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島田委員
大臣の御答辯の趣旨はよくわかりましたが、
明年度の
豫算におきまして、今年のこの
追加豫算におきましては、五十億のものを一
般會計から繰入れた、これを七箇年間に返濟する。返濟するについては、なるべく早い
機會において具體案を發表するというお話でありましたが、このままでいきますと、ほかの
物價との調整もありましようし、ただ
獨立採算制だからとい
つて、
運賃だけべらぼうに上げたところで、社會も許しませんし、また許しましても、收入遞減といいますか、
運賃を上げたからそれだけ收入が殖えたということには、ならないかもしれませんので、
明年度以降においても、やはり一
般會計から繰入れるような事態が來るんじやないか。そうするとただいまの五十億圓を七箇年間に返濟して、それだけで終ればようございますけれ
ども、將來また一
般會計から繰入れていく、そうしてつじつまを合わしていくという事態に
なつてきますと、
獨立採算制を堅持するというお言葉は、よくわかりますけれ
ども、
具體的にはよほど積極的な、しかも彈力性のある財政計畫を立てないならば、やはりその日暮しでや
つてい
つて、結局五十億のものが七年で拂えないで、また新しく一
般會計から繰入れてくる、そういうふうな
赤字財政が續くんじやないか、それが一
般會計で賄
つていかれる、そういうことに
なつていくんじやないかとおそれるのであります。この點につきましては、なるほど
大臣のおつしや
つたように、この動搖期において、今からはつきりした
具體的な案を立てることは、あるいは机上の空論に陷るという危險もございましようが、たとえば比較的長期に耐える生産的な
公債を發行する、あるいはまた
先ほど大臣の言われました
九州や
北海道以外の本土において
電化をする。
電化をすれば、經濟的
利益がある。ただちには金がはいらなくても、長い目からいえば、
石炭を何百
萬トン、セーヴするとか、あるいは經濟的に非常に有利だというような大きな構想をもたれることが必要であると思う。そうして
資材の面ももちろんであるが、少くとも資金面におきましては、生産的な
公債を發行する、あるいは外資を導入するとか——それは相手のあることで、相手が承諾しなければ、こちらに意思があ
つてもできないのでありますけれ
ども、少くともそういう希望なり構想をもつ。たとえば、昨年でございましたか、
鐵道關係で東京と下關の間に彈丸列車と申しますか、何か計畫がございました。そして外資がはいるような、はいらぬような新聞記事が出ました。そのとき議會でも問題にな
つたのでありますが、當時の當局は、まだ外資ができるかできないかわからぬときに、そういう意思もなければ、そういう計畫にも反對のようなことを語られてお
つた。それは
鐵道としましては、いろいろ理由もございましよう。私
どもまたその問題のみを取上げて研究したことがございませんので、はたしてそういう當時の計畫が、
日本の經濟にと
つてよか
つたか惡か
つたか、また實現可能であるかどうかということもわかりませんけれ
ども、少くともただいま申されましたような
電化の問題、これを外資にまつ。もちろん相手のあることでありますけれ
ども、少くとも希望としてはもつ。またそういう方面にだんだん了解を得ていくというふうなお
考えをもつ。
内地においても、ただいま申しましたような生産的な
公債ならば、必ずしも
赤字公債も健全財政にもとらないじやないかというような
考え方もあり得ると思いますので、そういう點に對して、大ざつぱで結構でありますが、現在
運輸當局として——もちろんこれは大藏
大臣あるいは安本との
關係もあるので、決定的な御意見がこういう公の場合に伺えないかもしれませんが、現在も
つている構想として、どういう
考えをも
つているか、もしできれば御意見を伺いたいと思います。