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1947-12-05 第1回国会 参議院 決算・国土連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    付託事件建設院設置法案内閣送付)   —————————————  委員氏名   決算委員    委員長     下條 康麿君    理事            太田 敏兄君            西山 龜七君            山下 義信君            岩崎正三郎君            田中 利勝君            吉川末次郎君            今泉 政喜君            北村 一男君            中川 幸平君            田方  進君            竹中 七郎君            谷口弥三郎君            平野善治郎君            深川タマヱ君            小川 友三君            小野  哲君            駒井 藤平君            鈴川 憲一君            伊達源一郎君            帆足  計君            山崎  恒君            兼岩 傳一君            千田  正君            西田 天香君   國土計画委員    委員長     赤木 正雄君    理事            原口忠次郎君            島津 忠彦君            岩崎正三郎君            島田 千壽君            堀内  到君            石坂 豊一君            小林 英三君            平沼彌太郎君            石川 一衞君            田方  進君            田中 信儀君            安部  定君            大山  安君            高田  寛君            久松 定武君            北條 秀一君            町村 敬貴君            兼岩 傳一君            國井 淳一君   ————————————— 昭和二十二年十二月五日(金曜日)    午前十一時三分   —————————————   本日の会議に付した事件建設院設置法案   —————————————    〔下條康麿委員長席に着く〕
  2. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それでは只今から決算國土連合委員会を開きます。付託されております建設院設置法案につきまして御審議を煩しますが、先ずもつて政府から提案の趣旨を伺いたいと思います。
  3. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 建設院設置法案につきまして御説明申上げます。政府は先に内務省廃止に関する法律案て共に、地方自治委員会公安廳及び建設院設置法案今期國会に提案いたしたのでありましたが、その後予期せざる情勢の変化によりまして、これを撤回するの止むなきに至つたのでございます。爾後内務省廃止に伴います行政機構につきまして更に檢討を加えました結果、改めて内務省及び内務省機構に関する勅令等を廃止する法律案地方財政委員会法案を提出いたしました。これに続きまして、本案、即ち建設院設置法案を提出するの運びに相成つた次第でございます。前案を撤回いたしまして以來、今日までいろいろの経緯がありましたために、心ならずも再提出が遅れましたことは非常に遺憾とするところであり、且、心苦しく存じておる次第でございます。この点は御了承をお願いしたいと存じておるのであります。以下、本件内容につきましてその概略を御説明申上げます。  本件内閣総理大臣の管理の下に新たに建設院を設けまして、その権限として國土計画地方計画及び都市計画に関する事務地理に関する事務土地收用に関する事務、それから河川道路砂防公有水面……港湾内の水面は除きました。それ以外の公有水面及び水流その他土木に関する事務住宅宅地建築國費支弁に属する建物営繕及び土木建築工事請負業に関する事務、これらについては別に法律の定めあるものは除くのでありますが、別に定めのない限りはこの建設院権限といたしておるわけであります。尚以上の権限の外に、國費不当支出を防止するためにする連合國最高司令官要求の係る総ての建設工事技術的の監督及び監視に関する事務を掌ることにいたしております。大体におきまして、現在の制度の下において戰災復興院及び内務省國土局所掌に属しております事務を掌らしめんとするものであります。而して建設院内部機構といたしましては、官房及び総務局水政局地政局都市局建築局及び特別建設局の六つの局を設けまして、おのおのその事務を分掌せしむることにいたしますと共に、尚土木出張所技術研給所というような所要の附属機関を設けることを法定いたしました。尚建設院の長は國務大臣をもつて充てることができるものといたしております。  