○福田
政府委員 それでは私から
補正豫算に關しまして、
編成の經過竝びに
豫算の概要を御
説明いたします。
本
年度の
當初の
豫算は、御承知の通り
歳入歳出千百四十五億圓でありまして、この
豫算は
當時におきましては、
追加豫算を必要としないという
建前であつたのであります。すなわちこの
豫算におきまして、一
般會計におきましては歳計
收支の
均衡を得るとともに、
特別會計におきましては未だに一時に
均衡を得る段階になりませんで、三百數十億圓の
赤字を計上するのやむを得ざる状況であつたわけであります。この一
般會計竝びに
特別會計を通じました
豫算につきましては、ただいま申し上げました通り
特別會計の
赤字だけでありまするが、なお
地方財政におきまして、約六十億圓の
赤字が見込まれておつたのでございます。さようなことで資金計畫全體といたしましては、昨年以來御協力を得まして、推進いたしてまいりました貯蓄増強運動によりまして、貯蓄が本
年度は通計しまして百億圓ぐらいは集まるであろう。そこでその百億圓のうち五十億圓は
一般融資にまわして、二十億圓は
財政資金として留保し、二十億圓は封鎖預金の拂出の
財源とし、十億圓は復興金融金庫の債券の償還に充てるということにいたします。
財政資金二十億圓と申しますれば、年間二百四十億圓でございまして、
當時におきましては
特別會計は、
年度中途におきまして料金の改訂をいたしまして、そうして
赤字を減らすという
措置をとりまして、年間二百四十億圓でもつて
財政資金は全部充足できる。かような考えをもつておつたわけであります。從いまして
當時の豫想といたしましては、
財政金融を通じまして、
通貨の
増發ということは、年間を通じてはないというような
建前で、出ておつたのであります。しかしながら二十一
年度の
財政が一
般會計、
特別會計を通じまして、七百三十餘億の
赤字でありまして、これが二十二
年度の初頭、すなわち本年の四月、五月、六月に影響をもつておるわけであります。從いまして
當時の豫想といたしましても、二十二
年度の四月、五月、六月の候におきしまては、相當の
通貨増發が時期的にはある。かように考えられたのであります。御承知の通り四月、五月、六月というものは、相當の
通貨増發を見ておつたわけであります。かような情勢でやつてまいりましたところ、七月になりまして公價の全面的改訂をいたすということに相なりまして、その影響を
財政が大きく受けるというふうに
なつたのであります。さらに
豫算改訂のみならず、その後
終戰處理費、夏の災害あるいは六・三制の問題等、新規な
支出も要するという
事情が出てまいりまして、今囘相
當巨額の
追加豫算を計上することに相
なつた次第であります。さような状況で今囘
追加豫算の提出ということに相
なつたのでありますが、
關係方面とも相當連絡の必要がありまして、去る十一月一日に提出に
なつたわけであります。さような状況で非常に
豫算の提出が延びたのでありまして、
當初の考えといたしましては、本議會には大體一括した
追加豫算というふうに、考えておつたのでありますが、ただいままでのところ取急ぐものにつきましては、これを分割して提出することに相
なつておるのであります。すなわちすでにその御協贊を經ました
補正第一號、これは勞働省
關係の
豫算であります。
補正第二號は内務省の
解體に關する
豫算でありますが、これはその後の内務省
解體方針の變更によりまして撤囘しております。
補正第三號は皇室費の
關係豫算でありまして、すでに御協贊を經ております。
補正第四號は
政府職員に對しまして、一時手當を支給することに關する
豫算であります。これは御協贊を經ております。第五號は十一月分の
政府職員の
給與、竝びに
終戰處理費の十一月分に相當する額に關するものでありまして、これまれ御協贊を經ております。それから第六號は本日御
審議をお願いした分であります。第七號は
追加補正豫算の大部分をなすものに關するものであります。第八號といたしまして、厖大なる
追加豫算に對處いたしまして、
政府自身におきましても相當自粛し、また行政運營を能率化するという見地におきまして、相當額の節約を計上することを考えたのであります。これは第七號
豫算と同時に提出いたすことを考えたのでありますが、技術的に間に合いかねる點がありまして、數日遲れまして
提案される見透しと
なつておるのであります。
以上第一號ないし八號が今日まで
政府が
