人事
につきましては、
職員組合
にいちいち相談をし、その承諾を得なければ
人事
が行われないというがごときことが、公の
團体契約
としまして随所にそれが見られておるのでございます。この
公務員法
によりますというと、現在のそういうような実際の有様というものが少しもこの
法案
の中に盛られていないように見受けるのでございますが、
当局
におきましては
人事
につきまして、
只今
現に行われているがごとき
職員組合
の意向を重く見て行くというような点をお取入れになるお考がないのであるかどうかという点を、関連して伺いたいと思います。
前田克己
6
○
政府委員
(
前田克己
君) これは昨日
岩間委員
の御
質問
で一應お答をいたしましたが、現在
職員組合
が或
程度
各
官廳
におきまして
人事権
に
関與
していることは事実であります。併しこれも現在の
法令
上そういうことが認められているわけではありませんので、
任免権者
が
法令
によって任ぜられておりまするその
任免権
の裁量内の事項として行われておるわけであります。
政府
といたしましては、
職員組合
が
人事
に関する
関與
を
法令
上認めることは、これは適当でないと考えておる次第であります。
從つて
この
法令
にも、それを認めるような
規定
は全然おいておらないのであります。ただ現在の
官公吏
をどういうふうに考えるかということは、これは又別途
運用
の問題として考えるべき問題であります。固より
任免権者
が
法令
に基いていたします実際の
任免
につきまして、
職員組合
の者から建設的な
参考意見
を提示する。この
程度
は結構と思うのであります。
法令
上の
人事権
を拘束するがごとき
関與
は、本法の
趣旨
から言うと認め難いと、かように考えております。
山下義信
7
○
山下義信
君
運用
の上におきましては多少
考慮
の余地があるが、
法律
としてさような性質のものは取入れることはできんという御
答弁
でございます。そういたしますと、この
官吏
の
人事
につきまして、いわゆる天降り的な
命令人事
でなくして、廣く民主的な性格を持つた
人事
をやろうというようなお考はないと心得まして宜しうございますか。
前田克己
8
○
政府委員
(
前田克己
君) この
國家公務員法案
の
適用
の
対象
になっております
職員
は、大体
二條
に列挙してありますものを除きました
職員
ということに相成るのでございます。結局純然たる
行政
の
事務
をやる
人間
であります。これはこの
法案
において非常な重点をおいております
職階制
の官制によりまして、これらの
職員
というものは高度の
技術性
と
専門性
が要請せられるようになるのでありまして、まあ極端に申しますと、
一種
の
機械
のようなふうに考えているわけであります。如何なる
政党
の下でも、如何なる
内閣
の下でも、その
命令
を受けまして、自由自在に動くべき
機械
を形造る。こういう
意味合
であります。
從つて
これが
任免等
につきましても、
職階制等
による
試験選考等
によりまして、極めて科学的に行われる。あまりこの
公務員法案
の
適用
の
対象
となっております
職員
につきまして、特に民主的な
任命方法
というようなものを考えることは必要がない。かように考えておる次第であります。
山下義信
9
○
山下義信
君
官吏
を全く
機械
的に公平無私にお取扱になろうという御
趣旨
で、今言つたような民主的なそういうような行き方はしたくないという御
答弁
でありました。一應承
つて
置くのでございます。これは小さいことでございますが、序に伺いたいと思いますのは、第
二條
の第十一号に「
任命
について
國会
又はその
両院
若しくは
一院
の
選挙
、」こうあるのでございますが、
國会
とか又その
両院
の「
同意
」はどういうふうになるのでございましょうか。
井手成三
10
○
政府委員
(
井手成
三君) 私からお答えいたします。実際の
法律
の
文言
といたしまして
両院
の
同意
と書いてあります例は、
会計檢査院法
でございます。これは各院毎に
同意
がいるのであります。それから尚更に
公正取引委員会
の
委員長
、
委員
、これは衆議院だけの
同意
になっております。いわゆる
独占禁止法
に
規定
がございます。それから
國会
即ち
両院
の議決によって
一つ
の
意思表示
になる。これは今後
立法
を予想しております今度の
地方自治委員会
の
委員
、これは御
審議
を受けておりますが、まだできておりません。それから本案の
人事官
も
両院
の
同意
となっております。
一院
が
反対
になりまして、いはゆる
憲法
に予想しておりますような
方法
で行くという
規定
がございます。そういうような
工合
に各個の例によりまして、それを予想して書いたのでございます。それぞれの可否はその方の
法律
で十分研究したいと思います。
吉川末次郎
11
○
吉川末次郎
君 昨日お尋ねいたしまして御
答弁
を受けたのでありますが、尚
自分
で腑に落ちないので、又同様な
質問
はほかの
委員
からもなされたのでありますが、同様に私は
当局
の御
答弁
を十分に納得するところまで至っておりませんので、重ねてお尋ねすることを
お許し
を願いたいのであります。 昨日お尋ねいたしましたことの中で
資料
の御提出を願いたいということに対する私の希望でありますが、それに対して
資料
が御用意がないというような御
答弁
でありましたが、
行政調査部
から「
職階制度
の研究」とかいうパンフレツトを御出版になっているようでありまして、尚それは
行政調査部
で、
アメリカ
からこの
人事行政制度
を確立するために來られた顧問の方の
行政調査部員
に対する講義を集録したものであるというようにも書かれたようでありまして、若し頂けるものであるならば我々に御配付が願いたいと思うのであります。尚
三宅事務官
から「イギリスの
人事行政
の諸問題」という
プリント
を頂きましたが、外の方にもお配り願えれば結構だと思っております。尚私が特にお願い申上げたいことはお出しになっております
職階制度
の
説明
という
プリント
の中に
職階制度
につきましては、一九二三年において米国に
クラスイフイケーシヨン・アクト
というものが公布せられたと書いてありますが、今度の
法案
につきましては、
アメリカ
の
制案
をいろいろ御踏襲になっておることは、
当局
の御
説明
の中にもあったと思うのであります。嘗て
日本
の
官僚
が旧
帝國憲法
その他の
法律制度
におきまして、プロシヤの
法律制度
を
母法
として踏襲いたしましたように、やはりこの
法律
におきましても、
母法
とも言うことができるような、
アメリカ
その他の國かも知れませんが、恐らく
アメリカ
の
法律
がおありだろうと思うのでありまして、若しございましたならば、今申しました一九二三年のフエデラル・ガヴアメントの
クラスイフイケーシヨン・アクト
、これは多分翻訳をお持ちなっているに違いないと思うのでありまして、どうか
一つ
我々に御配付願いたいと思うのであります。 尚この
法案
を読みまして、極めて
日本
語として生硬なる
法律
的なタームが使われております。先日も申上げましたように、五條における「
人事官
は、人格が高潔で、」云々であるとか、読んでいきますと極めて新しい
文言
、例えば附則第
二條
の第三項でありますが、「「
臨時人事委員
」と読み替えるものとする。」なんという
言葉
も、非常に我々には新しい
言葉
でありますが、これが
母法
の翻訳的な
法律
であるとすれば、それぞれ原語もあるだろうと思いますが、そういうものとも照し合せたいと思いますので、どうぞその
母法
というものがありましたら、
一つ是非
お示しが願いたいのであります。 それからこれ又、先日お尋ねいたしたことでありますが、全体といたしまして後程更にお尋ねいたしたいと思いますが、
政党
の
排撃
、いわゆる
スポイル
・
システム
ということが
一つ
の
骨子
になっていると考えるのでありますが、それに関連いたしまして、私は昨日殊に現在のような
民主革命
の
遂行期
においては、そうした
民主革命
の線に沿つたところの深い
思想的理解
をもつた、同時に
行政官
としての技能を併有しているところの
人間
を
採用
する必要がある。
行政組織
の隅々にまでそういう人を配置するの必要があると申しまして、
労働省
が
婦人児童局長
に
山川菊榮女史
を
採用
されたのは好
人事
であるということを申しましたところが、
齋藤國務相
の御
答弁
には、
政党
の人でも容易にこの
法律
によって
採用
ができるようになっておるということのお話がありましたが、例えば
山川菊榮女史
が
婦人児童局長
に
採用
されましたのに、ちょっと見ましたところ、この
法律
ではやはり
特別任用
によって、あのような形で
採用
されることはできないように思われるのでありますが、普通の
吏員
と同じように、やはり
吏員
の
競争採用試験
をくぐ
つて