以上の如くでありまして、本案は先に提出いたしました地方自治委員会公安廳及び建設院設置法案の中の建設院に関する部分と殆ど異なるところはないのでございますが、附けたりといたしまして、前に提出しましたところと相違する点を極く簡單に申し添えて置きたいと存じます。  第一点は、建設院所管事項に関しまして、主として特別調達廳との関係におきまして若干の調整を加えたことであります。即ち前の案におきましては、建設院所掌事項の中に連合國最高司令官要求に係る建造物及び設備営繕等のことを掲げておつたのでありますが、これらのことは主として現在特別調達廳でやつておるところでありまして、今後は調達廳に任せてもよい事柄であると考えられまするので、今回の案ではこの関係事柄につきましては、建設院技術的の監督技術的監督に当るというに止めたのでございます。  それから第二点は、前の案におきまして政令に委任しておりました事柄、即ち建設院内部の部局及びての分掌事務に関する事柄、それから土木出張所等附属機関に関する事柄を今回の案におきましては法律に取入れることにいたしたのであります。かような調整を加えました結果、前の案では僅かに一、二箇條で済んでおりました事柄本案においては十三箇條に上ることになつたわけであります。  以上簡單でございますが、御説明を終ります。何卒よろしく御審議の程をお願いいたします。
  4. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 総理大臣内務大臣は閣議のために午前中はお見えにならんそうで、午後からお見えになるそうでありますから、両大臣に対する御質問は後廻しにしまして、政府委員に対しまして御質疑がありましたらどうぞお願いいたします。
  5. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 第一点を聞き漏らしたのでありますが、結論だけで結構です。理由は要りません。第一の理由ですね、建設院法案の第一の点と第二の点と言われましたが、第一の点の結論を伺いたい。
  6. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 私が先程申し上げました第一点、第二点は、前に提案いたしました案との違いの部分を申上げたのでありますが、その第一点は建設院所管事項関係で、前の案では「連合國最高司令官要求に係る建造物及び設置営繕云々というようなことを掲げておりましたが、これらのことは主として特別調達廳で取扱つておる事柄でありまして、今後特別調達廳に任せてよいという意味で、今度の建設院法案におきましては書き方を変えまして、連合國最高司令官要求に係る営繕事務については、建設院技術的の監視と、技術的監督を行うに止めたということを申上げたのであります。
  7. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 了解しました。
  8. 下條康麿

    委員長下條康麿君) ちよつと法制局長官に伺いたいのですが、衆議院の方になにか修正があつたかのように伺いましたが、どういう点ですか。参考に伺いたいのですが……。
  9. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 衆議院委員会におきましての審議の経過はまだ結論に至つておりません。昨日まで私共の承知しておりましたところでは、大体二つ方面について御議論があつて一つはこれを省にすべきだ、建設院建設省とすべきではないかという御意向、それからもう一つは仮に省にしないにしても、この建設院の長について第十條の條文がありますが、「國務大臣を以てこれに充てることができる」となつておるのを、「國務大臣を以て充てる」というふうにすべきではないかというような二つ事柄についての御議論があるように拜承いたしました。その後の結論は私共まだ承知いたしておりません。
  10. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう一つお尋ねします。この建設院設置法立案責任当局はどこでしようか。何大臣、或いは何廳でしようか。その点お尋ねするのに、はつきり聽いておきたいのですが……。
  11. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これは内務省と、戰災復興院と、それから法制局のこの三者が主として共同して立案に当つております。
  12. 北村一男

    北村一男君 「建設院の長」と書いてありまして、別に総裁とかなにかと書いてありませんが、建設院の長はどういう名前で呼ぶのでありますか。
  13. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これは職員に関する事項といたしまして政令官名を決める積りでおりまするが、恐らくこの格から申しまして、総裁というような官名になるのではないかというふうに考えております。
  14. 北村一男

    北村一男君 ほかに法案には、法務廳法案などには総裁ということを明記してあつて、ここには、ただ長とだけしておくのはどういうわけでありますか。
