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1947-09-27 第1回国会 参議院 運輸及び交通委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    付託事件磐越東線三春、船引両駅間の要田村  に停車場を設置することに關する請  願(第二号) ○鉄道運賃値上げ反対に関する請願  (第三号) ○長岡鉄道國営に移管することに関  する請願(第四号) ○海運経営方式並びに船員管理に関す  る陳情(第十五号) ○鉄道運賃値上げ反対に関する請願  (第十号) ○高崎熊谷間に電化工事実施する  ことに関する陳情(第四十五号) ○鉄道運賃値上げ反対に関する陳情  (第四十七号) ○磐越東線神俣、大越両駅間の瀧根町  菅谷に停車場を設置することに関す  る請願(第十三号) ○熊本縣人吉市を基点とする三路線に  省営自動車運輸開始に関する請願  (第十五号) ○日本通運株式会社営業権並びに設  備を旧関係業者へ還元することに関  する陳情(第八十五号) ○海運経営方式並びに船員管理に関す  る陳情(第九十六号) ○東北本線宇都宮大宮間日光線宇都  宮、日光間及び両毛線小山高崎間  の電化実現に関する陳情(第九十九  号) ○高崎熊谷間に電化工事実施する  ことに関する請願(第三十六号) ○海上輸送力緊急増強に関する陳情  (第百二十三号) ○海難審判法案内閣提出、衆議院送  付) ○鉄道営業法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○木原線鉄道残工事速成に関する請  願(第五十六号) ○旧鶴見臨港鉄道外鉄道線拂下に関  する請願(第六十号) ○中央線高藏寺名古屋鉄道小牧両駅  間に國営自動車運輸を開始するこ  とに関する請願(第六十二号) ○山形縣最上郡内に國営貨物自動車の  運輸を開始することに関する請願  (第六十四号) ○柳井駅より三路線に、及び田布施駅  より二路線國営自動車運輸を開  始することに関する請願(第七十六  号) ○常磐線松戸我孫子駅間電化工事  実施に関する請願(第七十八号) ○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の  運輸を開始することに関する陳情  (第百五十六号) ○日本國沿岸に置き去られた船舶の措  置に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○学生鉄道運賃是正に関する請願  (第九十号) ○東北本線二本松、本宮両駅間の杉田  村に停車場を設置することに関する  請願(第九十二号) ○博多、壱岐及び對馬間の國営航路実  現促進に関する請願(第九十三号) ○宇部東線電車運轉を山口市宮野地区  迄延長することに関する請願(第九  十四号) ○矢島鉄道株式会社の救済に関する請  願(第九十七号) ○常磐線松戸水戸間電化促進に関す  る請願(第九十九号) ○信越線高崎横川間電化工事実施  することに関する陳情(第二百一  号) ○道路運送法案内閣送付) ○旧小倉鉄道線拂下げに関する請願  (第百三号) ○信越線柏崎附近鵜川鉄橋の徑間拡  張工事施行に関する請願(第百七  号) ○五條駅、新宮市間の鉄道速成に関す  る請願(第百八号) ○学生鉄道運賃是正に関する請願  (第百九号) ○東海道線沼津、濱松両駅間の電化速  成に関する請願(第百十二号) ○九州、四國間の省営連絡に関する請  願(第百十三号) ○愛媛縣東宇和郡宇和町、八幡濱市間  に國営自動車運輸を開始すること  に関する請願(第百十四号) ○山陰線電化並びに廣島、松江両市  間直通列車運轉に関する請願(第百  十九号) ○中央氣象台牛深出張所設置に関する  請願(第百二十七号) ○九州、四國間省営連絡に関する請願  (第百三十七号) ○常磐線松戸、平両駅間電化促進に関  する請願(第百四十二号) ○中央氣象台牛深出張所設置に関する  請願(第百四十四号) ○旧播丹鉄道線拂下げに関する請願  (第百六十一号) ○常磐線松戸我孫子駅間電化工事  実施に関する請願(第百六十四号) ○高知縣香美郡山田、大栃間國営自動  車を岡ノ内まで延長並びに二自動車  道路開設に関する請願(第六十六  号) ○四國循還線全通促進並びに九、四  連絡省営航路運航に関する請願(第  百七十号) ○豐川鉄道及び鳳來寺鉄道拂下げに関  する請願(第百七十一号) ○肥薩線電化工事に関する請願(第百  七十三号) ○札沼線中の撤收区間復元に関する請  願(第百八十四号) ○四國循還線全通促進並びに九、四  連絡省営航路運航に関する請願(第  百八十六号) ○常磐線松戸我孫子駅間電化促進  に関する請願(第百八十八号) ○膽振國冨内、十勝清水間鉄道敷設促  進に関する請願(第百八十九号) ○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の  運輸を開始することに関する陳情  (第二百七十四号) ○福島縣安達二本松浪江両町間に  國営自動車運輸を開始することに  関する請願(第百九十四号) ○四國循還線全通促進並びに九・四  連絡省営航路運航に関する請願(第  百九十五号) ○旧南海鉄道山手線拂下げに関する請  願(第二百三号) ○大牟田駅復興に関する請願(第二百  六号) ○四國循還線全通促進並びに九・四  連絡省営航路運航に関する請願  (第二百十二号) ○後藤寺、糸田両鉄道線拂下げに関す  る請願(第二百十五号) ○四國循還線全通促進並びに九・四  連絡省営航路運航に関する請願  (第二百十七号) ○西彼杵半島の陸海運交通の整備に関  する請願(第二百二十二号) ○民営事業と競合する國営バス開設反  対に関する陳情(第三百二十号)   ————————————— 昭和二十二年九月二十七日(土曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件   —————————————日本國沿岸に置き去られた船舶の措  置に関する法律案   —————————————
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより会議を開きます。船舶運営会処置に対して運輸大臣より発言がございます。速記を止めて下さい。    午前十時三十分速記中止   —————————————    午前十一時零分速記開始
  3. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは速記を始めて。只今大臣の御発言に対して大体御了承を得たものとみなします。  次に引揚船の問題に対して質疑を継続いたします。
  4. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 日本國沿岸に置き去られた船舶措置に関する法律案は、前回の御説明を伺いまして、大体了承をしたのであります。この法律案に関聯しまして、船舶所有権の分明している船舶中でも、沈没したままで、而も所有権が明らかな船舶、これに関しまして関聯してお尋ねしたいと思うのであります。極く簡單なことですが、海上輸送力を増強するために、又一面には危險水路啓開をいたしますために、こういつた所有権が分明しておりましても、そういつた沈沒船を早く引揚げて、処理をするということが非常に必要であろうと思うのであります。丁度この法律案の御説明趣旨と全く合致するものだと思います。この沈沒船処理が非常に司令部の援助も得られまして、段々と捗つておるということは聞いておるのでありますが、尚今日相当な数が日本近海にも残つておる。関門方面なんかにも、まだ我々が見ても見えるような船も残つておる。これに対する当局の方針をもう少し具体的に、明瞭にお聽きしたいのであります。そこで一、二意見を申上げて御質問したいのでありますが、從來こういつた沈沒船は、色々経費関係やら資材の関係等によりまして、なかなか政府の意図するようには引揚げられない。で所有権が分明しておるのでありますから、政府の方ではその所有者引揚げろということを仰しやつておるのではないかと思います。今日のような状況では費用が非常にかかるわけでありますから、なかなかその所有者だけにお任せになつたのでは、この引揚げ促進しないことは明瞭であります。今後こういつた引揚船に対しまして、國家として直接、或いは間接に相当の支援をしなければならんと思うのでありますが、この具体的方法は色々あると思います。そういつたものについて政府は何かお考えなつておりますかどうか。その点をお伺いしたい。それからもしどうしても所有者引揚げることを承知しない場合、引揚げて適切に使える、修繕すれば使えるという船があります場合には、この法律案趣旨と同じような意味で、引揚げ命令、或いはその所有権を移轉させるについての適当な法的の措置等について、最近の機会にお考えになる御用意があるかどうか。その点を承わりたい。それからもう一つ附加えて伺つておきたいと思いますのは、從來こういつた沈沒船でいつも問題になつておりますのは、沈沒した結果、所有者が遺棄すれば、保險会社所有権を持つてしまうのでありますから、保險会社が遺棄すれば、結局所有権がない船舶になる。そういう場合に、水路啓開のために引揚げなければならんという場合に、取扱いが実際上いわゆる公海公有水面の場合と違つておるのであります。公海においては大体國家がやる。公有水面ではこれは地方廳がやる。地方廳の責任になつておるというように、実際上は動かされておつたのであります。今日公有水面地方廳がやるといいましても、なかなか地方廳はこういつた多額費用を出して水路啓開するだけの能力もないかと思うのであります。その問題について、公有水面で沈んでおります船の処理につきまして、何か政府の中で取扱いをお決めになつておりますかどうか。從來通り方針でおやりになつておりますかどうか。その点併せてお伺いいたしたいと思います。