行かなければならないというようになっているのではないかと思うのであります。昨日非常に多忙でありまして、よくまだこの点を檢討しておりませんので、私の考に間違いがありましたらお裁きを願いたいのであります。これは私が思ったそのままの気持で伺
つて
いるのでありますから、そのように御了解願いたいのであります。 第三番目は先程から申上げておりますし、外の
同僚諸君
からも御尋もありまして、私の最も聴きたいことであり、又昨日の御
答弁
で不満足である点であります。これは重ねて申しますが、この
法案
全体を通じましての私の考えからいたしまして、基本的にこの
法律案
がもっておるところの最も大きな
欠陷
であると考えますので、くどくどしく更に御
答弁
を促す次第でありますが、この
法律
が
アメリカ
の
制度
を踏襲しておられる。ところが
アメリカ
と
日本
の、
官吏
と
政党
との
関係
というものが非常に違
つて
いるという両者の
相違
、非常に大きな基本的な政治的な
相違
といもうのをは無視して、この
法律
が
アメリカ
の
制度
を無
批判
に直訳的な態度で採択せられているということであります。
日本
の
官僚
は
狭義
におけるところの
政党
、即ち
議会
の
政党
、
政友会
とか
民政党
とか、或いは今日の社会党とか、自由党とか、民主党とかいうような
議会行動
を
中心
といたしますところの
政党
に対立して來たところの、非常に大きな
一つ
の
政治的グループ
、政治的な
勢力
であったと思うのでありまして、
廣義
に解釈いたしますならば、私は
政党
というものを
政権争奪
のための
政治的手段
と考えますならば、そういう
意味
においては誠に有力なる
政党
であったと考えるのであります。而もその
官僚
というところの
政党
は、
政治的手段
は旧
帝國憲法
のもっておる
封建性
、或いは
法律
的にはその
規定
されているところの
大権行爲
の無制限に
廣汎
であるということに乘じまして生まれて來ましたところの、私は
廣義
の
政党
であると考えるのであります。ところが
アメリカ
におきましてはそういうような
日本
の
官僚
のような封建的な
政治的利害関係
上に立って來たところの
廣義
の
政党
、或いは
政治的手段
というものは、政治的にはなかったと考えるのであります。その
官僚
は
自分
が封建的な
利害関係
の上に立って、
狭義
におけるところの
議会政党
と今日まで闘争を続けて來たということが、今日までの
日本
の
明治以來
の
政治史
であると考えるのでありますが、この
狭義
におけるところの
政党
、即ち
議会政党
、
政友会
、
民政党
というような
政党
と
官僚
が闘いますときには、常に
政党
というものはいけないものである。
政党
が悪いものであるというようなことばかり言って参りまして、そうして
日本
で
高等文官試験
の
制度
のようなものができましたのも、やはり
官僚
が
自己擁護
のために、
政党
に対して
政党勢力
を排除することを
目的
として
作つた
ということも、非常に大きな
動機
をなしているのではないかと思うのであります。ところが
官僚
は
自分
の政治的な欲望というものを達成いたしますときにおいて、いろいろな
外國
の
制度
をば
自己擁護
のために利用いたすのでありますが、特に
アメリカ
の
制度
を利用いたしまするときには、全く
國情
と
政治的事情
が違
つて
おりますところの
米國
の政治的な
制度
を局部的に理解した
自己擁護
の
利害
と、そうして或いは又
アメリカ
に対するところの無知とを
原因
といたしまして、そうして
日本
にしばしば輸入して來ておることが極めて多いと思うのであります。例えば
地方自治体
に
政党
というものはあ
つて
はならんものであるというようなことは、知らず知らずの間に
日本
人の間における
一つ
のオルソドツクス的な権威を形作
つて來
たのでありますが、そういうことも亦
官僚
が
アメリカ
の一部に行われておりますところの
議論
を、右に申しましたような
動機
からいたしまして
日本
に直訳輸入いたしましてそうして
自分
の
自己擁護
のために利用しておる面が非常に多いのであります。
アメリカ
におきまして、こういうこの
文官任用制度
、シビル・サーヴイスの
制度
というものが確立いたしましたのは、十九
世紀
の
終り
頃じゃないかと私は考えるのでありますが、今の
地方自治体
におきましても亦やはり、
スポイルシステム
即ち
アメリカ
で言われるところの
政党員
の文官分取
制度
を
排撃
して、そうして
シビル・サーヴイス・エキザミネーシヨン
を行わなければ
いかん
というようなことが頻りにいわれて來たことは、
國家
においても、又
地方自治体
においても、そういうことが非常に言われて來たのであります。特に十八
世紀
の
終り
頃におきまして、
米國
においてはそうした
政党員
が
地方自治体
の、
政府
の重要職に就いて、
政党
の一色で以て
地方自治体
の役人の地位を占めるということが誤つたデモクラシイであるというように考えられておりましたのでありますが、そのために
能率
が上らないで、情実及び政治的な
原因
によって左右されるものでありますから、ビジネス・サークルに比べて、非常に
職員
の
能率
が上らないというので以て、そうした
シビル・サーヴイス・エキザミネーシヨン
ということが、必要であるということが非常に言われて來たと私は記憶いたしておるのであります。尚その外それに関連いたしまして、
米國
の
地方自治体
、殊に都市におきまして、偶に違憲であるとか、そうした
涜職事件等
も、
政党
を
中心
といたしまして行われたものでありますから、
地方自治体
において
政党員
の
猟官運動
はこれを止めなく
ちやいかん
、というので、十九
世紀
から二十
世紀
の初頭にかけましての盛んなるミユニシパル・リフオーミング・ムーヴメントが起りまして、そうしてそれに関連して
政党
の自治体におけるところの排除というようなことも言われて來たのでありますが、それを無
批判
に
日本
の
官僚
は受容れまして、そうして全然
事情
の、コンデイシヨンの
違つた立場
で、
自己
のために頻りにそういう
議論
を利用いたしまして、この間行われました
知事
の
選挙
におきましても、尚
地方自治体
には
政党
はないものであるということを、やはり東京の
安井知事
その他の
諸君
が各
府縣
において、尚そうしたことを言っておるのが窺われるような
事情
なのであります。それと同じようにこの
法案
についても、
アメリカ
に行われて來たところの
政党
の
猟官運動
というものをば止めさせなく
ちやいかん
ということを非常に
骨子
といたしておりまするところの
米國
の
公務員
の
制度
というものが、全くそうした両國の
政治事情
の
相違
というものを無規して採択されておる。そうしてそこには
地方自治体
におけるところの
政党排撃
という
間違つた議論
と同じように、
官僚
の
自己擁護
というような面が潜在意識的にやはりこの中にあるということをどうしても我々は考えざるを得ないのでありまして、右につきまして、昨日
齋藤國務相
から御
答弁
を
伺つたの
でありますが、
齋藤國務相
は、
國務大臣
として
齋藤
大先輩には役不足であるところの、こういう
行政調査部
の仕事を恐らく下僚任せにしてや
つて
おいで
になるのではないかと私は実は推察いたしますが故に、
日本
における
自由主義
、
民主主義
の
運動
の
先達者
でありました
齋藤
さんが、どうも
齋藤
さんのお持ちになっておるところの
政治的見解
から非常に遠いところの
官僚組織
の温存に貢献するような、こうした
法案
を
齋藤
さんの下において出されるような結果になっておるのじゃないかと思われるのであります。これが私はくどいようでありますが、極めて根本的な本
法案
が持っておるところの基本的な
欠陷
であると考えるのでありますが、今まで御
答弁
もあったことでありますが、もう一度
一つ右
についてはっきりした御
答弁
を得たいと思うのであります。
齋藤隆夫
12
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) 私は
答弁
をするのは実は下手でありまするからして、私の考が徹底しておるか否やは疑問に思っておりますが、不徹底なことがありますならば、何回でも
一つ繰返し繰返しお尋ね
を願いたいと思ひます。
政党
と
官僚
との
関係
は、やはり國々によってそれは違います。
アメリカ
には
アメリカ
の習慣がございましょうし、
日本
には
日本
の
傳統
がありますので、
アメリカ
の
事情
を以てそのまま
日本
を律することはできませんので、この
公務員法
を制定するに当りましても、無論
アメリカ
のみならず、他の二三の國の
立法
も参照した積りでございまするが、その結果昨日ちょっと申しましたように、
日本
は
日本
の
國情
、
日本
の刻下のあらゆる状態に照らして、
日本