  15. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 法務廳は例の法案によつて御承知であろうと存じまするが、内閣法にいう主任の大臣として取扱われる組織でありまして、格から申しますというと、各省と同格のものでございますので、法律でその官名を法定いたしたわけであります。これはまあ行政機構といたしましては、外局という扱いになつておりますので、多少はそこに間の扱いが違つているということを申上げます。
  16. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 議事進行の問題ですが、この審議方法は総体的な質問をされますか。それとも私はいろいろな質問があるのですが、各條毎に……進行方法はあちらへ飛んだり、こちらへ飛んだりでもいいのでしようか。
  17. 下條康麿

    委員長下條康麿君) どうぞおよろしいように御自由に……別に総論を先にやつて、各論を後にするということでなくとも……。
  18. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうですか。
  19. 下條康麿

    委員長下條康麿君) ただ総理大臣内務大臣に対する質問だけは、午後にお見えになりますから、その関係だけ……。
  20. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それじやお尋ねします。第二條で六局をこういう名称つまり二條、三條、四條、五條、六條、七條、八條、九條と二條から九條まで一括してどういう方針でそういう六局を、こういう名称でお決めになり、そうしてその運用の方針についてこういう名称、こういう内容にしたのは國民のために建設行政上非常にいいのだ。つまり官廳民主化の線に沿つてできたんだという一つ根拠を御説明願いたい。
  21. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これは精密なところは、他の政府委員からお答えするのが適当であると思いますが、私としてお答えし得るところは、この局の数、おのおのの局の所掌事項の決め方につきましては、先程申上げました関係当局において非常に研究をしまして、これは事柄としてむずかしい問題でありますがために、相当の努力をしてかような結論なつたわけであります。要するに現在まで戰災復興院なり、或いは國土局でやつておりました仕事のやり方の経驗を基礎といたしまして、実際上の運営の能率が一番挙り得るようにという建前から、この局の数を定め、且、局の分掌事項を決めたのであります。
  22. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そういう抽象的な美辞麗句の説明でなく具体的な、逐條的に一條、二條、三條とやつて頂きたいと思います。説明できる政府委員と迭つて下さい。
  23. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 申訳ありません、第三條におきましては……。
  24. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 二條説明して下さい。なぜ六局に分けられたかということを、これは七局でもない、五局でもない、特に六局をお選びになつ根拠、それからその内容二條、三條、四條とその内容二條、三條と関聯しますね。我々はそれが知りたいです。
  25. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) こうじやございませんか。むろん三條からずつと九條まであります。このずつと各項列記してありますことが、結局建設院の全体の仕事を細目に分ければこういうことになる。それでそれらの仕事の組合せを一グループグループと組合せて行きます場合に、どれだけのものを一つの單位として組合わして、一つの局の所掌事項にするがいいという問題になると思います。私の申上げかけておりましたのは三條の関係で一号から六号までございますが、これらのことについては、各省、或いは外のいろいろな外局関係から申しまして、大体官房仕事になつておりますから、官房の問題はどこにも共通の問題として別段の御説明を要しないだろうということを申し上げようと思つてつたのであります。
  26. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 御進行願います。それで結構ですから、具体的に願います。
