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1947-12-08 第1回国会 衆議院 本会議 第74号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十二月八日(月曜日)     午後三時十四分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第七十三号   昭和二十二年十二月八日(月曜日)     午後一時開議  第一 彈劾裁判所の裁判員及び同予備員の選挙  第二 訴追委員会の委員及び同予備員の選挙  第三 船舶法及び船舶安全法の一部を改革する法律案(内閣提出)  第四 昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)  第五 政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律案(内閣提出)  第六 通貨発行審議会法案内閣提出)  第七 政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案(内閣提出)  第八 勧業債券割増金等に関する所得税の課税の特例に対する法律案(内閣提出)  第九 船員保險特別会計法案内閣提出)  第十 労働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に関する法律案(内閣提出)  第十一 大藏省預金部特別会計國有鉄道事業特別会計通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)  第十二 貿易資金特別会計法を改正する法律案(内閣提出)  第十三 特別都市計画法第四條の規定による國庫補助國債証券の交付により行う等の法律案(内閣提出)  第十四 物品の無償貸付及び譲與等に関する法律案(内閣提出)  第十五 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第十六 旧日本銀行券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に関する法律案(内閣提出)  第十七 臨時金利調整法案内閣提出)  第十八 租税完納運動に関する決議案(佐藤觀次郎君外三十八名提出)(委員会審査省略要求事件)  第十九 自由討議  (前会の続)     —————————————   請願  第一 五行川並びに野元川改修工事施行の請願(第三号)  第二 巴波川及び渡良瀬川改修工事並びに旧谷中村遊水池の干拓工事施行に関する請願(第一〇号)  第三 最上川災害復旧工事促進に関する請願(第四七号)  第四 茶臼山砂防工事並びに岡田川改修工事施行の請願(第六一号)  第五 新潟、長野両縣下における砂防工事施行の請願(第六二号)  第六 最上川本支流改修工事促進の請願(第八六号)  第七 本庄川砂防工事施行の請願(第一二三号)  第八 小林川砂防工事施行の請願(第一二四号)  第九 社川砂防工事施行の請願(第一二五号)  第一〇 河内川改修工事施行の請願(第一二六号)  第一一 羽部川砂防工事施行の請願(第一二七号)  第一二 初瀬川砂防工事施行の請願(第一二八号)  第一三 落合川砂防工事施行の請願(第一二九号)  第一四 西山川砂防工事施行の請願(第一三〇号)  第一五 大渡川砂防工事施行の請願(第一三一号)  第一六 舟山川護岸工事施行の請願(第一三二号)  第一七 大谷川砂防工事施行の請願(第一三三号)  第一八 杉谷川砂防工事施行の請願(第一三四号)  第一九 大庭皿川砂防工事施行の請願(第一三五号)  第二〇 田羽根川砂防工事施行の請願(第一三六号)  第二一 塩谷川砂防工事継続施行の請願(第一三七号)  第二二 井原川砂防工事施行の請願(第一三八号)  第二三 福井川砂防工事施行の請願(第一三九号)  第二四 西尾川砂防工事施行の請願(第一四〇号)  第二五 桶谷川砂防工事施行の請願(第一四一号)  第二六 吉岡村地内砂防工事施行の請願(第一四二号)  第二七 瀬戸市を中心とする地域に砂防工事施行の請願(第一五二号)  第二八 羽出村地内護岸工事施行の請願(第一六九号)  第二九 粟井池の砂防工事継続施行に関する請願(第一七〇号)  第三〇 馬見ヶ崎川上流砂防工事並びに下流改修工事施行の請願(第一七一号)  第三一 正法寺川砂防工事継続施行の請願(第一七四号)  第三二 郷川治水工事施行の請願(第二一一号)  第三三 賀茂川改修工事施行の請願(第二一二号)  第三四 同(第二一三号)  第三五 黒瀬川及び中川改修工事施行の請願(第二一四号)  第三六 賀茂川改修工事施行の請願(第二一五号)  第三七 同(第二一六号)  第三八 高野川、三津大川及び郷川改修工事施行の請願(第二一七号)  第三九 賀茂川改修工事施行の請願(第二一八号)  第四〇 同(第二一九号)  第四一 長谷川砂防工事施行の請願(第二二〇号)  第四二 最上川上流改修工事継続施行促進の請願(第二二五号)  第四三 イラスケ川上流砂防工事施行の請願(第二二六号)  第四四 常願寺川改修工事速成の請願(第二三四号)  第四五 同(第二三五号)  第四六 皿貝川改修工事促進の請願(第二三六号)  第四七 金ヶ崎、高濱間運河開鑿その他に関する請願(第二三八号)  第四八 呉市周辺における砂防工事費増額の請願(第二四八号)  第四九 山口縣における砂防工事費増額の請願(第二四九号)  第五〇 丸森町地内における阿武隈川下流改修工事促進の請願(第二五〇号)  第五一 郷川水系各河川治水工事施行の請願(第二五五号)  第五二 肱川治水工事施行促進の請願(第二六二号)  第五三 六甲山系治水工事施行促進に関する請願(第二九九号)  第五四 岩手縣の水害対策に関する請願(第三〇三号)  第五五 神崎川防災工事費増額並びに尼ヶ崎港改良工事施行の請願(第三一〇号)  第五六 小田川並びに荒金川砂防工事施行の請願(第三一五号)  第五七 鳥取縣の砂防工事費増額の請願(第三一六号)  第五八 大谷川上流砂防工事並びに下流護岸工事施行の請願(第三二一号)  第五九 重信川治水工事施行の請願(第三二五号)  第六〇 上妻村地内鬼怒川沿岸築堤工事施行の請願(第三二八号)  第六一 砂防事業一元化に関する請願(第三三二号)  第六二 吉井川改修工事費増額の請願(第三三四号)  第六三 天川砂防工事施行の請願(第三四六号)  第六四 乱川及び押切川の上流にダム築設の請願(第三四七号)  第六五 藏王川砂防工事施行の請願(第三六五号)  第六六 川内川上流治水工事促進の請願(第三六六号)  第六七 山口縣の災害復旧費國庫補助増額の請願(第三七二号)  第六八 水無川砂防工事促進の請願(第三七七号)  第六九 庄川及び小矢部川改修工事施行促進の請願(第三八〇号)  第七〇 兵庫縣津名郡下における各河川の砂防工事施行の請願(第三八七号)  第七一 圓山川改修工事施行の請願(第三八八号)  第七二 木曾川上流改修工事促進の請願(第三九四号)  第七三 信濃川治水工事継続施行の請願(第四一二号)  第七四 谷川砂防工事施行の請願(第四二六号)  第七五 鳥川砂防工事継続施行の請願(第四二七号)  第七六 荒久澤砂防工事施行の請願(第四二八号)  第七七 湯ヶ澤川砂防工事施行の請願(第四二九号)  第七八 西方寺澤砂防工事施行の請願(第四三〇号)  第七九 鳥居澤砂防工事施行の請願(第四三一号)  第八〇 村松澤外三渓流に砂防工事施行の請願(第四三二号)  第八一 本川治水工事施行の請願外三件(第四三四号)  第八二 群馬縣利根郡内の各河川に砂防工事施行の請願外四件(第四三五号)  第八三 岩島村大字松谷地内砂防工事継続施行の請願(第四三六号)  第八四 五領澤砂防工事継続施行の請願(第四三七号)  第八五 大竹川及び上澤渡川砂防工事施行の請願(第四三八号)  第八六 矢川川、市野萱川及び西牧川砂防工事施行の請願(第四三九号)  第八七 大嫗澤砂防工事施行の請願(第四四〇号)  第八八 九十九川上流治水工事施行の請願(第四四一号)  第八九 大栃澤砂防工事継続施行の請願(第四四二号)  第九〇 久保井堰堤近接下流に復堰堤築設の請願(第四四三号)  第九一 天上川砂防工事施行の請願(第四四四号)  第九二 日向川治水工事促進の請願(第四四五号)  第九三 三波川砂防工事施行の請願(第四四六号)  第九四 土合川砂防工事施行の請願(第四四七号)  第九五 大澤川下流砂防工事施行の請願(第四四八号)  第九六 平澤川改修工事継続施行の請願(第四四九号)  第九七 鐡澤に打止堰堤工事施行の請願(第四五〇号)  第九八 貫澤に砂防工事継続施行の請願(第四五一号)  第九九 涸澤川、野上川、岩染川砂防工事継続施行の請願(第四五二号)  第一〇〇 瀧澤川砂防工事施行の請願(第四五三号)  第一〇一 愛知縣内海岸堤防改修工事施行の請願(第四五四号)  第一〇二 高師、天伯原一帶に砂防工事施行の請願(第四五八号)  第一〇三 逢妻川上流砂防工事施行の請願(第四五九号)  第一〇四 愛知縣における砂防工事費國庫補助増額の請願(第四六〇号)  第一〇五 瀬戸市を中心とする地域に砂防工事施行の請願(第四六一号)  第一〇六 霞ヶ浦北浦沿岸治水工事促進の請願(第四七三号)  第一〇七 同(第四七九号)  第一〇八 久慈川改修工事促進の請願(第四九八号)  第一〇九 馬見ヶ崎川上流砂防工事並びに下流改修工事施行の請願(第四九九号)  第一一〇 高橋川砂防工事施行の請願(第五〇〇号)  第一一一 麻機川砂防工事費増額の請願(第五〇一号)  第一一二 弓澤川砂防工事施行の請願(第五〇二号)  第一一三 有無瀬川及び血流川砂防工事施行の請願(第五〇三号)  第一一四 三澤川砂防工事施行の請願(第五〇四号)  第一一五 伊佐見川砂防工事施行の請願(第五〇五号)  第一一六 舞阪海岸護岸工事並びに都田川河口浚渫施行の請願(第五〇六号)  第一一七 馬込川河口改修並びに同河口附近砂防工事施行の請願(第五〇七号)  第一一八 旭川合同用水工事促進その他に関する請願(第五一九号)  第一一九 旭川改修並び旭川合同用水工事促進の請願外一件(第五二〇号)  第一二〇 小阪部川貯水池用水改良工事國営施行の請願(第五二一号)  第一二一 岡山縣の砂防工事費國庫補助増額の請願(第五二三号)  第一二二 木曾、揖斐、長良三川改修工事施行の請願(第五二四号)  第一二三 野田川砂防工事施行の請願(第五二五号)  第一二四 吉井川下流改修工事費増額の請願(第五二七号)  第一二五 本宮川砂防工事施行の請願(第五二九号)  第一二六 石子澤川砂防工事費増額の請願(第五三〇号)  第一二七 實淵川砂防並びに護岸工事施行の請願(第五三一号)  第一二八 月光川治水工事施行の請願(第五三二号)  第一二九 瀧ノ澤川砂防工事施行の請願(第五三四号)  第一三〇 大瀧川砂防工事促進の請願(第五三五号)  第一三一 江合川改修工事促進その他に関する請願(第五四〇号)  第一三二 大阪市西部地域における防潮堤築設工事を公共事業に認可の請願(第五四四号)  第一三三 鬼怒川上流改修工事促進の請願外一件(第五四六号)  第一三四 利根川下流改修工事施行の請願(第五四九号)  第一三五 天龍川堤防復旧工事施行の請願(第五七〇号)  第一三六 江合川改修工事促進その他に関する請願(第五七二号)  第一三七 山形縣の水害対策に関する請願(第五七三号)  第一三八 東北地方水害対策に関する請願(第五七九号)  第一三九 川治川砂防工事施行の請願(第五九二号)  第一四〇 大久保部落地帶における地すべり防止工事施行の請願(第五九三号)  第一四一 三名川砂防工事施行の請願(第五九七号)  第一四二 洗澤川改修工事促進の請願(第六一二号)  第一四三 大和川改修工事施行の請願(第六一三号)  第一四四 大澤村水害復旧費國庫負担の請願(第六一四号)  第一四五 島根縣の風水害復旧費國庫補助増額の請願(第六一八号)  第一四六 蘆田川改修並びに工事施工箇所追加の請願(第六二二号)  第一四七 釜房ダム築設中止の請願(第六二六号)  第一四八 兵庫縣下長谷川砂防工事施行の請願(第六三一号)  第一四九 八鳥川砂防工事施行の請願(第六四六号)  第一五〇 名取川及び七北田川改修工事施行の請願(第六五三号)  第一五一 高津川砂防工事促進の請願(第六六八号)  第一五二 江川砂防工事促進の請願(第六六九号)  第一五三 靜間川砂防工事促進の請願(第六七〇号)  第一五四 斐伊川砂防工事促進の請願(第六七一号)  第一五五 野田川砂防工事施行の請願(第六八三号)  第一五六 武庫川上流青野支流堤防改修工事施行の請願(第六八七号)  第一五七 賽木村西濱砂防林工事施行の請願(第六九五号)  第一五八 佐陀川砂防工事促進の請願(第六九六号)  第一五九 船谷川及び小江尾川砂防工事施行の請願(第六九七号)  第一六〇 別所川及び盤川砂防工事施行の請願(第六九八号)  第一六一 船谷川及び俣野川砂防工事施行の請願(第六九九号)  第一六二 石見川砂防工事施行の請願(第七〇〇号)  第一六三 横路川及び三土川砂防工事施行の請願(第七〇一号)  第一六四 湯谷川等砂防工事施行の請願(第七〇二号)  第一六五 白水川及び大江川砂防工事施行の請願(第七〇三号)  第一六六 印賀川砂防工事施行の請願(第七〇四号)  第一六七 俣野川砂防工事施行の請願(第七〇五号)  第一六八 小江尾川、白水川及び大江川砂防工事施行の請願(第七〇六号)  第一六九 本谷川砂防工事拡張の請願(第七〇七号)  第一七〇 若櫻町及び池田村に砂防工事施行の請願(第七〇八号)  第一七一 川手川砂防工事促進の請願(第七一〇号)  第一七二 河内川砂防工事施行の請願(第七一一号)  第一七三 砂見川砂防工事施行の請願(第七一二号)  第一七四 小田川及び荒金川砂防工事施行の請願(第七一三号)  第一七五 田後川砂防工事施行の請願(第七一四号)  第一七六 鯖石川、別山川及び鵜川砂防工事施行の請願(第七一七号)  第一七七 大淀川上流改修区域調査並びに工事促進の請願(第七二一号)  第一七八 大淀川改修工事促進の請願(第七二二号)  第一七九 大分縣下の各河川砂防工事施行の請願(第七二四号)  第一八〇 大野川改修工事費増額の請願(第七三九号)  第一八一 加古川中流改修工事施行の請願(第七五〇号)  第一八二 早川、須雲川及び千歳川砂防工事促進の請願(第七五九号)  第一八三 河内川改修工事促進の請願(第七六〇号)  第一八四 五ヶ瀬川、北川及び祝子川改修工事施行の請願(第七六一号)  第一八五 周布川及び三隅川災害復旧工事促進の請願(第七六九号)  第一八六 美嚢川改修工事施行の請願(第七七三号)  第一八七 犀川砂防工事施行の請願(第七八四号)  第一八八 常願寺川上流砂防工事促進の請願(第七九二号)  第一八九 川上川砂防工事施行の請願(第八〇三号)  第一九〇 金生川改修工事施行の請願(第八〇五号)  第一九一 富山縣下砂防工事施行の請願(第八一七号)  第一九二 狩野川改修工事促進その他に関する請願(第八二六号)  第一九三 山國川改修工事施行の請願(第八二七号)  第一九四 關本町地内鬼怒川沿岸築堤工事施工の請願(第八三三号)  第一九五 入間川水系各河川の改修工事施行に関する請願(第八四〇号)  第一九六 鮎喰川砂防並びに改修工事施行の請願外一件(第八四二号)  第一九七 錦織村地先北上川堤防補強工事施行の請願(第八四四号)  第一九八 吉野川第二期改修工事施行の請願(第八四六号)  第一九九 空知川及び布部川改修工事施行の請願(第八四八号)  第二〇〇 相模川水系各河川砂防工事費増額の請願(第八六四号)  第二〇一 神奈川縣砂防工事費増額の請願(第八六五号)  第二〇二 淺水川改修工事促進の請願(第八七四号)  第二〇三 伊佐津川水系各河川砂防工事施行の請願(第八八四号)  第二〇四 山梨縣の水害復旧費全額國庫負担の請願(第八八七号)  第二〇五 宮城縣の水害対策に関する請願(第八八九号)  第二〇六 那賀川改修工事費増額の請願(第八九四号)  第二〇七 兵庫縣有馬郡の水害復旧費國庫補助の請願(第九〇九号)  第二〇八 筑後川改修工事促進の請願(第九一二号)  第二〇九 北海道の水害復旧に関する請願(第九二五号)  第二一〇 糸繰川改修工事施行の請願(第九二六号)  第二一一 群馬縣の水害復旧費國庫補助の請願(第九三〇号)  第二一二 白雪川砂防工事施行の請願(第九三二号)  第二一三 小貝川改修工事促進の請願(第九四二号)  第二一四 埼玉縣の水害復旧対策緊急実施の請願(第九四三号)  第二一五 阿武隈川改修工事施行の請願(第九四六号)  第二一六 日立市水害復旧費全額國庫補助の請願(第九四八号)  第二一七 天龍川砂防工事施行の請願(第九六七号)  第二一八 鬼怒川上流堰堤工事施行の請願(第九七三号)  第二一九 魚野川砂防工事施行の請願(第九八一号)  第二二〇 玉島町地内海岸水門復旧工事施行の請願(第九八七号)  第二二一 玉野市砂防工事施行の請願(第一〇〇一号)  第二二二 埼玉縣の水害復旧対策に関する請願(第一〇〇五号)  第二二三 渡良瀬川砂防工事施行の請願(第一〇一一号)  第二二四 群馬縣の水害復旧に関する請願(第一〇二六号)  第二二五 奈曾川下流堰堤築設の請願(第一〇二七号)  第二二六 吉野川第二期改修工事施行の請願(第一〇三五号)  第二二七 鮎川村地内砂防工事施行の請願(第一〇五四号)  第二二八 五霞村地内利根川堤防修築並びに復旧工事施行の請願(第一〇六三号)  第二二九 大里郡北部地域利根川堤防修築促進の請願(第一〇六九号)  第二三〇 冨士岬、本泊間道路開鑿の請願(第一四号)  第二三一 美矢井橋改築に関する請願(第三六号)  第二三二 岡ノ内、別府間道路開鑿の請願(第一五九号)  第二三三 國道二十号線戸倉峠改修工事再開の請願(第一九六号)  第二三四 思川の架橋工事費國庫補助の請願(第一九九号)  第二三五 林道飯田赤石線並びに飯田、豊橋間道路開設の請願(第二五八号)  第二三六 岡ノ内、別府間道路開鑿の請願(第三三一号)  第二三七 山陽國道改修促進の請願(第三七六号)  第二三八 清水、甲府間道路改修工事促進の請願(第三九三号)  第二三九 大牟田市四箇峠改修工事施行の請願(第五五八号)  第二四〇 山口縣内道路改修費國庫補助の請願(第五七一号)  第二四一 五條、大阪間道路改修の請願(第六四五号)  第二四二 岡、上市間道路全通工事促進の請願外一件(第六四七号)  第二四三 八木、阪合部間道路改修の請願(第六四八号)  第二四四 五條、黒瀧間道路全通促進の請願(第六四九号)  第二四五 關門國道隧道建設工事促進の請願(第七二九号)  第二四六 旧飾磨市役所前妻鹿間道路改修の請願(第七四六号)  第二四七 夏井、土々呂港間道路改修促進の請願(第七六二号)  第二四八 國道第二十四号線改修工事施行の請願(第八一五号)  第二四九 大花羽村地先の鬼怒川に橋梁架設の請願(第八二五号)  第二五〇 錦織村地先の北上川に橋梁架設の請願(第八四三号)  第二五一 廣橋、笠木両峠改修その他に関する請願(第八六一号)  第二五二 山陽國道中玉島町地内の道路改修並びに里見川に橋梁架設の請願(第九八六号)  第二五三 酒田港災害復旧工事促進に関する請願(第四三号)  第二五四 酒田港に海上保安基地設置の請願(第四六号)  第二五五 三國港浚渫に関する請願(第八〇号)  第二五六 小名濱港修築費増額の請願(第八七号)  第二五七 福江港修築促進に関する請願(第九〇号)  第二五八 岩國港を開港場に指定の請願(第二〇一号)  第二五九 竹田津港を國営港に指定並びに修築工事施行の請願(第三一四号)  第二六〇 仙崎港を開港場に指定の請願(第三六四号)  第二六一 本渡港修築促進の請願(第三七九号)  第二六二 清水港修築の請願(第三八九号)  第二六三 小松島港を開港場に指定の請願(第四〇二号)  第二六四 小松島港修築の請願(第四〇三号)  第二六五 下津港を開港場に指定の請願(第四二四号)  第二六六 廣尾港拡張工事施行の請願(第五四八号)  第二六七 松山港を開港場に指定の請願(第五八四号)  第二六八 八木港修築促進の請願(第五八八号)  第二六九 關門港を貿易港に指定その他に関する請願(第七三〇号)  第二七〇 紀伊由良港を開港場に指定の請願(第七五七号)  第二七一 仁尾港修築促進の請願(第八〇二号)  第二七二 油津港を第二種重要港湾に編入並びに開港場に指定の請願(第八二二号)  第二七三 別府市に國際観光港設置の請願(第八五三号)  第二七四 横須賀港を開港場に指定並びに修築の請願(第八七九号)  第二七五 笠岡港修築の請願(第九〇四号)  第二七六 高知港災害復旧工事並びに修築工事促進の請願(第九一六号)  第二七七 清水港を第一種重要港湾に編入の請願(第九三四号)  第二七八 若松港を第一種重要港湾に編入の請願(第一〇二三号)  第二七九 能代港修築の請願(第一〇九九号)  第二八〇 能代港修築の請願(第一一〇六号)  第二八一 小倉港湾事業継続その他に関する請願(第一一五二号)  第二八二 高知縣幡多海岸地帶國立公園に指定の請願(第二五九号)  第二八三 天草諸島を國立公園に指定の請願(第三二〇号)  第二八四 妙高高原を國立公園に指定の請願(第四八九号)  第二八五 藏王山を國立公園に指定の請願(第五三三号)  第二八六 都井岬を霧島國立公園に編入の請願(第七八九号)  第二八七 伊豆半島を國立公園に指定の請願(第八〇六号)  第二八八 赤穂御崎海岸一帶を瀬戸内海國立公園に編入の請願(第八六八号)  第二八九 三國山脈國立公園に指定の請願(第九二一号)  第二九〇 奧秩父を國立公園に指定の請願(第九二三号)  第二九一 金華山、松島、旭山、牡鹿半島及び本吉海岸を含む地帶を國立公園に指定の請願(第一〇一三号)  第二九二 兵庫縣西南部海岸並びに家島群島を含む地帶を國立公園に指定の請願(第一〇一八号)  第二九三 海外引揚者石材山拂下の請願(第一九七号)  第二九四 霞ヶ浦及び北浦の干拓事業即時中止等の請願(第二三一号)  第二九五 上士幌村に水道敷設の請願(第三四二号)  第二九六 上下水道の普及その他に関する請願(第三八一号)  第二九七 上越地方雪害対策に関する請願(第四八七号)  第二九八 茨城縣の旱害防止対策助成の請願(第五二六号)  第二九九 茨城縣の旱害防止対策助成の請願(第五八二号)  第三〇〇 三方原に揚水工事施行の請願外一件(第五九六号)  第三〇一 富士山麓開発のため本栖湖からの導水工事施行の請願(第五九九号)  第三〇二 奈良縣の旱害対策に関する請願(第六八四号)  第三〇三 戰災都市の住宅建設費全額國庫負担その他に関する請願(第八七七号)  第三〇四 三重縣下旱害防止費國庫補助の請願(第九一〇号)  第三〇五 網走港修築の請願(第一〇八三号)  第三〇六 豊濱港修築の請願(第一一〇七号)  第三〇七 矢作川改修工事促進の請願(第一〇八四号)  第三〇八 白川改修工事施行の請願(第一〇八七号)  第三〇九 天鹽川本支流河川改修工事施行の請願(第一〇八九号)  第三一〇 山梨縣の水害復旧費全額國庫負担の請願(第一〇九八号)  第三一一 観音寺、佐馬地間道路改修の請願(第一一一二号)  第三一二 治水対策確立の請願(第一一一九号)  第三一三 芝川改修工事促進の請願(第一一二三号)  第三一四 重信橋架換えの請願(第一一七〇号)  第三一五 重信川治水工事施行の請願(第一一七一号)  第三一六 松山港修築継続施行の請願(第一一七二号)  第三一七 鳥海川砂防工事施工の請願(第一一七三号)  第三一八 農野牛川、牛首別川及び十勝川改修促進の請願(第一一七五号)  第三一九 入野川改修工事施行の請願(第一一八六号)  第三二〇 馬場川砂防工事施行の請願(第一二〇五号)  第三二一 太田村地内の地すべり防止工事施行の請願(第一二〇六号)  第三二二 入塩川地内の地すべり防止工事施行の請願(第一二〇七号)  第三二三 神谷地内の地すべり防止工事施行の請願(第一二〇八号)  第三二四 飯野川町地区縣道嵩置工事施行の請願(第一二〇九号)  第三二五 御手洗港修築の請願(第一二二四号)  第三二六 十勝川下流治水工事施行の請願(第一二五七号)  第三二七 埼玉縣の水害復旧費國庫補助の請願(第一二七六号)  第三二八 伊良湖岬に避難港築設の請願(第一二八一号)  第三二九 淀川水系各河川砂防工事施行の請願(第一三一六号)  第三三〇 菊池川改修工事施行の請願(第一三四〇号)  第三三一 二股川改修工事施行の請願(第一三四六号)  第三三二 天王橋架換えの請願(第一三五三号)  第三三三 飯野川町より下流の新北上川を維持区域に編入の請願(第一三五五号)  第三三四 新北上川に橋梁架設の請願(第一四三七号)  第三三五 刑法の一部を改正する請願(第六号)  第三三六 司法行刑保護に関する請願(第一五四号)  第三三七 多治見市に岐阜地方裁判所支部設置の請願(第一九一号)  第三三八 函館市に札幌高等裁判所支部並びに札幌高等檢察廳支部設置の請願(第二六九号)  第三三九 吉沼村及び高道祖村を下妻簡易裁判所管轄に編入の請願(第三一九号)  第三四〇 伊東警察署警察官の職権濫用並びに住居侵入に対し公正なる司法権発動の請願(第四五六号)  第三四一 帶廣市に札幌高等裁判所支部並びに札幌高等檢察廳支部設置の請願(第五七四号)  第三四二 高鍋町に簡易裁判所設置の請願(第五九〇号)  第三四三 岡山市に廣島高等裁判所岡山支部設置の請願(第六八〇号)  第三四四 美瑛町に登記所設置の請願(第九二二号)  第三四五 郡山市に仙臺高等裁判所支部設置の請願(第一〇二八号)  第三四六 關町に簡易裁判所及び区檢察廳設置の請願(第一一九六号)  第三四七 司法保護事業及び行刑保護事業の功労者表彰の請願(第一四九九号)     —————————————
  2. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。      ————◇—————  昭和二十二年度一般会計予算補正(第十一号)
  3. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十一号)を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  4. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  5. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  昭和二十二年度一般会計予算補正(第十一号)を議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員会理事川島金次君。    ————————————  昭和二十二年度一般會計予算補正(第十一号)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔「法規に從つて数を調べたのがなぜ惡いか」と呼び、その他発言する者多し〕
  6. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。     〔川島金次君登壇〕
  7. 川島金次