  5. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) お答え申上げます。御承知の如く莫大な船舶が戰時中沈沒いたしまして、日本沿岸で我々が大体分つておりますものだけでも三百二、三十隻になつておるわけであります。これが処理は、海運が非常に壞滅的打撃を受けておりまして、輸送力の回復を一日も早く必要とする現在、これを処理するということが第一であるということは勿論自明のことでございます。関係方面におきまして、その問題につきまして非常に熱心に我々指導督励を受けておるわけでございますが、最近関係方面からデイレクテイヴがございまして、三百幾つの船が日本近海に漫然ところがつておるのでは困る。これが処置について早く方針、肚を決めなくてはならないというので、実はこういつたようなものが先程のお話もございましたような、ゼネラル・オーダー・ナンバー・ツウという一應聯合軍管理に属しておる関係もございまして、六十日の猶予期間を限りまして、その間に引揚げするという意思表示をしないものは、これを全損委付、これはちよつと只今保險関係等で申しております言葉とは少し違うのでありますが、要するにこれは完全に救助しないという肚を決めた。こういうのでありますが、全損推定をして、日本政府はその必要な廣告並びに申込の手続をとれ。こういうような指令がございまして、これによりまして新聞廣告その他の方法を以ちまして船主、所有者、その他の方面引揚げたいという希望の者は申出て貰う。若しそれが期限内に申出がないというと、完全にその処置を官憲に一任したものになる。こういつたような処置をいたしまして、これで調査いたしました結果、大体現在百二十三隻程の船が取り敢えず揚げて貰いたいという表示をしておる。こういうことになつております。トン数を今ちよつと正確に記憶いたしませんが、御必要でありますれば後で申上げます。そこでこれの船舶……結局それより先に所有者等引揚げたいという意思を持ち、又みずから引揚げましたものは別でございますが、現在手の着いておらないものが百二十三隻それで百二十三隻が現在どういう状態なつておるかという問題でございますが、大分部は一應所有者等において引揚げたいという意思を表明された関係もありますが、その状態を調べてございますが、中には多少状態の不明なものもございます。そこでそれを大別して見ますと、五千トン以上の改A型がそれであります。五千トン以上の船舶、それから改E型の船舶、それから三百トン以下の曳船に近い船舶、それからその丁度中間の手頃な五百トンを中心とする船舶と、それから千二、三百トン、千七、八百トン、こういうふうに大体区別ができる訳でございます。これを順次引揚げて行くことにいたしたいと思つているのでありますが、その順序といたしましては、五百トンを中心とする船舶と、それから千二、三百トンから約三千トンまでを中心とする船舶、而も現在一番必要とする船舶は第一に引揚げたい。かように考えております。それから改A型を中心として約重量トン一万トン級の船舶は最近帰還輸送から六隻帰つて参りました。北海道の出炭が思わしくないというようなことも考え合せまして、実は配船に少し持て余している格好になつております。從つてこの種の船復、それから改Eでありまして、改Eの船も実は現在配船に持て余しておる。尚水上に浮かんでおつて使い途にならない船もある訳でございますから、それの引揚げも第二次にした方がいいのじやないか。かような方針順序を立てまして、引揚げを着手いたしたい。かように考えている訳でございます。  それからこれの経済問題でございまして、沈んでおりまする船舶は、保險指示價格で、トン当り二、三百円から六、七百円までの船舶でございますが、これを引揚げ修繕いたします場合は、どうしてもトン当り、千五百円くらいの金がかかるように考えるのであります。そこで、こういうような多額投資をいたしまして引揚げの必要があるかどうか、こういう問題であります。現在のところ新造船價格がD型でも……D型と申しますと大体三千トン級のものでありますが、トン当り二万円以上というような造船價格でございますので、それに較べますというと、やはり仮りにトン当り二千円くらいな船がでましても採算上は有利な訳であります。從いまして所有者の方におきましては、引揚げをされるのであれば是非引揚げたいという希望を持つておりまして、そのために引揚げを調整しなければならないというような必要は今のところ認めていない状態であります。ただ非常に金融が困難な状態なつております。その方面船舶公團を作つて頂いておりますので、船舶公團で、引揚げ修理費の約五〇%を負担する。こういう方法で行きます。又他の五〇%につきましては復興金融金庫より金融するというような方針で、今までも処理いたして参りましたし、それで十分所有者は決心がつくようであります。從いましてこういう手続順序なり方針なりが確立いたしますれば、引揚げは先ず円滑に遂行できるものと、かように考えております。從いまして引揚げ調整関係につきまして法律等を作るというような考えは、今のところ持つておらない。かような実情でございます。  それから次に、遺棄された船舶、つまりそれ以外の船舶はどうするかという問題でありますが、これは矢張り解体いたします外に方法がないと思いますが、その中には水路にございまして航海上支障を來たす、かようなものがございます。