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館委員 こういう所でこういう論をしようとは思わなか
つたので、
河野君に對しても、あまりに幼稚なお話であ
つたので、ものを申し上げるべきでないと私は
考えてお
つたのでありますが、この
勞働協約の問題、あるいは五百人に一人をどうする、あるいは國鐵なら國鐵の給與をもら
つておきながら、
組合事務の專任者を置くというような問題については、その個々の
勞働組合とその相手方の經營者、あるいは資本家との兩方の自主性にま
つたところの協定によ
つて、現實的に解決されているのでありますから、これはもう
勞働組合が押しまく
つたとか、あるいは資本家がこたえたというような、單純な
考えで延べられたのでことが始
つたのでありまして、このへんの
勞働法規なり、あるいは今日まで來たところの、明治、大正、
昭和を通じての
勞働階級が、いかなる
状態にあ
つたかという御研究なりその他を十分にやられたら、ここでこういうふうなあらわに取上げられるような筋合のものでなか
つたと思
つてお
つたのであります。この點十分最初の發言者において
考えていただきたいと
考えるのであります。專任者の問題でも、結局經營者が押まくられたのではなく、極端に言うならば、國鐵の
勞働組合、あるいはその他の
勞働組合をして、正常な道を誤まらしめぬがために、かえ
つて現業におる者を
組合の專任者にするということは、最もよく鐵道の
事情を理解した者を專任者にするということは、これは經營者にと
つても最も大事なことであります。それを鐵道の現業にあらざる者をひつぱりこんで
組合の
指導部にするとか、いろいろなことがそれから派生して發展するのでありましようが、そういうことであ
つたならば、當局の
考えるような健全なる
勞働組合というものは、どういうふうに
考えておられるかしりませんが、とにかくそういうことは望み難いと思うのであります。いろいろの派生する問題が起きてくるだろうと思います。もちろん
組合の自主性からい
つて、
組合の經費は
組合が負擔する。日本の
勞働組合は自主的とい
つておりながら、專任者は為政者から、または經營者から金をもら
つておる、きわめて非自主的ではないかという批評もありますが、現段階においてはやむをえぬことであるとも
考えられますし、また別途の
考え方をも
つていくと、これが日本の現状として當然のことであると思います。ここでこれは論議すべき筋合でなく、これは
組合と經營者側との兩方の自主的
立場によ
つて十分に協議してでき上
つた勞働組合の協約權、それを尊重していけばこと足りるのではないかと私は思います。非合法的にこしらえたのではなく、
勞働組合法というものが立派にあ
つて、それに引續く
關係法規によ
つて動いておるのが
組合である。それ以外に一歩も
組合は
活動しておらぬということを認識していただきたい。決して
組合の
活動は非合法でもなければなんでもない。全部法令なり政令なりに基いての
活動であるということを十分認識していただきたい。また經營者側においても、
政府當局においても、大體
組合の問題については、決して
組合から非合法的に壓迫されたり、またその
立場において法令から擁護されていないというようなことはない。兩方とも皆
一つの
法規に基いて、その
法規に擁護されながら兩方が折衝しておるということもよく認識していただきたいと思います。