    ○川島金次君 ただいま議題となりました昭和二十二年度一般会計予算補正(第十一号)について、その内容及び委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この補正予算は、内務省の廃止に関する予算措置その他緊急必要な経費のための補正予算でありまして、歳入歳出はおのおの六億千九百七十余万円の増加であります。これを既定予算額と合計いたしますと、今年度の一般会計予算総額は二千九十三億八千二百八十余万円となります。この予算の歳出のうち、おもなものを申し上げますと、内務省の廃止、建設院、内事局及び地方財政委員会の設置のための経費一億七千三百余万円、國会の会期延長に伴う経費三千二百余万円、租税收入確保のための経費一億八千四百万円、自家用発電施設活用のための経費九千二百余万円などでございます。この歳出増加額の財源としましては、地理調査所における地図拂下代千九百余万円、前年度剩余金受入六億余万円などをもつて充当しております。  以上がこの予算の内容でありますが、本委員会において質疑を行つた後採決いたしました結果、全員一致をもつて可決いたしました。  以上、簡單ながら御報告をいたします。(拍手)
  8. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  9. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  第十九 自由討議  (前会の続)
  10. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程の順序を変更して、自由討議に入られんことを望みます。
  11. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  12. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は変更せられました。  これより前会に引続いて自由討議に入ります。石田博英君、発言者を指名願います。
  13. 石田博英

    ○石田博英君 日本自由党は、田口助太郎君を指名いたします。
  14. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 田口助太郎君、発言を許します。     [田口助太郎君登壇]
  15. 田口助太郎