提案せんとして確定しておるところの
豫算であります。なおそのほかにおきまして、これは確定はしないのでありますが、今後におきまして、法務廳の設置に關する
關係の
豫算、また内務省の
解體に關する
豫算、あるいは石炭國管の歸趨によりまして、これに要する
經費等が
豫算として豫定されておるのでありますが、今日未だ確定はしておりません。一號ないし八號につきまして、お手もとに差し上げました一覽表がありますが、便宜全部を通計いたしたものであります。この表によりまして御
説明いたします。
まず第一に
歳出でありますが、
終戰處理費は本
年度の
當初豫算におきましては
總額二百七十億であります。この表では二百五十二億七千三百萬と
なつておるのでありますが、それはその二百七十億の中にありますところの
賠償施設管理費十七億二千七百
萬圓を、今囘
終戰處理費と獨立に掲示いたすことにいたしました
關係上、これを別示いたした
關係で二つにわけてあります。從いまして
終戰處理費固有のものは二百五十二億七千三百
萬圓と相なるわけであります。これに對しまして
追加が三百九十億圓であります。この三百九十億圓のうち、大體約半分が
物價騰貴の
關係の
經費であります。殘りの半分が新規施設に關するものであります。新規施設の大體といたしましては、この
豫算の中において重要な部分を占めますところの住宅でありますが、本
年度當初豫算におきましては、住宅は前
年度において著手いたしました施設を本
年度において完成するに必要なる
經費を計上しておつたわけでありますが、本年におきまして約三千戸の住宅を建築するという問題が新たに起つてきたのであります。これに要する
經費がその重要なる部分を占めておるのであります。まずこの内譯を大體申し上げますと、第一は常傭者の
給與に關する
經費であります。これは進駐軍
關係におきましてあるいはコツクでありますとか、あるいは掃除人夫でありますとか、さような人夫を使つておるのであります。その常傭者の
給與でありまして、これは
當初豫算におきましては十七億八千百
萬圓を計上せるところ、今囘三十八億七千九百
萬圓を
追加いたしまして五十六億六千百
萬圓にいたすものであります。この
追加を要したる
理由は、
給與の單價の
引上げによるものであります。次は日傭者の
給與、これが
當初豫算におきましては十一億八千七百
萬圓のものを、今囘十三億一千七百
萬圓を
追加いたしまして、二十五億五百
萬圓といたすものであります。これまた
給與單價の
引上げに伴うものであります。次に物件購入費、これは住宅用の家具等を購入するに必要なる
經費でありますが、
當初豫算におきましては五十一億一千八百
萬圓を計上したのを、さらに三十八億五千二百
萬圓を
追加し、八十九億七千百
萬圓といたすものであります。この物件購入費は、後で申し述べます住宅の新築等に關連して必要となるものであります。次は
一般物品購入費、
當初豫算におきましては三十六億三千四百
萬圓、今囘二十億七千六百
萬圓を
追加し、五十七億一千百
萬圓とせんとするものであります。これは物件購入費におきまして家具等を買入れますが、その他家具等におきましても冷藏庫でありますとか、ラジオでありますとか、特殊な物品を買入れるというために必要な
經費であります。次に物件借上費、
當初豫算が六億六千百
萬圓のものを、十九億九千九百
萬圓を
追加いたしまして、二十六億六千百
萬圓といたすものであります。これは
家屋でありますとか、その他の物件を借上げるために必要な
經費でありまして、借上料の値上りによるものであります。次は住宅新設及び宿舎工事費、
當初豫算におきましては五十四億八千五百
萬圓のものを、今囘四十七億六千四百
萬圓を
追加し、百二億五千
萬圓とせんとするものであります。これは新規計畫による新築戸數三千二百十二戸
増加に應ずるものと、それから新築單價でありますが、一戸大體四十坪でありますが、一戸當り
當初豫算におきましては百三十四
萬圓と見積つたものを、二百
萬圓というふうに改訂するに必要な
經費であります。次に朝鮮向資材費であります。これは
當初豫算におきましては十七億三千百
萬圓を計上したものでありますが、今囘二十九億八千百
萬圓を
追加し、四十七億一千二百
萬圓とせんとするものであります。これは朝鮮におきまして住宅、兵舎その他の
一般工事をいたすにつきまして、資材を本邦より提供するというために必要のものであります。次に兵舎の工事費でありますが、
