○植原委員 ちよつと
野坂君の
質問に關連してお許しを願いたいと思います。ただいま
野坂君の御
質問は、中
勞委が千八百圓の
基準をも
つて現在の
状態では
生活できないと
考えて、その
基準をかえることを
政府に申し出たときに、
政府はそれによ
つて千八百圓の
基準をかえるかもしれない。その場合にその
追加豫算を補正した場合に、その責任は一體
議會にあるのか、中
勞委にあるのか、
政府にあるのか、こういう御
質問であ
つたと私は了解しております。その場合において
米窪勞働大臣の御答辯は、私がはつきり聽き取れなか
つたのか、私にはそこに非常に明瞭ならざる點がありましたから、たいへん重要なことだから、この場合にはつきりしておきたいと思います。中
勞委が千八百圓の平均の勞働
賃金の
基準は、現在の
物價状態では
勞働者が
生活ができないということを申し出た場合に、
政府はそれを考慮してそれを變更することがある。こういう場合には當然
豫算を補正して
議會にお出しにならなければならない。その場合に責任がどこにあるかという場合には、
政府は中
勞委の
意見を參考としてとるだけのことである。
豫算を決定するのは國會議員の責任でありますが、さような千八百圓の
基準を變更することは、いかなる變更であろうとも、それは全責任として
政府が負うべきもの、こう解釋しなければならぬ。白書において千八百圓の
基準をも
つて十一月には
黒字が出るというて、白書を發表したことも、
政府の責任である。これを中
勞委がその
基準を變革しなければならないとい
つて申し出たときに、それを參考として
政府が變更した場合には、變更した全責任は
政府が負うべきものと私どもは解釋するが、その點が先刻の御答辯では、はなはだ明瞭でなか
つたようです。私どもは全責任は
政府が負うべきである、白書に對しても
政府が全責任を負うべきものだ、こう解するのが當然のことだと思います。これを一つ伺
つておきたい。
なをもう一つ、その場合にG・H・Qのアプルーバルというようなことをお言いになりましたけれども、それは
政府の責任においてやるべきことで、G・H・Qのアプルーバルの問題は
議會の問題とすべきでないと信じておりますが、それもひ
とつはつきりとした、明確な御言明を得ておかなければならぬ。
ついででありますから、ただいま
稻村君の御
質問に對してもまだ一つ不明瞭な點があ
つたので、それも確かめておきたいと思うのは、
政府は何としても
やみ取引をできるだけ徹底的に取締らなければいけない。できればこれを退治するのが當然ですけれども、これは私どもの
考えからいえば、
やみ取引をなくするには、自由
經濟にすれば
やみ取引はあるべきことでないと
思つております。しかしそれは議論だから別として、その場合に、この
勞働組合を
やみの
撲滅に利用するか利用しないかということも、中
勞委に今
意見を聽いておる。それによ
つて勞働組合をして
やみ取引の
撲滅に活動せしめるか否やのことも、
政府の見解を決定したいのだというような御答辯のように承りました。もしその御答辯がそうでなか
つたら、私の聽き違いですから訂正しておきます。もしそういうのでありましたならば、
勞働組合を
やみ取引
——勞働組合の人々は、
物價の問題と
やみ取引の問題は、給料
生活者に非常に
關係があるのだから、これらの人が個々に自覺的に
やみ取引に對して
政府の取締に協力するというならば異存はないのです。これは全
國民さようにあ
つて欲しいことであります。けれども
勞働組合をして特に
やみ取引に對して
政府に協力せしめて、これをあたかも
政府の一翼のごとくにするのではなかろうかというような
印象を
お答えから受けました。これは非常な疑問を生ずることでありますから、その點もはつきりとしていただきたい。給料
生活の人は
やみ取引が非常に影響することは當然でありますが、
勞働組合という
團體をして
政府と歩調を合わせて、この取締にあたらしむるということがあるとしたらば、これは可なり別な意義を有することだ。
稻村君の御
質問に對する
お答えは、まさか
勞働組合をして
やみ取引の一機關たらしめよとか、一翼たらしめよという御
意見ではないと信じております。その點をはつきり私は聽くことができませんでしたから、この場合に
お答えを得ておきたいと思います。