    ○田口助太郎君 日とともに激化するインフレと、食糧その他生活必需物資の欠乏とにより、國民生活はいよいよ急迫の度を加え、この年の瀬を迎えて、まさに危機に瀕しております。もはや、この危機は尋常の手段では突破することのでき得ない段階にまで達しており、國民は政府の強力な施策を待望しております。  しかるに、片山内閣成立後七箇月以上になりますが、この危機を突破すべき何らの具体策もなく、掛声だけの観念政治に堕し、あるいは官僚のつくつたその場限りの末梢的施策をもつて糊塗しておるにすぎない状態であります。殊に、民生安定上また経済再建上最も必要である食糧その他の農業問題については、その誠意さえも疑われる状態であります。  すなわち西尾官房長官の隱謀と軽率なる言動に端を発して、閣内の醜い鬪爭を天下に暴露し、もみにもんだ平野前農相問題も、片山首相の罷免権の発動によつて一應の解決をみたのでありますが、その補充については、すでに一箇月にもなる今日、未だに決定し得ないで、與党間の大臣爭奪戰のために荏苒日を過しておるのであります。(拍手)これは片山内閣の政治力の欠如と農林行政に対する誠意の不足とを如実に物語つておるのであります。今日のごとき窮迫した経済情勢下における農林大臣の地位は最も重要であり、國民の死活のかぎを握つているといつても、あえて過言ではないのでありましよう。(拍手)しかるに、未だに專任農林大臣も決定せず、また兼任農相たる片山首相は、未だに農林常任委員会に一回も出席しておらないのであります。(拍手)從つて、会期の今明日に切迫した國会には、なお多数の重要法案が審議過程にあるのであります。大臣の出席がないために、農林委員会における審議に重大なる支障を來しておるのであります。もし審議未了の法案が多数生じましても、その責任はあげて片山首相の負うべきものであつて、國会の断じて負うべき性質のものではないのであります。  なお聞くところによりますれば、片山兼任農相は農林省にも一度も姿を見せていないとのことであります。(拍手)この重大時局に、一日をゆるがせにできない農林行政を一箇月も放任して官僚に任せておくがごとき、無責任もはなはだしいのであります。(拍手)これでどうして官僚政治を排撃し、高度民主主義を唱える資格があるでありましようか。私はこの機会に、八千万國民の名において、片山首相に対し嚴重なる警告を発するとともに、平野前農相を突如強引に罷免したと同樣の蛮勇を揮つて、一日も速やかに專任農相を任命されんことを強く要求するものであります。この点に対し、片山首相の所信を承りたいと思います。  片山内閣の性格が、かくのごとく農林行政軽視の内閣であり、官僚依存の内閣であります関係上、政府提出する法案は、いずれも低調であり、官僚的性格をもつたものばかりであります。その中でも、特に官僚的色彩の最も濃厚な法案は、本日議題になつている臨時農業生産調整法であります。農業生産調整法の性格は、戰時中官僚が軍閥と結託してつくつた独裁的、非民主的統制法規とまつたく同一の性格をもつておる法律であります。わが國の農民は、敗戰という尊い血の犠牲によつて封建的桎梏から解放され、農村民主化の線に沿うて、力強く前進しているのでありますが、この法律は、農村民主化の流れを阻止し、農民をして再び封建的奴隷制へ逆轉せしめんとするものであります。しかもその逆轉は、封建的地主の搾取や徳川時代の惡代官の苛斂誅求の比ではなく、まつたく農民を奴隷化せんとするものであります。(拍手)  すなわちこの法律は、官僚の机上計画に基いて、農産物の作付面積から作付の種類、品種、生産数量、供出数量に至るまで、官僚が一方的に定めて農民に押しつけ、しかも、その命令に從わない農民に対しては、三年以下の懲役に処するのであります。この三年以下の懲役という刑罰は、現行統制法規違反の最高の刑罰であつて、先日多数をたのんで強引に押し切つて衆議院を通過した石炭鉱業管理法違反の最高刑と同じ刑罰なのであります。  農業経営は他の産業と異なり、氣候、風土等の自然現象によつて著しく左右される産業であります関係上、各農民の長き体驗に基く自然科学の会得なくしては成り立たない産業であつて、いかなる人間といえども、神でない限り、全國的氣象現象を把握して生産計画を立てることは不可能なのであります。ましてや、完全なる耕地面積の統計さえもたない官僚が、どうして科学的生産計画を樹立することができるでありましようか。(拍手)かかる不合理きわまる計画に基く生産命令に対して、三箇年の重罰を科するがごとき無謀なることが、民主革命の過程にある新しき日本において是認されることができるでありましようか。(拍手)まつたく農民を奴隸化した惡代官以上の暴力政治以外の何ものでもないと思います。(「ヒヤヒヤ」)  政府は、この惡代官的、典型的官僚統制を合理化し、欺瞞せんとして、委員会制度を設け、あるいは異議の申立制度を認めております。しかしながら、それは官僚統制のカムフラージユであつて、その実体はまつたく非民主的統制以外の何ものでもないのであります。(拍手)それは、第三條の「農林大臣は、経済安定本部総裁の定める方策に基き、命令で定める農産物についての都道府縣別の農業計画及びその実施に関し必要な事項を定め、これを当該都道府縣知事に指示する。」、「農林大臣は、前項の農業計画を定めるには、予め中央農業調整委員会及び都道府縣知事の意見を聽かなければならない。」の規定を見ただけでも、明瞭に看取できるのであります。  すなわち、農業計画の元締は第三官僚であり、農林官僚であつて、委員会は單なる諮問機関にすぎないのであります。もつとも地方にできる委員会は、形式上は決議機関になつているのでありますが、その権限は身動きもできない狹少なるわく内に閉じこめられており、しかも最後の決定権は、常に官僚の手に握られているのであります。その上、委員会の構成も実に非民主的でありまして、委員は農民の代表のほか、知事や市町村長の任命した委員をもつて構成されており、また委員長は必ず知事や地方事務所長や市町村長がなることになつているのであります。これでどうして農民の人格を認め、農民の自主性を認めた民主的制度であると言えるでありましようか。私は、かくのごとき農民を奴隸化せんとする、非民主的法律案に対しては、四千万農民の名において絶対に反対するものであります。  なおこの法律案は、消費者の立場から見ても絶対に反対しなければならない性質の法律であります。すなわち消費者は、食糧不足のために最も苦しんでいる者であります。從つて、輸入食糧の懇請についても、またその前提である國内生産の増加についても、供出の確保についても、徹底的施策を政府に要望しているのであります。そのためには、生産面における計画化も必要であり、また今日のような緊迫した食糧事情のもとにおいては、農民にある程度の犠牲を忍んでいただかなければならないことも当然であり、われわれもまた必ずしも反対するものではないのであります。しかしながら、その計画もあるいは犠牲も、重要農産物の生産を増加せしめ、供出を確保するためであつて、生産を阻害するためでは断じてないのであります。しかるにこの法律は、生産の増加をはかるための法律ではなくして、石炭鉱業管理法案と同樣、否、それに百倍する生産阻害の法律であります。  重要農産物の生産を増加するために最も必要なことは、農民の生産意欲を高揚することであります。農業生産は工業生産と異なり、天の惠みと、農民の農作物に対する限りなき愛情と勤労とによつて生産されるものであります。從つて、農民の生産意欲のいかんは、生産量と質とに至大の関係を有するものであります。  私の郷里においては、田の草を一回余計にとれば、一俵余計に米が取れるとさえ言い傳えられております。また戰時中はもちろん、終戰後においても、肥料その他の生産資材が著しく欠乏しているのでありますが、水稻においては、戰前とほぼ同樣、反当り二石前後の收穫をあげていたのであります。これは農民の旺盛なる生産意欲によつて、肥料その他の生産資材の不足を補つていたからであります。かくのごとく、農民の生産意欲は生産に重大なる影響を及ぼすものであります。從つて、いかなる場合においても、農民の生産意欲を阻害するような施策は、断じてとるべきではないのであります。  しかるにこの法案は、わざわざ農民の生産意欲を阻害するためにつくつたようなものであります。農民の生産意欲を高揚し、重要農作物の生産を増加せしむるためには、少くとも農業再生産に必要なる價格をもつて農産物を買入れることであり、また労働の成果が正しく農民に報いられることでありますが、特に最も必要なことは、農民の自主性を百パーセントに認め、その責任において生産並びに供出を行わしむることであります。しかるにこの法律案は、生産意欲を高揚せしむるために最も大切な農民の自主性を根底から蹂躙していることは、すでに申し上げた通りであります。從つて、もしこの法律施行されるに至りますならば、恐るべき生産低下を來し、食糧危機に拍車を加えることは明らかであります。  政府がこの法律をつくらんとするねらいは、不利益なる主要作物の生産から有利なる不急作物の生産に轉換する農民を抑制するためにあると思います。しかし、かかる農民はほんのわずかな農民にすぎないのであります。このわずかな例外的農民を抑圧するために、善良なる大多数の農民の生産意欲を減退せしむることは、角をためて牛を殺すの類であります。  すなわち、過去六年間の稻の作付面積の減少状況を調べてみますと、十六年には三百十六万二千十九町歩、十七年には三百十六万四千百二十六町歩、十八年には三百十一万二百三十二町歩、十九年には二百九十七万九千三百六十七町歩、二十年には二百八十九万四千二百一町歩、二十一年には二百八十三万七千二百九十四町歩の作付をなしたのであります。從つて、稻の耕作面積は年々若干ずつ減少していることは事実であります。  しかし、この作付面積の減少は、戰時中においては、飛行場及び工場用地等に強制的に轉換せしめられ、あるいは労力不足のために、やむを得ず放棄したものがその大部分であることは、統計の明らかに示しておる通りであります。また終戰後における減少はほんのわずかであつて、しかもその減少率は、耕地全体の減少率と大体同一なのであります。從つて、主要作物の生産から不急作物の生産に轉換したものは、全國的に見ますならば、言うに足らないほどの面積であつて、しかも、その轉換の中には、適地適作の觀点から善意に轉換したものも大部分であります。  かくのごとき、わずかな例外的農民を抑制するためにこの法律をつくらんとするがごときことは、有害無益であり、しかもその害たるや、國民の多数を餓死せしむる、恐るべき害なのであります。從つてこの法律案は、消費者の立場からも強く反対すべき法案であります。  なお、この法案については反対すべき理由が多々あるのでありますが、時間の関係上、以上二つの理由だけをあげて、本案に対し絶対反対の意を表明するものであります。(拍手)     [國務大臣片山哲君登壇]
  16. 片山哲

    ○國務大臣(片山哲君) 農林大臣の選任が非常に遅れておりますことは、いろいろな事情からでありまして、まことにやむを得ないのであります。できるだけ早く專任大臣を定めまして、諸君の御希望に副いたいと思います。但し、供出問題あるいは法案の提出、農政事務につきましては、万遺漏なきを期しまして、農林当局を激励いたしておるような次第でありまして、近く決定いたしたいと存じております。  第二の、農業生産調整法案に対する反対の御意見でありますが、これに対しまして、私の考えを簡單に申し上げてみたいと思います。  田口君も言われました通り、民主主義の徹底をはからなければならないのでありまして、これは政治上における機構だけではなしに、経済上あるいは農業生産につきましても、産業発展のために民主主義の機構をつくつていかなければならないのであります。それがためには、農村機構を改革しなければならないのであります。在來の状態をそのままにしておくわけにはいかないのでありまして、民主國家としては、警察國家ではありません、官僚國家でもありません、諸君の十分なる監視のもとに、民主國家として、あらゆる仕事をこれからしなければならないのであります。食糧増産もはかるし、生産発展もはかるし、國民生活に対しまして、いろいろの國利民福をはかる仕事を國家はしなければならないのであります。これがためには、計画経済を立てまして、いろいろの仕事をこれからするのであります。その國家を、ただちに頭ごなしに、官僚事業をやるのであるというわけにはいかないと思うのであります。今までは、なるほど官僚的な仕事に終始したかもしれませんが、諸君の監視のもとに行われまする今後の國家の計画的な事業は、決して官僚的なものであつてはならないのでありまして、政府といたしましても、十分にその点については留意をいたすのであります。特に農業生産については、放任主義をとらないで、政府は積極的に計画を立てまして、増産をはからなければならない。そうして、農民にも働いてもらわなければならないし、また消費者の希望に副うようないろいろの増産計画を立てる、こういうような仕事を、これからしていかなければならないのでありまして、そのために生産調整法——生産増産計画法です。増産の計画を立てておるのであります。この仕事がもし官僚的であつたならば、そのあとで諸君は十分に御批評をしていただきたいのであります。(拍手)この建前はどうしてもやらなければならないのであります。國家の食糧をできるだけ多くつくらしめて、そうして消費者諸君に総ざらいするようにいたしまして、この乏しき食糧を消費者大衆にわける建前をつくる上におきましては、どうしても計画経済のもとに、かような調整案を立てていかなければならないのであります。そのうちにおきまして、刑罰が重過ぎるとか、あるいは委員会の組織がどうであるというような御意見がありましたが、これらの問題については、できるだけ民主的な方法で改正の用意があることを、この機会に申し上げておきたいと存じます。(拍手)
  17. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 大神善吉君、発言者を指名願います。
  18. 大神善吉

    ○大神善吉君 第一議員倶樂部は、堀江實藏君を指名いたします。
  19. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 堀江實藏君に発言を許します。     [堀江實藏君登壇]
  20. 堀江實藏

    ○堀江實藏君 この法案につきましては、十月二十八日以來数回にわたつていろいろ討議されてきましたが、大体その結果を見ますと、絶対反対が多数であるし、趣旨に賛成であつても大幅な修正をすべきであるという意見が多数であつたように思います。政府はこうした反対の多い法案をなぜ出さなければならないか。それは現内閣の食糧吸い上げ政策がことごとく失敗であつたために、民主性を放棄し、官僚統制を強化して、重い刑罰によつて農民から徹底的に農産物を搾り上げて、自己の失敗を糊塗せんとする意図であることをはつきり知るのであります。(拍手)  農業計画の樹立には、政府の食糧需給計画と、それから下からの民主的にして具体的な生産計画が併存し、調整せられなければならないのに、この法案は、安本の定める方策に基いて決定される農業計画が絶対的な前提となつていまして、すべての系統機関の決定はこれに從属させられる仕組になつているが、これではたして、第一條にあるように、この法律は重要農産物の生産及び供出を確保し、そして公正かつ計画的に農業生産の調整を行うことを目的とする、その目的が達せられるでありましようか。断じて否であります。官僚フアツシヨを増大し、農村民主化に逆行し、生産を阻害する結果を招來することは必然でありまして、以下、簡單にその所見を述べたいと思います。  この案の骨子は、今までの供出割当が、作柄を見た上での予想收穫高を基礎としてきめられたのに対し、まず作付前に各農家の重要産物の生産割当をし、自家保有量を控除したものを責任割当する点にあることは、先日の平野農林大臣の提案理由の説明にあつた通りでありますが、その説明のごとく、この生産割当、供出割当がはたして民主的にきめられるかというと、從來の供出割当のきめ方とまつたく同樣で、上から天降り的に下へ下へと押しつけられ、各級の農業調整委員会はこれを受けて、その割振りを自主的にやれるにすぎないのであります。これでは、この委員会をいかに民主的なものにしましても、政府の天降り割当の下請機関になつてしまう。かかるわくをはめた民主性は、政府が供出割当とその統制の責任を調整委員会に轉嫁する結果となることは、第七條によつて明らかであつて、見かけ倒しの欺瞞であります。  しからば、かかる仕組みのもとにおいても、中央、地方、市町村の農業調整委員会が、今までの食糧調整委員会とまつたく違つた民主的な運営ができるかというと、そうでなく、第十二條及び二十條にあるごとく、市町村及び都道府縣の委員会は一應公選になつておりますが、会長はそれぞれ市町村長及び知事であり、実数の四分の一までは別に知事及び市町村長が委員を選任することができ、現在の農地委員会の構成よりも保守的であり、中央農業調整委員会に至りましては、第三條に明記のごとく、絶対命令にひとしい農業計画をきめる段階にありながら、單なる諮問機関にすぎない。その構成、選出方法についても、政令に移管されており、まつたく官僚に握られているのであります。このように、上から下まで官僚の決定権は動かしがたいものになつていて、これでは供出や資材割当の公正は断じて期し得られないのであります。  さらに法律第九條及び第二十八條では、農産物の生産を地域、期間及び種類、品種の指定と強制ができるようになつており、これに違反する者は一年以下の懲役または一万円以下の罰金に処されることになつておりますが、これは農業の自主性、適地適作を破壊し、農民の生産意欲を減退させる結果となることは必然であり、これが天降り的に強制せられるときには、戰時中官僚、軍閥政府のフアツシヨ作付統制のもとにあえいだ農民の奴隷化の再現にほかならないのであります。しかも、現在のように生産費を償わない農産物の價格、そして肥料及び生産資材、生活必需品が完全に配給されない場合にこのことが行われましては、農民は行き場を失つて自滅し、農業は破壊せられるゆゆしい結果を招くでありましよう。現在でも、青森縣、新潟縣等においては、部分的に耕作放棄がなされておるということを聞いております。  さらに政府は、先ごろにおきまして、一部保有農家の保有量の減少を言つております。こうしたことは、この法律が官僚性がいかに強いかを裏書きするものであると考えます。なお一定の生産をあげるためには、一定の生産資材が必要であることは論をまちません。生産割当をする以上、生産資材は的確に配給しなければならないにかかわらず、法案にはそれが明記してありません。また、その配給がなされなかつた場合の責任も明らかにしてありません。平野前農相は、法案の説明におきまして、資材は可及的に配給することに努力すると言いましたが、それができないときは、官僚は口をぬぐつて知らぬ顔をしているであろうが、かかる農民にのみ一方的な責任をを負わせるようなことは、いかにこの法案が惡法であるかを証明するものであります。  また、この民主性がいかに欺瞞であるかは、第四條第三項及び第五條第一項に、都道府縣及び市町村において農業計画を決定するには、各農業調整委員会の議決を経ることになつていますが、第十六條及び第二十三條には、知事または市町村長において勝手に取消すことができるので、何ら民主性は保障されていないのであります。また第六條は、農業者は自分に対して定められた農業計画について異議を申し立てることができることになつておりますが、異議申立の期間及びその限定された期間、市町村長が上級機関の承認を得なければならない煩瑣な手続等によつて、異議申立は事実上骨抜きにされております。しかもこの場合、中央できまつた都道府縣の農業計画は動かせないところの重石となつていまして、官僚計画の体系が下から少しでも是正されることを固く抑えているのであります。かかる欺瞞的な前提の上に立つてきめられた指示に從わない農業者に対して、第七條及び第二十七條のごとく、市町村農業調査委員会から知事に申請して、強制命令に從わない農業者は、肥料その他の資材の配給が削減されるだけでなく、三年以下の懲役または一万円以下の罰金に処されるのであります。  以上のように民主的假面をかぶつた官僚的抑圧法案によつては、農民は不当に抑圧されるばかりでなく、農民が抑えられ、供出がかえつて阻害され、法案第一條の目的と正反対な事象が現出し、食糧危機はますます深まり、勤労者の生活は窮迫して、産業復興の基礎が破壊されていくであろうことを心配するものであります。  また、この法案によつては、農業の適地適作將來日本の農業が、世界農業の一環として、畜産、園藝、そうしたものを多分に取入れた、新しい農業組織の上に立たなければならないにかかわらず、この法案には、そういう点がちよつとも明示してありません。眞の農業計画は、再生産を保障するところの農産物の價格、肥料と生産資材の完全配給、農業の機械化、科学化、適地適作の徹底、農地の徹底的改革を前提とするところの農村民主機構の確立なくしては不可能である。かかる農業計画こそ、生産及び供出を確保し、食糧危機を打開し得るものであつて、これに反するところの法案に対しましては断固反対であります。
  21. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 時間になりました。結論を急いでください。
  22. 堀江實藏

    ○堀江實藏君(続) 最近におきまして、政府はこの法案をどうしても通したいために、罰則の規定あるいは市町村農業調整委員会の会長の公選、そうした少々の修正をもつてこの法案を通そうということが新聞に出ています。しかし、こうした政府の修正案なるものも、本質には何ら違わないわけでありますから、修正案が出ましても、われわれとしては断固として原案に反対するものであります。  以上、簡單でありますが、これで終ります。(拍手)
  23. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 北二郎君、発言者を指名願います。
  24. 北二郎