當初豫算が三十五億二千五百
萬圓、今囘三十億八千九百
萬圓を
追加し、六十六億一千四百
萬圓とするものであります。これは
物價値上りによる
増加であります。次に
一般工事費、これは飛行場でありますとか、そういうものもこの中にはいつておるわけでありますが、
當初豫算が二十七億四千四百
萬圓、それに對しまして四十四億八千九百
萬圓を
追加いたしまして、七十二億三千三百
萬圓とするものであります。これは
物價騰貴の
關係であります。次に維持
管理費、これは住宅ができ、また兵舎ができますと、この維持のために必要な
經費が出てまいるわけでありますが、そのための
經費が本
豫算におきましては八億二千五百
萬圓、今囘四十九億三千四百
萬圓、
合計いたしまして五十七億六千
萬圓となるのであります。これは
物價騰貴竝びに住宅の警備費、あるいは日本人從業員の身體檢査を
施行する。そういうような新たな事項を含んでおります。それから次に諸費と申しまして、いろんな雜多な
經費がはいつておるわけであります。たとえば自動車の修理場の
經費でありますとか、あるいは印刷工場の
經費であるとか、さような進駐軍で使つておる施設の
經費でありますが、
當初豫算におきましては六億八千百
萬圓、今囘二十五億二千四百
萬圓を
追加いたして、三十二億六百
萬圓とするものであります。次に補償費、これは
當初豫算には計上してありませんが、今囘一億九千
萬圓の
追加をいたすものであります。接收建物の移轉でありますとか、あるいは立退料でありますとか、あるいは勞務者の災害補助料でありますとか、さようなものの
經費を最近の實績によりまして計上するものであります。次に交通費、これはどういうことかというと、
鐵道、通信
兩特別會計におきまして進駐軍のためにサーヴイスの提供をしておるのでありますが、その
經費本
豫算におきましては十億圓、今囘二十二億八千百
萬圓を
追加いたしまして三十二億八千百
萬圓といたすものであります。次は道路費、
當初豫算におきましては計上しておりませんが、今囘二十二億五千
萬圓を計上しております。これは東京都内等でも、非常に廣範にやつておるのでありますが、道路の新築あるいは改良に要する
經費でありまして、從來
豫算にはなかつたのでありまするが、實際は相當やつておつたものであります。次が雜設營作業費、これはたとえば北海道におきまする除雪作業でありますとか、
地方鐵道や軌道、電氣、ガス、水道等に關しまして、P・Dのない工事等であります。これは
當初豫算におきましては一億一千四百
萬圓、今囘四千
萬圓を
追加いたしまして一億五千五百
萬圓とするものであります。次は連合國財産返還費、これは連合國の財産を戰時中日本側におきまして收容しておるのでありまするが、それを連合國に返還するために要する
經費でありまして、
當初豫算におきましては八千四百
萬圓、今囘六千七百
萬圓を
追加いたしまして一億五千二百
萬圓とするものであります。
物價騰貴の
關係で
追加を必要といたしております。次は雜費であります。雜費は
當初豫算におきましては三億三千百
萬圓を計上せるに對し、三億三千百
萬圓増額を
追加するものでありまして、大體これは
物價騰貴の
關係であります。次に接待費、
當初豫算におきましては百八十
萬圓で
追加豫算はありません。次に
支出監査費、
當初豫算は三十六
萬圓で
追加はありません。以上
合計いたしますると
當初豫算が二百五十二億七千三百
萬圓、
追加額が三百九十億、
合計六百四十二億七千三百
萬圓と相なるわけであります。
次に
賠償施設處理費でありますが、
賠償施設處理費は先ほど申しました通り、
當初豫算におきましては
終戰處理費の中にはいつておつたわけでありますが、その金額が十七億二千七百
萬圓と
なつておるのであります。これを今囘別上することにいたしたわけであります。この十七億二千七百
萬圓は、もつぱら賠償指定工場の維持
管理に必要なる
經費であります。今囘これに對しまして二十二億七千三百
萬圓を
追加するのでありますが、このうち十二億七千
萬圓は維持
管理費の
追加であります。從いまして殘額は十億圓でありますが、十億圓はこれは撤去に必要なる
經費を計上したものであります。賠償につきましては軍の工廠等につきまして、年内に若干の撤去が行われるという豫定のもとに十億圓の計上をいたしたというふうに御了承願いたいのであります。
次に
地方分與税分與金、
當初豫算におきましては百十億六千三百
萬圓であります。これに對しまして