に行われ得べき、又
日本
に行なって適当であるというこの考を以て、この
公務員法
を作成したのでございまして、決してこの
アメリカ
の
法律
をばそのまま持つで來たという
趣旨
では決してないのでありますので、この点は幾重にも御了承を願
つて
置きます。要はこの
法案
に
規定
しておりまするそのことがいいか
惡いか
ということについて十分な御批評を承りたいと思います。私の見るところによりますというと、
日本
の
官僚
の
組織
及びその弊害は、長い間の問題でございまして、遡
つて
見れば限りもなく、
明治以來官吏
というものに対する不合理千万な
傳統
であります、
一種
の
封建思想
でありますが、これが
官僚
をして
國民
と懸け離れて、
國民
の怨嗟の的となつたという重要な点であると思いますが、そういうことをば、でき得る限り
一つ
叩き壊したい。
日本
は御承知の
通り戦争
に敗けまして、
國情
がすつかり変りまして、新
憲法
ができまして、
國家組織
が根本から変革せられた。
官吏
というものも、これまでは
天皇
の
官吏
でありましたものが、それが
天皇
の
官吏
でなくして
國民
の
官吏
であると、こういうような
工合
に、すべて
國家
の
組織
からしてあらゆる方面において、いわゆる
民主革命
が起
つて
おるのでありましてこの
民主革命
の
趣旨
に基きまして、
官吏制度
をも変えたいということが
出発点
になりまして、こういうような
法律
ができたのでありますからして、この
法律
に
規定
しておりまする
事柄自体
につきまして、この
條項
に刻下の新要求に應ずることができぬ点がありますならば、
一つ
御
意見
も承り、又十分に
國会
の権能によって御
修正
を願いたいと思います。我々の考えました点は、どうもこれまでは、これ以上進んだところの
立法
をする必要はないし、又これが今日の時勢に適したるものである。こう考えましてこういうような
立法
ができたのであります。私自身は乏しきを
行政調査部
に持っておりますけれども、私の考と
行政調査部
でや
つて
おりますことは、少しも齟齬はありません。私は及ばずながら長い間自由のために闘
つて
参りましたけれども、私が闘つたところの
趣旨
は、この
法案
によって決して没却されるものでなくして、或
意味
においては、この
法案
によって相当な
目的
を達することができる。こういう
工合
に考えておるのでありまするから、これは
見解
の
相違
になりますけれども、私は責任を以てこの
法案作成
の任に当
つて
おりますので、その点は返す返すも誤解のないようにお願いいたします。そういうことでございますからして、どうかこの
案そのもの
について、
一つ
御
審議
を願いまして、これが
アメリカ
の
スポイル
・
システム
をば奉じておる。こういう考から來ておるから、この
法案
はその
出発点
において間違
つて
おるというようなお考は
一つ
御
修正
を願いたい。こう思うのであります。誠に要領を得ぬかも知れませんが、私の
意見
としてこれだけのことをばお答え申しておきます。
前田克己
13
○
政府委員
(
前田克己
君)
吉川
さんの外の
二つ
の御
質問
にお答えいたします。この
法案
によって、
労働省
の
婦人兒童局長
に、
山川菊榮
さんを登用したようなことができるかどうか。これは第三十六條但し書におきまして、
人事院
の承認のあった場合には、
競争試験
以外の能力の実証に基く
試験
、これを
選考
と呼んでおります、この
方法
によることができるという
規定
がありまして、これでその途が開かれておるのであります。三十六條但し書で考えておりまするのは、例えば
運傳手
とか、タイピストとかいうように、一定の資格なり、或は特別の教育を受けた者については、改めて
競争試験
をやる必要がない。そういう場合が
一つ
。それから
二つ
には
民間
の
専門家
、或は非常に適任な方を特殊なポストに登用する場合に、この
方法
による。こういう
意味合
であります。 それから最初に御要求のありました
資料
でありまするが、これらの
資料
はいずれも
行政調査部
の方にございますが、ただ部数が、全員にお配りするだけ直ちに間に合うかどうかちょっと分り兼ねますので、調べました上で、成るべく御要求に副うようにいたしたいと思います。
吉川末次郎
14
○
吉川末次郎
君
齋藤國務相
の御
答弁
甚だ不満足でありますが、私自らの
意見
を
修正
する必要はないと考えております。その上は
意見
の
相違
でありますから、これで
質問
は打切ります。
川上嘉市
15
○川上嘉市君
國務大臣
にお伺いいたします。本
法案
にあります恩給法というものは、これに接続して制定せられると思いますが、大体いつ頃お決めになるか。その御予定御腹案、又御
規定
なさるとすれば、恐らくは今日の物價の情勢でありましては、
官公吏
が一生の間勤めて、そうして老後を養うとか、或いは老後
自分
の住宅を作るとか、生活の安定を得るということになると、恐らくは今日の予算で言えば一人について百万円ずつ出してもまだ昔の一万円にも及ばぬというようなことになると思いますが、そんなことについて、どんなふうな御腹案を以
つて
将來おやりになるのでありますか。又御腹案がありますかどうか。その点について伺いたいと思います。これは極めて重要な問題でありまして、すべての事業
関係
の、いわゆる退職手当とかいうような問題に全部影響するので、それらの手当は余程
考慮
せぬというと、
民間
の会社がどこもかしこも、退職経理というものを作
つて
くれと要求しても、その点に
おいで
実は恐ろしくて作れぬというのが現状ではないかと思います。どういうような御腹案か、御伺いいたします。
齋藤隆夫
16
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) 恩給法の改正は、大体において私は時勢の要求であると思っております。現在の恩給法をば、相当に改正しなければならぬということは、これは
政府
の方におきましても同感でございます。でありますからして、この
法案
の百六條にも、恩給に関する
規定
を設けまして、「恩給に関して必要なる事項は、
法律
によってこれを定める。」とありますから、あまり遠くないうちにおいて、恩給法の根本的改正をしたいと、こういう考を持っておりますからして、その点については、十分に審査をする積りでおります。今の恩給法は相当の
程度
において改めなければならぬと、こう思っております。
川上嘉市
17
○川上嘉市君 お作りになるのは当然だと思いますが、その点はいつ頃か。先程申しますように、どんなふうなことでこの時局を乘り切るお考でありますか。何かそのことについて御腹案がありましたならば、大体の御意向を承りたいと思います。
齋藤隆夫
18
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) 今これというて具体的な腹案もできておりませんから、
人事院
ができましてから、
人事院
がこの
規定
と睨み合せて、適当な具体的の
法案
を考えたいと思っておりますが、今はまだ別に具体的の案はできておりません。
川上嘉市
19
○川上嘉市君 希望として申上げますが、
只今
申しましたように、全部の勤労者或いは社員とか、すべての人の待遇というものに、全部影響しますからして、余程愼重に御
考慮
あらんことを希望いたします。
下條康麿
20
○
委員長
(
下條康麿
君) ちょっと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
下條康麿
21
○
委員長
(
下條康麿
君) 速記を始めて……。
松井道夫
22
○松井道夫君 私は判檢事と
國家公務員法
、その
関係
についてお尋ねしたいと思うのであります。判事につきましては、この
法案
の第
二條
の第三項の十七号に裁判官ということが書してございまして、この
法律
の
適用
が排除せられておるようであります。そこでお尋ねしたいのでありますが、この
法律
に
規定
されておりまするあらゆる事項で、裁判官についてどういう所で、どういう形式によって
規定
されるのであるかということをお尋ねしたいのであります。今の判事につきましては、御承知の通り裁判所法というのがございまして、この中でいろいろ任用
関係
、その資格といったようなものを
規定
してございまするが、併し裁判所法において
規定
されておらない部分も沢山あるのでありまする例えば恩給といったようなものは
規定
してないかと存ずるのであります。その外
職階制
というものが新たに
法律
によってできるのでありますが、裁判官も亦
職階制
といったような行き方で將來相成
つて
行くのであるかどうか。それは先程申しましたように、どういう機関でどういう形式でそういうものが定められて行くものであるかということをお尋ねしたいのであります。次に検事でありますが、檢事は第
二條
の第三項の各号に載
つて
おりません。これはこの
法律
の
適用