    ○北二郎君 日本農民党といたしましては、河口陽一君を指名いたします。
  25. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 河口陽一君に発言を許します。     [河口陽一君登壇]
  26. 河口陽一

    ○河口陽一君 私は、日本農民党を代表いたしまして臨時農業生産調整法を討議するにあたり、ただいま片山総理大臣からの御答弁を拝聽いたしまして、計画経済を行うということに対しましては私ども賛成でありまするが、その計画が民主化されていない、すなわち、その計画が官僚によつて立てられることに反対の意見をもつものであります。  まず、第一條に「生産及び供出を確保するため」とありますが、以下法案を見ますと、供出にのみ重点をおいて、生産増強に対しては何らの具体策をもつておられないのであります。さらに立案の主体性の問題でありまするが、單に安本官僚のデスク・プランの強要であつて、主体性は微塵も農民自身に存在しておらないのであります。私は、この法案は石炭國管法案以上の農業國家管理法案、農業國営法案であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)今日のごとく國全体の機能が民主化されていないときに、形式的な法律の強要は、官僚の勢力の強化には、役立つても、農村の民主化は徹底的に妨害されるのみならず、これに逆行する、否、根本的に破壊するものであるということを指摘いたすのであります。  現下の食糧問題の解決には、農家諸君の積極的な愛國心に燃ゆるところの供出はもちろん必要でありますが、生産増強によつて絶対量を満たすということに重点を置かなければならないと思うのであります。御承知のごとく農作物の生産というものは、施して後惠まれる。すなわち、供出に重点をを置くようなことでは、絶対に成果は、得られないのであります。從つて、供出と生産というものは独立したものではなくして、不可分の関係にあるものであります。單に組織上や技術上の合理化のみでなく、すなわち必然的に起きる生産意欲、供出意欲を相伴うところの、合理化されものでなければならないのであります。  第二條には、農業計画とは、作付面積、生産数量、供出数量、肥料、資材の配給数量について行政廰の定める計画であるとうたつておりますが、單に数量的な計算によつて形成されておるがごときは、まつたく役人のデスク・プランの妄想で、数字の遊びからは、生きた貴い農作物は生れ出てこないのであります。かようなことで生産が確保されるとお考えなるところに、私は根本的な間違いがあると思うのであります。(拍手)農業計画は、もろもろの資材、勤勉なる労力、それに價格をその有力なポイントとして含めたもの、すなわち價格を加えた総合調整、総合計画にあらざれば、実質的には、この農業計画というものは無にひとしいということを言わざるを得ないのであります。  第三條には、経済安定本部総裁の定める方策に基き、農林大臣は、都道府縣知事にこれを指示するとあります。一体片山内閣は、組閣の当初において、高度民主主義をスローガンとして天下に御声明になつたのでありますが、かような天降り的計画が農村の民主化と一致するとお考えになるのか、お尋ねをいたすのであります。  第七條の第四項に至つては、指示に從わぬときは、肥料、資材の割当削減をするということになつておりますが、肥料は人にやるものですか、土地に施すものですか。こんなことを民選委員会にやらせるというのですから、まつたく狂氣のさたと言わざるを得ないのであります。  次に、この民選委員会の責任と権限でありますが、農民の好まざる数量を割当決定いたす重大な責任あるにもかかわらず、その権限は、前にも申し述べましたごとく、肥料、資材の割当を削減さすくらいでごまかしてあるのであります。かような重大な責任をもつ委員会には、それを償い得る権限をもたすべきであると思うのです。私は、その具体的な方策として、價格審議決定権をこの民選委員会にもたすべきであると主張いたすのであります。しかして供出に対しては、國において農耕地の調査をする。しかして、氣候、風土、地方に應じた反当責任供出制度を、科学的に、具体的に樹立すべきであるということを申し上げます。以下二十七條、二十八條、二十九條と、恐ろしい罰則が設けられてありますが、これには私ども断じて承服できないのであります。昔から、増收は適期適作でなければならぬと言われております。追加予算を、臨時議会を召集してから百六十日も経過して出せなかつた政府が、複雜多岐な農作物の作付割当が適期に間に合うというようなことは、思いもよらぬことで、來年は、適期に作付ができなくて、一年遊ばなくてはならない、もつたいないというので、へたな作付をすると、監獄に放りこまれるという、まことに嘆かわしい次第であります。(拍手)  私は、農民の最も信頼の厚い農林大臣は、かような法案はおつくりになるまいと存じておりましたところ、さる十月二十二日の御説明では、作付前に割当をなし、供出完了後は自由販賣をさすと、新発明のごとく言われた。これによつて農民の歓心をかうような御意見を拝聽いたしましたが、割当ということは、サボをさせないために行うように考えておりますが、作付前に割当てるという考え方は、すなわち農民が生産サボをやつておるという考え方で編み出されたものであつて、農民の納得のいかぬ点であります。  農民は、本年のごとき惡環境にあつても、田の草は五回も六回もとつて、指の先から血の出るほど努力をいたしておるのであります。しかして供出に対しては、昨年以來……
  27. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 河口君、時間がまいりましたから結論を急いでください。
  28. 河口陽一

    ○河口陽一君(続) 結論にはいります。——— 一家ことごとく身命を捧げておるのであります。しかるに、かかる法案をおつくりになるならば、農民は新たなる覚悟をしなければならぬのであります。まさしく、農民に対し挑戰的態度であると言わざるを得ません。  最後に、かような法案に賛成になる政党も議員もありませんと信じますが、万が一にも賛成するものありといたしますれば、國民の四割五分を占むる農民の憤激をかつて、生産意欲を根本的になくするということを覚悟しなければなりません。(拍手)從つて、本法案は即時撤回されることを要求いたしまして、終ることといたします。 (拍手)
  29. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 林百郎君、発言者を指名願います。———林百郎君、発言を許します。     [林百郎君登壇]
  30. 林百郎

    ○林百郎君 寥々たる同僚諸君の中で話をするわけでありますが、簡單に、前同僚の発言とダブらないように、わずかな時間を割きまして、日本共産党の本法案に対する反対の理由を三点ほど説明したいと思うのであります。  大体、本法案を実施するについての前提の條件が、今もつて農村に成熟されておらないという点を、三点ほど説明したいと思うのであります。一つは、まず第一に、農作物の價格が非常に不合理である。主食をつくるものほど損をする。果物だとか、りんごだとか、こういうものをつくつた方が非常に利益が上る。從つて、主食をつくらない。むしろこうしたきつい供出がくれば、自分の農耕地を放棄するというような現象すら見ておるのであります。從つて、こうしたきつい供出を天降り的に割当てるまず大前提としては、農産物の價格を合理的に決定するということが、まず第一に必要なのであります。  数字的に見ましても、大体片山内閣によつて行われた新價格体系によりますと、工業生産品は、大体戰前の六十五倍、旧マル公の三倍半になつておるのであります。しかるに、農産物の價格は四十八倍、旧價格の二・二五倍にすぎないのであります。種々なる條件を勘案しますと、結局、都会の工業生産品と農村の農業生産品との間のはさみ状の價格差は、三対一になつておるのであります。一例を申しますと、農産物の價格が二・八倍になつておりますが、鉄鋼は五倍に騰貴しておるのであります。農家は二・八倍の品物を賣つて、五倍になつておるところの農機具を買わなければならないのであります。從つて農家は、いくら供出しても、供出すればするほど、だんだん金がなくなつてくる。高いものを買つて、自分のつくつたものは安く賣らなければならぬという現状であります。從つて、農民に快く供出させるためには、まず第一に農産物の價格を合理的に決定するという任務があると思うのであります。  その次には、土地関係であります。本法案によりましても、耕作面積、耕作種類、あるいは供出量、こういうものを計画的に決定しておるのでありますが、その大前提となつておるところの農地関係が、農村では今もつて確立されておらない。地主の土地取上げが頻々として行われておる。今日は自分の土地と思つておつたものが、明日は地主の土地となるという危險が非常にあるのであります。しかも、社会党が公約したところの一町歩の地主の土地保有限度、この開放、これが全然実現されておらないのであります。從つて、農地の所有関係の確立、土地を働く農民に安心して與えてやるということが、第二前提として必要だと思うのであります。  その次の條件としては、罰金、懲役をもつて威かす、こうゆう封建的な強権主義を排さなければならぬと思うのであります。自由党の諸君は、本法案については罰金と懲役があるから反対だと言つておりますが、実は自由党の吉田内閣のときにも、三年以下の懲役、一万円以下の罰金の法律が出ておるのであります。それは食糧管理法、食糧緊急措置令であります。これは農民の主要農産物を政府に賣り渡すべしと書いてある。賣り渡すということになれば、賣買であります。賣買するとすれば、賣る方が値をきめるのが当然であります。ところが、食糧管理法、食糧緊急措置令によりますれば、百姓のものだけは、買手の方が先に値をきめる。政府の方が先に値をきめる。しかも、買う量も政府が一方的にきめる。それに從わない場合は、三年以下の懲役、一万円以下の罰金ということになつておるのであります。百姓はぬれ手ぬぐいのようなものであつて、絞れるだけ絞ればいいという思想は、これはすでに自由党内閣のときにも犯しておるのであります。從つてわれわれは、こうした封建的な強権主義を、民主的な社会党によつて徹底的に排してもらいたいと思うのであります。  聞くところによれば、この法案についての改正意見が出ておるというのであります。大体四項目ありまして、一つは、作付の割当を、基準面積に應じて予定数量としてゆとりをつけるということが第一点。第二点としては、体刑ではなくして、罰金を一万円以下とすること。第三としては、追加割当を決して行わないということを明記すること。第四としては、異議の申立期間を十五日間に延期するということだそうであります。しかし、これではまつたく彌縫的な改正だと思うのであります。罰金の一万円は依然として残つている。それから安本方式の上から、強権的な割当方式はそのまま残つている。異議の申立期間も、わずか一週間を十五日に延期しただけでは、まつたく彌縫的な改正だと思うのであります。むしろ、罰則とかいうようなものは全然廃し、農産物の價格を合理的に調整する、それから農家の生産に必要な物資を必ず確保してやる、こういうような、農家の生産を興隆させ、日本の農業を復興させる面について、根本的な改正をしてもらいたいと思うのであります。この改正が行われない限り、日本共産党としては、こうした天降り的な、強権的な法案については、遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。  聞くところによりますれば、なおこの法案に反対の有力な意見としましては、全國一万一千二百町村に農業調査委員会ができる。そこに平均一・五人の有給の書記を置く。この有給の書記に対しては、農業技術員を大量に送りこむ。このための経費が、すでに追加予算に一億九千万円計上されている。この一億九千万円の追加予算におけるところの臨時農業生産調整費、これを活かすために、本法案を遮二無二通そうというような動きもあるように思われるのであります。しかし、この農業技術員を活かすという途は、別な方途で考えればいいのでありまして、本法案と絡み合わせてこの予算を活かす方法は、正しくないと思うのであります。こういう意味で、われわれは、本法案に対するこの通過を企図している諸君の意見については、遺憾ながら賛成できないのであります。  最後に、私は結論として申し上げますことは、社会党が常々言つているように、農産物の價格を適当に調整して、農家の生産意欲をあげるということ、第三次農地改革を徹底的に行つて、土地を働く農民に確保してやるということ、高度民主主義を実現して、農民をしてよらしむべし、知らしむべからずというような封建的な強権主義の政治を絶対廃してもらいたい、これを希望して、私はこの希望に反する本法案に反対の意見を申し述べる次第であります。(拍手)
  31. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) これにて自由討議は終了いたしました。      ————◇—————  第一 彈劾裁判所裁判員及び同予備員選挙
  32. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第一、彈劾裁判所裁判員及び同予備員選挙を行います。     —————————————
  33. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 彈劾裁判所裁判員及び同予備員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられ、予備員の職務を行う順序は、議長において定められんことを望みます。
  34. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の道義に御異議ありませんか。  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  35. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。  よつて議長は     石川金次郎君  安田 幹太君     古島 義英君  明禮輝三郎君     小島 徹三君  八並 達雄君     酒井 俊雄君  を彈劾裁判所裁判員に指名したします。(拍手)  また     石井 繁丸君  北浦圭太郎君     原   彪君  池谷 信一君 を彈劾裁判所裁判員予備員に指名いたします。なお、予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第二 訴追委員会委員及び同予備員選挙
  36. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第二、訴追委員会委員及び同予備員選挙を行います。     —————————————
  37. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 訴追委員会委員及び同予備員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられ、予備員の職務を行う順序は、議長において定められんことを望みます。
  38. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     [「異議なし」呼ぶ者あり]
  39. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。  議長は   榊原 千代君   細野三千雄君   森 三樹二君   武藤運十郎君   井伊 誠一君   河井 榮藏君   花村 四郎君   高橋 英吉君   大瀧亀代司君  鍛冶 良作君   山口 好一君  中村 又一君   荊木 一久君  押川 定秋君   中村 俊夫君  打出 信行君   大島 多藏君  石田 一松君   佐藤 通吉君  田中 久雄君 を訴追委員会委員に指名いたします。(拍手)  また   足立 梅市君  三浦寅之助君   寺本  齋君  山中日露史君   佐瀬 昌三君  矢野 政男君   山崎 道子君  今井  耕君   岡井藤志郎君  東  舜英君 を訴追委員会委員予備員に指名いたします。なお予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第三 船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案内閣提出
  40. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第三、船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員長正木清君。    ————————————  船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔正木清君登壇〕
  41. 正木清

    ○正木清君 ただいま議題となりました船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案について、運輸及び交通委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、十二月五日本委員会に付託せられまして、翌六日、政府よりその提案理由の説明を聽取いたしたのでありますが、すなわち船舶法及び船舶安全法の関係省令中には、法律の委任に基かないいわゆる警察命令もあり、また罰則については、法律の委任に基く命令で規定されたものもあり、これらは一般的経過措置として、本年十二月末日までの法律と同一の効力を有するものとして存続せしめられているが、種々檢討の結果、それらはいづれも明年一月一日以後においても存続せしめる必要があるので、これを法律に直接規定し、または法律に委任の根拠を設ける等の措置を講ずることとした旨及びこれを機会に、現下の経済事情等に鑑み、罰則中財産刑の限度を引上げることとした旨等の説明があつたものであります。  次に、本委員政府側との質疑應答につき説明申し上げますが、その詳細は会議録に讓り、ここでは、ごく簡單にその一、二を申し上げます。  すなわち刑罰法理上、財産刑を課する根拠はあくまでも刑法独自の立場に立脚すべきであり、経済的考慮に眼目をおくべきは不当であること、かりに経済事情を考慮するとしても、政府が現に固守しつつある千八百円ベースから考えると、最高一万円の罰金は高過ぎる等の質疑に対しては、政府より、財産刑はもちろん刑法上独自の立場において解決さるべきものであるが、本法律の制度がきわめて古いものであり、また現在の貨幣價値から見て、最高一万円は妥当なものと信ずる、またこの点については、司法当局とも十分打合わせ、他の法令の罰則とも大体歩調を合わせたのであるとの答弁があつたのであります。  本委員会としては、同日質疑を終了し、討論を省略して、ただちに採決に入り、全会一致、原案の通り法案を可決いたした次第であります。  簡單ではありますが、これにて報告を終ります。(拍手)
  42. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  43. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  第四 昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定効力等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  44. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第四、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際限に効力を有する命令の規定効力等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員委員山下春江君。    ————————————  昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定効力等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔山下春江君登壇〕
  45. 山下春江