  27. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) それからこの所管事項の中で國土計画地方計画とございます。これは綜合的の仕事であるわけであります。それから地理調査仕事がございますが、これもどつちかというと、さつき申しました國土計画地方計画に近い仕事であるわけであります。別にどこへ持つて行くというような、外へ持つて行つて然るべき仕事でないというわけであります。それから資材関係機械器具関係資金関係労務関係というようなことは、これは建設事業一般に亘る仕事であると考えられまして、それから所管行政に関する統計調査一般及び綜合調整、これも総括的の問題である。で今まで私の申しました事柄は、これはどうも一括して、何と申しますか、綜合調整的の機能に属するのでありますから、一纏めにしてよろしいであろう。そこで総務局というものを作りまして、それらの仕事をやらせるということになつたわけであります。ところが総会関係仕事ちよつと類の違うところがあります。例えば東北興業株式会社の業務の監督というような仕事は、ちよつと今申しましたものとは角度が違うと思います。それから都会地轉入抑制法の施行というようなものも、類が実は違うのでありますが、その仕事を他の例えば局、我々の予想しております他の局に持つて行くのに、これ又馴染みませんので、先程申しました総括的の仕事を一括して、これを総務局というようなところにやらしたらよろしかろうというような考え方で、先ず総務局の考が出ているわけであります。あとの仕事は大きくこれを眺めますというと、建設院の全体の仕事を眺めた上での結論は、大体河川でありますとか、水面、それから運河というふうに、水に関係する仕事というものが一グループどうしても考えられる。それを一つグループと考える。それから道路関係軌道関係自動車道路関係とか、土地使用收用関係でございますとか、宅地の問題、それから戰災地等災害地においての土地物件の問題というように、土地に即應しての比較的の、道路中心とすることになりましようが、土地中心としての仕事というグループはつきり浮び上つて來るのであります。それらをどうしても一グループと考えるのが適当であるということで、一グループにこれをしました。先程申した水の関係が、ここでは水政局として一纏めになる、後に申しましたものが地政局として一纏めになつたのであります。それからあと残ります仕事といたしましては、都市計画仕事都市計画事業に関する仕事、水道、下水道の工事という関係仕事がございます。これは仕事の性質といたしましては、多年古い内務省時代から一つの分野をこれは劃しておる仕事でありまして、都市計画関係というものは、一つ仕事として渾然たる関係をなした仕事と見たらよろしいという意味で、これは総括せしむるために都市局というものを設けたわけであります。あと残りまするのは、建設関係住宅関係、これは常識から申しましても一括して考えるべきであり、又今日の時代においては集中してこの方に努力を注がるべき事柄であります。これを二つ纏めて一局を設け、これを建築局といたしたのであります。残りの、これはむしろ今まで申しましたような一般行政仕事とは性格の変つたものとして残りますのが、例の國費支弁に属する建前営繕関係仕事、これはむしろ現業的の仕事になるわけであります。その現業的の仕事はやはりその特殊性から切り離して別の部局にやらせる必要がある。現在もさように扱つておりますし、かたがた特別建設局というものを設けまして、それをやらす。それに更に附加えまして連合國最高司令官要求に係る建設工事設備工事技術上の監督監視というような仕事をここに兼ねて掌らしめることが適当でありますから。それらを併せて一局を設けたというようなことになつたわけであります。大変下手な説明でありましたけれども、一應さようなことでこういうふうにいたした次第であります。
  28. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それじや今順に二つ三つの点をお尋ねして行きます。第四條の総務局というものですね。この総務局というものがここにどかんと、つまり從來官僚主義の惡さ、法科万能主義の惡さというものが総務局という形で現われて從來行なわれておるが、ここが窓口行政になつて、総てをここで括めて、全体を動脈硬化のような形に陷らせる。これが局の上の局という格好になる。多年何万の第一線の人たち研究からそういう結論に到達しておる。だから、当然内務省の、官廳民主化地方自治への権力委譲という新憲法の精神からいえば、戰爭時代に最も威力を揮つた総務局総務局総務課総務廳という、こういう考え方を止めて、他の道路河川戰災復興等々の局と並んで、この局が自分自身一つ役割を勤める。それはどういう役割を勤めるかというと、第一には國土計画地方計画を一貫して、つまりセクシヨナリズムを打破つて、日本にふさわしい、机上の空論でない。板についた計画を立てる。そういう調査企画という任務が先ずここでこそ行なわれなければならん。從つて地理に関する調査資材の問題、資金の問題、所管行政に関する問題云々と、これらは結局局であつて、外の局の一枚上に立つておるのが総務局という機構で、この格好が、私共の考によれば、從來官僚行政の、官僚的行政官廳の惡さがここに出ておるように考えておるので、それを一段下つて、対等の形において、企画局、或いは調査局企画局という形で、眞面目な役割を勤めて欲しいので、ここに抽象的な議論しかできないような人がどかんと坐られては困る。ここにこの練達の局長がおり練達の課長がおつて総合計画……。戰災都市の復興にしろ、或いは大水害の後始末にしろ、今後の計画はここでこそ一貫した計画が立てられなければならんと私は考えておるのですが、それに対してこの総務局という形、これで行く方がよいという事情を一つ説明願いたい。