この水路障害なつております沈船は、これは矢張り國負担において引揚げる以外に方法がないのでございます。予算の御協賛を得ましていわゆる私法上の契約を以て、補助金といいますか、その引揚費を國が負担することにいたしまして、解体除去手続をいたしたいと思います。これは大体今年度一杯には片がつくと思つております。尚この中でも、航路に引つ掛つて除去しなければならんが、併し強いて所有者の方で多少経済的な負担なり何なりしまして使えるというような船につきましては、勿論所有者にその途を認めております。できるだけ船を使いたい。かように考えております。  それから最後のお尋ねでありました公海、特に公有水面沈船処理につきまして御質問がございましたが、全く公有水面左樣沈船がございます時は、お尋ね通り事態を惹起すると思うのでありますが、実は今までのところこの問題に当面いたしておりません。実は今あります多数の船舶一つ一つ処理いたすことを決定いたします時は、或いはそういう問題に遭遇することもあるかと思いますが、その節にはよく一つ適当な解決方法考えたい。かように考えている状態であります。
  6. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体具体的に詳しく伺いましたのでよく分りましたが、御説明の中で、金融面が非常に困つている船舶公團が大体五〇%負担するというお話がありましたが、負担するのは費用負担してやるというのでありますか。引揚費用負担してやるという意味なのでありますか。その点もう一遍お伺いいたします。
  7. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 船舶公團負担すると申しましたのは、実は船舶公團というものは、こういつたような引揚特別修繕でありますとか、或いは新造船建造と申しますか、これが現在の海運界の市場……実はマーケット等もございませんけれども、要するに採算状況から見ますと非常に上廻つておりまして、個人の投資危險で回避されるという傾向があるわけであります。それに対しまして船舶公團は、一種の金融ではありますけれども、少し進んだもの、つまり共有という方法によりまして、船舶所有者に或程度危險を軽減した金融をする。こういうような形式になつているわけであります。そういう方法で五〇%、普通の金融で五〇%、こういう金融をするということになるわけであります。
  8. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いまのお話は、結局船舶公團引揚費用の五〇%を支出をして、その船舶が浮び上つた場合に、所有権の或部分船舶公團が持つ。そういう意味なのでありますか。
  9. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 只今お話通りでございます。
  10. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 日本國沿岸に置き去られた船舶措置に関する法律案につきましていろいろ見たのでありますが、実はこの法律案は、今までにない、言葉を換えて言うならば、幾何学方程式のような法律案であつて、非常に結び合いがむずかしい法律案でありますが、原則的に一つお尋ねいたしたいのは、これの対象とすべき船舶というものは、沈沒船というようなものは、これの対象とすべきものでなくて、要するに海商法におきまする船舶は、自力を以て航行することのできるもの、又はこれに準ずるものということである以上は、それは私は浮き上つておるものを対象にすべきものだと、かように考えておるのですが、その点を一つお尋ねしてみたいと、かように思うわけであります。
  11. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) この船舶と申しますのは、いろいろな法律によりまして定義があるようでございますが、沈船とか建造中の船舶とかいうものは、大体他の法律でも一應船舶の概念には入れておらんようであります。ここでも置き去られたと申しております通り、普通に船舶として考えられるものが管理を離れた状態にある、かような意味にとつてございます。
  12. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 現在この置き去られておる船舶は何隻ほどありますか。又この法律案によつて、現在措置をせなければならん船舶、その隻数をお尋ねしたい。
  13. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) お答え申上げます。現在我々の手許で判明いたしておりますものが六十九隻でございます。その使用、修理可能性等について、大体調べて見ましたところでは、使えると考えられますものが大体二十五隻、相当の大修理を要すると考えられますものが三十五隻、使えないと考えられます船が九隻と、こういうような状況なつておるのでございます。大きさは一番大きなものが九十三トン、一番小さいものは二トン、平均二十五トンぐらい、かような数字になつております。