を受けるのであろうと存じます。さような
趣旨
であろうと存ずるのであります。然るに檢事につきまして、御承知の通り檢察廳法というものができておりまして、それについていろいろ任用の資格その他が定ま
つて
おるのであります。この
法律
の任用の、この
適用
を受けるとすれば、檢察廳法は、これは改正せられる御意向なのであるかどうか。或いは檢察官についての特色として檢察廳法は、その儘にして置かれるのであるかどうか。ところで件察廳法におきましては、司法
試験
を受けまして、その司法
試験
がこの
國家公務員法
におきまして「どういった
試験
に入られるか、それは分りませんが、その司法
試験
を受けまして、その後司法修習生といたしまして、或期間を修習いたしまして、それから修習生の考試というものを受けまして、そうして初めて今の檢察官に任用せられまするところの資格を得るのであります。さような特別の
規定
になっておりまして、その司法修習生の考試、
試験
の「修習」という文字が使
つて
ありますが、司法修習生の修習、それは今の裁判所法に
規定
してありますところの、司法修習生の修習というものと同じでありまして、その後もいろいろ判事側との
人事
の交流を考えまして、何年間判事をやつたものは、一級官の檢察官になることができるとか。そういったような、又裁判所におきましても、檢事から判事に任用せられるような
規定
になっておるのであります。それで将來この檢察廳法を変えられるにいたしましても、或いはこの
法律
をその儘特色として残すといたしましても、この
公務員法
及び檢察廳法との関連におきまして、更にこの檢察官に関する
法律
と裁判所法、判事に関する
法律
との釣力合におきまして、いろいろ問題が起るのではないかと存ずるのであります。その点につきまして、この裁判所法自体の改正も考えられておるのかどうか。そういうことが問題になって参ると存ずるのであります。更にこれは最近の新聞紙上にちらほらと見えるのでございますが、司法省が解体せられるようにすでに決定したのであるといったようなことが見えておるのでありまするが、檢事が一体將來どういう
官廳
の下に窮極的に置かれるのか。そういうことがいろいろ檢事に関する身分、待遇その他につきまして、それの関連におきまして問題になると存ずるのであります。例えば普通の
行政
機関と同じ
一つ
の省が担当いたすか。或いはそうでない別個のやや独立的のものができまして、そこでやることになるのか。そういうことが判事との釣り合その他を
考慮
する上において問題になって來るのじゃないかと存ずるのであります。
一般
の判事と檢察官というものをどの
程度
別個に取扱い得るかということについて問題になって來ると存ずるのであります。いずれにいたしましても、檢事がどういう
官廳
の下に配属せられるのであるかということ、これをこの際伺
つて
置きたいと存ずるのであります。いろいろ錯雑いたしまして、お汲み取りにくかったかと存じますが、要するにこの
法律
と裁判所法、檢察廳法の
関係
、それから將來司法省がどういうことになるか、検事がどういった
官廳
の下に置かれるのかということをお尋ねする
趣旨
であります。尚参考のために申して置くのでありますが、檢察廳法においては、「檢察官の受ける俸給については、別に
法律
でこれを定める。」ということに第二十一條に
規定
してあるのでありまして、これは
一般
の
官吏
と別個の俸給に関する
規定
によるという
趣旨
であろうと私存ずるのであります。その辺とも関連いたしまして御
答弁
を願いたいと思います。
井手成三
23
○
政府委員
(
井手成
三君)
只今
の御
質問
は非常に実体を掘下げておられますし、やや専門に入っておりますので、私からお答えさして頂きたいと思います。非常に詳しく、且正しい御
批判
でございまして、いちいち私御尤もに承ました。実はこの
國家公務員法
は、大きな筋を先づ第一段階として踏み出したのでありまして、その後これに並行し、且これに伴なって行く
法律案
が全部どういう形になるかということは、まだ
政府
として決定的にはなっておりません。併しこの
法案
が出ますのにつきまして、
関係
当局
者としまして考えておりますところを申上げて、御了承を得たいと存じます。 先ず第一に裁判官の方でありまするが、これは第
二條
の
特別職
に入っております。この
特別職
に対する
立法
はどうなるだろう、この
法律
は
一般
職に
適用
しておりまして、
特別職
にはこの
法律
は
適用
しておりません。
特別職
にはどうなるだろうと申しますと、
特別職
の中にありまする、例えば
國務大臣
とか、官房長官とか、政務次官とか、或いは又
現業廳
の
職員
等はこの
規定
を
適用
いたしませんと、現在
適用
になるベき
法律
はなくなるわけであります。私どもはこの
法律
が施行されまする時、即ち現行の
一般
職及びこれらの特別の
官吏
に通じて現在の俸給令も
適用
になっております。或いは
官吏
服務
規律
も
適用
になっております。或いは分限
規定
等も、部分によってでございますが、
適用
になっております。そういうものがなくなってしま
つて
、
一般
職にはこの
法律
が
適用
になり、
特別職
は全然ブランクになるということがあ
つて
はなりませんから、この
法律
が施行されて、現行の
規定
がなくなりまするまでには、そういうものにつきまして必要なる
規定
を置きたいと思っております。例えば官房長官と政務次官、大臣になりますれば、服務
規定
の中で、
政党
に
関係
の部分というようなものは、これは外しますけれども、他の方は大体よいのじゃないだろうか、いわゆるクラシフイケーシヨン、
職階制度
は必要でないであろうとか、クラシフイケーシヨンによって俸給を決めるのでなくて、俸給はきちつと固定していいであろうとか、いろいろ研究いたしておりますが、いずれにしても必要な
立法
をしたいと思っております。それから
特別職
の中のもう
一つ
のグループは、現在
特別職
がある部分であります。先程お仰せになりました如く裁判官につきましては、現在では特別の
規定
を置きまして、恩給法その他服務
規律
もそうでありまするが、
一般
規定
は一應被つしお
つて
、その上に特別
規定
を置くことになっております。今回これは
特別職
になりますと、その特別
規定
は残りますけれども、
一般
規定
は消えてなくなります。これはどうするかということも今日から研究しなければならん問題でございまして、恐らくこの
法律
が試行されますまでには、現在の特別
規定
の根本に基きまして、裁判官について必要な
法令
が、
一つ
の纒つた
法令
ができるだろうと考えております。更に次の檢察官でございまするが、これが
只今
縷々お仰せになりました如く、準司法官のような立場にあることは御存じの通りでございます。
憲法
でも司法の部分に檢察官のことをちょっと觸れております。これは基本的には
行政官
と考えておりますけれども、や
つて
おります仕事は、非常に司法官に近い部分を持っております。判檢事の交流の問題であるとか、
事務
修習を共通にするとか、色々な問題がございます。この法の立て方といたしましては、裁判官は別個の
法令
で行くということにはっきりいたしましたが、檢察官の方は附則の十三條に参りまして、一應はこの
法律
が被
つて
行くし、併し準司法官としての特殊性を相当これは強くしませんと、檢察官の実情に合いませんので、先程俸給の問題、
事務
修習の問題、或いは資格の問題と仰せになりました如く、十三條に一應は基本的にはこの
適用
を受ける。併しその分限の問題にしても何にしても、相当裁判官に近いものにして行く。或いは檢察官特有の
規定
を必要とするというので、この十三條については、外交官についての特例、学校教員についての特例、その他についていろいろ幅は違うと思いますが、それぞれの特例ができると思っております。目下この
法律
を御進行頂きまして、成立の曉には、施行までには我々は馬力をかけて、その必要の
規定
を整備したいと考えております。その次に司法省の解体の問題に
関係
して、檢察官の身分、所属、指揮等はどういうことになるだろうかという御
質問
でございます。実は
行政
機構の問題は、
行政官
廳法が現在應急
規定
としてございまして、先ず來年の五月二日まで一ヶ年間有効となっております。
從つて
政府
では
齋藤
國務大臣
を首班といたしまして
行政調査部
ができまして、根本的な改革を独自の立場でや
つて
おるわけであります。然るところ連合軍との交渉もございまして、いろいろと新しい
行政
機構も緒に就いております。そういう
意味
からして、司法省を如何にするか、檢察廳について如何なる形をとるかということは、基本的な研究はございました。併し
國家公務員法
を出すまでには、まだ決まつた形を実は持合せておりません。併しいろいろと事態が進行して参りまして、司法省問題が十分に研究しなければならないというような段階になっておりますので、私どもは急いでこの檢察官、檢察廳に関するものは
内閣
の触れ
工合
、或いは裁判所の触れ