    ○山下春江君 ただいま議題と相なりました、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定効力等に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。まず、政府原案の要旨について御説明申し上げます。  第一の点は、現行法の第一條に、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定であつて、しかも新憲法によれば法律をもつて規定すべき事項をその内容とするものは、これを暫定的に本年十二月末日まで法律と同一の効力を有するものと定め、このような命令は、それまでに法律化しないとその効力を失うことになつているのでありますが、この規定は、昭和二十年のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて発せられる勅令、政令、省令等の命令の効力には関係がないのであります。そこで、本案においては、万一の疑義を避けるため、まず、この点に関する趣旨を明確に規定しております。  第二の点は、命令の内容が本年末以降なお存続を必要とするため法律化すべきもののうち、今次國会に提出の運びまでに至らないものが残つているので、これらの残余のものについては、昭和二十三年五月二日までの間、暫定的に法律として扱うこととしております。  第三の点は、現行法第二條は、新憲法の施行に伴い、勅令という國法の形式がなくなるため、單なる法文の調整から、勅令を政令と読み替える規定であります。しかしそれでも、この規定のため、内閣その他行政機関に対し日本國憲法が認めていない場合に命令を発する権限を附與したものと解釈されることのないように、本案においては、さらに念のため一條項が加えてあります。  以上が、政府原案の要旨であります。  委員会は、去る五日政府の提案説明を聽き、引続き懇談会において協議を続けましたところ、第一條の二に掲げている省令の中には、すでに法律案として提出せられ、その成立を予想せられるものが少くないので、これらを削除する必要のあることが判明いたしました。なおさらに、行政官廳に関する勅令と本法との関係についても疑義がないわけでもありませんので、これを明らかにしておくのが新憲法の精神に副うものであるとの意見も提示せられたのであります。  翌六日、各派の共同提案になる修正案が提出せられたのでありますが、その内容は、第一に、内務省令、厚生省令及び逓信省令のうち、医藥部外品取締規則外十七件の省令を削除するのでありまして、これは、これらの規則に代つて別に法律が制定され、その附則等において、その失効を規定しているからであります。  第二に、経済安定本部その他勅令をもつて定められた行政官廳に関する命令の規定中、法律を要する事項を規定するものは、行政官廳法でその効力が認められており、同法は昭和二十三年五月二日までその効力を有するのでありますが、これらの規定と本法との関係が必ずしも明確でないので、この点につき、念のため一條項を加えるものであります。  六日、委員会は質疑、討論を省略し、ただちに採決の結果、本案は全会一致をもつて、各派共同提案の修正案のごとく修正議決いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手)
  46. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)      ————◇—————  第五 政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律内閣提出)  第六 通貨発行審議会法案内閣提出)   第七 政府職員に対する一時手当の支給に対する法律案内閣提出)  第八 勧業債券の割増金に関する所得税の課税の特例に対する法律案内閣提出)  第九 船員保險特別会計法案内閣提出
  48. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第五、政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律案、日程第六、通貨発行審議会法案、日程第七、政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案、日程第八、勧業債券割増金等に関する所得税の課税の特例に関する法律案、日程第九、船員保險特別会計法案、右五條は同一委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事梅林時雄君。    ————————————  政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  通貨発行審議会法案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  勧業債券割増金等に関する所得税の課税の特例に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  船員保險特別会計法案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔梅林時雄君登壇〕
  49. 梅林時雄

    ○梅林時雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財政及び金融委員会における審査の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。  まず、政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律案について申し上げます。  本年九月十二日附連合國最高司令官から日本國政府にあてられました政府支出の削減に関する指令は、政府をしてやみ價格と不当なる高賃金による支拂をなすことからこれを免れしめ、当面している財政の危機を打開せしめようとする絶大なる好意に出たものでありまして、政府といたしましては、あらゆる困難を克服し、異常な決意をもつてこれに対する適切な措置を講じなければならない次第であります。すなわち、國、連合軍及び特別調達廳のためなされた工事の完成、物資の生産その他役務の提供に関する代金または報酬の國に対する支拂の請求につきましては、それ自身公定價格のあります物品等の代價及び軽微なものを除きましては、原則として、その内容を材料費、労務費等にわかちまして、おのおの公定價格または労働大臣の告示する一般職種別賃金により、その内訳を提出させ、かつ数量の面におきましては、その実際使用数量によらしめることとし、不正の請求を防止し、もつて財政支出の適正を期するとともに、流通秩序の確立をはかる必要があるのであります。そのため、政府の支拂は、その内訳が適法のものであるという誓約書を提出させることとし、相手方の請求内容が適正なものでなければ、その相手方の権利の行使を禁止し、政府職員はこれが支拂をなしてはならないこととし、また工事契約等の下請人も、元請人に対し、それと同樣の協力をなさしめることといたした次第であります。なお本措置は、地方公共團体及び公團にも準用することとなつております。  本案は、去る十一月二十九日政府より原案の説明を聽き、ただちに質疑に入りましたが、請負工事の公價支拂等について土建業者より意見を聽く必要を認め、本月二日懇談会を開きました。その後二回にわたり質疑を継続いたしましたが、個々については会議録に讓りたいと思います。かくて、六日質疑を終りましたところ、自由党塚田委員より、次のような各派共同提案になる修正案が提案されました。  修正案を朗読いたします。   第一條但書第三号中「千分の一」を「千分の三」に改める。   第四條後段を次のように改める。   この場合において第一條但書第三号の規定の地方公共團体に対する適用については、同号中「國の一般会計歳出予算額の千分の三に相当する金額を超えない範囲内において大藏大臣の特に指定する購入契約により購入するものに限る。」とあるのは「地方公共團体の一般会計歳出予算額の千分の一に相当する金額(その金額が一万円に達しないときは、一万円)を超えない範囲内において購入するもの並びに地方公共團体がその事業の用に供するため購入する土地及び建物に限る」と読み替えるものとする。   第八條中「又は賃金の合計額」を「及び賃金の合計額の総額」に改め、「各区分についての約定金額」の下に「の合計額」を加える。 以上であります。  次いで討論に入り、自由党を代表して塚田委員より、本案には賛成ではあるが、これでは土建業者の実情をくんでいない、從つて、その運用にあたつては特に愼重を期してほしいとの希望意見があり、これに対して政府委員より、御指摘の点については万全の措置を拂う旨の答弁があり、自由党を除く各代表より、それぞれ賛成並びに希望意見が述べられました。次いで採決の結果、右修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもつて可決、よつて本案は修正議決せられました。  次に、通貨発行審議会法案について御説明いたします。  通貨の過度の膨張を抑止するため、政府は各種の財政金融政策をとつているのでありますが、他面、通貨の発行自体についてもその規制をはかり、その発行量をわが國現在の経済的諸情勢に適合したものたらしめる必要があるのであります。これがため、政府はさきに日本銀行法の一部を改正する等の法律を制定し、通貨発行審議会をして通貨の発行限度等通貨量の適正な規制に参與せしめることといたしたのでありますが、今般同審議会の組織、権限に関し規定を設けるために本法案が提出されることと相なつたのであります。なお從來は、通貨発行審議会その他これに類似する委員会等の官制は、勅令または政令をもつて定められていたのでありますが、新憲法のもとにおいては、特にその官制を法律によつて定める必要があると認められますので、ここに法律案として提案された次第であります。以下、内容のおもなる点を簡單に説明いたします。  まず第一に、通貨発行審議会は、日本銀行法の規定によつてその権限に属させた事項を行うのでありますが、これらはすべて全般的な経済情勢に照らし、また各界の声を聞くことによつて、財政金融経済を通ずる総合的な見地よりなす必要があり、さらに財政金融経済のきわめて重要な問題と考えられますので、内閣総理大臣の所轄に属せしめたのであります。  第二に、通貨量を適正に規制するには、これと並んで財政金融経済に関する諸施策を檢討する必要があると考えられますので、特に通貨金融政策の基本に関する事項については、これを審議の上、内閣総理大臣に建議することができるものとなつております。  第三には、通貨発行審議会の組織でありますが、この点については、ただいま申し上げましたように、通貨の規制を最も総合的な見地より行う必要があり、また事柄がきわめて重要でありますので、内閣総理大臣を会長といたし、金融界を代表するもの四人、産業界を代表する者三人、その他の学識経驗者三人、都合十人の民間人を委員に選定して、内閣総理大臣がこれを命じ、さらに職務上の当然の委員として大藏大臣、経済安定本部総務長官たる國務大臣、日本銀行総裁の三人を加え、民間、政府、発券銀行当局を通ずる十三人の委員によつて組織することといたしました。なお、民間委員の選定にあたつては、特定の地域における利益の代表に偏しないよう特にこれを法文に明記し、またその任期は二年とし、半数ずつ交代させる趣旨で、法律施行後最初に任命される委員に限り、その半数については任期を一年といたしたのであります。  本案は、去る十月七日本委員会に付託されたものでありまして、十一日提案の理由について説明を聽き、爾來数回にわたつて審議を重ねてまいりましたが、本案は、現下の金融情勢の推移に鑑み、日本銀行券発行の適正を期するため必要となるものと認め、本月六日、討論を省略し採決いたしましたところ、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。  第三に、政府職員に対する一時手当支給に関する法律案について概略御報告申し上げます。  この手当は、從來政府職員給與が月の初めに繰上げて支給せられていた関係を是正するとともに、中央労働委員会の調停案にこたえる給與たる意味を有するものであります。この法律によります一時手当の支給方法といたしましては、各職員の現に受けている給與の月額に相当する金額を一時手当として支給いたすのであります。このために必要な予算額は、概算いたしますと、一般会計所属職員の分十億四千九百余万円、特別会計所属職員の分十九億七千二百余万円、合計三十億二千二百余万円でありまして、この金額は、ただいま提案中の一般会計予算補正(第十号)及び特別会計予算補正(特第五号)に計上してあります。  本案については、本月六日提案の理由を聽き、ただちに審議いたしましたが、最近の政府職員の実情をも勘案し妥当なるものと認め、討論省略、ただちに採決に入り、全会一致原案通り可決いたした次第であります。  次に、勧業債券割増金等に対する所得税の特例に関する法律案についてでありますが、今般所得税法の一部改正によりまして、新たに各種の一時的所得が課税の対象になつたのでありますが、各種証券その他の貯蓄の割増金等の所得につきましては、所得税を課さないことにいたしまして、貯蓄の増強に資せしめる必要がありますために、この法律案提出された次第であります。なお、死亡を原因として支拂を受けた生命保險金、損害保險金、慰藉料、賠償金及び公社債の償還差益は、所得税法におきまして、一時所得の課税から除外されております。  本案は、本月五日本委員会に付託され、翌六日政府より説明を聽取し、審議に入りましたが、インフレーシヨンの阻止の点に鑑み、各種債券その他の貯蓄の割増金等の所得につき所得税を課さないこととする本案の趣旨は、貯蓄増強に資するところがはなはだ大きいという理由で、大体において適正なるものと認め、同日討論を省略し採決いたしましたところ、全会一致をもつて可決されました。  次は、船員保險特別会計法案について概略御説明いたします。  從來の船員保險法に基く船員保險事業は、厚生保險特別会計船員勘定及び同業務勘定において経理しておつたのでありますが、同特別会計は、他に陸上労務者の健康保險事業と年金保險事業とをも併せ経理しておりまして、今回の船員失業保險事業をさらに同特別会計で経理することといたしますと、ますます同特別会計の性質を複雜にすることになりますので、この際船員勘定を廃止いたしまして、厚生保險特別会計の性質を明らかにし、その経理を容易ならしめるとともに、船員に関する社会保險を一体として運用するため、新たに船員保險特別会計を設け、從來の船員保險事業及び今回の船員失業保險事業をそれぞれ普通保險勘定及び失業保險勘定に区分して併せ経理することといたしたのであります。なお、船員失業手当支給事業についても、その歳入歳出の経理は、その性質上本特別会計において併せ行うことといたしたのであります。  本案は、去る十二月五日本委員会に付託せられたものでありまして、翌六日、提案の理由について政府より説明を聽いた後、ただちに質疑に入りましたが、大体において妥当と認められ、同日、討論省略、全会一致をもつて可決いたしたのであります。以上、簡單でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
  50. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 五案を一括して採決いたします。五案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて五案は委員長報告の通り決しました。(拍手)      ————◇—————  第十 労働基準法等施行に伴う政府職員に係る給與應急措置に関する法律案内閣提出)  第十一 大藏省予算特別会計、國有鐵道事業特別会計、通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計保險勘定及び年金勘定昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律案内閣提出)  第十二 貿易資金特別会計法を改正する法律案内閣提出)  第十三 特別都市計画法第四條の規定による國庫補助國債証券交付により行う等の法律案内閣提出)  第十四 物品の無償貸付及び讓與等に関する法律案内閣提出
  52. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第十、労働基準法等施行に伴う政府職員に係る給與應急措置に関する法律案、日程第十一、大藏省預金部特別会計國有鉄道事業特別会計通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計保險勘定及び年金勘定昭和二十二年度における歳入不足補填ための一般会計からする繰入金に関する法律案、日程第十二、貿易資金特別会計法を改正する法律案、日程第十三、特別都市計画法第四條の規定による國庫補助國債証券交付により行う等の法律案、日程第十四、物品の無償貸付及び讓與等に関する法律案、右五案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事中崎敏君。    ————————————  労働基準法等施行に伴う政府職員に係る給與應急措置に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  大藏省預金部特別会計國有鉄道事業特別会計通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計保險勘定及び年金勘定昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  貿易資金特別会計法を改正する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  特別都市計画法第四條の規定による國庫補助國債証券交付により行う等の法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  物品の無償貸付及び讓與等に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔中崎敏君登壇〕
  53. 中崎敏