  14. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 それからこの法案を施行しまするについての経費は、どれ程放府は見積つておられますか。
  15. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) この経費の大部分は、廣告とか或いは鑑定、実地調査、こういつたような事務費だけでございまして、六ケ月分で二十五万五千円だけ計上いたしております。
  16. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 六ケ月で二十五万五千円ですか。それからもう一つお尋ねしたいのは、この法律に対する歳入予算は、大体どういう予算を計上しておるのですか。
  17. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 昭和二十二年度の年度内の歳入といたしましては、八十二万二千円を計上いたしております。
  18. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 大体この法案というものは、今ここにお尋ねをしました約六十九隻のものを一刻も早く処理をして、それを使用可能にせしめるというのがこの法案趣旨のように考えておりますが、私はさような意味において、これを今審議してみたいと、こう考えておるのですが、その点はいかがですか。
  19. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 主たる対象只今申上げました六十九隻でございますが、尚將來に同樣の事態が発生したものについては、やはりこの法律適用になる。或いは今後判明したものも適用になると、このように考えております。
  20. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 第四條におきまして「指定船舶所有者が第二條第二項及び第三條第一項の規定により当該指定船舶の引渡を請求しなかつたときは、管海官廳は、その適当で信頼するに足りると認める海運業者漁業者その他海上企業に密接な関係を有する者に対し、命令の定めるところにより、入札の方法によつて、云々」とありますが、この海上海運業者、これは私は結構だと思います。漁業者、これも結構だとかように考えますが、その上において、もう一つこの船に対してこの一つの判定なり査定なりをするのに、造船業者が拔けておるような感じがしておるのでありますが、それは、「その他海上企業に密接な関係を有する者に対し、」その中にその造船業者が入つておるというように私共は見て行つて差支えないと、かように考えておりますが、ここに造船業者というものを現わされなかつたことは、ちよつとこの法案の起案に対して、いささか遺憾だとかように考えておるわけでありますが、その点一つ伺いたい。
  21. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 造船業者が現われておりませんことは申訳ありませんが、御解釈につきましては、只今お説の通りと諒解いたします。
  22. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 第四條の末項のところで、「指定船舶所有者としてその登記を受けることができる。」ということの解釈でありますが、これは前船舶所有者が、この法案によりまして競賣をされて、それと同時にその保存登記というものを、……今度はその指定船舶として指定した場合には、競賣と同時に保存登記というものをする。この指定船舶としての手続をやつて、新らしく今度は所得者保存登記をする。保存登記を受けることができる。新らしく取得者になつた者登記を受けることができるという意味の点が、私は少し不明瞭に思われるのですが、ちよつとこの法文の解釈お尋ねしたいと思います。
  23. 秋山龍

    政府委員秋山龍君) 競賣によりまして所有権を取得しました場合の法律的な解釈は、原始取得考えておるわけでございます。そこで、その登記方法といたしましては、「命令の定めるところにより」といたしまして、命令手続を規定いたすつもりでございますが、その内容として考えておりますところは、二重登記を防ぎますために、前登記職権抹消と新登記者に対する保存登記嘱託登記を一應考えておりまするが、そういつたような事柄を想定いたしております。