追加額は八十一億七千六百
萬圓でありまして、百九十二億三千九百
萬圓となるのでありますが、これは
所得税の増税、
所得税、法人税、
入場税の自然
増收、これを合せまして八十億三百
萬圓となるのであります。それに還付税の分與額が一億七千二百
萬圓、
合計いたしまして八十一億七千六百
萬圓の
追加が要するわけであります。
次に金融機關の補償金、
當初豫算は百億圓でありますが、今囘これを全額減額いたしたわけであります。金融機關の補償金は、昨年御協贊を經ました金融機關
再建整備法によりまして、金融機關の金勘定におきまして金勘定に移されますところの零細な預金を支拂うことができない場合におきましては、その差額を國庫においてこれを補償するということに相
なつておるのでありまして、その金額が總計、各金融機關全體を合わせまして百億圓だというふうに考えられたのであります。その百億圓の交付は本年中に行われるであろうという見透しのもとに百億圓を計上いたしたのでありますが、
再建整備の事務が豫定のごとく進捗せず、今年中におきまして、交付金を支給するを要するものは皆無の見込であります。從いましてこれを全部削減いたしたわけであります。
次に
價格調整費は
當初豫算が百六億二千八百
萬圓、これに對しまして百五十八億圓を
追加するのでありますが、これは去る七月の公價改訂によりまして、公價の基準を基準
年度の六十五倍というふうに決定いたしたのであります。しかしながら重要
物資にはこの六十五倍の限界を上囘るものが相當あるのであります。さようなものにつきましてはこれが
消費者
價格を六十五倍の限度まで引下げるということにいたしたのであります。これに必要なる
經費を
追加するものであります。特定の重要産業用の石炭でありますとか、あるいは鑛材、銑鐵、電氣銅、鋼、硫安、石灰窒素、過燐酸石灰、また十月分までの主食がその對象と
なつておるわけであります。
次に
公共事業費當初豫算九十五億圓に對し、五十二億四千六百
萬圓を
追加せんとするものでありまして、
合計百四十七億四千六百
萬圓となります。九十五億圓の
當初豫算をもつていたしましては
物價騰貴の
關係上、
事業量といたしましては大體半分くらいのところに相なるのであります。この
關係上
經費の
増加を要することが一つ。もう一つは六・三制の
關係であります。もう一つは夏の災害の
關係でありまするが、さようなものはすべてを織りこみまして五十二億四千六百
萬圓というふうになるのであります。ただいま内譯につきましては
檢討中に屬しまして正確なことは申し上げられないのでありまするが、六・三制
豫算はこのうち七億圓、それから災害の
關係は二十二億ないし二十三億圓というふうに相なる見透しであります。
次に
災害救助費、これは災害救助法によりまして災害があつた場合に應急の炊出しをいたしますとか、あるいは小學校に收容いたしますとか、あるいは衣料を給付いたしますとか、さような應急的な
支出に要するものであります。これはもともと縣が負擔をいたすのでありまするが、これに對しまして國庫においてこれを補給をする形をとるのでありまして、その補給に要する
經費が四億一千
萬圓であります。
次は
物資及び
物價調整事務取扱費、
當初豫算が二十二億圓、
追加が四億六千
萬圓、
合計二十六億六千
萬圓となるのであります。この四億六千
萬圓の
追加は公團職員の
待遇改善に要する
經費が三億圓、それから公團固定設備の買入れに必要な
經費が一億六千
萬圓であります。
次は
給與改善費、
當初豫算はゼロでありまするが、
補正豫算におきまして五十四億七千九百
萬圓を
追加いたします。これは
當初豫算は御承知の通り千二百圓ベースで
人件費を計上いたしておるのでありまするが、その後
政府におきましては千八百圓基準にこれを改めんとするために必要なる
經費であります。
次は
生活保護費三十六億圓の
當初豫算に對しまして、十八億圓を
追加し五十四億圓と相なるのであります。これは
生活保護法によりまして困窮者を救濟によりまして困窮者を救濟するに必要なる
經費が主たるものであります。今囘
追加を必要とするのはこの困窮者の從來の單價が一世帶六百三十圓であつたものを、
物價の状況に鑑みまして千三百二十六圓に改訂するのがおもなものであります。
次は義務教育費、
當初豫算におきましては二十四億三千三百
萬圓でありまするが、これに對しまして五千七百
萬圓追加し、
合計二十四億九千
萬圓と相なるのであります。この