    ○中崎敏君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。  まず労働基準法等施行に伴う政府職員にかかる給與應急措置に関する法律案について、その審議の経過を概略御報告申し上げます。  新憲法の施行に伴い、政府職員給與に関する基準は法律をもつて定めなければならないことになつており、また労働基準法、船員法及び失業保險法の施行に伴いまして、政府職員にかかる現行給與体系についても所要の改正を加えることが必要となつたので、政府は、これに應じ給與全般に関する基準を定めた法律案を國会に提出すべく準備中でありますが、これが檢討になお若干の時日を要するので、とりあえず應急的措置として、この法律案提出された次第であります。  まず第一案について申し述べますと、現行の政府職員給與制度は、昭和二十二年法律第七十二号及び同年勅令百六十一号により、新憲法施行後も、経過的にそのまま本年十二月末日まで存続するわけでありますが、労働基準法等施行に伴い、現行の給與制度に一部改善を加える必要が生じたのであります。よつて、包括的な給與法案のできるまで暫定的の措置として、政府職員についても、少くとも労働基準法等規定による最低基準まで給與を増額支給するため、現行の給與で労働基準法の定める労働條件に相当するもの、または失業保險法の定める給付に相当するものが、それぞれの法律に定めた基準に達しない場合に、その基準に達するまで給與を増額して支給することとしたものであります。なお第二項においては、この措置により増額して支給する給與と從前の例による他の給與との調整及びこの措置による給與の支給手続については、大藏大臣が定める旨を規定したものであります。この法律が実施せられました場合、実際に現行の給與より増額せらるるおもなものは、時間外、休日または深夜の勤労に対する超過勤務手当、公務に基いて殉職しまたは傷病にかかつた場合の災害補償、退職手当等であります。なお適用の時期については、超過勤務手当については昭和二十二年七月一日以後、その他については九月一日以後、失業保險給付に相当する給與については十一月一日以後、その給與を支給するべき事由の生じた給與につき適用すべきことといたしました。  本法案については、七日より質疑に入りましたが、包括的な給與法案のできるまでの暫定的な措置として妥当なるものとし、討論省略、全会一致をもつて可決いたしました。  次に大藏省預金部特別会計國有鉄道事業特別会計通信事業特別会計並びに簡易生命保険險及郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定昭和二十二年度における歳入歳出不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律案について御説明いたします。  まず大藏省預金部特別会計については、昭和二十二年度特別会計予算補正特第三号に掲げてあるように、新規の歳入不足額が七億八千七百余万円生ずるのでありますが、当初予算におきましても、借入金をもつて補足することとした歳入不足額が九億八千余万円あるのでありまして、その收支の不足の補填を多額の借入金に負うことは適当でないのみならず、一般会計及び特別会計を通ずる健全財政の趣旨にも副わぬと考えられますので、前述の新規歳入不足額のうち二億千余万円は、これを積立金のうちから補足することといたしますが、なお五億七千余万円に上る歳入不足額が残ることになりますので、この際一般会計からこの会計に十億円を繰入れることとし、これを補足するとともに、かつ残る金額四億二千余万円については、本会計における経費節約額二千八百余万円と合わせ、当初予算における借入金の減少に充当しようとするものであります。  次に、國有鉄道事業特別会計及び通信事業特別会計におきましては、今次補正予算の編成にあたつて、人件費及び物件費等について相当の節約を行うことといたしましたにもかかわらず、現在の收支状況におきましては、当初予算及び補正予算を通じ歳入不足が、鉄道会計におきまして百十一億九千余万円、通信会計におきまして四十三億六千余万円に上る情勢であります。しこうして、これが補填の方策としては、さしあたり両会計において本年十一月以降本年度一ぱいに生ずると見込まれます大体の歳入不足額、すなわち國有鉄道事業において五十億、通信事業会計において二十五億円を限度とし、その不足財源を一般会計から当該各会計へ繰入れることとせんとするものであります。  以上申し上げましたのが、今回の補正予算の編成にあたりまして一般会計及び特別会計を通ずる健全財政の方針を堅持するための措置であり、これに関する予算的措置は、補正第七号、第八号及び補正特第三号をもつて繰入れに関する予算的措置を講じたのであります。  しかるところ、今回政府職員給與の現状に鑑みまして、政府職員に対して一時手当を支給することに方針を決定したのでありますが、前述の三特別会計及び簡易生命保險及郵便年金特別会計の收支の現状に鑑みまして、今回の一時手当の財源につきましては、これまたその不足額を一般会計から繰入れることがやむを得ないものと存ぜられますので、大藏省預金部特別会計につきましてはさらに九千六百余万円、國有鉄道事業特別会計につきましてはさらに九億九千余万円、通信事業特別会計につきましてはさらに五億二万円を一般会計から繰入れることといたしますとともに、新たに簡易生命保險及郵便年金特別会計保險勘定につきましては八千八百余万円、同会計の年金勘定につきましては二百五十九万円を限度として一般会計から繰入れる必要があるのであります。なお繰入金につきましては、これらの特別会計の性質上、今後適当な時期において、当該各特別会計からそれぞれ繰入金額を一般会計へ返償することとする予定でありまして、これに関する規定を設けたのであります。  本案については、去る六日政府より提案理由の説明を聽き、翌七日質疑に入りましたが、前述の会計に対して一般会計から所要の繰入金をせんとする本案の趣旨を諒とし、同日、討論省略、採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決いたしました。  次には、貿易資金特別会計法を改正する法律案について御説明を申し上げます。  今回改正しようとする第一点は、附則の第十九條及び第三十條の規定であります。現行法の第四条の規定によると、貿易資金の運用による利益または損失の計算は、これを毎年度行うこととなつており、その結果生じた利益または損失は、終局において一般会計への繰入れとなり、また一般会計からの繰入れとなる構成となつておるのでありますが、現在のところ、外貨請求権の評價及び輸入物資の價格が計算困難の状況にあります関係上、この規定による損益の計算もまた実行困難の状況となつておりますので、今回これに対する措置を講じたのであります。すなわち、現行法の第四條またはこの法律案の第五條規定による貿易資金の運用による損益計算は、昭和二十一年度から外貨請求権及び輸入物資の輸入價格の計算可能の状態に立ち到るまでの期間中、各年度ごとの計算を省略して、前述の計算ができる状態になつた曉において、その時までの全期間について損益の計算を行うこととし、その期間中は、毎年度貿易資金の運用上生ずる円資金の不足額を一定の計算のもとに一般会計から補填する途を開こうとするものであります。なお、昭和二十二年度における一般会計からの補填見込額は五十五億円となつております。  第二は、貿易資金の運用範囲についての規定でありまして、現在は、その一部を政令に讓つておるのでありますが、今回全部を法律で定め、運用範囲を明らかにいたそうとするものであります。  第三は、貿易資金の運用に関しても、歳出予算に基くものと同樣、財政法に基く契約等の計画及び支拂計画の制度を実施することにいたそうとするものであります。本法については、六日政府より提案理由の説明あり、七日には補足的な説明を聽き、ただちに質疑にはいりましたが、貿易資金に関する経理の実情に鑑み、貿易資金の運用による利益または損失の計算について臨時に所要の措置を講ずるとともに、財政法の制定に伴い所要の改正をする必要のあることを認め、討論を省略、採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。  第四に、特別都市計画法第四條の規定による國庫補助國債証券交付により行う等の法律案について概略御報告申し上げます。  本案は、土地区画整理事業に対する國庫補助金のうち、特別都市計画法第十六條の規定に基く公共用地造成のため私用地の減少が一割五分を超過する部分について交付する補償金に対して行う補助金については、この際國債証券をもつて交付することとするとともに、事業施行者が土地所有者及び関係者に交付する減少補償金につきましても、その交付を受けた國債証券をもつて補償金の交付の決済をなし得る途を開き、もつてインフレの抑制に努力せんとするものであります。なおこの減少補償金は、その性質が面積減少の代價であり、資産の一部が土地から國債証券に移つたとも見ることができるのでありますので、現下の経済事情から見て、この程度の措置はやむを得ないものと考えられるのであります。  本案については、去る六日提案理由の説明を聽き、翌七日質疑をいたしましたが、特別都市計画法に基く土地区画整理事業に関する経費につきましては、高率の國庫補助を伴うものであります関係上、國の財政負担も巨額に上るものと考えられ、從つて、この事業の施行にあたつては、事業の緊急性と現在の財政及び金融の事情との調整をはかることが必要と相なるのでありますが、本案は、大体これらに対する措置として妥当であると認め、同日、討論省略、原案通り可決いたしました。  最後に、物品の無償貸付及び讓與等に関する法律案について、簡單に御説明を申し上げます。  財政法の施行に伴い、同法第九條の規定により、國の所有に属する財産の適正な対價を伴わない貸付又は讓渡につきましては、法律規定に基くことを要することとなつたのでありまするが、國の所有に属する財産のうち、國有財産法の適用を受ける國有財産については、國有財産法の中に無償貸付及び讓與に関する規定が置かれているのであります。物品につきましては、その無償貸付、讓與等は、從來一部のものが法律規定に基き行われていましたほか、大部分は勅令等の規定によつて行われておりましたので、これについて、今回新たに法律を制定して、物品の管理処分の適正を期する必要があるのであります。なお財政法第九條の規定は、本年四月一日から施行せられておりまするので、本法案の施行期日も本年四月一日にさかのぼる必要があると考えるのであります。また、地方自治法施行の際、都道府縣において使用しております國費をもつて調弁した物品につきましては、この際当該都道府縣に讓與または無償貸付の措置をすることが適当と思われますので、併せてその規定を置いたのであります。  本案については、去る七日質疑に入りましたが、技術的な問題で、さして異論もなく、翌七日、討論を省略し採決にはいり、全会一致をもつて可決いたした次第であります。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)
  54. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 五案を一括して採決いたします。五案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて五案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  第十五 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十六 旧日本銀行券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に関する法律案内閣提出
  56. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第十五、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、日程第十六、旧日本銀行券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納入するに伴う日本銀行への交付金に関する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事吉川久衛君。    ————————————  金融機関再建整備法の一部を改正する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————  旧日本銀行券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔吉川久衛君登壇〕
  57. 吉川久衛

    ○吉川久衛君 ただいま議題となりました法律案について、財政及び金融委員会における審査の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。  金融機関再建整備法の一部を改正する法律案についてでありますが、本改正案の骨子は、左の三点であります。第一点は、金融機関はその損失処理に際して、退職金支給財源に充てるため、任意積立金の三分の一と法定の退職手当積立金の合計額の範囲内において、これを留保することができることとする。第二点は、新金融機関に事業を讓渡して旧金融機関を整備する場合、この旧金融機関から新金融機関に引継がれた職員は退職者として取扱わず、旧金融機関に在職中の在職期間は新金融機関で通算することとすること。第三点は、旧金融機関がその事業とともに職員を新金融機関に引継いだ場合は、第一点により留保した積立金の全部または一部を新金融機関に引継ぐこととする。以上であります。  本案は、去る十二月三日本委員会に付託されたものでありまして、六日提案理由の説明を聽き、翌七日質疑にはいりましたが、今回の改正案は、金融機関再建整備に伴う損失の整理について、職員の退職金支拂財源として積立金の一部を留保しようとするものでありまして、大体において妥当なるものと認め、討論を省略、採決の結果、全会一致をもつて可決いたした次第であります。  次に、旧日本銀行券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に関する法律案について概略御説明いたします。まず、政府原案について申し上げますと、昭和二十一年勅令第八十四号日本銀行券預入令により、昭和二十一年三月七日以降その強制通用の効力を失つた旧日本銀行券については、日本銀行券預入令第五條規定により、昭和二十一年三月三十一日現在における未回收発行残高相当額を翌四月一日の発行高から引落し、右の引落額に相当する日本銀行の財産は、これを同行の仮受金勘定に別に整理保留せしめておつたのであります。また、この財産の処分については、同じく預入令の第五條第三項の規定によつて、大藏大臣がこれを定めることとなつておるのであります。しかして、昭和二十一年九月三十日現在におきまする右の旧券の引換未済残高は二十六万九千七百余万円となつておるのでありますが、この中には、朝鮮の京城その他で連合軍立会いの上燒棄したものや、その他海外からの引揚者の持帰り金の引換等のため今後とも引換を要するものがありますので、これを差引いた残額のうち、結局のところ、引換を要しないと推定せられる金額約七億円を限つて、今般これを國庫へ納付せしめることにいたしたのであります。しかして、右の旧券の未回收発行残高相当額の一部を國庫へ納付せしめることに伴いまして、一方、將來日本銀行におきまする旧券の引換が予想外に多額に上り、その結果、未回收残高が右の國庫納付額よりも少額となるような場合が起きるときは、その不足額に相当する金額は日本銀行にこれを交付する必要が生じますので、かような場合、日本銀行交付金をなすため、この法律が制定された次第であります。  本案は、七日提案理由の説明を聽き、質疑にはいりましたが、日本銀行券預入金による旧券の未回收発行残高に相当する金額の一部を國庫に納付させることに伴い、將來同行における旧券の預入の状況によつては、未回收発行残高が右の國庫納付金額に満たないこととなる場合を生ずることも予想せられるので、その場合には、その不足額に相当する全額を同行に交付する必要があり、かかる観点より、本案も大体適正なるものと認め、討論省略、採決の結果、全会一致をもつて可決いたしました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)
  58. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  60. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 日程第十七は後回しとされんことを望みます。
  61. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程第十七は後回しといたします。      ————◇—————  第十八 租税完納運動に関する決議案佐藤觀次郎君外三十八名提出)(委員会審査省略要求事件
  63. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第十八は、提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。  日程第十八、租税完納運動に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。佐藤觀次郎君。     〔佐藤觀次郎君登壇〕
  65. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君 租税完納運動に関する決議案提案の理由を御説明いたしたいと存じます。  今やわが國の財政は、かつてない危機に臨んでいると思います。今日のいわゆる健全財政について、これに深い檢討を加えるならば、到るところに重大なる弱点を包含いたしております。もし、そのかじを誤らんか、経済の再建はおろか、國家経済そのものが破滅に頻するおそれがあります。なかんずく、われわれの最も重視し、かつ憂慮するのは、租税收入の確保の問題であります。  試みに、最近の租税の收入を見ますと、所得税の申告納税額は、わずか七十七億円程度に止まり、予算額に比して僅々一割五分にすぎないのであります。また本年度の租税收入及び印紙收入の收入済の総額も、九月末日までに、たかだか二百六十九億円程度になつております。しかも他面、百億に上る滯納額が生ずる現状にあります。もし万一かかる納税状況が改善されないならば、赤字財政のやむなきに至り、遂に惡性インフレーシヨンに追いこまれ國家財政も企業も家計も破壊されるような危險な状態になるのであります。しかも本年度は、わずか四箇月間になお千七十億円という租税收入を確保しないならば、好むと好まざるとにかかわらず、赤字財政はとうてい避けがたい運命にあります。  國民租税の現状がかくのごとき状態にあるのは、種々な理由があります。國民所得の分布と租税賦課額と一致しない点も、その一つであります。租税制度の中には、わが國情に合致せざる点、税務官吏の徴收方法の不備や、その熱意の足らざる点も、その一つであります。政府はよろしく税務官吏の待遇を改善し、税務機構の刷新をはかり、一段と課税の公平及び適正を得るに努むる等、幾多の方法を考える必要があると思います。  われわれは、今日國民道徳の低下、納税思想の頽廃のよつてきた原因も、いろいろと理解できるのであります。新円階級や、やみ利得者への重税を課するに、新しいくふうの必要のあることも認めております。けれども、日に日に累積していく滯納をじつとむなしくながめ、國家財政のあるがままの崩壊を見るに忍びないのであります。われわれは、國民の手によつて選ばれ、國民とともに常にある國会議員の打ち鳴らす警鐘が、國民の胸に必ずや強く高く響くことを確信しております。ここに各党相はかり、衆議院一致の決議によつて、國民の前に國家財政の窮状を訴え、租税完納の急務を説いて、日本再建のために全力を注ぎたいと存じます。  最後に、私は附言いたします。本決議は、ただ單なる一片の決議でなく、國家の現状を默視するに忍びないがゆえに、衆議院が自治的に乘り出さんがために、われわれの決意を天下に表明せんとするものであります。今後本運動は、財政及び金融常任委員会が原動力となり、租税完納運動本部を設け、漸次、全國津々浦々に至るまで展開されるでありましよう。全議員諸君の熱心なる御協力と御指導を期待してやまない次第であります。(拍手)  それでは決議案文を朗読いたします。    租税完納運動に関する決議   今わが國の財政は、未だかつてない危機に臨んでいる。それは財政の総額が非常に巨額であるばかりでなく、その收支の均衡も辛うじて得ているに過ぎないのであつて、一歩誤れば、経済の再建はおろか、國家の経済そのものが破滅するおそれがあるからである。   それに國税の本年度予算額は一千三百億円であつて、國家の歳入総額の六割五分を占めているにも拘らず、納税の現状を見るに、申告の成績は意外に惡い上に、滯納の金額も未曾有の多額であり、このままに進むならば、歳入が確保できず、財政そのものが根底から覆える危險がある。   もし萬一この健全財政が破綻を見るならば、インフレ激化による異常な惨害に國民全体がさらされねばならないことになるであらう。   もとより國民所得の異常な今日、現在の租税制度や徴收の方法も完全なものとはいえないが、しかし政府はこれがために脱税者や怠納者を利するようなことがあつてはならず、公平な徴税をなすようあらゆる努力をなすべきである。   また國民もこの大切な納税を重視し、いやしくも正当な税額を完納することについては、國民の名誉ある責任として、進んでこれを果すために敢然立つべきときであると信ずる。   私共は現状の苦難を忍びつつ明日の希望を達成するために、ここに全國民が一致協力し、この危機打開のために、租税完納運動を展開する次第である。   右決議する。  以上の趣旨でございます。何とぞ御賛成を得まして、目的達成のために御援助を賜わらんことを希望いたす次第であります。(拍手)
  66. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  この際、内閣総理大臣及び大藏大臣より発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣片山哲君。     〔國務大臣片山哲君登壇〕
  68. 片山哲

    ○國務大臣(片山哲君) ただいまの決議案は、わが國財政を健全化せしむる上において最も必要なる決議案と考えます。政府といたしましては、多大の敬意と深甚なる感謝を表するものであります。御指摘になりました納税事務につきましては、これから十分力を入れまして、諸君の御趣旨に副いたいと考えておるのであります。政府も全幅の努力を拂いますので、國民代表たる諸君におかれましても、十分政府のやつておりますことについて御鞭撻、御協力あらんことを願いまして、祖國再建に勇往萬進いたしたいと考えておる次第であります。一言決議案に対しまして政府の所信を申し述べ、諸君に対して感謝と敬意を表する次第であります。(拍手)
  69. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 大藏大臣栗栖赳夫君。     〔國務大臣栗栖赳夫君登壇〕
  70. 栗栖赳夫

