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政府委員(
佐藤達夫君)
只今の御
質疑の中には若干の要点、恐らく二つぐらいの要点があるのじやないかという氣持があるのであります。御推測申上げて恐縮でありますが、
一つはこれを分析して
考えますと、
一つは
政令の委任の問題と、それからもう
一つは、この
政令の委任というのは、
財政法三條の
趣旨を忠実に
考えれば無
意味ではないかという、恐らくその二つだろうと思います。
先ず形式の方から先に申上げまするが、緊急止むを得ざる場合における
政令の委任というものは、
只今も
お話に出ましたように、七日というような最低限も切
つてございますし、その枠の中での処置でありますから、委任の問題としては、丁度今期
國会に御
審議を仰いでおります
法律案の附則で、
法律成立の日から何日以内に
政令で
施行期日を決めるというのと同じだろうと思います。でありますから、
形式論からいいますれば、その点の
説明は当然御了解願えると思うのであります。
むずかしいのはむしろ第二点の無
意味じやないか。どうせ
國会の
議決で決まるということに仮になるならば、
國会で判断すればよいのじやないかという恐らく御疑問じやないかと思うのであります。そこで私先程から申しました、又前の
政府委員も申しましたように、とにかく
政府としては
財政法三條を一日も早く
施行するということと、それと合せて、少なくとも個々の手段によ
つてでもこの三條の
趣旨が一日も早く実現できるように、その両方に亙
つて今本当に必死の
努力をしております。
從つて財政法第三條の精神というものは、近い機会にこれは何とかの形で実現するものと思うのであります。
それは別といたしまして、冷やかな
法律論になるかも知れませんが、今のあとの御疑問の点について申上げますというと、この
運賃なら
運賃というものが決まります場合に、
運賃の実体が決まります場合を沢山
考えたのでありますが、これは四つの場合があるのじやないかと思うのであります。一番の原則的の場合は、
財政法に書いてあるように、
法律そのものできつちり
運賃の額が決まる。それから
財政法に「
國会の
議決」という言葉がありますが、
議決の形で
運賃がきつちり決まる場合、それが第二の形、それから第三の形は、
財政法の三條には
法律又は
國会の
議決に基かなければならない、「基く」という言葉が使
つてあります。憲法八條にも「基く」という言葉を使
つてありますが、その
趣旨と同樣な
趣旨と
考えております。從いまして
法律なり或いは
國会の
議決というもので一定の
條件、一定の枠というようなものを決められまして、その枠なり
條件の範囲内においては、或る程度の機動性を認めてやろうという認め方が、この「基く」という言葉の中に入
つておると思うのであります。第三の問題としては、そういう形によ
つて運賃が決まる場合がある。それから第四は、無理に
考えついたのでありますが、今日の非常
事態において、我々としては予測できない。まあそういうことは望ましくないのでありますけれども、最高司令官の命令に基く場合が、これが受身の側としては一應は理論上
考えなければならんと思う。この四つの場合があるわけであります。
その一と二の場合におきましては、
只今丁度おつしやいますように、或いはその際
國会の御
審議を煩わす機会もあるのでありますから、その際の問題として取上げてよいのじやないかという疑問がむしろ濃厚であるでありましよう。後の二の場合は、そういう問題は
ちよつと別問題になると思うのであります。その前の二点の問題でありまするが、この場合におきましては、要するにこの
法律といたしましては、恆久法として、とにかくこういう
價格なり
運賃なりというものを決める、そうして決めたらとにかくこれだけの收納をしなければならんということの、何といいますか、大方針を
法律ではつきりして置きたい。これは恆久法、
一般法として、
鉄道運賃に関する限り、かようにいたして置きたいという、形から出ておるのであります。從いましてあらゆる面に應じての、一應
法律としての形式と申しますか、それは備えて置かなければならない。或る場面においては無駄になる場面が一部あるかも知れませんが、
法律の形としてはあらゆる場面に應じて、適用されるような形を作
つて置くのが、我々起案する者としては一應理想と
考えておるところであります。さようなところから、まあこういう形にな
つております。
大変御
説明の申上げ方が下手で、御了解に
なつたかどうか存じませんけれども、大体そういうふうに
考えておるわけでございます。