工合
から最も妥当な所に落着けたいと思っております。いろいろとまだ私どもとして私見はございますが、今日申上げるまでに至っておりませんので、
お許し
を願いたいと存じます。
松井道夫
24
○松井道夫君 今のに引続きまして、今の檢事の所属その他司法省の解体の問題につきましてこの際
齋藤
國務大臣
から発表できる範囲でお話願いたいと存ずるのであります。それからもう一点お尋ねしたいのは、これは
齋藤
國務大臣
でなくても、どなたでも結構でありますが、檢察官は
特別職
として第
二條
に入れることができないかどうかという点をお尋ねしたいと思います。
齋藤隆夫
25
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) 司法省の解体ということもありませんが、これまでの司法省とは少し内容及び形式の違つたものができるように思っております。御承知の通りに最高裁判所ができまして、そうして
立法
、
行政
、司法の三機関が同等の
見地
に立つことになりましたから、これまで司法省と言えば、やはり裁判官の方も監督するようなことになっておりましたけれども、この方はすつかり最高裁判所ですべて
関係
することになりました。司法省はこれに向
つて
口を出すことができません。
從つて
司法省の機構を改正しなければならんことになりまして、司法省のいわゆるアトニー・ゼネラル、何か檢事総長とか訳しておりますが、何も檢事総長に限つたことでありません。併し
日本
に檢事総長ということも変でありますから……。司法省という名前は宜しくない。司法省といえば、やはり
法律
を司
つて
お
つて
、裁判官に対して何か
命令
がましいことをするようにこれまで思われておつたし、そういうような傾向も幾らかあったのでありまして、そういう傾向も根本から棄ててしまう。そういう
意味
から司法省という名前も変えなければならんことになって、それではどうするか。
内閣
に直属する廳とするか。名は法務省としようじゃないか。法務省は
いかん
から法務廳にしようじゃないかというようなことにも考えております。それから現在の法制局も法務省、すべて
國家
の
法律
制定等に関することは、法務廳、若しくは法務省において全般的にやるという。この考からして今の法制局も法務省、法務廳の方に合併するようになるかも知れません。併しまだそれは最後の確定じやございませんが、そういう方向に向
つて
進めておるということを御承知を願いたいと思います。
井手成三
26
○
政府委員
(
井手成
三君) 檢察官を
特別職
に入れることはできないだろうかという御
質問
でございましたが、実は第
二條
の
特別職
と、附則十三條の
一般
職にしておいて特例を置いて行こうというのは、それぞれ段階でございまして、こうでなければならないという筋はないのでございます。大体
特別職
に置きましたのは、
一般
職に置くのには相應わしくない。丁度
言葉
を裏から申すようでございますが、普通の
一般
職というのは
職階制
というものを
中心
にして、そうして一面
人事院
が相当公正に
人事
を扱
つて
行くという。この二点が大きな点でございますが、政務官のようなグループ、これを
一般
職に入れるのは如何にもおかしいというので、所務官は先ず
特別職
になっております。親任官、これも我が國の昔は親任官でございましたが、現在では認証を受けております官、これもいわゆる
職階制
によって生活と何とかに應じて給與を増減するとかいうのは、如何にもおかしいのであります。これを第二グループとして外しております。
現業廳
的のものは現業の特殊性というようなものの
見地
から相当違つた角度からやつた方が宜いというので外しております。それから顧問、参與的のものは、これは本務とはしない。他に職を持っておることも許されておるというようなことで、これは本條の
一般
職と區別したが宜い。その次は裁判官、これは
立法
司法、
行政
という
見地
から、これは観念から見ても外したが宜い。それから三権分立から言いまして、
國会
の方の系統の
職員
、これも
國家
公務員
であるけれども、
人事院
が統轄するというな角度では如何にもおかしい。外したが宜い。これは特別法ができまして、便宜
人事院
が所掌するようなことになるかも知れませんが、それは今後の
立法
でありますが、筋として一應
一般
職と別のものにしよう。この十三條の方に外しましたのは、これはどちらにするかという境い目のものだと思いますが、一應
一般
職に入れて、特殊性を発揮するものは、多く特殊性のものであり、
特別職
に近いものになると思いますが、この辺が妥当であろうと思って、ラインを引いた次第でございます。
中野重治
27
○中野重治君
一つ
は昨日大臣から答えて頂いて分つたことではあるのですが、この問題を考えて行くのに、これは
日本
の
法案
として、我々が
國民
の代表としてこれを討議して行くというふうに、私は大臣の答をお聴きしたのですが、そう取
つて
よろしいかということが
一つ
。 それから第二は、この前二月一日のトライキのときに、將來
國家公務員法
というような大きな重要な
法律
ができる場合には、その
法案
の作成に労働組合側の了解を得る。或いはそれと協議をするというようなことが約束されて、これは当時中央労働
委員会
でもそういうふうに裁定したと言いますか。こういう約束が公に取交わされたのですが、今度この
法案
ができて來た手続をみておるというと、組合側に対して何らの通告もなされていない。それで
一般
にこの
法案
がぽつと出て、それであわててこれについて頭を捻るというような状態になっているのですが、あのときそういうふうに約束されたのが破られて、こういう方式で
法案
が出るということは、
法案
の出される根本的な手続上の建前で非常に面白くない。こういうことが今後繰返されるようなことがあ
つて
はならないと思いますが、なぜこの
法案
が出る場合に、あそこで約束されたことが守られなかったか。又この
法案
がこういう形で出たのであるけれども、これを一遍元に戻して、一方では公聴会を開くなりなんなり、取るべき手続を取
つて
やるという、そういう意思があるかないか。なぜかと申せば、これは非常に重大な問題で、私は数字をはっきり知りませんが、恐らくこの
法案
が
法律
となって統括する。いわゆる
國家
公務に関する労働者は六十万人くらいになるでしようし、それから
國家公務員法
には、傳えられておる教師に対する身分上の問題、それが当然これに絡みついて來る、或いはその中に大きな
意味
では包含されるというようなことになりますから、昨日あたりからいろいろ他の
委員
の方の
意見
乃至
質問
にもありましたように、
法案
全体が極めて
官僚
的なものと……これは私もそういうふうに考えるのですが、
見解
の
相違
は別として、鬼に角
國家公務員法
によって非常に沢山の、数十万の勤務者が統括されるわけですから、こういう重大な問題については、二月一日のストライキのときのその約束に
從つて
やられねばならん。こういうふうな考から、なぜそういう方式が手続上正式に取られなかったか。又取られなかった以上、これを改めて正しいルートに載せて、問題を討議して行こうという意図があるかないか。その点ちょっとこの
二つ
の問題についてお聽きしたい。
齋藤隆夫
28
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) 第一の御
質問
の、この
法案
を
日本
の
立法
として
審議
を進める積りかどうかというような御
趣旨
であったと承りましたが、無論
アメリカ
の
立法
でもなければ、諸
外國
の
立法
でもなく、
日本
の
立法
として
國会
に提出しておるので、これは当然のことであると思います。それからこの
法案
を作成するに当
つて
、官公
職員組合
にどうして諮らなかったかという御
質問
でございまするが、その中に昨年の何か二月のゼネストのときに、そんな約束があったというお話でありますが、私は実は全く存じておりません。私自身も全く初耳であります。それからしていつか官公
職員組合
の方が私に面会を求められまして、そうして今度の
國家公務員法
の草案を拵えるにあた
つて
、官公
職員組合
に
委員
を作
つて
、
委員
に諮問するとか、或いは何かその方面に相談をしろというような
意味
のお尋がありましたからして、私はきつぱりと答えました。それはしない。断じてしないということを申しました。なぜしないかと言えば、それは我々は、原案であるからして、この原案はあなた方の代表者が
國会
に集
つて
お
つて
、
國民
の代表者が
國会
で
審議
するのだから、
國会
議員の中でも君等の代表者もあるのだから、これが即ち立憲政治であ
つて
、
政党
政治であ
つて
、民主政治だから、これ以上のことはできない。私は遠慮なく断りました。今日でもその考を持っております。官公
職員組合
の人が、この
法案
について御
意見
があるならば、
自分
等が
選挙
しておるところの
國会