當初豫算の二十四億三千三百
萬圓は、そのうち十九億七千六百圓が、從來小學悛の系統の職員の
給與のために國庫において、補給するに必要なる
經費でありまするが、殘りの四億五千七百
萬圓は今囘六・三制の
施行に伴いまして必要な
經費だつたのでありまするが、その
給與の
關係の
經費の
増加は、先ほど申し上げました
給與改善費五十四億七千九百
萬圓の中にはいつておるのであります。今囘
追加せんとする五千七百
萬圓は
公共事業費五十二億四千六百
萬圓の中において
施行せんとする七億圓に相應ずるものであります。七億圓の方におきましては、これは營繕をやるのでありまするが、五千七百
萬圓をもつて椅子等の調辨を行うという
關係に相なるものであります。
次は引揚民の
關係經費、これが
當初豫算二十億三千九百
萬圓に對しまして三億五千四百
萬圓を
増加し、二十三億九千三百
萬圓となるのでありまするが、これは歸還
輸送費等、
物價の
關係上
追加を要するものであります。
次が船舶運營會補助、
當初豫算が十二億一千
萬圓に對しまして今囘七億二千二百
萬圓を
追加し、十九億三千二百
萬圓とするものであります。これは運營會職員の
給與改善等に關し必要と相なる
經費であります。
次が警察消防費、
當初豫算が十三億二千三百
萬圓でありまするが、これは
當初の十三億二千三百
萬圓というのは
人件費の國庫二分の一補助が大部分を占めておるのでありまして、その
關係の
人件費の
増加は先ほど申し上げました
給與改善費五十四億七千九百
萬圓の中にはいつておるのであります。從いましてこの欄におきましては
追加額は形式上はゼロと
なつております。
次は
貿易資金の繰入、
貿易資金の繰入は
當初九億五千
萬圓と見ておつたのでありまするが、今囘五十五億圓を
追加し、
總額六十四億五千
萬圓となるものであります。今囘
貿易資金の繰入を必要とするに
至つたのは、最近の
貿易資金需給計畫からいたしますると、
年度末までにおきまして五十五億の損失を生ずる見込みが明らかと
なつたのでありまして、その額を一
般會計から繰入れるということにいたしたわけであります。
次に住宅復興資材費六億八千六百
萬圓、
追加額ゼロであります。これは
事業量が相當減少しておる
關係上、
物價騰貴の
關係の
經費を
追加計上する必要を認めなかつたのであります。
次に農地改革費三億七千七百
萬圓の本
豫算に對しまして六億二千二百
萬圓を
追加し、九億九千九百
萬圓といたすのでありまするが、これは農地改革
委員會關係の
人件費の單價の引上によるものであります。
次は農業
生産調整費一億九千
萬圓でありますが、これは農業
生産調整法によりまするところの
委員會の補助に要する
經費がおもなるものであります。
次に外國
貿易業者來朝費六億三千九百
萬圓、これは先般各國からバイヤーが參つたのでありまするが、それに對しまして帝都ホテルでありまするとか、その他ホテル等の施設をつくる
關係上、その建物及び調度に必要なる
經費であります。
次は失業手當及び失業保險十億圓でありまするが、この十億圓は失業手當に必要なる
經費であります。
次は刑務費、それからその次が病院等
物件費、試驗研究所
物件費、この三者は
物價騰貴に伴いまして必要なる
經費であります。
次は年金及び恩給、これは
追加額はありません。
次は
鐵道通信及び預金部繰入八十五億圓、このうち
鐵道會計に繰入をいたすものが五十億圓であります。それから
通信事業特別會計に繰入れるものが二十五億圓、預金部に繰入れるものが十億圓であります。これは各
特別會計における
獨立採算制の見地から、後
年度においていずれもこれを一
般會計に囘收いたす豫定のものでありますが、この繰入れをいたす結果、
鐵道、通信
兩會計におきましては、年間を通じまして、大體
鐵道會計において十億圓、通信會計において五億圓ずつ毎月
赤字が出るのを、十一月以降においてはこれを解消し得ることになるわけであります。預金部におきましては、これは多額の國債を保有しておりまする反面におきまして、
人件費等の
増加によりまして十億圓以上の
赤字を出すのでありますので、さしあたり十億圓の國庫繰入れをいたすことにいたしたのであります。
次は、出資金七十一億圓の
當初豫算に對しまして四十億圓の
追加をするのでありますが、この四十億圓の
追加は、復興金融金庫に對するものであります。復興金庫におきましては、先般御協贊を經まして、二百五十億圓の從來の資本金を三百億圓さらに
