○説明員(長屋千棟君) お手許に配りました
海難審判法施行規則要綱案抄を朗読いたしまして御質問に
お答えしたいと思います。
一、(1)
審判期日は、
理事官の
審判開始申立のあつた日より十四日以上経過した後でなければ、これを開くことを得ない。
これは現行法にはこういう
規定はございませんで、
理事官が
審判開始申立をいたしますと、
審判所はその
審判所の事務上の都合その他で、すぐできるものは、こういう緩和
期日を置きませんで直ぐ開延してもよいということにいたしておりますが、先程來の
受審人なり、重大な
関係のある者が出延できないことがあると、審理が十分にできませんので、飽くまでそれを出延できるようにするために、こういう日にち、十四日以上経過しなければならん、この十四日の間に準備をさせる、必ずできるようにさせるという考えから、この條項を新らたに設けた次第でございます。それから大きな二、に移りまして、その
(1)第二審の
請求は、
裁決言渡しの日から七日以内に原
地方海難審判所に書面を以て
申立なければならない。
これは
受審人なり、或いは重大な
関係のある者が
言渡しの日に出延しておりますれば、不服の場合に
手続がすぐできますので、つまりその
裁決を受けた原
地方海難審判所に書面で出せばいいのだ、こういうふうに決めたわけでございます。それで、それのもつと緩和
方法といたしまして、
(2)原
地方海難審判所は直ちに該
申立書及一件書類を
高等海難審判所に送付しなければならない。
(3)第一項の
申立は、電報を以てこれをすることができる。
これは
受審人若しくは重大なる
関係のある者が
言渡しを受けましても、その
内容その他についていろいろ考え、又は
自分の相談する相手にいろいろ相談をして見るというような場合で、直ぐその
言渡しを受けた場所で、不服の
申立ができないような場合、場所が離れておつたような場合、七日で足りないというようなことが起るといけませんから、場所が離れておつた場合には、電報でその第二審の
請求の
申立をしてもいいのだ、こういう工合に時日が遅れることを
救済する
意味で、こういう條項を設けたいと思います。
(4)第一項の
申立は、
審判に於ては、口頭を以てこれをするこてができる。此の場合には、書記は、その旨を調書に記載しなければならない。
第二審の
請求をいたしますのに、早い
方法といたしましては、
裁決を受けました原
地方海難審判所内の
審判廷において、いや私はそれは不服であります、第二審の
請求をいたしますと言えばいい、むずかしい書類を拵えて、その場で出さなくても第二審の
請求は成立つという
規定を設ける次第でございます。
(5)第二審の
請求をした者は、
裁決言渡しの日から三十日以内は、第二審の
請求理由書を差出さなければならない。
これはどういうところが不服だ、どういう理由で
自分は第二審の
請求をするのかということをはつきりさせるために、これは刑訴、民訴あたりでも同樣でございまして必ず理由書を出すことにな
つておりますが、その理由書は七日以内に出せということは無理であります。いろいろとその文案なり
手続なりをよく考えまして、書いて出さなければなりませんから、これは三十日の余裕を置いて三十日以内に出せればいいのだ、こういうことにいたした次第でございます。
(6)第二審の
請求理由書を提出しないときは、第二審の
申立は、その効力を失う。
これは、私は第二審の
請求をいたしますと口頭で
申立をいたしましたり、或いは電報を寄越して置いて、或いは書類で第二審の
請求をして置きながら、そのままいつまでもずるずるべつたりに放
つて置かれたのでは事務上因りますので、三日以内に
申立の理由書を出さないと第二審の
請求は効力はなくなるということに決めた次第でございます。
大体この第二審の
請求に関しましての
施行規則の
内容は以上でございます。