議員を通じて、そうして適当の
審議
をするというのが、今日の政治
組織
でありまするから、いちいち
政府
が原案を作ります場合に当
つて
、あちらこちらに相談しておったならば、これは限りがありませんから、
政府
の原案は読んで宇の如く原案でありますから、これは絶対的の効力を持っておるものでありませんから、
國会
において自由に取捨選択せられる。その
國会
に官公
職員組合
の代表者を送
つて
おられるのでありますから、別にその方面に向
つて
改めて諮問する必要がないと、こう私は考えておりまして、今日におきましてもその考を持っております。それだけのことをお答え申し上げます。
北村一男
29
○北村一男君 私はまだこの
法案
を全般的に読んでおりませんから、或いは他に私のお尋ねするようなことは詳しく決めてあるかも知りませんが、大体一通り見ましたるところ、これはやはり
官僚
勢力
の温存のための
法律
であるということを、他の
委員
の方も申されましたが、私も同様に考える者であります。この訳は、大体
官吏
の懲戒というものが非常に緩やかである。例えて申しまするならば、農家には供出させる。そうしてその裏付けとして肥料、農機具を計画的に配給する。こういうことをいうていながら、さて実際に当りますと、なかなかそれが実現しない。併しながら供出は容赦なく取る。そうして言うことをきかんければ、又
事情
止むを得ないものでも、それを認めないで、強権の発動をする。こういった例は地方に乏しくないのであります。その場合に計画配給の任に当つた
官吏
は、配給ができなかったのは國内
事情
で止むを得ないといって、恬として恥じない。これに対して未だ曾てどういう懲戒が下されたか。私はその例を聞かんのであります。そういうのに対しても、この
法案
でどういうことをお決めになつたのか、それを具体的にお教え願いたい。それから
人事官
という者は、これを見ると相当重要な職務を持っておるものと思うのでありますが、それがなんだか條文にいろいろ書いてありますが、結局退職するものとす。こういうようなことで、退職すればそれですでに責任を果したというようなふうに解釋されますが、この刑法とか何かを犯さなくても、大変
國民
に迷惑をかけた場合において、ただ退職だけで済まして、それで差支ないのか。その点をはっきりお答え願いたい。 それからもう
一つ
は、この條文の各所に
人事院
規則というものを謳
つて
ありまして、
政党
役員であった者はどうとか、随分
政党
に対しても、
人事院
規則というものは強力に働いておる。それからその外にも
人事院
規則々々といって、各所に謳
つて
ありますが、これは
人事院
規則というものは、
人事官
会議の議決を経なければならんというので、あとで決まるのでありますが、若し
國会
でこの規則を承認して、あとでこの
廣汎
な権限を持つような
人事院
規則が決められた場合において、これをどういうような
方法
で
國会
として是正するか。そういう
方法
をお示し願いたい。必ずこれはあとで問題になると考えます。だからそれをはっきりお答え願いたい。
前田克己
30
○
政府委員
(
前田克己
君) 先ず最初の御
質問
で、懲戒に関連した点でありますが、本
法案
全体を通じまして、
能率
的な運営ということを主として非常に重きを置いて狙
つて
おるのであります。従ってこれがためには、
能率
の評定表というものを作りまして、常時その官職を
能率
的にや
つて
いるかどうかということを科学的に考査をいたしまして、これを
資料
といたしまして、昇任或いは降任等の基礎とするわけであります。尚極端な場合には、懲戒処分、こういうことになるのでありまして、その懲戒処分につきましても、信賞必罰の精神を迅速に発動させるために、從來の如き懲戒
委員会
というような形式的な手続は廃しまして、どしどしこれを実行するような工夫をいたしております。懲戒
委員会
の手続を廃しました点については、又別の御
批判
もありますが、これは一方これに対する救済
制度
の如きもので、その点を補うことにいたしました。要するに
能率
の昮場ということを非常にやかましく言っておるのであります。分限の所におきまする、降任とか、或いは降級の場合におきましても、官職に対する適應性、或いはその官職に属する
事務
を十分な成績を以て挙げ得ないというような時には、身分の保障が薄くなる。こういう
規定
も置いてあるのでありまして、これらの
規定
の活用によりまして、
國家
公務員
の
能率
発揚ということに遺憾なきを期したい。こう思っておる次第であります。 それから第二の
人事院
規則の点でございますが、この
人事院
規則は、この
法律
の施行につきまして、通常の場合でありますれば、政令と相成るのであります。
人事院
というものが、総理大臣の統轄には属しますけれども、半独立的な役所であるという点、それからこの
法律
の施行に属しまする事柄が、非常に専門的、技術的な事柄が多い。こういう点におきまして、政令を排しまして、
人事院
規則の制定権を認めておるのであります。ところで随所に
人事院
規則という
規定
が出て参りまして、その委任が多過ぎるというお感じであります。併しこれは、その中には可なり
一般
の
法律
におきましても施行細則として決め得るような、非常に細かい事柄も多いのでありまして、むしろこの
規定
を置きましたのは、政令ではなくして、
人事院
規則によるべきことを明かにするような場合も少くない重要なことが
規定
されることもありますが、この場合におきましては、
國会
の承認を得まして、
任命
せられました
人事官
の会議によりまして決められるのであります。この
人事官
に、その方面の有識者を得るならば、規則の中立性を確保するというような点から申しましても誤りがないと、かように考えまして、
人事院
規則に委任の
規定
を置いておる次第であります。
北村一男
31
○北村一男君 私は特に先刻農民に対する点をお伺いしたのは、御承知の……これは午前中の他の
委員会
においても、私は
質問
したのでありますが、農民というものは、損得に拘らず、農産物を作らなければならんという宿命的の産業でありますので、それで特にお尋ねしたのであります。具体的に私がお尋ねしたことにお答え願いたいのは、若しもこの配給計画というものを立てて、配給ができないというような計画を立てた
官吏
は、どういうふうに懲戒をなさるか。つまり農民には遺憾なく供出を取
つて
いらつしやる。諾かんければ、このいろいろの強権を発動なさる。そのために自殺をした者も我我の縣には少くないのであります。ところが一面そういう無理な計画を立てて、それから配給すべき物をできなかったというような
官吏
に対しては、どういう措置をおとりになるかということを具体的に承りたいと思います。そこをはっきりお答え願いたい。
前田克己
32
○
政府委員
(
前田克己
君)
法案
の條文に即してお答えいたしますれば、第七十七條におきまして、第一號に、勤務実績が挙らない場合には、降任をし、又は免職をすることができるということで、
只今
御指摘のような事例もこれに該当する場合があると考えるのであります。それからそれが極端になりますれば、懲戒の問題になりまして、第八十一條に、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」、これによりまして、同條に
規定
されますような処分を受けることになる。かように考えております。
中野重治
33
○中野重治君 さっきの大臣からのお答の中味は承りましたが、二・一ストライキの時の公約の
言葉
は知らなかったと言われたのですが、そのことは知らなかったということは分りましたが、知つた場合、その元の
政府
がやつた約束を、この新しい今の
政府
の出す
法案
を出して行く手続の上で、どういうように取扱おうとお考になりますか。
齋藤隆夫
34
○
國務大臣
(
齋藤隆夫
君) お尋の
趣旨
は、ちょっと理解し兼ねますが、この
公務員法
を制定するに当りまして、原案を作る時に、官公
職員組合
に諮るというようなことをば、前の
内閣
がその方面の約束をしたかということは、私全く存じませんから、今度の
公務員法
作成の場合におきましても、その点は看過しておるのであります。私は前の
内閣
がそういうことをやるわけはないと思いますが、それをよく調べて見ますが、やつたとすれば、私はそういうことは少しやり過ぎではないかと、あの時の情勢に應じてそんなことをやつたのではないかという氣がいたします。前
内閣
がなにをやつたにしても、私が先程申しましたように、この案を作るにつきまして、
職員組合
の方から交渉がありましたけれども、それは御免を蒙るという返事をしておきました。その理由は、先程申しましたように、もう
職員組合
に限らず、
一般
國民
の代表者が
國会
に集つたこの
國会
の権能によって、この
法案
を
審議
せられるのでありますからして、
國民
代表の実は挙
つて
おるからして、この以上
法案
を作る際に当
つて