増加いたしまして五百五十億圓といたしたのであります。その三百億圓の増資に對應いたしまして、
政府から四十億圓を出資し、他は復興金融債券の發行によつて支辧せんとするものであります。
次は、國債費については、
追加豫算の計上を必要といたしません。
その他
當初豫算におきましては、百十二億七千七百
萬圓に對しまして、二十五億八千三百
萬圓の
追加をいたすのであります。
豫備費は
追加を必要としておりません。
既定經費の節約、これは十五億一千四百
萬圓でありまするが、このおおむね九億圓は
人件費であります。殘りは
物件費が主でありますが、その他のものも若干はいつております。これは先般
政府におきましては、今囘この厖大なる
追加豫算を必要とするに對しまして、その行政運營の
合理化をはかり、極力その
經費を節約する必要を認めたものによりまして、將來
政府職員の定員の
増加はもういたすまい。
原則としてやらぬ。それと同時に、新規に
政府職員を採用するということも
原則としてこれをやめようということにいたしたのであります。この
措置をいたしますると、相當多額の
人件費の節約となるのでありますが、これが
豫算の計上は技術的に非常に困難な點がありますので、本
豫算におきましては、さしあたり各省を通じまして一割の
人件費の節約を行つているのであります。なお
物件費につきましても、同樣の
關係から一割の節約をやつております。
以上によりまして本
豫算の
歳出の
合計額は千百四十五億圓、これに九百二十一億六百
萬圓を
追加いたしまして、二千六十六億一千
萬圓と相なるのであります。
次に
歳入におきましては、
租税が
當初豫算六百八十七億九千九百
萬圓、これに對して六百三十五億五千三百
萬圓を
追加し、千三百二十三億五千二百
萬圓となるのであります。これは主税局長が參つておりますから、主税局長から詳細に御
説明申し上げたいと思います。
それから
タバコの益金
當初二百二十六億五千八百
萬圓に二百五十九億六千二百
萬圓を
追加して四百八十六億二千
萬圓となるのであります。これはただいま
委員長からもお話のありましたように、先般
ピース五十圓、新生四十圓という
價格の
改計を行つたことに基く本
年度の
増收見込額を計上したものであります。なお詳細につきましては、煙草部長が見えておりますから、必要に應じましてその方から御
説明いたします。
次に
價格差納付金
當初十億八千二百
萬圓を計上せるに對しまして、今囘これに六十億六千六百萬を
追加いたしまして七十一億四千八百
萬圓とするものであります。これは七月の公價改訂によりまして、
生産業者竝びに販賣業者の手持ちの資材が相當値上りをしたわけでありまして、
生産業者につきましてはその値上りの差益より三分の一を徴收し、販賣業者よりは五分の四を徴收するのでありまして、この徴收額はおおむね九十七億圓となるのでありますが、そのうち本
年度におきましては、徴收可能なる見込金額六十億六千六百
萬圓を計上いたしたわけであります。
次にその他雜件におきましては百七十億九千百
萬圓、これに對しまして十三億九千八百
萬圓を
追加し、百八十四億八千九百
萬圓と相なるのであります。この十三億圓の
追加の中には、日本銀行より納付金七億圓を含んでおります。その他の雜件につきましては、別の資料をもつて御
説明いたしたいと存じます。
以上によりまして、本議會に提出いたしまする本
年度の
補正追加豫算の
歳入歳出の概略を御
説明申し上げたわけであります。
なお
特別會計につきましては、實は計數が昨日やつとまとまつたばかりなのでありまして、提出までにはさらに二、三日を要する見込であります。また節約
豫算につきましても、
特別會計と同じ時期に相なるように見透されるのであります。
それからお手もとに
豫算書が配付してあるのでありますが、附屬資料が未だに間に合いませんで、まことに恐縮の次第でありますが、取急いでいるのであります。これは各目の附屬資料が出ないのでありますが、しかしながら、大藏當局といたしましては、極力御
審議に御便宜なようにという趣旨から、本日午後一
般會計に關する數字上の資料を提出いたしたいと考えております。なおただいま取急ぎ準備中でありまするが、一
般會計竝びに
特別會計を通じました
豫算全體の
説明書を作成中であります。これまた今週中にはお手もとに提出できるのではないかと存じております。まことに簡單でありますが、以上御
説明申し上げました。