  29. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 國土計画と言い、地方計画と言い、これは総ての國土開発利用につきましての根本計画を決めることになるんであろうと思いますが、その意味におきましては、一種のこれは企画局と申しますか、そういう仕事を持つておるわけであります。それ以外は、資材関係機械器具関係資金関係労務関係、これはいわゆる先程の言葉によれば、むしろ連絡局と申しますか、連絡調整局と申しますか、そういう意味に近い機能であろうと思われます。かようなことを一局で綜合させることは、この建設院の目的を達成する上において一番適切であろうという意味作つたのでありますが、名前総務局と申しますか、企画局と申しますか、これは符牒でありますけれども、実体はさようなことでありまして、別に総務局一段外の局の上であるとか、或いは下であるとかいうようなことはないのであります。事務の分配上かようなことになつて、結局企画局的の機能総合調整的の機能、これを合せたものという趣旨であります。
  30. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 総合調整という考こそが、從來官僚主義官廳組織だと私は考えておりますので、今の質問をしたんだが、これ以上は他の同僚委員の方々の御判断に任せるとして、次に五條についてお尋ねしたい。水政局の問題でお尋ねしたいが、私共は水の問題、治水と用水という問題は開拓の問題、つまり農業水利という問題を離れた水利という問題は、或いは電力開発電力の維持というような点から離れた水の行政というものは、成り立たない。從つて我々は建設省としてどうしてもこの河川に関しては、農林省にある砂防仕事も、商工省に今存在しておる電力のものも皆持つて來て、そうして鉄道省におきます港湾なども皆持つて來て、そうして一貫した水の政というので水政局というものを主張して來たけれども、現在の國土局戰災復興院だけを寄せたもので、水政局などと名乘ることは甚だ僭越というか、おこがましい羊頭狗肉と考えておりますが、そうでない理由一つ説明を願いたいのであります。
  31. 岩沢忠恭

    政府委員岩沢忠恭君) 只今兼岩さんからのお説の通りでありまして、この局名内容とが相当範囲が狹いということは我々も認めておるのでありますが、実はこの戰災復興院國土局との合併によつて建設院設置でありまして、結局今院と局との現在持つておるところの所管事項についての分類でありますために、内容從來國土局河川課で管掌しておつたものだけをここに羅列しておるので、いわばこれを端的に申しますと、我々又一般大衆はこういう水政局というものよりも、本当に実体を現わす治水局とか、或いは又河川局といつた方がよろしいと考えておるのでありますけれども、いろいろ戰災復興院或いは法制局との折衝の結果、先ず將來における拡張というようなものに多少の含みがあるやに聞いておるのでありますが、遂にこの水政局という名に落着いた次第であります。
  32. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 國土局では、河川局或いは治水局というのがいいのだというふうに、技術方面、実際方面で考えられたのが、そういうふうに変更されたが、私は名称というものはそうそれほど重要でない。併し官廳はお役所のためにあるのではなくて、國民のためにあるのだから、國民にわかり易いような名前で、内容を成るべく端的に現わしておる方がいいと考えて、今の質問をいたしましたが、これをの御判断につきましては同僚各位の御判断に任せるとして次の六條についてお尋ねしたいのですが、六條の地政局は、実は私は水政局と同樣に地政局という問題を主張して、從來綜合的な地政局でなければいかんのだ。だから地政局というものの中には道路から、軌道から、自動車道路から、河川の関しない土木事業に関する開拓の問題を含めて地政局ということを主張しておりましたが、今回の二つだけの暫定的なものでは、私は実体道路局であるというふうに考えておりますのに、名前だけが地政局と大きく出て参る理由一つ、それから第二に、五と六で宅地に関する事項と、戰災地その他の災害地における土地物件の処理に関する事項というふうにあつて、これは地政局の名に捉われたやに誤解されるのですが、私はそんなふうな氣がしますが、第七條都市局、第七條の点と関聯いたしますので、六條、七條両方質問しますが、七條都市局というものを置いて、法制局長官説明によれば、渾然たる都市計画立案し且、実行すべき都市局が第七條都市局であると言われておるが、その大切な、この破滅した戰災都市を復興しなければならない都市局根本的任務は、住宅問題と、住宅の敷地の問題、建物土地の問題だと私は考えますが、その都市局仕事たるべきものの中から地政局の方へ五と六の宅地と戰災利をわざわざ引拔いて二つの局にわざと分けるようにしたということですが、それはこの、都市局については私は致命的な打撃を與えておるので苟も國民が本当に惱んでおるのは、建物惱むと同時に、宅地の問題で惱んでおる。その土地の問題だけを都市局から離して骨拔きにしてしまつた。この都市局というものがどのようなものか。私は都市計画事業に十数年参画して來た者として、宅地の問題、即ち区劃整理の問題こそが都市局中心的な任務の問題と考えております。そういたしますと、先程総務局長官から説明ありました綜合調整が必要になつて來る。わざわざ一緒に二つはつきりと、この土地と都市復興の問題を都市局へ譲ればいいものを、綜合調整のために総務局の一部が入るというふうにしたこの理由如何、この二点をお伺いいたします。