    ○國務大臣(栗栖赳夫君) ただいまの決議に対しましては、この運動目的の達成に多大の期待をかけておる次第でありまして、ここに深甚なる感謝と敬意を表するものでございます。本議場におきまして、すでにしばしば申し上げましたごとく、本年度の財政收支における租税の占める地位は、決定的に重要となつておるのでありまして、租税完納の成否が、まさにその運命を決定するかぎとなつておるのであります。しかるに、現在までの納税額は約三百二十億円でありまして、予算額千百三十億円に対し、わずかに二四%にすぎないのであります。なお百億円を上下する滯納を存しておる現状であります。  このように納税の成績が意外に惡い原因の主要なものといたしましては、第一に、國民の納税観念の弛緩をあげなければならないと思うものであります。すなわち、税負担が現在相当重くなつておるのと相まちまして、企業も家計も、インフレーシヨンの進行過程において、あるいは納税資金に困難を來し、あるいは、ことさら納税資金を流用し、正当な納税をできるだけ回避するような傾向が多分に見受けられるのであります。その結果、本年から申告納税制度に改められました所得税の申告納税の成績が、現に予算額の一七%程度に止まるというような低調を示しておるのでありまして、このことが租税收入の全体の成績を不良ならしめているのであります。  第二には、税務行政の面における能率の低下をあげなければならないと思うものであります。すなわち、相次ぐ新税の創設又は税制の改正に伴う税務職員の負担過重と、現下の経済、交通等の諸情勢からくる影響とによりまして、税務行政の能率の低下を余儀なくせられ、課税の徹底を欠き、また滯納税額の徴收が十分でないところに、納税成績の振わない一因が存すると思うものであります。  このような納税の現状が改善せられない場合は、わが國の財政は甚大なる脅威にさらされることを覚悟しなければならないのでありまして、多年要望されてきた健全財政を確立するためには、ぜひとも租税收入の確保をはからなければならないのであります。從いまして、まず全國民が財政の現状及び税務官廳の職責に対する関心と理解とを深め、租税の完納こそインフレーシヨンの破局化を食止める途であることの認識に立つて、納税観念を徹底さすことが先決であると考えるのであります。  この際、ここに租税完納のために國民運動を強力に展開することと相なりましたことは、まことに時宜を得たものでありまして、その成果に多大の期待をかけておるのであります。この運動と呼應いたしまして、政府は各税法の趣旨の徹底及び周知普及に資するために、大規模な納税宣傳を開始すべく準備をすすめておる次第であります。さらに税務行政の面におきましても、この際一層公平かつ正当な納税が実現できるように、税務機構の改善強化、税務の運営方法の刷新をはかりますとともに、税務職員の待遇につきましても、できる限りの改善をも急速に実行いたしまして、税務の能率を十分発揮することができるように努力いたしたいと存ずる次第であります。  申すまでもなく、租税の生命は負担の公平に存するのであります。税務の能率をあげることは、断じて苛斂誅求を意味するものではないのでありまして、國会で定められた税法の精神に則つて、公平に税負担を実現することを意味するものであると考える次第であります。かような立場からいたしまして、たとえば所得税の申告納税が実情に即しない場合は、税務署で相当な税額を追徴し、また滯納者につきましては、差押えや公賣の処分を行つて税金を徴收することをも、また辞せない次第であります。殊に惡質の脱税者に対しては、刑罰や追徴金等の制裁を励行し、まじめな納税者がばかをみることがないようにいたしたいと考えておる次第であります。  以上をもちまして、本決議に対する深甚なる謝意と所感を述べる次第であります。(拍手)      ————◇—————      請 願
  71. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 請願日程第一ないし第三三四は同一の委員会に付託された請願でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。國土計画委員長荒木萬壽夫君。    ————————————  請願(日程第一ないし第三三四)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔荒木萬壽夫君登壇〕
  72. 荒木萬壽夫

    ○荒木萬壽夫君 ただいま一括上程に相なりました三百三十四件の請願に関しまして、國土計画委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本委員会におきましては、去る八月十九日請願に関する審査を開始し、爾來回を重ねること十七回、毎回とも数時間にわたり、すこぶる熱心かつ愼重に審査を続行いたしました。以下、請願の要旨をとりまとめて御説明申し上げます。  内容的に類別いたしますと、治山治水に関するもの二百四十九件、道路に関するもの二十八件、港湾に関するもの三十四件、國立公園に関するもの十一件、その他十二件となつています。  まず、治山治水に関する請願は総数二百八十六件に上り、議会史上類例を見ないところでありまして、その内容は、河川の改修工事、砂防工事、地滑り防止対策及び災害復旧工事等の促進、堰堤、運河、防潮堤防等の施工及びその工事費國庫負担の増額等につき政府において必要なる措置を講ぜられんことを要望しているのであります。特に砂防工事、過年度風水害復旧工事の完成、戰時中中止となつた諸工事の復活及び今年の大風水害府縣に対する復旧費の全額國庫補助等に対する請願がその大多数を占めているのであります。また長野縣、新潟縣等に頻発する地滑りは、一瞬にして山腹を崩壊し去り、その被害の甚大なること、その別名を山津波とも称するゆえんでありまして、これが対策としては、砂防工事以外にありませんので、この際、從來等閑視されがちであつた砂防工事を最優先的に取扱い、砂防工事施行年度を繰り上げ、工事費を思いきつて増額し、土砂の流出を軽減し、災害を未然に防止し、もつて民心の不安を除去し、食糧の増産に寄與せられたいというのであります。さらに、近年相ついで頻発する風水害と、戰爭中の過伐、濫伐、濫掘等に基因しまして、全國の河川はほとんど漏れなく満身創痍となり、随所に弱点を露出し、一たび大降雨到らば、たちまち破堤溢水せんとする危險状態に直面しているので、流域住民は、融雪降雨の時期ともなれば、戰々兢々として、安んじて生業に從事することもできない状況にあることに思いをいたし、國費多端の現状とはいえ、この際一時的因循姑息の対策を一擲して、全國主要河川の抜本塞源的の改修計画を樹立し、政府をしてこれが実施に萬進せしめ、もつてわが國の直面する生産の増強と民生の安定に寄與されんことを切望しているのであります。また今秋の颱風により、ほとんど全縣下にわたつて大風水害を受けました東北、関東の諸縣を初めといたしまして、全國的にひとしく地方財政の逼迫を訴え、災害復旧費の全額國庫補助を希望しております。  次は、道路に関する請願でありまして、その要旨は、申すまでもなく國道の改修促進、生産道路の開設、林道の開設改修、橋梁の架設等に関するものであります。戰時中、道路はほとんどその改修工事を中止され、荒廃したままに放置されながら、くびすを接する交通量のもとに酷使されてまいりましたが、終戰後、船舶の喪失、車輛の減少等に基因し、海運及び鉄道の輸送力がとみに低下いたしましたために、大量の交通運輸の負担が道路にかかつてまいりましたことに鑑み、道路網の整備は、再建途上のわが國にとり喫緊の要務であるというのであります。たとえば、水害地帶における流失橋梁及び道路の復旧はもちろんのこと、本州中部地帶の横断道路、東北、山陽方面の縱貫道路、関門國道トンネル等の諸工事の促進のごときは、單に地方的交通路線の確保のためのみならず、生産力増強の見地より強く要望されているところであります。  次に、港湾に関する請願は、港湾改修及び浚渫工事の促進、開港場指定重要港湾または指定港湾への編入國際観光港の設置、軍港より商港への轉換整備等であります。わが國の港湾は、戰災のため幾多の上屋、倉庫、荷役設備等が破壞燒失し、これに加うるに、各施設の維持補修を放置しているため著しくその機能を低下し、ために進駐軍の好意に基く諸物資の陸揚げ、あるいは石炭を初め各種の復興用資材の輸送等にもその円滑を欠いている窮状に立ち至つているのみならず、貿易再開の準備施設としても、あるいは諸外國より観光客誘致の見地よりしても、はたまた遠洋漁業に進出する抱負よりしましても、各地の港湾を修築拡張し、所要の施設を整備することは現下の急務であるという見地から、これまた熾烈なる要望となつて現われているのであります。  次は、國立公園に関する請願であります。その要旨は、由來わが國が遊覧観光地たるの素地を有することは世界的に知られているところでありまして、全國到るところに白砂青松の海浜、島嶼や湖沼、懸崖を点綴する日本的特色豊なる温泉地帶、高原地帶等が散在し、四季を通じての景観を誇つているのでありますから、文化國家として立ち上る門出として、わが國天與の景観を國立公園指定しまたは編入して、これを保護、開発し、國際的観光地たるの実を完備せしめ、外客を誘致して、もつて國際親善に寄與したいというにあることは申すまでもありません。政府におきましても、目下既存の十三國立公園のほかに、さらに十数箇所を選考中の趣きでありまして、これら諸請願地域は、おおむねその候補地と合致しているようであります。  その他総合的國土計画の樹立、食糧増産の見地よりする用水路工事の促進、旱害対策に対する國庫補助及び遅遅として進捗を見ないために窮地に立つている戰災諸都市に対する政府の特別なる措置要望等に関する諸請願は、熱意あふるる紹介議員の御説明とともに、その趣旨まことに共感をそそるものがあつたのであります。  本委員会におきましては、去る十二月五日までに付託されましたる請願につきまして、親しくそれぞれの紹介議員より詳細かつ熱心なる説明を聽取し、これに次いで政府側の意見を求め、さらに引続き各委員の熱心なる質疑應答がなされたのでありまして、最後に、各請願につき愼重審査いたしました結果、本日上程の三百三十四件は、國土の復興保全、資源の利用開発、貿易の振興、観光國策推進等の見地から、そのいずれもが國土の再建に挺身しつつある國民諸君の眞実の叫びであり、喫緊の案件であると認めまして、議院の会議に付したる上採択すべきものと議決いたし、議院において採択の上は内閣に送付するを適当と認めた次第であります。なお、委員会における紹介議員の説明並びに審査の詳細に関しましては、速記録によつて御承知願いたいと存じます。  以上一括して、簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)
  73. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 請願日程第一ないし第三三四は、委員長報告の通り採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて請願日程第一ないし第三三四は、委員長報告の通り採択するに決しました。      ————◇—————  第三三五 刑法の一部を改正する請願(第六号)  第三三六 司法行刑保護に関する請願(第一五四号)  第三三七 多治見市に岐阜地方裁判所支部設置請願(第一九一号)  第三三八 函館市に札幌高等裁判所支部並びに札幌高等裁判所等檢察廳支部設置請願(第二六九号)  第三三九 吉沼村及び高道祖村を下妻簡易裁判所管轄に編入請願(第三一九号)  第三四〇 伊東警察署警察官の職権濫用並びに住居侵入に対し公正なる司法権発動の請願(第四五六号)  第三四一 帶廣市に札幌高等裁判所支部並びに札幌高等檢察廳支部設置請願(第五七四号)  第三四二 高鍋町に簡易裁判所設置請願(第五九〇号)  第三四三 岡山市に廣島高等裁判所岡山支部設置請願(第六八〇号)  第三四四 美瑛町に登記所設置請願(第九二二号)  第三四五 郡山市に仙臺高等裁判所支部請願設置(第一〇二八号)  第三四六 關町に簡易裁判所及び区檢察廳設置請願(第一一九六号)  第三四七 司法保護事業及び行刑保護事業の功労者表彰の請願(第一四九九号)
  75. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 請願日程第三三五ないし第三四七は同一の委員会に付託した請願でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員委員山下春江君。    ————————————  請願(日程第三三五ないし第三四七)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔山下春江君登壇〕
  76. 山下春江

    ○山下春江君 ただいま議題と相なりました刑法の一部を改正する請願外十二件の司法関係の請願について、司法委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず、請願の内容について申し上げます。司法関係の請願は、大体四種類に分類せられます。すなわち、裁判所等設置に関するものが九件、司法法規の改正等に関するものが二件、司法行政に関するもの及び司法行刑保護事業に関するものがそれぞれ一件、計十三件でございます。  第一に、多治見市に岐阜地方裁判所支部設置請願外八件の裁判所等設置に関するものを一括して申上げますと、高等裁判所支部の設置請願する都市は、凾館市、帶廣市、岡山市及び郡山市の四市で、地方裁判所支部設置請願する都市は、多治見市であります。簡易裁判所設置請願する町は、宮崎縣の高鍋町及び岐阜縣の関町の二箇所であります。さらに北海道の美瑛町に登記所設置請願があり、茨城縣吉沼村及び高道祖村を下妻簡易裁判所の管轄に編入されたいとの請願も出ております。これらの請願の理由は、いずれも政治、経済、文化、交通の諸方面において地方的中心であり、訴訟事務もまた繁忙な都市であるから、それぞれ裁判所支部等をぜひ設置または管轄に編入せられたいというのであります。  以上の請願に対する政府の意見を求めましたところ、まず裁判所支部設置については、懇談会において最高裁判所当局より、今年度は支部設置の予算はないけれども、非常に不便な地域で緊急必要と認める所は、予算の許す限り設置する考えであつて、明年度には少くとも高等裁判所支部十箇所を設置するための予算を組む方針である、請願の諸地域は、趣旨もつともの地域であると考えられるので、できる限り趣旨に副いたいとの意向でありました。簡易裁判所につきましては、最初の方針としては、一警察署に一簡易裁判所の予定でありましたが、財政上の都合により、二警察署に一簡易裁判所となつたために、地域によつては訴訟上非常な不便を來したところもありまして、遺憾であると思うので、でき得る限り請願の趣旨に副うようにしたい、なお裁判所が設置されたならば、檢察廳も当然に設置されるものと了解されたいという旨の政府の答弁がありました。  第二に、刑法の一部を改正する請願外一件の司法法規に関する請願は、両請願とも刑事法規の改正に関するもので、その内容は、前科抹消と刑の執行猶予に関するものであります。これらの請願事項中の大半は、すでに第一回國会における刑法の一部改正により実現を見たところであります。未だ実現しない部分について政府の説明を求めましたところ、次回の刑事法規改正の際によく考慮したいという答弁でありました。  第三に、司法行政の請願といたしましては、伊東警察署警察官の職権濫用並びに住居侵入に対し公正なる司法権発動の請願でありまして、これに対しましては、政府より、実情を調査し、報告を徴した上、請願の趣旨をくんで何分の処置をとりたいという答弁がありました。  第四に、司法保護事業及び行刑保護事業の功労者表彰の請願につきましては、趣旨はまことに賛成で、從來の表彰はなおうらみがあると考える、政府においては、現在予算面において考慮中であるが、さらに將來根本的に栄典制度の上に大きく取上げたいとの意向が政府より述べられております。  委員会は、十一月十二日、十四日、二十日と審議を続けましたが、本月五日、井伊誠一委員より動議の提出があり、次のように決定したのであります。すなわち、以上十三件の請願はいずれも議院の会議に付することを要するものでありまして、これを採択すべきものと決定し、内閣に送付することを認めた次第であります。  以上、司法関係の各請願に対する御報告を終ります。(拍手)
  77. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 請願日程第三三五ないし第三四七は、委員長報告の通り採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて請願日程第三三五ないし第三四七は、委員長報告の通り採択するに決しました。      ————◇—————  百貨店法を廃止する法律案内閣提出
  79. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、百貨店法を廃止する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  80. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  百貨店法を廃止する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。商業委員会理事細川八十八君。    ————————————  百貨店法を廃止する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔細川八十八君登壇〕
  82. 細川八十八

    ○細川八十八君 ただいま議題になりました百貨店法を廃止する法律案の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、昭和二十二年九月二十日本商業委員会に付託せられ、九月二十二日商工大臣より提案理由の説明を聽取し、爾來審議を重ねること九回に及んだ次第であります。  本法律案の提案趣旨は、簡單に申し述べますれば、百貨店組合に関する事項と、百貨店営業に関する規定とにわかれるのであります。まず組合に関する規定は、戰時中に設けられた統制に関するものでありまして、私的独占禁止法の趣旨に反する部面もあり、この際これを廃止する必要があるのであります。次に、百貨店営業に関する取締規定は、一面独占禁止法による精神に合致するものであり、百貨店法廃止の結果は、百貨店営業の自由競爭を促進し、消費者大衆に多大なる利便をもたらすものと考えられるので、この際百貨店法を全面的に廃止するを妥当と認め、本法案を提出した理由であります。  しかるに、百貨店法を廃止することにより、その厖大なる資力、信用及び営業規模をもつて、自由奔放にその企業活動を許すにおいては、中小商業者のこうむる脅威はまことに甚大であつて、本委員会においては、屡次にわたり各委員の熱心なる研究と実情調査の結果、これが廃止に極力反対いたしてきた次第であります。各委員の反対したおもなる理由は、一、現在の中小商業者の経営実体は、本法の廃止により甚大なる打撃をこうむるおそれあること、二、百貨店営業の不当なる進出は、私的独占禁止法の規定により、必ずしも有効適切にこれを阻止することは不可能であること、三、現在の中小商業者の中には、多数の不幸なる戰災者、引揚者を擁しており、彼らの生活権擁護は、かかる面からも温かく配慮せらるるべきことなどであります。なお関係方面とも緊密なる連絡をとり、種々意見の交換を行い、各委員の意のあるところを十二分に開陳した次第であります。よつて本委員会においては、本日午前、全員参集の上最後的協議を行つた結果、討論を省略し、左のごとき附帶決議を付して原案通り可決することに決定いたした次第であります。  次に、附帶決議を朗読いたします。    附帶決議  百貨店営業取締りに関しては、次の國会において適当なる法的措置を講ずる。 右、御報告申し上げます。(拍手)
  83. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  消防組織法案(内閣提出
  85. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、消防組織法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  86. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  消防組織法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長坂東幸太郎君。    ————————————  消防組織法案(内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔坂東幸太郎君登壇〕
  88. 坂東幸太郎