  24. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 もう一点、第二條の第五号ですが、「指定船舶が置き去られた後において当該指定船舶に困り損害を受けた者」、これはこういう実は実例があるのですが、或る某國人が米を九州に運んで來て、そうして密輸入をする途中に、日本陸岸に近寄つた所で、日本の機帆船と衝突して、非常な損害を與えて、その船は陸岸に着くと同時にその米を揚げて、その船舶を遺棄して、その衝突をした方の船はなんらそう大した損害もなく遺棄されていた。それに対してその衝突によつて受けた損害を、いろいろ現在まだこの法案ができないためにやつておりますが、この法案から眺めますると、恐らくこの船に担保権者か何かがあれば、その担保権者がその処分に対する第一順位なつて、直接損害を蒙つたその損害というものは、供託局におかれた後の金からそれを差引かれるようですが、その点に対して、私はその船に対して損害を受けた船舶担保権者より順位を優先にして行くということはでき得ないのであるか。その点をちよつとお伺いいたしたい。それで先程申上げたこの法案というのは、殆ど幾何学方程式のような法案であつて、なかなか結び付かんですが、いろいろこの法案で煎じ詰めると、結局こういうように不法進入して來た船に対して、日本船舶衝突などによつて損害を受けても、その船がこの法案によつて処分をされても、その船に対する優先権は、仮にその船に対する担保権者があれば担保権者が第一順位なつて、そうしてそういうような損害を受けたものは第二順位なつて行くということに、この法案ではなつておるように思うのです。私共は、でき得れば、そういうことによつて船が処分されたことは、既にもう担保権も消滅しておるというように考えて、新しい一つの財産の発生だというふうに考えて、その船によつて受けた損害、直接損害というものは、それは第一順位に支拂うべきものだと、こう私共も解釈をしております。これは今政府委員も、恐らくちよつと申上げた例によつてこの法案をいろいろやつて行かれるのに、ちよつとむづかしい幾何学的な点がありますから、できるだけ私はこれを希望條件として、命令なりによつて、そういう不法行爲によつて直接進入して來た船によつて受けた船舶損害は、やはり抵当権なり担保権なりの順位と同樣に、第一順位に置くということをここで希望して、私はこの質問を終りたい。かように考えております。これは政府委員のお答えを得なくても……。お答ができるならば、それに等しくやるというようなお答を特に得たいのですが……。
  25. 板谷順助

    委員長板谷順助君) どうです、秋山君。それじや、まあ希望として……。外に御質疑はありませんか。問題は極めて簡單でありますから。質疑はこれで終了とみなして宜しうございますか。
  26. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 次に討論に移りますが、御発言はありませんか。
  27. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 先程來私の言わんとするところは十分申しておりますが、本案は一方の眺め方によりますと、六十隻の船舶を処分する暫定法案のようにも考えておりますので、この法案を可決されることは私は妥当だ。かように考えております。
  28. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 外に御意見はありませんか。討論終結とみなして宜しうございますか。
  29. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは採決に入ります。この法案に賛成の諸君の挙手を願います。
  30. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 全会一致、賛成であります。可決いたしました。  次に、本会議における委員長の口頭報告につきましては、予め多数意見者の同意を得なくちやならんのでありますが、委員長にその報告の内容をお任せ願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  31. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告者には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされる方は御署名を願います。  それではこれを以て散会いたします。    午前十一時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            丹羽 五郎君           橋本萬右衞門君            小野  哲君    委員            内村 清次君            小泉 秀吉君            中村 正雄君            淺岡 信夫君            大隅 憲二君            水久保甚作君            小林 勝馬君            高橋  啓君            飯田精太郎君            新谷寅三郎君            北條 秀一君            村上 義一君   國務大臣    運 輸 大 臣 苫米地義三君   政府委員    運輸事務官    (海運総局長    官)      有田 喜一君    運輸事務官    (海運総局海運    局長)     秋山  龍君