  33. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) お答えいたしますが、宅地及び戰災地土地関係地政局に入れましたのは、ひとり戰災地のみならず、宅地行政をどういうふうに今後やつて行くかという大きな目標がありまして、現にいろいろなデーターを各地方から集めておりますが、只今までやつております宅地行政というものは殆ど零細なものでありますが、今後はこれが非常に大きく持ち上つて來ると思います。それでこの地政局の中に特に宅地に関する問題を入れたのであります。例えばイギリスで今やろうとしております全國の宅地管理、國家管理というようなこともありますので、そういう面から研究を進めておりますので、これを第七條に入れることは余りに大き過ぎると思いまして、第六條の地政局に入れたわけであります。
  34. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 お尋ねします。宅地に関する事項を六條の方へお入れになると、区劃整理の所管は都市局になりますか、地政局になりますか。
  35. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) 区劃整理の問題は、第七條都市局の方に入ります。
  36. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 都京局に入りますか。そうすると、宅地に関する事項戰災地災害地における土地と紹件の問題を、区劃整理都市局へ讓つてその他の土地の問題を、苟も戰災地の問題は結局各種の問題に関係しますが、それは地政局に持つて行つて区劃整理都市局へ持つて行くのですが、そういうふうに理解してよろしいですか。
  37. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) この問題は今資料を持つておりませんが、区劃整理だけは都市局の方に入れるように考えておりましたが、尚これは詳しく調べてお答えいたします。
  38. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あとで結構です。それで私が今質問した六條、七條に関しては、私は遠からん將來において綜合的な建設省のときにできるように、堂々たる名前でやつて、今は実体道路局でないから、從つて区劃整理は後日返答を頂きますが、私の解釈によれば、宅地に関する事項と謳つた以上は、区劃整理都市局の方に帰してしまうというような分裂は、この戰災復興という重要な問題が二つの局に分裂するという恰好になり、先程大きい小さいということを言われましたが、大きければ人を余計に入れる。大きいから、小さいからという関係で物を判断するという方法論は一つの立場を持つておりますが、これは能率本位から行けばどうかと思いますので、質問をいたしたわけでありますが、これも同僚委員の御監察に任せることにして、八條、九條、十條につきましては総理大臣質問したいと思いますから、一つ最後にこの條文にありませんけれども、もう一つ質問をお許し願いたいと思います。それはこの建設院というものが本当に從來の役人のものでなくして、國民のためになるという事実がどこに現われておるかということを私一條から十三條まで読み返して見ても、一つもその点が具体的に出て人民のための、國民のための、市民のための、水害に悩み、住宅難に悩む人たちのための、その衝に当るべき建設院であるというのが、どこを読んで見ましても出ておらんので、非常に遺憾に考えます。それは第十條に尤も端的に出ておりますが、これは総理大臣に伺いたいと思いますが、これの運営、建設行政の運用を民主的にやるという條項がどこに出ておるか、一つお示し願いたい。私自身一つの提案を持つておりますが、提案する前に、これが市民の、戰災地の市民、或いは引揚げて來た市民、その他或いは破壞した提防に悩む農民、そういう人たちの氣持がどこに現われて來て、この役所が運営されるという國民官廳だという一点がどこに出ておるか、一つこの立案者に御説明願いたい。
  39. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) どこに出ておるかという御質問は、ちよつと私も戸惑いいたしますが、すべて官廳は要するに國民の福利その他を増進するためにできておるのでありまして、何條にこういう大きな目的で建設院ができるのだということを、ここに書いてないというお叱りでございますが、少し具体的にお話し願えませんでしようか。