、いちいちあちらの部類、こちらの部類に相談しておりましたら限りがありませんので、私はできないと御返事しただけでありまして、それ以上は考を持っておりません。これだけのことを申上げて置きます。
太田敏兄
35
○太田敏兄君 第一点は第五條の
人事官
の決定
方法
でありますが、これは昨日もちょっと
質問
をいたしまして御
答弁
を願つたわけですが、その御
答弁
が極めて不徹底でありましたので、重ねてお尋ねしたいと思うのでありますが、ここに
内閣
が「両議院の
同意
を経て」とありまするが、これは実際上の問題としまして
内閣
が或候補者を議院に諮問した場合に、これの適否を決するということは実は実際問題からしてむづかしいと思うのです。それは或特定の個人の名前を出された場合に、その長所を挙げるのは差支ありませんが、或いはその人の欠点とか、短所を言う場合に、それは公開の席上でその人を攻撃することにもなりまして、事実上
國会
においてこれを
審議
するということは非常にむずかしいことであると思うのであります。そこでそれは一應國の代表の府である
國会
へはかるということは、民主的のような恰好ではありまするが、事実におきまして民主的な処置とは言えないと思うのであります。そこで昨日も申上げましたように、例えば最高裁判所の判事を選定する
方法
のように、或
選挙
母体を作りまして、その
選挙
母体が最も適当とする候補者を推薦する。そしてその候補者の中から
國会
の
同意
を得て
内閣
がこれを
任命
するというような
方法
をとりますれば、比較的民主的な選出ができるのではないかと思うのであります。
当局
はそういうような最も民主的な選出の
方法
をとられる意思があるかどうか。やはり
國会
の
同意
だけで民主的だとせられるのであるか。もう一度明快なる御
答弁
をお願いしたいと思います。 それから第二点は第八條の二にありまする
人事官
の弾劾のことでありまするが、ここでは
内閣
総理大臣の訴追に基き、公開の弾劾手続によって罷免することがあると書いてありますが、これは弾劾を
内閣
総理大臣だけにここに制限されておりまして、そして
國民
的な弾劾の途というものは開かれていないのであります。そこで私は
内閣
総理大臣と同時に、
國会
にも又これを弾劾する権限を與えるということにすれば、
一つ
の
國民
的弾劾の途が開けて來るのじゃないかと思うのであります。その
意味
におきましてこの第二項は、
國会
又は
國務大臣
の訴追に基くというふうに訂正いたするならば、この弾劾の内容がもっと適切になるのではないかと思うのであります。これにつきまする
当局
の
見解
を伺いたいと思います。 それから第三点は第十九條の「
人事院
は、
職員
の
人事
記録に関することを
管理
する。」とありまして、そうしてその次の項には、総理廳、その他の機関をして、これを保管せしめるとありますが、そうすると結局
人事院
というものは、
人事
記録に関するものを
管理
するだけであ
つて
、主管は総理廳、その他の機関に保管せしめる。こういうふうに文字通りに見て行きますると、
人事院
は記録の保管はしないのであるかどうかということをお伺いいたしたいと思います。 それから第四点は第二十一條の
人事院
は、この
法律
に基く権限で重要でないものについて、これは他の機関に行わしめる。この他の機関という文字を使つたのでありますが、これは一体どういう機関を
当局
は予想されておるのであるか。これを具体的に伺いたいと思うのであります。以上四点であります。
前田克己
36
○
政府委員
(
前田克己
君) 先ず第一点の
人事官
の選任でありますが、これは昨日申上げましたことを又繰返すようになりまして、或
程度
以上は
見解
の
相違
ということになるかと思うのであります。
人事官
の選任につきまして何らか諮問機関、或いは推薦機関というようなものを置く。こういうことも勿論考えられるのでありまするけれども、
人事官
の職務は政治的というよりは純粋な技術的、且専門的な性質のものであります。
行政
の実際にも通暁しておらなければならないものでありまするので、第五條に定める資格を備えました候補者を
内閣
が責任を以て愼重に
選考
いたしまして、而も今後の
内閣
というものは、大体
國会
で多数を取られた
政党
の
政党
内閣
ということが前提となるのであります。それを
國民
輿論の判断に問うために、更に
両院
の
同意
を得て
任命
するということを以ちまして、十分民主的な
方法
である。こう考えるのであります。又いろいろな点から考えますると、これが
人事官
を選ぶのに一番適当な
方法
であると、かように考えておる次第であります。
人事官
の弾劾について
國会
にその権利を認めないかというお尋ねでございまするが、これは廣く
人事官
に限らず、
國家
公務員
について
國民
に弾劾の権利はあるわけであります。本
法案
につきましては、
國民
或いは
議会
から直接これを弾劾するという
規定
は設けておらないのであります。
憲法
十五條も必らずそういう途を開くという
意味
とは解釋をいたされないのでありまして、
國家
公務員
一般
についてもそうでありまするが、
人事官
の場合につきましても、罷免すべき場合を
國民
の代表者たる
國会
の議決により
法律
で定めまして置けば十分でありまして、個々の罷免ということは
内閣
においてこれを行われるのが適当と、かように考えておる次第であります。 それから第三は
人事
記録のお尋ねでありますが、これはお尋ねの如く
人事院
においては保管はいたさない建前になっております。二十一條の権限の委任、これを他の機関というのは、その事項によっていろいろの場合があると思うのでありますが、
一般
的には結局各
國家
公務員
の所属いたしまする所属廳の長に軽度のものは委任する場合が相当できる。かように考えておるのであります。
太田敏兄
37
○太田敏兄君 第四点の他の機関という……
前田克己
38
○
政府委員
(
前田克己
君) 他の機関というのは、一番多いのは
國家
公務員
の所属する所属廳の長というのが、一番多い場合であると考えます。
太田敏兄
39
○太田敏兄君
只今
の
答弁
に、お
言葉
を返すようでありまするが、
人事官
というものが専門的、技術的又
行政
的の手腕がいるものであるから、
一種
の推薦若しくは
選挙
の
方法
は適切でないという御
答弁
でありますが、併し先にも例に挙げました最高裁判所の判事の職務の如きは、これは決して
一般
的のものじやなくて、極めて専門的であり、技術的であり、
行政
的のものであると思うのでありますが、そうすると今の
政府委員
の御
答弁
によりますと、ああいった極めて専門的、技術的、
行政
的な判事の選任の如きも、
二つ
の推薦若しくは
選挙
の
方法
をとつたということが惡いということになるのでありまして、そういうような専門的、技術的、
行政
的な性質を持つところの判事すらも、そういうふうな推薦若しくは
選挙
の
方法
をと
つて
おりますから、
人事官
だけが、そういう
意味
においてできないということはないと思いますが、これにつきましてどうも前後撞著したような感がありますので、重ねてお尋ねいたします。
前田克己
40
○
政府委員
(
前田克己
君) これは見る人によりまして、いろいろ見方の
相違
があると思うのでありますが、むしろ最高裁判所の判事のごときは
人事官
以上に技術的、専門的な人でありまして、却てこの場合などは
國会
の
同意
というようなことによりましては、適材を得るのは困難じゃないかと思うのであります。推薦機関といたしまして、専門的な人の集りを作る。こういう
方法
によっておるのであります。
人事官
につきましては、勿論先程申上げましたように非常に技術的な仕事をするのでありまするけれども、人数も少数でありまするし、又或
程度
國会
に出してその
批判
を仰ぎ得る余地があると思うのであります。それでこのように
規定
をいたしたものと御了承願いたいと思います。
姫井伊介
41
○姫井伊介君 この
職員
の
採用
は
競争試験
によるといったような原則的なものから考えまして、第三十七條の直近下級の等級、それから
試験
によって昇任するという事項でありますが、これは有能な優秀な者を抜擢するという点から申しますと直近下級といったように限定しないでもいいじゃないか。
試験
を受けて十分な資格を持っておる者ならば、その途を開いて行くのが原則に叶うのじゃないかと、かように考えます。その辺の御
見解
を……。次は四十六條でありますが、受験の資格を
人事院
の規則は定めるということであります。受験の資格を複雑に考えれば限りがないので、或いは法の上に
規定
することの繁雑があるかとも存じますが、二十七條の
規定
の如く平等に一切のものを扱うということをいたしまするならば、從來のように必ずしも学歴なんといったようなものに拘わらないでもいいじゃないか。そうすると大体の
規定
というものが、標準
規定
というものが法の上に出されるのじゃないか。その次に平等の條件で公開されるということがあるといたしまするならば、やはりこの辺の受験資格というものは
