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新谷寅三郎君 よく分りましたが、私はこの問題に関連いたしまして、この機会に
運輸大臣に
希望を申上げて置きたいと思うのであります。
御承知のように、
戰爭中は
日本の
海運を非常に強力に
統制せられた來たのであります。殆ど國が自らすべての
仕事をや
つてお
つたといつてもいいと思うのでありますが、今日尚その堕性が残
つていると申しますか、
業者の方でも
役所の御
意見というものに対しましては、必要以上に、たとい
内容が勧告でありましても非常に重きを置く、又
役所の方でも、場合によ
つては必要以上の
行政力を用いるというような弊が今日でもあるかと思うのであります。これが
法律に基く
法律の枠の範囲内で行われますことでありますればまだよいのでありますが、こうい
つた法律を排しまして、実際上の
行政指導のみに依存するということになりますと、
法律による
権限の枠が外れるわけであります。どの部分に対しましても如何なる
行政指導もできるということになるのであります。勿論いい
意味における
行政指導はやらなければならんことでありますが、
戰爭中に行われましたような観念に基く
行政指導というものは、非常にこれは非立憲的なものであり、又民主的でないものであります。ともすれば
権限の濫用になるかと思うのであります。その点が或る
意味におきましては
海運界を暗くする、
業者の
政府に対する
協力をむしろ阻害するというような結果が生れはしないかと思うのであります。この点につきましてはこの
法律案を施行せられました場合に特に御考慮をお願いしたいと存じます。