  40. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 承知しました。私はこういう氣持であり、かねがね二年間に亘つて、我々は自分たちの意見を全國的に技術者の組織を通して反映したけれども、一つも現われていなかつたというその一点は、建設は今申しましたように戰災都市の復興と治山、治水、河の問題が重点で、これは國民の生活に非常に深い関係があつて、國営事業であるという理由の下に、ただ頭からお役所がやるのだというお役所主義で、人民の利益、國民の利益を考えるよりお役所の都合が好いように運営されてきたということが重大な欠点であろうと、私も永い間官廳技術者として自己批判して考えるのですが、これをどういうふうにして修正するかということにつきましては、非常に簡單で、実際的の、例えば家がなくて苦しんでおるのは、やはり引揚も、戰災者、その次には小さな六疊間で六人、十人住んでおるという労働者、勤労者、そういうような團体の代表者、それから提防が壞れて一番困るのは農民であります。だから農民の團体、農民の組合、そういう者がいろいろ直接、この建設事業によつて生死の苦しみをしておりますいろいろな團体、市民の團体、技術者の團体、文化團体などの團体の代表者というので以て一つ審議機関、民主的な機関、例えば私共のたびたび今まで提案し、運動して來て見ました案としては、建設審議会、そういうような形で、この官廳の事業方針、復興方針などで実際人民、國民の側からの意見とをよく相談して方法を決めるというために、私は少くとも建設審議会とか何らかそういつた民主的なものがこれに盛られて來るであろうということを、非常な期待を持つておりましたところが、それが出てないということの実は不満を説明するために質問したのです。若しもそれが法には出ないが、実際はそういうふうにやつて行くつもりなのかどうなのか。つまり國民の衝に当る者の意向をどうして汲み取つて行政に移して行かれるかという一点をお尋ねしたいと思います。
  41. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) お答えいたします。兼岩委員のお説御尤もでありまして、元々この復興院官制にも、内務省にもあつたと思いますが、國土審議会というようなものがありまして、それで以てお話のような國民のすべての関係のある方面からの声を聞き、適当なる行政を行いまするようになつてつたのでありまするが、これは今回安定本部の方にそれが移されましたために、ここにはないわけであります。そういうように御承知置き願いたいと思います。
  42. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ないし、且つやる意思もないというふうに御返答を聽いてよろしうございますか。
  43. 阿部美樹志

    政府委員(阿部美樹志君) それは大変見当違いでありまして、私共はこれはここにそういうような審議会というような官制がありませんでも、あらゆる方面からその声を聞き、又安定本部と協議をいたしまして、治山、治水、戰災者その他に対する住宅問題等をも十分に民意を入れてやつて行く考えであります。この点においては兼岩君にも劣らない熱意を持つております。
  44. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私の質問趣旨はそういう熱意をお持ちになるならば、將來お役所で適当にやつてやるぞという立場でなしに、きちんとこの文のどこかにお現わしになつて、その誠意をお示し願いたいという氣持を持つて質問したのでありますが、これも賢明なる同僚各委員の方のの御判断に任せまして、大体私の一應の細かな質問を終ることにいたします。どうも失礼いたしました。
  45. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 私はこの第一條の、國土計画地方計画及び都市計画に関するということがございますが、我々國土計画というものは、これは地方計画都市計画皆引括めて、もつと大きな意義を持つものだと我々常識で考えておつたのでありますが、政府当局者は、この國土計画というものに対してどういう認識を持つておられるかということをお聽きしたいと思います。
  46. 岩沢忠恭

    政府委員岩沢忠恭君) 國土計画に関しましては、從來から、戰爭中において企画院がありました時代において、初めて日本の國土計画をどうするかということが詮議、考究せられたのでありますが、その当時においては御存じの通りの廣域國土計画と申しますか、要するに南洋とか、或いは又大陸というようなものもその対象にした國土計画の線が進められて、一應具体的に纏つたように聞いておつたのでありますが、敗戰の今日におきましては、そういつたことは全然計画の中に織り込むということは不可能なため、現在における日本の狹小な國土で、而も八千万人になんなんとするこの入口を、どう配分するかということにつきまして、國土局におきましては終戰直後、すぐそういう線に沿うてどう國土計画を立てたらいいかというので、一應の素案は昨年一部発表はいたしましたけれども、まだ完璧にはなつておりません、その途中におきまして、安本ができたために、その事業というものは一應は今安本に移つておりますけれども、併しながら建設院ができましたならば、やはりこの國土計画の根本方針を決めなければならないということには考えております。