    ○坂東幸太郎君 ただいま議題となりました消防組織法案に関し、治安及び地方制度委員会における審議の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。  本法案は、十一月二十五日本委員会に付託され、十二月四日政府当局より提案理由の説明を聽取いたしました後、三回にわたり審議を行つたのでありますが、まず本案の要旨について簡單に御説明申し上げます。  第一に、消防制度は從來警察制度の一部門でありましたが、今回の警察制度の根本的改革に伴いまして、警察より消防を分離独立せしめたのであります。  第二に、從來内務大臣の指揮監督のもとに警察権の範囲に属していた消防も、徹底した民主化及び地方分権の趣旨に從い、全部市町村の責任に移したことであります。すなわち、消防は市町村長がこれを管理し、市町村には、消防團のほか、必要に應じて專任消防職員を置き、消防本部、消防署、さらに消防の訓練期間を設け、その責任を遂行していくことといたしたのであります。從つて、これによつて、從來警視廳初め十三府縣警察部に属していたいわゆる官設消防は、あげて市町村に移管されることとなり、ただ消防の訓練期間のみが都道府縣に残ることとなつたのであります。  第三に、消防に関する國の機関として、國家公安委員会のもとに國家消防廳を設置いたしますが、これは市町村の消防に対する何らの指揮命令権を有するものではなく、市町村の消防の発達のために各種の試驗研究、消防器具等の檢定法規の研究等を行うもので、この点、從來のごとく國、都道府縣知事、警察署という指揮監督系統が完全に廃止され、國と都道府縣と市町村との間には、何らの指揮監督の系統はなくなるわけであります。ただ國家消防廳は、市町村より都道府縣を通じて消防統計及び情報を徴することができるとともに、市町村より要求があれば、消防に関し助言を與え、もしくは設備、資材の斡旋をなすことができることとしたのであります。  第四に、以上のごとく消防が個々の市町村の責任に属することとなつた関係上、地震、台風その他の大きな水火災に際しての災害防禦措置に関しては、國家消防廳、國家地方警察、都道府縣知事及び市町村長の相互間において、あらかじめ協定することができることとして、個々の市町村で解決し得ない場合の措置を規定したのであります。その他の消防組織に関する規定につきましては、先日御審議いただきました警察法案に規定されました警察組織に準じて規定されております。以上が、本案の要旨であります。  次に、委員会において行われました質疑應答のおもなる点は、警察法案の審議の際に問題となつたものでありまして、消防訓練機関に関し、警察法案の警察大学校におけるがごとく、本法案においても、國家消防廳に消防大学校を設けてはいかん、あるいは警察法案の修正のごとく、消防法案も修正すべし等の問題がその主たるものでありまして、詳細なる点は会議録をごらんいただきたいと思います。  以上の質疑應答により、原案を多少修正する必要が起り、本十二月八日の委員会において、門司委員より各派共同の修正案が提出せられ、この修正案は満場一致をもつて可決し、ここに消防組織法案は修正議決いたした次第であります。  修正案は、警察法案に対する修正と同趣旨のものでありまして、第一に、第十條第一項中「市町村長」を「市町村」に改め、同條第三項中「市町村長の承認を得て、消防長」を「市町村」に改めること。第二に、第十三條中「承認を得て、」を「定める基準により、」に改めること。第三に、第三十三條中「國有財産または國の所有」を「國有財産若しくは都道府縣有財産又は國の所有若しくは都道府縣有」に改め、同條第二項として「前項の場合において、これに伴う負債のあるものは、その処分については相互の協議により、これを定める。」こととした点であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  89. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  消防法案(治安及び地方制度委員提出
  91. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、治安及び地方制度委員提出、消防法案は、委員会の審査を省略して上程し、その審議を進められんことを望みます。
  92. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  消防法案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。治安及び地方制度委員長坂東幸太郎君。     〔坂東幸太郎君登壇〕
  94. 坂東幸太郎

    ○坂東幸太郎君 ただいま議題となりました消防法案について、治安及び地方制度委員会を代表して、提案の理由及び本案の要旨を簡單に御説明いたします。  まず最初に、本案起草の経過について申し上げます。本委員会は、十月二日消防法案起草のため小委員を選定いたしました後、小委員会を開くこと五回及び協議会を開くこと数回にわたり、川橋小委員長のもと、直接起草に当られた中垣委員及びその他の委員の非常なる努力によつて、十一月十九日一應小委員会の成案を決定いたし、十二月六日、小委員会成案を本委員会に報告せられ、今十二月八日、委員会の成案を決定いたして、ここに提出の運びとなつた次第であります。  次に、本案の要旨を簡單に申し上げます。消防法案は、政府提出の消防組織法案と一体となつて、消防の完璧を期さんとするものでありまして、消防組織法案と同樣、警察制度の根本的改革に伴い、消防を警察より分離独立せしむることとなつたので、ここに提案する次第でありますが、消防組織法案の委員長報告の際に申し述べました通り、消防法案は、消防の実体的規定、すなわち水火災等の予防警戒並びに水火災等の救護等に関し規定したのでありまして、主として消防予防がその主たる内容となつております。  本法案は、まずその目的として、火災を予防警戒及び鎭圧するとともに、火災時における人命及び財産を救護し、もつて安寧秩序を維持し、社会公共の福祉の増進に資することを規定しております。以下、第二章に火災予防について、第三章に火災鎭圧について、第四章に捜査及び調査について、第五章に雜則として風災、震災その他の災害の警戒、防禦及び救護の事務について規定し、最後に本法案に規定する事柄について違反ある場合の罰則について詳細に規定したのであります。以上が、本案の要旨であります。  本案は、内務省解体に伴う警察制度の根本的改革による警察法の制定、消防組織法の制度と相まつて制定せられるものでありまして、現在一日一億以上にも及ぶ火災による損害の実情に鑑み、火災予防のために全力をあげるため、消防職員の権限を強化して火災予防の充実を期すべく、立入檢査、調査等の問題について規定したのであります。  ここに、本案起草にあたり委員諸君の熱心な御努力に対し厚く感謝いたしまするとともに、何とぞ諸君の御賛同を賜わらんことを切望するものであります。(拍手)
  95. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決されました。      ————◇—————  会計檢査院法の一部を改正する法律案内閣提出
  97. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、会計檢査院法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  98. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  会計檢査院法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事川合彰武君。    ————————————  会計檢査院の一部を改正する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔川合彰武君登壇〕
  100. 川合彰武

    ○川合彰武君 ただいま議題となりました会計檢査院法の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  会計檢査院法によりますると、会計檢査官の俸給は年五万円の定額となつておりまするが、最近の物價事情並びに檢査官の地位職責等から見て、これを大体國務大臣並みの俸給額とすることが適当であろうと思うのであります。現在國務大臣が受けておりまする俸給額は、各大臣について特に定額制はとつておりませんので、一々辞令を出し、官吏法、官吏俸給令の別表何号というような俸給を給するという制度をとつておりまするが、今日政府の考えておりまするところは、國務大臣は別途増額を考慮し、定額制をとる方針の下に着々研究を進めているのであります。從つて、この法が施行されますころ——この法は政令をもつて施行することになつておりまするが、國務大臣の俸給定額制ということを前提とし、これと同額、これに準ずる額を檢査官の俸給額ときめたいというのであります。  以上が、去る八月十四日政府より説明のあつた提案の理由でありまして、爾来委員会を開くこと五回、その間熱心なる質疑應答が交わされ、本日各派共同提案になる次のような修正案が提案されました。今これを朗読します。  附則を次のように修正する。  この法律は、國務大臣の俸給の額が法律規定で定められ、当該規定が適用される日からこれを適用する。 以上であります。  次いで討論を省略し、右修正案並びに修正部分を除く原案について採決いたしました結果、全会一致をもつて可決、よつて本案は修正議決いたした次第であります。以上、御報告申し上げます。(拍手)
  101. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  國が施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貸付及び使用料の徴收に関する法律案内閣提出)  市街地建築物法の適用に関する法律案内閣提出)      ——————————
  103. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、國が施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貸付及び使用料の徴收に関する法律案及び市街地建築物法の適用に関する法律案の両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  104. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  國が施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與または貸付及び使用料の徴收に関する法律案、市街地建築物法の適用に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。國土計画委員長荒木萬壽夫君。    ————————————  國が施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貸付及び使用料の徴收に関する法律案内閣提出)に関する報告書  [都合により最終号の附録に掲載]    ————————————     〔荒木萬壽夫君登壇〕
  106. 荒木萬壽夫

    ○荒木萬壽夫君 ただいま議題となりました二つの法律案に関し、國土計画委員会における審議の経過並びに結果の概略を御報告いたします。  最初に、國が施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與または貸付及び使用料の徴收に関する法律案に関し御報告申し上げます。  まず第一に、政府提案の理由及びその内容を御紹介申し上げます。現行の勅令たる、國において施行する内國貿易設備に関する港湾工事に因り生ずる土地又は工作物の下付又は使用料の徴收に関する件は、去る四月に國有財産法が改正になりまして、雜種財産は法律をもつて定める場合以外はこれを讓與することができないことになつたのであります。從いまして、昭和二十三年一月一日以降は失効することと相なつたのでございます。しかしながら、港湾の築造、管理及び運営上、本勅令の内容を引続き存置させる必要がありますので、本法案が提出された次第であります。  現存港湾は、御承知の通り第一種及び第二種重要港湾にわかれておりまして、前者、すなわち第一種重要港湾は、國がその築造に当つておるのでありますが、実際問題としては、その修築については、通常その費用の一部を地元の公共團体に、いわゆる地元負担金として負担させておるのであります。しかしてその反面に、本工事によりましてでき上りまする埋立地、岸壁、棧橋、浮標等の土地及び工作物の中で、公用又は公共用としまして國有として存置する必要のあるもの以外は、港湾の建設、保存、管理及び運営に当りまする主務大臣が、その工事費の一部を負担したところの公共團体にその負担額の範囲内でこれを無償讓與いたしておつたのでありまするし、また港湾工事によつてできましたところの港湾施設を公共團体に管理いたさせますることが、港湾の管理運営上適当でありますので、港湾工事によつて生じましたところの土地または工作物の中で、公共の用に供しますために國有として存置する土地または工作物を、主務大臣は工事費の一部を負担いたしました当該公共團体に無償で貸付けまして、その維持管理に当らせまするとともに、その使用者から公共團体をして使用料を徴收せしめて、その收入となさしめていたのでありますが、今後も引続いて以上のような方針をとつていこうというのであります。  次に、政府委員との間に行われました質疑應答のおもなる点を御紹介いたします。すなわち、現行勅令と本法とはどんな点で相違いしているのか。これに対する政府側の答弁は、その一つは、現行勅令第一條中には、單にその工事の費用の一部を負担したる公共團体に無償で下付するというだけで、負担額の範囲内という制限を設けておらないのであるが、実施上の取扱いとしては、この趣旨で運用してきたので、新しく第二項を設けて、この旨を明確にしたのである。その二は、現行勅令では、内務大臣が主務大臣として本事務を担当することになつておるが、昭和十八年十一月一日から、港湾の建設、保存、管理、運営等はすべて運輸大臣の所管事項となつたので、内務大臣を運輸大臣と改めることとした。その三は、現行勅令第二條では、貸付けた土地及び工作物の維持補修は当該公共團体をしてこれに当らせる趣旨の明文を欠いていたのであるが、実際上公共團体をしてその任に当らせておつたし、また貸付けた國有財産は、貸付を受けたものが当然これを維持管理すべきものであるし、また使用料を徴收することも從來からの建前となつているので、これらの点を明瞭ならしめることとしたのであるというのであります。  かくて、討論を省略して、ただちに採決に入り、本法律案に対し採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決された次第であります。以上、簡單ながら御報告申し上げます。  次に、市街地建築物法の適用に関する法律案に関し御報告申し上げます。  まず第一に、政府提案の理由とその内容を御紹介申し上げます。学校、百貨店、車庫、アパート、興行場、病院、工場、倉庫、集会場、市場、屠場、旅館、下宿屋、寄宿舎、舞踏場等の特殊建築物については、保安衛生上、その位置、構造、設備等に関し適当なる取締法規が必要であるので、市街地にあつては市街地建築物法により、その他の地域にあつては独立命令として、都道府縣廳令によつて規定されてまいつたのであります。然るに、此の都道府縣廳令は、昭和二十二年法律第七十二号憲法施行の際現に効力を有する命令の規定効力等に関する法律により、本年十二月末日をもつて失効することになりますので、從前同樣の方針を継続するため本法律案提出された次第であります。  次に、政府委員との間に行われました質疑應答のおもなるものを御紹介いたします。  委員の質疑の第一は、市街地建築物法と臨時建築等制限規則との関係はいかがか。これに対する政府側の答弁は、臨時建築等制限規則は、臨時物資調整法に基く経済統制の一環として実施せられたものであつて、不急不要の建築を極力抑制し、これによつて浮いてきた資材を庶民住宅等の緊急を要する方面に活用しようとするものであるのに対して、市街地建築物法は、建築物を防災、防火、風紀、衛生等の見地から、特に公衆の利用する特殊建築物について、その構造や配置等を規制するために法的根拠を必要とするものであつて、両法、今はおのおの別個の使命を有するものである。  質疑の第二は、特殊建築物とはいかなるものか。これに対する政府側の答弁は、市街地建築物法第十四條に規定する学校、集会所、劇場、旅館、工場等であつて、公共的色彩の強いもので、特に保安、衛生、風紀等の見地から、一般建築物より強い建築規制を必要とするものである。  質疑の第三は、本法律案に基いて、今後いかなる措置をなそうとしているか。これに対する政府側の答弁は、從來独立命令として施行されていた都道府縣廳令に含まれていた各種の特殊建築物中、特に必要と思われる旅館、興行場、浴場、危險物処理所等について、保安、衛生の見地からする取締りの上に空白の時期を生ぜしめないように、とりあえず各都道府縣令中の必要な條項だけを閣令として拾い上げて生かしていきたいと思う。  質疑の第四は、市街地建築物法を全面的に改正する意向はないか。これに対する政府側の答弁は、市街地建築物法並びに関係法令は、大正八年に制定以來数次の改正は行われてまいつたのであるが、時代の進展とともに、また戰災都市の復興という面からも全面的に改正の必要を認め、適当の時期に國会に提案すべく目下研究中であつて、特殊建築物に関しても、その際詳細に規定するつもりである。從つて本法案は、それまでの間の暫定手段と必得えている。  質疑の第五は、特殊建築物に関する都道府縣廳令を失効させた方が、これらの建築が促進されてかえつて適当ではないか。これに対して政府の答弁は、お説のような効果もいくらかあるとしても、それ以上に公共の保安衛生等の立場から特殊建築物を規制する必要性が痛感されるので、本法案によつて継続していかねばならぬと考えている。また從來府縣廳令によつて規制されていた程度以上にきつくするつもりではないから、從來以上に建築に支障を來すわけではない。  最後に、足立梅市君、村瀬宣親君、内海安吉君及び今村忠助君より、異口同音に特に開陳されました質疑は、現行の特殊建築物に関する都道府縣廳令の内容を見るに、その対象建築物及び規制の内容は、各地方の実情に即應させるために相当の差異が生じているようである。しかるに、本法律案によれば、市街地建築物法が全國画一的に適用され得ることとなるので、文字通りに適用するならば、府縣次第によつては、無用の廣範囲にまで取締りを強化されるおそれがある、先ほど政府側が述べられたように、本法に基く閣令は、現行都道府縣廳令の内容をそのまま生かすように規定するとはいうものの、政府当面の責任者次第によつては、いささかの不安なしとしないが、この点に関する政府の良心的な見解を質しておきたいというのであります。これに対し政府側の答弁は、本法律案に基く閣令は、現行の内務省令及び都道府縣別の各廳令に定むる規制対象物件の種類と規制内容以上のものを規定せんとする必要を認めないし、また從つて、さような考えは政府としてもつていないことを繰返し責任をもつて申し上げたい、なお本法律案は、内容的に多少明僚を欠くきらいがあるが、何分にも時間的に余裕もなかつた実情であるから、本法案の運用に際し、閣令の面において御懸念のような結果にならぬよう、御意見のあるところを十分に具現したいと思うということでありました。  かくて、討論を省略いたしまして、本法律案に対し採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決された次第であります。以上、簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)
  107. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。     —————————————
  109. 安平鹿一

    ○安平鹿一君 殘余の日程を延期し、明九日午前十一時より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  110. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。  議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後六時十七分散会