法律
の上にはっきりさせる必要がないか。これに関連いたしまして四十七條を見ますると、この公告
方法
につきましては或
程度
小さく書いてあります。これから考えましてもやはりこの資格というものが、少くとも概念的なものであ
つて
も、具体的なその事項が挙げられることが適当ではないかと考えるのであります。その家は四十七條につきましての
試験
科目でありますが、この
試験
科目につきましては、受験者の素質とか、或いは性格、操行といったようなものを、やはり何かの
方法
によりまして鑑別することを考えなければ、單に從來のように
試験
科目によって合格いたしましても、
人間
そのものに大きな欠点があるということによりまして、いろいろの問題を惹起いたすのであります。この辺の
人間
そのものの精神的な價値といったようなものにつきましての何かの御用意がありますか。つまり
採用
につきましてのお考がございますかということをお尋をいたします。最後にこれは
言葉
尻を取るようでありますが、さっき山下
委員
の御
質問
に対しての御
答弁
であったかと思いますが、
職員
を
機械
的に見て行くという
言葉
があったのでありますが、これは往々にして誤解を生じ易いことで、從來労働を商品と見るといったようなことで、いろいろな論議もされて來た時代もあったのであります。殊にこの
法案
におきまするところの服務とか、或いは
能率
とかいったような点から考えましても、やはり人権を尊重する。人というものにつきましても考を及ぼしますならば、
機械
的に見るということは、私はどうかと思うのでありまして、この点はやはり人を人と見るという点から考えて行くべきものじやなかろうかと、私の私見を申し添えまして
質問
を
終り
ます。
前田克己
42
○
政府委員
(
前田克己
君) 先ず三十七條の昇任の場合の
競争試験
でありまするが、これは
法律
の
規定
によりまして、直近下級の等級の官職の在職者における
試験
、これは
職階制
というものが組立てられました暁におきましては、昇進ということも極めて系統的になって参りまして、その資格要件等も嚴重になります。又
一般
の
職員
が
一般
職といたしまして、長い将來官職に勤務する。そういうふうになるのであろうということも考えますると、漸次順を追
つて
上るということが普通の場合においては適当と考えまして、この
規定
を置きました次第であります。ところが勿論、場合によりましては直近下級でありませんでも、ずっと下の方におきましても抜擢をして、その職に就けるに適当な人がある場合が考えられるのであります。で、この場合は三十五條におきまして、官職に欠員を生じた場合においては、
任命
権者は昇任の
方法
でもよし、
採用
の
方法
でこれをと
つて
もよろしい。降任というのはちょっと例外の場合と思いますが、昇任、
採用
、いずれの場合でも差支ない。こういたしておるのであります。この
法律
におきまして
採用
と申しますのは、その前の三十四條に
規定
いたしておりますように、昇任、降任及び轉任以外の
方法
で、官職に
任命
することを申すのでありまして、從來我々の使
つて
おりました
採用
といふ
言葉
の
意味
とは、少しく違うところがあるのであります。即も外部から新たに人を新任する場合、それから
只今
のごとく現在
官廳
におりまするが、同一職種内におきまして、二級も三級も下の人を上げる場合、それから違う職種に属する人をと
つて來
る場合、これらがいづれも
採用
に入って來るのであります。従って
採用
の
方法
におきまして、或いは数等下級の官職にある人、或いは他の全然違つた職種に属しておるけれども、官職に対する十分な資格要件を備えた人をとる。この
方法
があるわけであります。次に四十六條の受験資格についてのお尋ねでございます。これは大体、この受験の資格として考えておりますのは、四十四條でいわれておることであります。ところが四十四條も極く抽象的なことしか書いておらないのでありますが、これで考たられますのは、年齢による制限或いは身体的の條件による制限、場合によりましては、或る
程度
の学歴というようなことが考えられるのであります。ただ今回は、上は局長から下は一傭人に至りまするまで、全部
試験
ということになりましたので、この受験の資格を全部
法律
に書くということも、非常に困難かと思われますので、ここには抽象的な
規定
を置いておる次第であります。それから四十七條の
試験
科目についてのお尋ねでありますが、この
採用
試験
の場合につきまして、純粋な、学問的な
試験
以外に、いわゆる智能檢査に属するようなものは、これを取入れて行きたいと考えておるのであります。その外、その人がいい性格を持っておるかどうか、操行がどうであるかというようなことは、これは
試験
科目と申しますよりは、むしろ
只今
の受験の資格要件の方で何らかそういう点が考え得るのではないかと思うのであります。御
意見
もございましたので、将來この
制度
を具体的に確定いたしまする際には、十分その点を
考慮
したいと考えております。 それから最後に、先程
職員
は如何なる
政党
による
内閣
の下でも、その指示に
從つて
機械
のごとく活動すべきものである。こういうことも申しましたがこれは全く誓えにそういうことを申しましたので。むしろ
職員
と申しますよりも、この
法案
によって作られます
官僚
制度
というものが、
機械
の歯車が噛み合
つて
行く如く、動いて行くべきものである。こういうふうに御了解を願いたいのであります。
職員
自身の個人的な人格の尊重ということは、これは特に尊重いたさなければならんことであります。例えば小さな例でございますが、九十七條で
命令
に從う義務ということを
規定
いたしておりますが、その場合にも、上司の職務上の
命令
だ從うということで、職務以外の私用のごとき
命令
に從う必要はないという積りで、特に職務上という
言葉
を入れたりいたしまして、新
憲法
の下に保障せられる個人の自由或いは権利というものは、私どももおろそかに考えてはおらん積りでございます。
吉川末次郎
43
○
吉川末次郎
君 議事進行について申します。この
法案
の内容は非常に重大でもありまするし、又條文も百余條にも及んでおりまして、複雑であると考えるのでありますが、これは
質問
が大分内容の細かいところにまで及んでおるようでありますが、本日は大体これくらいに終
つて
頂きまして、全体の
審議
は、逐條的に
一つ
や
つて
頂くということの必要があるのじゃないかと考えるのでありますが、
一つ
委員長
においてお考えを願いたいと思います。
小野哲
44
○小野哲君
只今
吉川
さんから御発言がございましたが、もうすでに逐條の質疑應答にも入っておりますので、私は実は昨日は極く短時間しか出席しておりませんので、今日実は篤と質疑をしてお聽きいたしたいように思った次第でございます。併しこういう厖大な
法律案
の逐條
審議
をいたして行きますにつきましては、先程北村さんからもお話がありましたし、これに対して
政府委員
からもお答がございましたが、やはりこの
法律
の内容を、執行上必要な内容を決めます
人事院
規則の要綱でもお出しを願いますれば、
説明
を伺うのに大変好都合ではないか、かように思うのであります。特に本
法案
の附則によりますと、この
法律案
は一時に全部が施行されるのではないので、それぞれ施行の期日も異なっておりますし、又この
法律案
と関連いたしました
國家公務員法
の
規定
が
適用
せられるまでの暫定
法律案
を見ましても、適当の時期までは、
人事院
規則も政令なみに扱うというふうなことにもなっておりますので、先程はその内容について触れる御
説明
を伺うわけに参りませんでしたが、その点につきましても
審議
の便に供するために、規則案の概要でも御
説明
願えれば大変好都合だと存じます。私は本日はさような
意味合
におきまして、
質問
はいたしませんでしたけれども、逐條に入りました際に、又
政府
当局
に対していろいろとお聽きしたい。かように存じております。
下條康麿
45
○
委員長
(
下條康麿
君) ちょっと速記を止めて 〔速記中止〕
下條康麿
46
○
委員長
(
下條康麿
君) 速記を始めて……それでは本日はこれにて散会いたします。尚出席者が定足数に達しましたから、便宜
委員会
として取扱いたいと思っております。 午後四時十五分散会 出席者は左の通り。 決算
委員
委員長
下條 康麿君 理事 太田 敏兄君 西山 龜七君 山下 義信君
委員
吉川末次郎
君 北村 一男君 中川 幸平君 平野善治郎君 小川 友三君 小野 哲君 伊達源一郎君 千田 正君 西田 天香君 労働
委員
委員長
原 虎一君 理事 堀 末治君
委員
天田 勝正君 山田 節男君 荒井 八郎君 平岡 市三君 奥 むめお君 川上 嘉市君 竹下 豐次君 姫井 伊介君 松井 道夫君 中野 重治君 岩間 正男君
國務大臣
國 務 大 臣
齋藤
隆夫君
政府委員
法制局次長 井手 成三君 総理廳
事務
官 (
行政調査部
総 務部長) 前田 克己君