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松村眞一郎君 それから尚私はここに補足して置きますが、先程いろいろ、
矯正総務局、
成人矯正局、
少年矯正局ということで申しましたが、私の
趣旨はこういうことであるということを
司法大臣に御了解願いたい。ただ局を羅列しまして、一人や二人の係官をお置きになる局をお作りになるよりも、一局であ
つても十分充実して貰いたいということが私の
趣旨であるということを申上げたい。ただ看板だけ掲げましても、こんな局は要らんじやないかということで廃止される原因になる。そいう
意味であるということを御了解願いたい。一人くらいの局を置いた
つて仕様がないということで、むしろ廃止される虞れがあるから、看板ばかり廣くするよりも内容を充実して頂きたいというのが私の
意味なんです。そうしないというと、先だ
つてから議論があるのであ
つて、この
法務廳の内容はどこにあるかというと、
行政事務にある。私は
行政事務に重点を置いて、從來の
民事局、
刑事局、
行刑局が中心にな
つてこの
仕事は進んで行かなければならん。即ち
行政各部として充実したものとしなければならんというのが私の要点なんです。ここに、「
最高法務総裁は、
法律問題に関する
政府の
最高顧問として、
内閣並びに
内閣総理大臣及び
各省大臣に対し、意見を述べ、又は勧告する。」とあるのでありますが、これは御承知のごとく、弁護士の
仕事なんです。
大臣は、アトーネイということを言うておりますが、アトーネイということは、弁護士ということなんでありまして、
憲法の英訳を見ても、アトーネイということを書いてあります。それでありますから、弁護士というものは、どこの國でも、プラクテイシヤン、実務者でありますから、これは研究する人ではない。研究をするというのは、いわゆる
法制局で研究するのであ
つて、アトーネイというのは実際問題を取扱う人間であるのですから、それは
仕事の要点ではない。むしろそういうことよりも、
行政事務を充実して頂きたいというのが要点でありますから、徒に局を羅列するよりも、内容を取
つて頂きたい。そうしてこの
行刑の実を挙げて頂きたいというのが私の要点であります。こういう
ようなものを見ますと、世間は誤解して、非常に
厖大なものを作つた
ように考えます。局長ばかりにお取りにな
つても何にもならんということを言うのです。それでありますから、
大蔵大臣に対して、
予算について考えて頂きたいということが、そういうところにな
つて要点を外れたことになる虞れがあるということが、私の非常な心配なんです。それですから、私はむしろこの局の数を減らして、ひよつと見るというと、そう
厖大なものでないということにな
つて、内容を充実したことにせんと、一人や二人の、お話のあつた
ような局では、先程申した
ような、逆の結果になるということを心配するのです。ちよつと見ますと、何というこれは大きな局を作
つたのだろう。お役所を作
つたのだろうとどうしても考えます。一番つまらないのです。そうして得るところは非常に少い。それが私の要点であるということをよく御了承願いたい。
それともう
一つは、デパートメントという字はいけないということを
大臣はいわれたが、アメリカの
司法省なんです、
司法省は何というかというと、デパートメント・オブ・ジヤステイスですから、これを法務省とされてもちつとも差支ない。アメリカがそうです。
最高という字を附ける必要もなければ、法務省とされれば、即ちデパートメント・オブ・ジヤステイスという字を日本語に訳した場合には法務省と訳して一向差支ない。そういう
意味でありますから、これから結論を申しますと、これは法務省と改むべきである、すべての問題はそれで明瞭に解決される、それでさつきの
法制局長官と問答をしました第四章の如き問題は、法務省とや
つて置けば法務省は外局というよりすべての
行政各部になります。非常に観念も明確であるし、省令を出すときは止むを得ませんから法務
総裁という
名前が必要ならば、私の案は法務
総裁國務大臣何某と書けばいいと思います。何ら疑がない。ただ私の遺憾に考えるのは、これは
法制局というものが、非常にこれでは局の
名前が羅列されたのであ
つて、私の先程申しました空のものになるという虞れがあると思う。私が非常に心配するのは、
法制局こそ外局にしたい。從來は
法制局は
内閣の職員ではない。
法制局長官というものは非常な力を持
つておつた。今度
法制局というものは一局、二局と非常に看板ばかり大きくな
つて、その実質は非常に下なものにな
つてしま
つておる。現在
内閣総理大臣に直属しておるのが、今度は法務
総裁の下についてしまう。看板ばかり大きくて内容が充実しなくなるという虞れを持
つておるのでありまして、私の本心からいいますと、
法制局、調査局をやはり
内閣に残して置きたい。そうして
法制局は外局にして、
法制局長官というものを別に置いて、それを充実して行く。これは
内閣全体に亘るすべての役所に
関係する問題です。それで
行刑局、
民事局從來の
刑事局というものは
行政各部に当るものでありますから、それはやはり
大臣を置いて、私が先程質問しておる
政務次官を置かないといけません。
この省には元
政務次官があ
つたのですから、私は省にして、やはり
政務次官を置いて、中を充実して貰いたいというのが要点であります。
法制局と調査局は
内閣に置いて、それをもつと大きくなさい。
法制局長官は昔の
法制局長官にならなければいかん。私はそれを憂うるが故に、ここに質問なり、意見を申しておるのであ
つて、その
意味において修正案を出します。私は法務省としてやりたい。若しこれを練り直されるならば私はそういうふうに改めたい。会期切迫の際で決算
委員長は非常に急いでおられる
ようであるが、こういうものは急ぐ必要はない。もう少し練
つて良いものにしたい。そうして
内閣の
法制局として充実したい。むしろ
法制局総裁を置いていい。そうしてこの方は法務省にして、今申した
ように内を充実して頂きたい。矯正局というものは
一つでいい、中に沢山の人を置いて、そうして
予算をその方で取ればいい、そういうことが私の質問の要点であり意見の要点でありますから、その
趣旨において修正案を出します。それだけ申上げて置きます。