併しながらこの國土計画根本計画は、今申上げた通りに非常に制約された現在においては、相当に苦しいのでありますが、苦しいが故にますますこれを研究して、もつと日本の再建に寄與するということに、その考は当然持つて行かなければならないと考えております。然らば國土計画はどういうようなことをするかという大体の内容は、我々今想定して、おるのは、勿論ただ單にこの建設事業を配分するとかいうのでは、國土計画そのものは意義をなさないので、少くとも人口の適正配分とか、或いは農地の、適当な農地、或いは又山林、又は工業地域の制定とか、工業の分布、或いは又経済方面に亘つての貿易その他の点も全部織り込んで、綜合的な計画を立てて初めて國土計画の本当のものができ上るので、この國土計画ができ上つてから初めて我々は携る建設事業がその線に沿うて進んで、初めて無駄のない総ての國費を使つて、而も有効に行くべきものと考えておりますけれでも、現在においては非常にその確定までは國土計画ができていないということだけは甚だ遺憾と存じまております。
  47. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 その点ちよつと、そういうふうに今局長のおついやるように、現在の事情はそこまで行つていないのだ、行つていないからこそ、我々今後行かさなければいかん。國土計画をきちんと立てるために建設院も必要となつて來る。だから我々とすれば國土建設院というようなもつと大きな枠に嵌めて、或いは國土建設省でもよろしいのでございますが、そういう枠に嵌めてこういう計画を立てたらよいと思つたのでありますが、そういう案はこの法案を立てるときには論議の焦点に出なかつたのでありますか。唯單に内務省國土局と復興院の仕事を集めればよいというだけでやつたので、もう少し踏み込んだ、今局長のお話のようなことは少しも論議に出なかつたのでありますか。
  48. 岩沢忠恭

    政府委員岩沢忠恭君) この考は相当大きいので、私から御答弁するのはどうかと考えますけれども、私個人の意見をこの席で述べることをお許し下されば、その当時におきましては、我々その衝に当つておる者といたしましては、少くとも今後の日本の再建建の捷径、又再建の基盤である建設行政は、少くとも今お話のように一省を設立して、そうして國土計画を根本的に一日も早く樹立して、その線に沿うて日本再建を計るというような意見を持つてつたのでありますが、内務省解体に伴うて國土局と戰災害興院とを合体するという意味においての建設院というようなものができたような次第であります。
  49. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 法制局関係の方はおられますか。
  50. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 今ちよつと衆議院の方に参られましたが、後で参ります……。それでは午前の審議はこの程度に止めまして、午後一時から続けて頂きます。    午前十一時五十五分休憩    —————・—————    午後一時五十七分開会
  51. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 午前中に引続き連合委員会を開きます。速記を止めて下さい。    午後一時五十八分速分機止    —————・—————    午後三時四十二分速記開始
  52. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 速記を始めて下さい。ではこれにて散会いたします。    午後三時四十三分散会  出席者は左の通り。    決算委員長   下條 康麿君    理事            西山 龜七君            山下 義信君    委員            岩崎正三郎君            北村 一男君            中川 幸平君            竹中 七郎君            谷口弥三郎君            平野善治郎君            深川タマヱ君            小野  哲君            鈴木 憲一君            帆足  計君            山崎  恒君            兼岩 傳一君            千田  正君            伊達源一郎君    國土委員長   赤木 正雄君    理事            原口忠次郎君            島津 忠彦君    委員            島田 千壽君            堀内  到君            平沼彌太郎君            石川 一衞君            田中 信儀君            安部  定君            大山  安君            高田  寛君            久松 定武君            北條 秀一君   國務大臣   内 務 大 臣 木村小左衞門君   政府委員    法制局長官   佐藤 達夫君    戰災復興院総裁 阿部美樹志君    内務事務官    (國土局長)  岩沢 忠恭君